ザ セラー
【ざ せらー】
ジャンル
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カードゲーム
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対応機種
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ニンテンドーDS(ニンテンドーDSiウェア)
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発売・開発元
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アークシステムワークス
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発売日
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2012年6月27日
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定価
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200DSiポイント
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プレイ人数
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1人
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象)
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判定
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なし
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ポイント
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オリジナルのカードゲーム…でも一人用 あくまで値段相応
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概要
DS以降の「探偵 神宮寺三郎シリーズ」やKOTY大賞をとってしまった「アパシー ~鳴神学園都市伝説探偵局~」を発売しているアークシステムワークスが送り出したニンテンドーDSiウェアソフト。
ちょっと変わったシステムのオリジナルカードゲームである。
システム
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既存のカードゲームで一番近い雰囲気の作品を挙げるなら、『UNO』が若干似通っている。
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ただ、雰囲気が似ているだけでシステムは全くの別物である。
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まず、ゲームを始めると「資金」および以下の「取引材料」が配られる。
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取引材料の合計数はステージごとに固定だが、どれがいくつ配られるかはランダム。
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値段の安い方から順に家畜、水資源、電力、原油、共同経営、極秘情報、増築計画の7種類。
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勝利条件はこの取引材料を最初に全て手放すことである。
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手放すには「セルカード」というものを用いる。各資源に一種類+オールマイティがあり、一枚につき該当する取引材料一つを次の順番の相手に売ることが出来る。オールマイティは全ての取引材料に対して使用できる。
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当然、売ると相手からお金をもらうことになる。資金が尽きた場合破産となり、以降のゲームには参戦できない。また、自分以外の全員を破産させても勝利となる。
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使用できるカードには前述のセルカードの他、マネーカード、エフェクトカード、ファンクションカードがある。
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マネーカード…資金に関わる行動を行える。各カードに書かれた額面分実行され、同じ種類ならば複数枚同時に使える。
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インポーズ…次のプレイヤーから書かれている金額分、資金を奪う。
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プロフィット…共同基金から書かれている金額分、受け取る。
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ディスターブ…次のプレイヤーに書かれている金額分、共同基金に募金させる。
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エフェクトカード…それだけでは意味がないが、マネーカード、セルカードと組み合わせることで高い効果を得ることが出来る。
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×2、×3…セルカード、マネーカードの効果がそれぞれ2倍、3倍になる。
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セイム…セルカード使用の際、そのカードに書かれている材料を一度にまとめて売れるようになる。
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ファンクションカード…相手を邪魔したり、相手からの攻撃を防御するカード。1ターンに1回しか使えない(防御系カードを使うとそのターンはなにもできない)。
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ネクスト…前のプレイヤーからの攻撃を次の番の人になすりつける。
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キャンセル…前のプレイヤーの攻撃を打ち消す。最強の防御カード。
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ハーフ…被害額が半分になる。とりあえずの破産を防ぐ際に役立つ。
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リセット…全員の取引材料がシャッフルされる。ただし、内訳が変わるだけで総数は変わらない。基本的には自分の手元に使えるセルカードがない時に使う。
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ディスカード…自分を含めた全員の手持ちカードが半分になる。何が消えるかはランダムに選ばれる。
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シャッフル…全員の順番がランダムに入れ替わる。
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リバース…順番の回り方が逆になる。
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自分のターンでは他に、手札を3枚引くドローと、不要なセルカードを捨てることができる。
評価点
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オリジナルのカードゲームで、それなりに戦略性を持たせつつシステム面でも破綻していないこと。
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基本的に取引材料は消滅することがなく、プレイヤー間を行ったり来たりしている。
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しかし破産者の持っていた取引材料は以降のゲームでは扱われなくなるので、可能な限り大量の取引材料を他者に押しつけつつ破産させられると強い。
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一方で、貯めに貯めた渾身の大取引があっさりキャンセルで潰されたり、あるいは貯めまくったセルカードがディスカードであえなく消滅したり一発逆転の要素も多い。
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ネクストカードも面白い。このカードは嫌な取引を次のプレイヤーに回せる攻防一体のカードなのだが、キャンセルカードを使われると「直前のプレイヤーの攻撃を打ち消す」という効果の関係上、流したはずの攻撃が自分に直撃する。場合によってはハーフで被害を軽減させた方がマシなケースもある。
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CPUの思考時間は短く、テンポはいい。
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200円という格安の値段。プリペイドカードの余りを消費するのにピッタリ。
問題点
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対人戦向きのゲームなのに一人プレイ専用。
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CPU戦はそれなりに豊富に用意されているが、流石に何度もやると飽きる。対人戦要素があればもう少しやりこめたのだが…。
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低価格故に搭載できなかったのかもしれないので、この辺りは仕方がないか。
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一ゲームは比較的長く、根気がいる。
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中断機能はない。長丁場になっても10~15分ほどだが、膠着状態に陥る場合もあるのでダレる可能性もある。
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所詮カードなので、運が絡んでどうしようもなくなる可能性を含んでいる。
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とりあえず危険な攻撃への対処としてネクストかキャンセルは常に携帯しておきたい。それでもディスカードで割られる危険性は残るが…。
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キャラクターの個性は薄く、ストーリー性も皆無。
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一応それなりの設定と、主人公の性別選択はある(性別によって境遇が異なる)が、ゲーム進行自体への影響はない。
総評
総合的な出来は「携帯アプリに毛が生えたレベル」といったところ。オリジナリティはあるが、それ以外にとりたてて評価できるところはない。
折角のカードゲームなのだから、多人数で遊べればまた違う評価も得られたかもしれないが、一人用限定なのが惜しいところ。
とはいえ、もとより格安での販売が前提になっている作品である。あまり多くを求めずに「時間とプリペイドカードの余りを潰してみよう」ぐらいの感覚なら十分楽しめるだろう。
最終更新:2021年11月12日 14:50