もっともあぶない刑事
【もっともあぶないでか】
ジャンル
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アクション
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対応機種
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ファミリーコンピュータ
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メディア
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1Mbit+64kRAMROMカートリッジ
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発売元
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東映動画
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開発元
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マイクロニクス
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発売日
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1990年2月6日
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定価
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5,300円(税別)
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判定
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クソゲー
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ポイント
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ピーーーーーーー(ry 低すぎる難易度 リアリティ? 何それ?
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概要
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かつて人気を博したTVドラマシリーズの映画化三作目をゲーム化。
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プレイヤーは横浜港署に所属する「タカ」と「ユウジ」を操作し、横浜を牛耳る巨大暴力組織「銀星会」に立ち向かう設定。
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2P同時プレイが可能で、タカとユウジが同画面で共闘できる。
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各ステージのゴール地点に到達する、あるいはボスキャラを倒すことでステージクリア。
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ゲームジャンルとしては、当時比較的多くリリースされていた横スクロールアクションシューティングで、言わば「東映版ローリングサンダー」とも言うべきか。
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スタートボタンを押してポーズをかけたあとAボタンを押すことで、武器を変更できる。
問題点
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しゃがんで銃を撃って少し歩く、またしゃがんで銃を撃って少し歩くという事を繰り返す「下歩き撃ち」の繰り返しで簡単にクリアできてしまう。
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ゲームの展開が単調。ステージ内のギミックも乏しい。せいぜい岩が画面上から降ってくるステージや、階段を使って移動するシーンがあるくらい。
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一応、縦スクロールステージもある。ジャンプしていって、上にいる捕まった仲間を助けにいくというものである。そこだけは、上手い作りをしている。そこだけは…
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グラフィックはキャラも背景もあまりにベタ塗りで、流石にファミコンとは言え円熟期真っ只中の1990年発売と言うには見劣りが激しい。
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プレイヤーの歩きモーションは下半身がヘコヘコと2パターンで動くだけ(上半身は動かない)。ラスボスはザコの色違い。手抜きっぷりが激しい。
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中ボスキャラの「結城」が4回も登場する。特にバリエーションがあるわけでもなく、露骨な手抜き使いまわし。
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第1ステージではザコ敵と自分が操作しているキャラが弾を撃っていて、その途中で警察官もいる。警察、仕事しろ。
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ボーナスステージとして、射撃ゲームがあり、的や警察署長(!)に弾を当てるとライフが回復するのだが、弾はただの白いドットであり、的に当てても「パスッ」という軽い音しかしない。爽快感は皆無である。
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警察官に弾を当てるステージは、出てくる警察はたったの5人だけ。何故入れたし
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BGMがとんでもなく低水準。全体的に曲が残念になりがちなマイクロニクス作品の中でも桁違いの完成度を誇り、特に最終面の曲のサビで流れる「ピーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」という人体にリアル悪影響を及ぼしかねない主旋律が全てを物語っている。
本作を大音量でプレイしない事を推奨する。効果音も酷く、銃を撃つ音は敵も味方も「パスッ」という、上述のボーナスステージと同じ、軽くてショボ過ぎるものである。
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2P同時プレイの仕様が雑。
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2P同時プレイをすると処理落ちがさらに悪化する。
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1人プレイと同じ構成を同画面で2人同時にプレイできるのだが、2Pが1Pから離れて画面スクロールに置いていかれるとバグる。
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基本1Pに合わせて画面がスクロールしていくのだが、2Pが置いていかれた場合の処理ができていないのか、キャラがワープしたり壁にめり込んだり分裂したり画面が壊れたりと色々おかしくなる。
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車で障害物を避けながら移動するミニゲーム面も2台を同画面に走らせる。のだが、片方が障害物にぶつかって足止めされてももう片方は構わず走れる。同画面なので走ってるんだか止まってるんだかわからない状態になり、そしてバグる。
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1Pモードにそのまま2Pを入れただけで、テストプレイしていないでは……
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また本作のアイテム切り替えはスタートボタンでポーズをかける必要がある。さらにAVファミコンに存在する2P側のスタートボタンは無反応。そのため2P同時プレイとの相性が悪い。
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これは同じく二人で遊べるファミコン用アクションゲームの『怒II DOGOSOKEN』や『ダブルドラゴン3 ロゼッタストーン』のセレクトボタン問題に似たものがある。
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実機での対処法としては別途繋いだジョイカードなどの連射装置を2P専用スタートボタンにする事が挙げられる。
評価点
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ステージ間のデモは原作をなぞっており、ファミコンなりに努力の窺えるドット絵からも愛が感じられなくは無い。
…が、あまりにそのままなぞりすぎであり、ハードボイルドなセリフも平仮名カタカナのみのファミコン文字で、しかもきちんと句読点を欠かさず表記されては、何とも情けない。
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特にエンディング、男のシブイ背中を描いたイラストに合わせて表示される
「せいかつ かえてえ。」
が味わい深く、その淡々とした語り口に「スタッフが一番、せいかつ かえたかったんじゃないか」と邪推せずにはいられない。
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警察署に急行するという設定で、ロードファイター風のレースシーンに切り替わる画面もあるが、そのシーンのスピード感だけはなかなかのものである。
総評
難しくてもクソゲーだが、飽きるぐらい易しすぎてもクソゲーになるという良い例であろう。
「もっともあぶない刑事」のシナリオを楽しみたいなら原作映画のDVDを買うか借りるかした方が遥かに有意義であり、たとえ舘ひろしと柴田恭兵のファンであったとしても、本ゲームを楽しめるかどうかは甚だ疑問である。
敵弾を20発以上くらっても平気で突撃を続け、飛び交う銃弾を余裕で躱しながら、暴力団を壊滅させるためその構成員を100人単位で殺戮するSFアクションと化しており、およそ原作からはかけ離れていると言える。こんな日本も刑事も確かにもっともあぶない。
余談
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あぶない刑事シリーズはレギュラー放送が終了した1990年代以降も根強い人気を維持し、2024年現在までに8作が劇場版化されている。
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ニコニコ動画では「ピーピー動画」というタグがついている事が多い。
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ついでに主人公が「カーキ色の服+サングラス」という格好をしているため、金正日、暴れん坊将軍などのタグがつけられることも。
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本作システムの元となっているナムコ『ローリングサンダー』は本作の約1年前にFC版が発売されている。
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更に、本作とほぼ同時期にカプコン『人間兵器 デッドフォックス』という似た様なシステムの作品が発売されている。
最終更新:2024年05月30日 07:13