魁!!男塾 冥凰島決戦

【さきがけ おとこじゅく めいおうとうけっせん】

ジャンル 対戦アクション
対応機種 ゲームボーイ
発売元 ユタカ
開発元 トーセ
発売日 1990年8月4日
定価 3,500円(税別)
判定 ゲームバランスが不安定
ポイント 男らしすぎる仕様
リーチの長さが全て
狼髏館~宝竜黒蓮珠ガン無視
少年ジャンプシリーズリンク


概要

人気漫画&アニメで知られる『魁!!男塾』をゲーム化したもの。主に「天挑五輪大武會編」を舞台にしたものになっている。 十字キー+2ボタン(攻撃、ジャンプ)で操作。

特徴

  • 打倒藤堂兵衛を目指すストーリーモードの「天桃五輪モード」、15人のキャラから自由に1人を選んで残り全員の打倒を目指す「孤独なヒーローモード」、ケーブルを使用した通信対戦「VSモード」の3つがある。
    • 「天桃五輪モード」では、1チーム倒すごとにパスワードが表示される。
  • ゲームは1チーム3人、1対1の横スクロール対戦アクションで、敵のライフをゼロにすれば倒した事となり、3人とも倒せばステージクリアとなる。敵との間合いが一定距離以内だと画面下にある「P」ゲージが上昇していく。ゲージが一定以上ある状態で↑キー+Bボタンを押すと、キャラ毎に異なった必殺技がカットインと共に繰り出され、相手に大きなダメージを与える事が出来る。必殺技を受けた側は「P」ゲージが十分に溜まっていればその必殺技を自動的に無効化する。ただし最大まで溜めた必殺技は無効化できない。
  • 「天桃五輪モード」の最初は主人公である剣桃太郎で、伊達臣人、大豪院邪鬼と対戦し、勝って実力を認めさせた上で、3人でチームを組み本戦に挑む事となる。
    • その後は「ファラオ・スフィンクス」→「梁山泊十六傑」→「冥凰島十六士」と対決していく展開となる。

問題点

  • 対戦中のキャラクターグラフィックはかなり稚拙。
    • 顔グラフィック無しでは誰が誰だかさっぱり分からない。特に桃などはハゲたオッサンにしか見えない。
      • GBの解像度で無理に8頭身にした為、大半のキャラがのっぺらぼうになってしまった。桃はハチマキを表現しようとしたのか顔に線が入っており、それがハゲやヒゲにしか見えなくなってしまっている。
    • モーションも大半が1パターンしかない寂しいものになっている
  • ガード・投げが存在しない。また、コンボも存在しない。必然的に攻撃を1発1発当てていく地味な戦いを要求される。
  • 対戦バランスがほぼ完全に崩壊している。リーチの長短が強さの決定的差であると言っても過言ではない。
    • というのも、どのキャラクターも移動速度・ジャンプ飛び込み速度・攻撃力は同じだからである。キャラクターの中には飛び道具を武器とする者もいるが、そのキャラが圧倒的に有利なのはもはや言うまでもないだろう。
      • 攻撃力には差があり、「2撃で1~2ゲージ」のダメージだったり「1撃で2ゲージ」のダメージだったりする。前者は蒼傑や山艶等の飛び道具持ち、後者はスパルタカス等のパワーキャラに見受けられる。また「P」ゲージの上昇具合にも差があり、ダメージ無しで接近状態の場合、飛び道具持ちのキャラがゲージの上昇が早い傾向にある。飛び道具持ちが有利なゲームバランスなのに変わりは無いとは言え、一定の差別化を図っているとも言える。
  • 「冥鳳島決戦」というタイトルにも拘らず、原作1回戦で対峙した宝竜黒蓮珠は一切登場しない。勿論予選のメンバーも。
  • 原作では伊達に一蹴された「セティ」は、「神獣の泡沫」なる濃硫酸のシャボン玉(飛び道具)が武器であり、ゲーム中最強クラスと言える。
    • しかもこのセティを擁する「ファラオ・スフィンクス」がトーナメントの初戦に登場する有様。その上他二人は正体を見破る前後の二戦ある(体力が0になるとイベント発生と共に正体を現して復活する)ので序盤から厳しい。
  • 対する男塾チームは、近~中距離に攻撃判定があって割と使いやすい桃はいいとしても、槍を使うためにリーチが長いと思われる伊達は、実は攻撃判定が槍の先端にしか無いため非常に使いづらい。邪鬼に至っては、素手で戦うのは原作通りだから仕方が無いにしても、それを補うためのフォローは何も無し。素手なのでリーチが短くやはり非常に使いづらく、原作で恐れられたような強さは全く無い。
    • 真空波を繰り出す技「大豪院流真空殲風衝」は本作では必殺技となっている。飛び道具の強いこのゲームにおいて真空殲風衝が通常技であったならば、原作通り塾生最強の座を不動のものにしただろう。
    • 隠しキャラである、江田島平八はモーションが大豪院邪鬼と同一なのに対し、敵ボス専用の藤堂兵衛は桃と同一モーションなので原作通り藤堂に苦しめられる羽目に。
      • 最も原作再現なら藤堂の攻撃方法は飛び道具、その上「自分で投げた手裏剣を追い越し受け止める」素早さもあるのでまだ易しいと言えるが。
  • さらに「孤独なヒーローモード」はもちろん、「天桃五輪モード」も体力はステージクリアしても回復せず、そのまま持ち越しとなる。途中で力尽きたキャラを復活させる手段も無い。
    • 体力回復は「天桃五輪モード」では戦闘中ピンチに陥るとランダムで富樫・虎丸の声援イベントが起こるのみ、連打で回復量が決まる仕様のため運次第では一度も起こらない。「孤独なヒーローモード」では3人倒すごとに同じく連打回復が入る。
    • 飛び道具を使えるキャラがいないのに飛び道具持ちの敵に挑まなければならない、体力が持ち越しとなる、この過酷な仕様により、ゲームの難易度はかなり高い。

評価点

  • キャラクターの顔グラフィック、必殺技のカットインの描き込みは当時としてはなかなかのもの。
  • 原作再現要素
    • 「ファラオ・スフィンクス」との対戦で「ジェセル」「ファラオ」と2回戦う(正体を見破る前と後)、「蒼傑」はライフが極端に減ると必殺技が変化する(「光陰跳背殺」→「指撥透弾」)、相手の必殺技を無効化した際に専用のセリフが挿入される(例:「泊鳳」が「體動察の法」で相手の動きを先読みする)、「紫蘭」(相手の動作を寸分違わず一瞬にして模倣する奥義・千日颮鏡の使い手)は左右の動きに対してプレイヤーと正反対、上下の動きに対してプレイヤーと同じ動きをする。
  • イベント上でのNPCとしては富樫と寅丸が登場する。出場しようとして桃達に先を越されたり、相手に驚くという原作通りの立ち位置が再現されている。
  • 勝ち抜くたびに鬼ひげが江田島塾長に報告するシーンなども再現されている
  • 対戦時のBGM
    • 1ループは長くないが、一種の中毒性がある。

総評

使用可能キャラが12人(隠しを入れれば13人)いるのは当時を考えれば健闘した方である。
が、崩壊したバランスは如何ともし難く、「男塾が三度の飯より好きだ」という人でないとプレイするのは辛い

余談

  • ステージクリアごとにパスワードが表示されるがその最初の二文字を拾い組み合わせると主人公である「剣桃太郎」の必殺技になり、それをメーカーに送ると先着でグッズをプレゼント、なおゲーム中に登場する必殺技とは限らない。というキャンペーンを開催していた。
    • パスワードの二文字は「がけ」「しん」「んん」。アナグラムを完成させるとしんがんけん=「心眼剣」となる。ちなみにもらえるグッズは電卓であった。

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最終更新:2023年12月05日 09:21