I.Q Mania
【あいきゅー まにあ】
□概要
パズルゲームの名作『I.Q』シリーズの現時点における最新作。
最新作といっても2作目の『FINAL』をベースにした移植作品のような存在であり、本作独自の要素は薄い。
同時発売の『XIコロシアム』『爆風戦隊ボンバーメ~ン』同様ミニゲーム集が収録されており、さらに同時発売の2作品の体験版が収録されている。
基本的にゲーム内容はオリジナルと変更がない。
ゲーム内容に関しては『I.Q Intelligent Qube』を参照のこと。
■問題点
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処理落ちを始めとするゲーム内容の劣化
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fpsが落ちているのか、オリジナルよりやや操作感が鈍重で動きもカクカクしている。また移植元でも最終盤ステージで起こっていた処理落ちが序盤から起こり、全体的なゲームスピードがオリジナルより落ちてしまっている。
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顕著にそれを実感できるのが問題回答後のフォービドゥンキューブ流し。オリジナルでは流れるように素早く流れていったキューブが、かなりのスローペースになってしまっていて非常にテンポが悪くなっている。
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その他、ゲーム性に直接関連しない部分が色々と地味に劣化している。ステージクリア後の残存エリアを一行ずつ数えていく演出の消滅、問題回答時に画面左に流れていたスコア情報の消滅、キャラクターのボイス数の削減、ループの継ぎ目でいちいち切れるBGMなど。
 
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致命的なポーズの仕様
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カンニング防止のためか、オリジナルではゲーム中にポーズボタンを押すと表示されている問題が全てノーマルキューブへと変化し、ポーズ中は問題の詳細を見れなくなってしまう機能があった。ところが本作ではその機能が消滅してカンニングし放題になっている。
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やりこみを求めないライトユーザーにとっては些細な問題ではあるが、プレイに公正さを求めるなら非常に厄介な欠点である。
 
 
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「n個消し」の消滅
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本作以前ではすべての作品で可能だった、シビアながらも複数のキューブを1歩数で処理できることから重宝されたテクニック「n個消し」が本作では不可能となってしまった。
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このテクニックは多くの問題で歩数削減に役立ってきたやりこみの基本的なものであり、おそらく高みを目指す上級者にとっては一番痛手となる欠点であろう。
 
□評価点
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携帯機でできる唯一の『I.Q』…だった。
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すでに過去の評価点ではあるが、アーカイブスの配信前は本作は携帯機でできる唯一の『I.Q』であり、移植度はともかく代用品としてそこそこ受け入れられてはいた。
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現在は完全移植された『FINAL』がPSPでプレイできるため、その代用品として考えるなら本作に存在価値はほぼない。
 
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最初から全キャラが解禁されている。
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FINALではやや面倒だったキャラクター解禁の手間がかからないのは嬉しいところではある。
 
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初代と『FINAL』両方のBGMが収録されている。
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どちらのBGMも評価が高いのはオリジナルの記事で解説したとおりだが、本作の収録BGMは初代と『FINAL』のいいとこ取りになっており、ちょっとおトク。
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だが、音源がループの継ぎ目が自然なゲーム版ではなく、ループしないサントラ準拠の曲を無理やりループさせているのでブツ切れ感が否めない。せっかくのありがたみも半減といったところか。
 
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豊富な問題数
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宣伝の「過去3作+携帯アプリ版からの選りすぐりの問題を集結」という宣伝文句が正しければ、問題数だけなら全作品中でもトップクラス。
 宣伝文句の真偽を確認しようとすれば途方のない作業になるだろう。
 
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3人対戦が可能。
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3人という半端な数ではあるが、画面分割式でやや窮屈だったオリジナルの2人対戦とは違いPSPの全画面を使えるので新鮮。
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自分の隣のフィールドで戦う対戦相手のキャラを見ながらの対戦は臨場感があって悪くない。現在、対戦相手がいるかどうかは別として。
 
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ミニゲーム集と体験版
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配信や他プレイヤーとの共有で増やせるミニゲーム集は、小粒ではあるがそこそこ楽しめるが、『I.Q』目当てで買った人にとっては正直微妙な評価点だろう。
 
■総評
移植元から様々な部分が削られたことでゲーム性が劣化した典型的な劣化移植。
特に多くのプレイヤーを支えた基本的なトリック「n個消し」の削除は旧来からのプレイヤーに大きく批判された。
現在はアーカイブスで『I.Q』シリーズ最高傑作と多くのプレイヤーから評される『FINAL』がPSPでもプレイ可能になったため、携帯機における代用品としての価値も消滅してしまっている。
値段のことを考えても、購入はおすすめできない。
最終更新:2024年11月18日 05:57