マッハGoGoGo
【まっはごーごーごー】
ジャンル
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レース
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対応機種
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プレイステーション
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メディア
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CD-ROM 1枚
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発売元
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トミー
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開発元
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グラフィックリサーチ
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発売日
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1996年9月27日
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定価
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5,800円(税抜)
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判定
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クソゲー
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ポイント
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ストーリー・対戦一切無し わずか3コースのみのレース
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タツノコプロシリーズ
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概要
タツノコプロによるカーレースアクションアニメ『マッハGoGoGo』の主人公・三船剛(の操るマッハ号)を操作するレースゲーム。
リブート作となるアニメ第2作の放送を発売翌年に控えており、そのPRの意図もあったと思われる。
第1作は1967年放送とかなり古い作品のためかゲーム化にはなかなか恵まれず、コンピュータゲーム化は本作が初めてとなった。
ゲーム内容
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ゲームを始めるとまずコース選択、次いでマシン選択があり、マシンを選んだ時点で直ちにレースが始まる。
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コースはS/M/Lの3種類。
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マシン選択は全てマッハ号(剛のマシン)であり、一部の性能が異なる3種類から選ぶ。
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レースでは既定の回数周回し、1位でゴールすればクリア。クリア後は覆面レーサーからのコメントとスタッフロールが流れたのち、ネームエントリーをして終わりとなる。
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レースではマッハ号に取り付けられた7つの機能を使用できるが、他はごくごく普通である。
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オプションでは敵車両の強さの変更や、後述する隠し車両を出すためのパスワード入力などができる。
問題点
『マッハGoGoGo』のゲームとしての問題点
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原作のストーリーが一切未反映
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原作は「世界のレースで勝利することが夢の剛が、過酷なコースや敵の妨害に立ち向かいながらゴールを目指す」というのが見どころの作品だったが、本作にはストーリーは一切存在しない。
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当然キャラクターによる掛け合いなども存在せず、自車がマッハ号である点と勝利後のアドバイス以外に原作要素が皆無である。
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第1作は30年も前のアニメ、第2作は未放映と発売時期の都合もあるとはいえ、ここまで元の内容を反映していないのでは『マッハGoGoGo』のタイトルで出す意義が無いといっても過言ではない。
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レースが普通すぎる
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上記の通り、原作には様々な理由で車両の破壊や妨害運転などをしてくる悪役がおり、レースの緊張感を高めていた。剛もその妨害を受け、場合によっては車を降りて対処することもあった。
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だが本作ではみんな真面目にレースしているため、その部分が丸々無くなってしまっている。
レースゲームとしての問題点
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全体的な内容不足
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1レースを1回プレイするモードしかなく、ストーリーモードはおろかグランプリモードや対人戦モードすら存在しない。
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全てのコースははじめから選ぶことができ、どのコースをクリアしても即スタッフロール。オプションで敵車両の強さを変えることもできるが、やりこみ要素にはきわめて乏しい。
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3Dのレースゲームというジャンルでありながら、1人でしかプレイできないのもあまりにも残念。
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ただ、原作はあくまで剛に着目した作品であり、他のマシンやライバルキャラクターをいくつも出せるようなものではなかったことには留意すべきである。
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コースは同じサーキットで順路と距離が違うだけの3種類のみ
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コース内には標準的なレースコースから岩場、トンネル、山林まで様々なコンディションが用意されているが、それらは別のコースに分けて収録されるべきなのは言うまでもない。
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タイムトライアル(タイムアタック)の仕様
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なぜかライバル車が1台だけいるうえに、通常プレイとランキングが共通となっている(タイムトライアルで出した記録であることはマークされる)。真面目にタイムアタックしようとしても、ライバル車の動きで結果が変わったりしてしまう。
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使い道があまりないか、使うと極端に有利になってしまうマッハ号の機能
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正面の相手を飛び越せる「オートジャッキ」は、相手の車の背後に張りつく必要があるので使いにくい。
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障害物を切り裂く「チョッパー」や、水中移動装置「フロッガー」は主にショートカットに用いる。しかし、コースによっては半分近くを一気に省略できてしまうこともあり、使えるようになるとヌルゲー化する。対人戦があればこれも駆け引きのひとつになっただろうが…
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とはいえ使いどころの説明はゲーム中に一切ないので、一応はプレイヤーによる試行錯誤が必要。
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原作では防弾用の「ディフェンサー」はフロッガーのおまけ(潜水用キャノピー)になってしまっているが、原作の妨害を一切再現していない以上はやむなしか。
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暗視ゴーグルの「イブニングアイ」に至っては申し訳程度の効果しかなく、必要な場面が皆無。
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車載偵察機の「ギズモ号」は、マップ上でライバルマシンの位置を表示するという地味な機能。これも原作では悪役に反撃する手段にしたこともあったのだが、その辺りが再現されていない本作ではやはり使いどころに欠けてしまう。
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悪路での走行性能を高める「ベルトタイヤ」は唯一ゲームバランス的にも妥当な線で、しっかり役に立つ。
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これらの機能は特に失敗時のリスクもなく、失敗したとしても何度でも挑戦できる。
評価点
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マッハ号の7つの機能をきちんと再現している
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第1作の時点では敵車両はおろかマッハ号の仕様についても詳しい描写はほとんどなく、回によって矛盾する演出がなされるのもしばしばだった。だが本作では無理ない範囲で設定を集約しており、「マッハ号の再現」という部分ではかなり気合が入っている。
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さらに、原作になかったモデルチェンジという形で、オートマ2種類・マニュアル1種類と計3種類のマッハ号が収録されている。レースゲームにするにあたってなんとかバリエーションを増やそうとした苦心は伝わる。
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あのギミックにあこがれた人にとっては、自分でマッハ号を動かせるのは感服ものだろう。それだけに、ゲームの仕様に割を食った部分がとても惜しい。
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隠しマシンがある
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覆面レーサーの愛車である流星号などが存在。3つのコースで1位を取るか、隠しコマンドを入力することで使用可能になる。ただし隠しコマンドで出したマシンはセーブデータに残らない。
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複雑な条件を満たすと、「悪魔のマシン」ことGR-Xも使えるように。
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GR-XはAランクのスペックを持つが、使用するとリプレイで覆面レーサーに怒られる。
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アニメ版のOPをそのまま収録
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この手のゲームでは権利関係の問題で原作の音楽は省かれることがしばしばだが、本作ではアニメのオープニングを曲だけでなくアニメーションまでそのまま収録している。
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もっとも、肝心のゲーム内容がオープニングと全然違うのがまた本作の残念さを際立たせる材料となってしまっているが。
総評
原作のストーリーを完全に無視しており、レースゲームとしてもあまりに機能が不足している。
コースの数の少なさや1人プレイ専用である点はあの『リッジレーサー』を思わせるが、その『リッジレーサー』も当時すでに続編や関連作が出て内容が改良・充実化しており、PSのゲームとしては明らかに物足りない内容であることに変わりはない。
マッハ号の再現という部分では、ゲーム的な都合を除けばかなり再現度は高いため、動かすだけでも楽しさはある。だが結果としてそこにだけ気合が入ってしまった感は否めず、『マッハGoGoGo』のゲームとして楽しむにはあまりにも問題が多いと言わざるを得ないだろう。
余談
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攻略本も出版され、79ページ+九里一平・笹川ひろしのインタビューを掲載した内容であった。
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シールが同梱されていたが、シンプルでかっこいいデザインだった。
最終更新:2023年12月21日 14:27