D.C.P.K. ~ダ・カーポーカー~
【だ・かーぽーかー】
ジャンル
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コスプレでHなポーカー+ドキドキADV
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対応機種
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Windows 2000/XP/Vista
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発売・開発元
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CIRCUS
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発売日
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初回版:2008年2月29日 通常版:2008年3月28日
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定価
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初回版:8,800円 通常版:7,800円
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レーティング
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アダルトゲーム
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判定
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なし
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D.C. ~ダ・カーポ~シリーズリンク
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概要
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『I』と『II』のコラボレーションファンディスク。
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タイトル通り、アドベンチャーの合間にポーカーゲームが行われる。
ストーリー
その日は、星の綺麗な夜でした。
特別なことはなく、とても平和な一日。
初音島の夜は、静かに過ぎていく――ハズでした。
夜空にキラメク三連星。
乙女チックで、メルヘンなお星様。
少年は、星空を眺めていました。
なんと、ビックリ!
落っこちてきたお星様は、
見事、大きな桜の木にぶつかってしまいました。
大きくて、真っ白な光が初音島を包みます。
そして、少年は目が覚めました。
そこは見知らぬ森の中。周りには、見覚えのある友達。
少年は呟きます。
「――ここ、どこ?」
不思議な桜が咲く島の、不思議な夜。
――少年の不思議な旅が、始まります。
(公式ホームページより引用)
キャラクター
+
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主人公とボイスのあるキャラのみ記載
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赤文字
は攻略対象のヒロインを表す。
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I
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朝倉純一
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朝倉音夢
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芳乃さくら
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白河ことり
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天枷美春
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胡ノ宮環
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紫和泉子
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杉並
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II
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桜内義之
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朝倉音姫
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朝倉由夢
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白河ななか
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天枷美夏
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雪村杏
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月島小恋
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花咲茜
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板橋渉
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杉並
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芳乃さくら
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椎恋
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本作のオリジナルキャラクター。主人公にフォースカードバトルのルールを教える案内役。
主人公の純一と義之、両作品にいるさくらと杉並以外はどちらのルートにも登場する。
茜と渉のボイスはAVGパートにのみ有。
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特徴
ストーリーの間に発生するポーカーは「テキサス・ホールデム」のルールで行われる。
賭けに使われるものは、さくらチップとフォースカードの2種類あり、前者は賭けポーカー、後者はフォースカードバトル(以下FCB)と呼ばれる。
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フォースカード
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舞台となる「王都」の通貨「さくらチップ」数枚によって生み出されるカード。レベル1からレベル4の4種類とSP(スペシャル)カードの計5種類が存在する。
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レベル2以上のカードはレベル1数枚分として扱われ、さらに賭けに出した際に特殊な効果を発揮する。
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スペシャルカードはヒロインの数だけ存在し、フラグを立てたヒロインのものをシナリオ終盤で入手出来る。一度入手したスペシャルカードは次週以降、最初から所持した状態になっている。
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FCB
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通常の賭けポーカーでは賭けに出されたチップが全て勝者のものとなるが、FCBでは賭けに出されたフォースカードの内、勝者のものだけ所有者に戻り、敗者のものは同試合では使用できなくなる。
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FCBは画面上部にいるトップランナーの手持ちを0にすればプレイヤーの勝利となる。ただし、終盤になると他のCPUの手持ちも0にしないと勝利にならない。
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キャラゲーとしては当然だがCPUのAIは割とキャラの性格を反映している。
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ノーペアでも強気に出る杉並、こちらが強気にレイズするとフォールドしやすい小恋など。
問題点
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全体的に低品質なシナリオ
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外伝作品とはいえ、AVGとしてはボリューム不足。
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ヒロイン毎のイベントが似たようなコピペ気味の展開となっており、イマイチ差別化に乏しい。余計にボリューム不足が目につく。
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特に『II』のEDは、対象のヒロインと目が合う→お互いに王都での出来事を思い出す→赤面、という流れがどのヒロインも変わらず、しかも変わる部分はここだけ。『I』のEDに至ってはどのヒロインでも変わらない。
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各18禁シーンはさすがに差別化されているが、いずれも夢オチのようになっている。さらに『II』の場合はいつの間にかベッドで寝ている二人→ベッドからヒロインが着用していたものと同じコスプレ衣装が見つかる、という同じ流れ。
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そもそも『I』と『II』のストーリー自体、物語の流れが似ており、この時点でイマイチ差別化されていない。
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ほぼ作業となる周回プレイ
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この手のAVGで周回プレイは基本だが、本作は上記のようにヒロイン別のイベントがあまり差別化されておらず、周回プレイするほどの魅力が薄い。『I』と『II』をそれぞれ1度クリアした後は作業プレイになりがち。
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ポーカーはルールの都合上、勝敗はほぼ運頼みになるため、2周目以降は非常にだるい。
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特に通常の賭けポーカーはチップが行ったり来たりして勝負がなかなかつかない事も多く、非常に面倒。
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『II』ルートにおける不具合
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FCBは終盤以外でも何故か全てのCPUを手持ち0にしなければならない。FCBのルール説明自体は『I』ルートと同じなので思いっきり矛盾している。
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『I』ルートでは1戦ごとにFCBのデッキ調整が可能なのだが、こちらは4戦辺りまで何故かシナリオがどんどん進んでしまう。
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ヒロインの数が『I』が5人で『II』が6人と何故か不揃い
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作中の設定上、さくらをヒロインに出来なかったのは分かるのだが、何故5人にしたのかは不明。
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この結果、『II』ルートではボイスのないトップランカーが登場することに。
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極端な音量設定
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ポーカー中の和泉子を除くボイスの音量がBGMやSEに比べて何故か異様に小さい。
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その他の問題点
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FCBでは、プレイヤーは枚数制なのに対し、CPUは何故かポイント制とルールが違っている。
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おまけモードでポーカーをすることが可能だが、プレイできるのは賭けポーカーのみで、FCBはプレイ不可能。何故?
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細かい点ではあるが、ジャンルに「コスプレでHなポーカー」とあるが、実際のところ誰もコスプレでポーカーはしていない。コスプレだけならヒロインほぼ全員が作中でしているが…
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ちなみに、パッケージでは音夢とことりがコスプレをしているが、作中では二人のコスチュームは逆である。
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スペシャルカードは前述のようにヒロインの数だけ存在するのだが、その強弱の差はかなり大きい。
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スペシャルカードの詳細
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まず小恋のSPカードが群を抜いてぶっ壊れた効果を持っている。
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このカードを場に出した時点でそれまで賭けられていたフォースカードは強制的に破棄される。つまりは役勝負で勝とうが負けようが相手のポイントを減らすことが出来る。相手のポイントが0の時に出せば、ショウダウンの結果に関わらず、その相手は敗退となる。これってポーカーと言えるのだろうか?
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次点で強力なのがトップランカー以外の強制フォールド効果を持つ美春のSPカード。
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闇雲に使っても効果は薄いが、トップランカー以外の誰かと1対1になれば、このカードを出した時点でショウダウンを行う事なく勝利となる。トップランカー以外の誰か一人以外が敗退している状態ならこのカードを出し続けるだけで相手を敗退に追い込めてしまう。小恋のSPカードよりは幾分か状況を選ぶが、強力なカードなのには違いない。
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他に役立つのはレイズ+の効果を持つ音姫と美夏のSPカード。
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非常に単純明快な効果だが、上記の二つと組み合わせれば相手のポイントを大きく減らすことが可能。
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一方でそれ以外のSPカードはどれもイマイチ
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相手一人の手札を見ることりのSPカード、次に出る場札を知ることが出来る環のSPカード、指定した相手の手札を一枚見るななかのSPカード、ランダムで誰かの手札の数字を見る杏のSPカードは駆け引きに役立つものだが、そんな駆け引きをするぐらいなら美春のSPカードで強制フォールドさせた方が楽。
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手札を一枚交換できる音夢のSPカード、場札のいずれか一枚をランダムで交換できる和泉子のSPカードは役が出来るかは結局運次第であるため、役に立つとは言い難い。
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次に出る場札のマークを指定できる由夢のSPカードは確実性がある分、上記のものよりはマシだが、まともに勝負をするよりは美春のSPカードや小恋のSPカードで無理やり勝利を手にする方が確実性があるため、やはり微妙。
ちなみに、ヒロイン達の中で自身のSPカードを使うのは音姫と美夏のみ。他は強すぎるために使わないようになっている、CPUには意味がない・効果が限定的すぎるなどの理由で使われないのだろうか…
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評価点
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やはりD.C.シリーズだけあってか、曲はいいものが揃っている。
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『II』ルートの挿入歌兼エンディング曲「君の空に」は『II』本編が泣きゲー的面があったためか、悲壮的な曲だが、作中の使用場面には合っていると言える。
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ちなみに、歌っているのはアニメ・コンシューマにおける小恋のCV担当の南條愛乃(スタッフロールでは愛乃名義)。
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初めて『I』と『II』のクロスオーバーが行われた。
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コラボ自体は『C.D.C.D.』で行われているが、作中で両作品のキャラが共演したのは本作が初めてである。低品質ながらここは見どころと言えるだろう。
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もっとも、作中ではほとんどのキャラが記憶を封印されているという設定上、残念ながらそこまで大がかりなクロスオーバーは見られない。精々「苗字に反応する」「知り合いに似ている」「他人のような気がしない」程度。
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ある程度の再現性があるSPカード
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SPカードの効果はヒロインが持つ力をイメージしたものが多い。効果の強弱の差は問題だが、これは評価出来る部分。
総評
アドベンチャー+ポーカーという意欲作ではあるが、残念ながらいい評価が得られたとは言いがたい。
『D.C.』が好きな人はプレイしてみるのもいいが、過度な期待はしない方がいいだろう。
余談
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主題歌はyozuca*では無く、Cy-Rim rev.というバンドが担当している。
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2019年1月25日に発売された『D.C.アーカイブス SAKURA Edition』に本作が収録されている。
最終更新:2023年03月18日 09:24