にとうしんでん
【にとうしんでん】
| ジャンル | 格闘アクション |  
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| 対応機種 | プレイステーション | 
| メディア | CD-ROM 1枚 | 
| 発売元 | タカラ | 
| 開発元 | ジャパン ヴィステック | 
| 発売日 | 1996年9月20日 | 
| 定価 | 5,800円(税抜) | 
| プレイ人数 | 1人~2人 | 
| 判定 | なし | 
| ポイント | 学園版『闘神伝』 格闘っぽい対戦ゲーム
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| 闘神伝シリーズ | 
 
概要
『闘神伝』の番外編で、シリーズ唯一のジャパン ヴィステック開発作品。
パッケージやゲーム中のイラストは同社のスズキナヲコが手がけている。
タカラ学園で行われる学園祭を舞台に高校生という設定になり、デフォルメされ2頭身になった闘神伝キャラクターたちが1対1で勝負する。
同年4月にACで、7月にSSでリリースされた『バーチャファイターキッズ』と似ているが、因果関係は不明。
特徴
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登場キャラクターは隠し含めて全9人。うち4人が本作オリジナルである。
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そのうちの1人を選んでゲームをプレイする。CPU戦の他、もちろん対人戦も可能。
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シリーズ本編のキャラクターは『闘神伝2』に準拠したキャスティングだが、ヴァーム(ヴァーミリオン)のみ難波圭一氏から変更されている。
 
 
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シリーズ出演キャラクター(敬称略)
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エイジ (CV:大倉正章)
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エリス (CV:鉄炮塚葉子)
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ソフィア (CV:鉄炮塚葉子)
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トレーシー (CV:緒方恵美)
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ヴァーム (CV:井上和彦)
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従来作のヴァーミリオン(本作では愛称表記)。ノーコンティニュークリアで乱入する裏ボス。当然、銃も健在。プレイヤーも対戦モード限定で操作可能。
 
 
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本作オリジナル
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リュウジ (CV:子安武人)
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リカ (CV:高橋里華)
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シュウ (CV:中原茂)
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バイフー (CV:立木文彦)
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ちなみにリカは、タカラのリカちゃん人形と、声を担当した高橋里華の双方を元ネタにしたキャラクター。メインとして扱われており、本作の操作説明のチュートリアルではリカと実写の高橋が並んで登場し解説している。
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本作オリジナルのキャラクターは、本作の続編も出なかったうえに『闘神伝 昴』が発売される前のオールキャストが登場する『闘神伝カードクエスト』でも欠場したため、一作きりのキャラクターとなってしまった。
 
 
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全体的にかなりコミカルなノリ。
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エイジの烈空斬がタコウインナーになっていたり、リュウジの技「ソニックブレード」はサッカーボールを取り出して蹴る、リカの武器はピコピコハンマーと、ワイワイした雰囲気となっている。
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また、「マイム」という描画方法により、キャラクターや背景が常にゴムのように伸び縮みする。
 
 
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本家と違い、リングアウトは無い。
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四方を壁に囲まれた高低差の無いステージでの勝負になるが、後の『闘神伝3』とも違って壁を利用した跳ね返りやコンボは存在しない。
 
評価点
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独特なアクション。
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まず、一般的な格ゲーにある方向キー入力を伴うタイプの特殊技・必殺技が存在しない。
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○×△□ボタンで通常攻撃が繰り出され、それらを組み合わせてテンポ良くコンボにする。4回以上攻撃をヒットさせる事で相手は高く吹き飛ぶ。
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△で縦攻撃、□で横攻撃、○で突き攻撃、×で足払い、R1で必殺技(という名の遠距離攻撃)、L1・L2で手前奥側転。
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体力ゲージが赤い状態でR1・R2同時押しで秘伝必殺技が使用可能。
 
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ガードが存在しない。代わりに攻撃を受け流す「はじき返し」が存在する。
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攻撃をいなすには、はじくか側転で避けるしかないため、「凄まじい威力をもった武器を使っての対戦」という感覚についてだけなら本家を凌いでいる。
 
 
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ボタンを押す長さにより攻撃が大小に変化する他、全アクションキャンセル可。
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単純にボタン連打しても技はキャンセルされて全く出ないので、技が出終わったタイミングを見計らってテンポ良く押す必要がある。リズムアクションに通ずるものがあるかもしれない。
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以上の特徴から、ぱっと見は一般的な格闘ゲームの構成。しかし実際はガードを崩す要素が全くなく、逃げ回るのも難しいので独特なゲームプレイ感覚になっている。
 
 
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メニュー画面から操作を解説するムービーを数種類見る事が出来る。現在で言うチュートリアル機能とも呼べる。
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ムービーを見る形式なので、操作しながら学ぶというものではないが当時としては画期的。
 
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ロード画面には専用イラストが表示される。
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ロード画面のイラストとバトル中のナレーションボイスは、対戦相手側のキャラクターのものになるため、プレイヤーがその相手に挑みにいっているという印象が強まる。
 
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エンディングムービーがTVアニメのエンディング風に仕立てられており、90年代アニメ風のフォントと構成で、スタッフとキャストが紹介される。
問題点
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『闘神伝2(プラス)』に続きオープニングが実写。ゲームのオープニングで名前もどこの馬の骨かも分からない人のコスプレを見せられて誰が喜ぶのか。
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おまけにハードロック調のBGMが流れる。本編とかけ離れた格好いい物でありギャップが凄まじい。ギャグなのかもしれないが…。
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攻略本によると、『2(プラス)』の実写オープニングに出演していたメンバーをわざわざ再起用したらしい。誰得。
 
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内容が薄い。
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ヴァーミリオン以外の全員にエンディングが用意されているものの、基本的に「大会参戦」という名前のストーリーモードとCOM・2P対戦があるだけ。
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ストーリーモードの演出は、冒頭とエンディング間際に多少のセリフと一枚絵がある程度で、分岐なしの一本道構成。
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最終ボスが必ず同キャラ対戦になるのだが、それについての理由付けや演出なども特に無い。
 
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難易度も易しめで、格ゲーマニアには物足りなく感じるかもしれない。
 
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番外編とはいえ、キャラクター選出が微妙。
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せっかくの学園物パラレルという舞台であるにも拘らず、従来のシリーズからの出演はたった5人だけ。
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カインやデューク、ショウなどのエイジ以外の男性キャラクターが出なかった事を残念がる声もある。
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攻略本によると「本来はカインも登場するはずだったが、タカラ側の意向でトレーシーと入れ替えになった」とのこと。
 
 
総評
色々な意味で「なぜ作った」的な作品だが、本作オリジナルのキャラクターとゲーム性は悪くはない。
シリーズファンは是非、ファンアイテムとして押さえておこう。
最終更新:2023年06月06日 21:23