「修正依頼」が出ています。対応できる方はご協力をお願いします。
依頼内容は『EX』におけるキッズモードの詳細の追記です。
本項では『電車でGO!新幹線 山陽新幹線編』と『電車でGO!新幹線EX 山陽新幹線編』を合わせて取り扱います。
電車でGO!新幹線 山陽新幹線編
【でんしゃでごー しんかんせん さんようしんかんせんへん】
ジャンル
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電車運転ゲーム
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対応機種
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プレイステーション2 Windows
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発売元
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PS2
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タイトー
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Win
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アンバランス
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開発元
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タイトー
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発売日
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PS2
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2001年9月20日
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Win
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2002年10月13日
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定価
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PS2
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7,140円
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Win
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5,980円
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廉価版
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PS2
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PlayStation2 the Best 2002年10月3日/3,150円
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エターナルヒッツ 2007年6月28日/2,500円
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Win
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本格的シリーズ 2005年11月4日/1,980円
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判定
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PS2初期版
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クソゲー
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PS2修正版
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改善
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PS2廉価版/Win
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なし
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ポイント
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唯一無二の新幹線主体作 雰囲気の徹底再現 処理落ちとの闘い
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電車でGO!シリーズリンク
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概要
シリーズ初にして唯一の新幹線のみを取り扱った作品。
発売前年のゲームショーでは東海道新幹線も収録したうえで出展されていたが、東海道新幹線管轄のJR東海から許諾が下りなかったため収録されず、仕方なく東北新幹線と秋田新幹線の方をセットで収録する方向で開発が進められDVD-ROM二枚組で発売するところだったものの、最終的に当時のDVDの容量問題に直面したため、山陽新幹線だけに特化した内容に落ち着いた経緯を持つ。
そのためか、収録路線の管轄外ながらも開発協力には「JR東日本」「ジェイアール東日本企画」もクレジットされている。
ゲームシステム
基本的には『電車でGO!3 通勤編』を踏襲しているが、本作独自のシステムもある。
採点方式
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従来の持ち時間制から変わって本作は運転評価制となり、停車駅到着後にその都度運転評価がされる。
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合格点に届かなければゲームオーバー。初級は60点以上であるが、最大難易度である超特級では90点以上取る必要がある。
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右上に乗客を模した運転評価が表示されており、現在の大まかな点数を把握できる。
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停止位置±30cm以内を達成すれば「GOODボーナス」となり、達成した停車駅に銀星が付く。それに加えて到着時刻±0秒を達成すれば「GREATボーナス」となり、達成した停車駅に金星が付く。逆に停止位置を±31cmをはみ出してしまえば、たとえ到着時刻±0秒を達成した場合でも一切のボーナスを獲得できなくなってしまう。
ATC
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本作で運転する車両は全て新幹線車両であるため保安装置はATCを用いる。それに併せて「電GO!モード」「リアルモード」が用意されるようになった。なお、デフォルトでは「電GO!モード」となっており変更はオプション画面で行う。
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「電GO!モード」では従来同様にATCが下位現示になる前にATCの指示速度が点滅する形で予告が入り、手動で減速しなければならない。間に合わなかった場合はATCブレーキが掛かり減点となってしまう。
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「リアルモード」ではATCが下位現示になった場合に限りATCブレーキが作動しても減点されない、当時のアナログATCを再現した仕様。また停車時の30km/h信号では「30km/hを下回った際のATCブレーキを解除できるようにするため」ATC確認が必要で、30km/hを下回っても確認しなかった場合はATCブレーキが解除されず減点となってしまう。ATC確認の説明はリアルモード入門にて受けられる。
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指示速度は1km/hでも超えたら即減点・ブレーキが掛かるものの、それぞれの列車の最高速度が提示されている場合に限り、5km/hまでの速度超過が許容される。
B標
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停車駅手前に設置されている、手動ブレーキを掛け始めなければならない地点を示す標識。無視しても減点されないが、特にリアルモードにおけるほとんどの場合はこの段階で掛け始めないとオーバーランしかねない。
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山陽新幹線は12両以下の短編成列車(16両でも従うケースあり)も混走しており、そうした列車はホーム中央に停車する。ところがATC30km/hの地点が駅構内などと言った場合に70km/h付近で突っ込むと減速が間に合わなくなってしまう。それを防止するための標識となる。
定通・定速ポイント
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シリーズで初めて「定通・定速ポイント」が実装された。駅間に存在するポイントを指定速度・時刻にピッタリで通過すると運転評価の点数が少し上がる。
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定速ポイントは±1km/hズレたら加点対象とならなくなってしまうが、定通ポイントは数秒程度ずれても加点対象となる。いずれも加点対象とならなくなった場合に減点されることはない。また駅間距離が長いため、多くのダイヤでは運転の目安として使うこともできる。
運転モード
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運転モードとして、ダイジェストモードと時刻表モードの2種類が用意された。
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ダイジェストモードは「0系(こだま)」「100系V編成(グランドひかり)」「300系(ひかり)」「500系W編成(のぞみ)」「700系E編成(ひかりレールスター)」それぞれに1ダイヤずつ用意されている。すべて架空の初級ダイヤで、比較的運行区間も短いため、気軽に新幹線を運転できる。
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時刻表モードは、実際に存在したダイヤをモチーフにしたダイヤを選択して、新旧様々な新幹線を運転するモード。こちらがメインのモードになる。上下各20ダイヤで、JR時刻表のページのようなフォーマットからダイヤを選択する。
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本作のダイヤはそれぞれ「初級」「中級」「上級」「特級」「超特級」の5段階で難易度が設定されており、停止位置・定刻と判定される範囲が狭まることに加えて、合格点数の下限が「60点」「70点」「80点」「85点」「90点」と変化する。
BGM・車内の反応
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運転中に3種類のBGMを流すことができるようになった(のちに『FINAL』でも採用)。ただし車内アナウンスや駅放送が流れている間はBGMが切れる。
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これまで危険な運転をした時にしか表示されなかった「乗客・乗員の反応」に、車内で寛いだり景色を楽しんだりするものも表示されるようになった。発生頻度や音量等も特に問題なく、運転の臨場感を高める演出として一役買っている。また非表示に設定することも可能。
収録路線
タイトル通り山陽新幹線の全線(新大阪~博多)のほか、博多南線(博多~博多南)も収録されており、一部の「こだま」「ひかり」ダイヤで運転することができる。
さらに一部ダイヤでは、博多南~博多総合車両所の回送列車も運転できる。連結ボーナスゲームを除けば、回送列車を運転できるシリーズ作品は本作のみである。
評価点
デフォルメのきいた山陽新幹線
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流石に駅間の長い新幹線路線をそのままの尺で再現するのはゲーム的に非現実とされたのか、本作も駅間距離が短縮されており、全体的に実際の1/4程度になっている。しかしそんな中でもトンネルの長さを短縮等で工夫された形跡が随所に見られるため、違和感のないデフォルメになっている。
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山陽新幹線は元々線形が極めて良い路線のため、従来のような急カーブ、分岐が殆ど無い点も特筆に値する。
豊富な乗務員ボイス
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乗務員のボイスの豊富さもシリーズの中でも屈指と言っても過言ではない。全ての音声はサウンドテストから視聴できるため、気になる方は是非とも自分の耳で確認して欲しい。また、ここまでのボイス量と再現がなされているシリーズタイトルは、後にも先にも今作系列だけである。
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運転士の喚呼音声も当時の山陽新幹線に沿った喚呼となっており、細かい点でも抜かりない。
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更に博多総合車両所への入出庫では、輸送指令からの無線を聞いてから発車する。流石に実際のやり取りより大幅にデフォルメされているものの、従来作以上に雰囲気を再現しようとした労力は伝わってくる。
多彩な新幹線とダイヤ
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シリーズらしい当時最新の列車から懐かしの列車まで様々なダイヤが収録されており、山陽新幹線の潜在需要のために運行された列車は軒並み収録されている。
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当時撤退直後の300系のぞみ、シネマカー連結のウエストひかり、全盛期のグランドひかり、国鉄時代の0系ひかりなど。
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またマスコン・ブレーキの段数も実際の車両と同じ数になっている。ブレーキは常用7段+非常、マスコンは形式によって10~13段と変化する。
シリーズ唯一の回復運転ダイヤ
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岡山行きひかり151号がそれに該当し、1度クリアすると新大阪を5分遅れで発車し、岡山までに定刻に戻すようなダイヤになる(この場合、定刻に回復するまではダイヤの正確さは一切減点されない)。上記の採点基準だからこそできたのだろう。
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なお、岡山停車段階で遅延を回復できていなければゲームオーバーとなる。
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『電車でGO!!』のロケテストでも回復運転ミッションが存在したが、製品版には同様のミッションが存在しないため、シリーズ中で唯一の要素となっている。
その他
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シリーズ初のコックピットビュー(運転台視点)、アウタービューが追加された。
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本作は運転評価の点数が一定以上なら次の区間に進める仕様なので、次の停車駅までは確実に運転ができる。ただし、不用意な遅延プレー防止措置のためか、5分以上の遅延が発生した場合と、1分50秒以上駅間に停車し続けた場合は、その時点で運転中止となる。
賛否両論点
単調になりがち
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これはゲームというよりは収録路線故の問題で仕方のない点と言えるが、運転面では全体的に単調になりがちである。山陽新幹線は300km/h走行ができる超高速路線だが、言い換えれば大きな減速を強いる急カーブも徳山駅構内程度と非常に少なく、運転に変化が付きにくい。また路線の半分はトンネルとなっているため、景色の変化にも乏しい。
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駅間距離が1/4程度になっているとはいえ、駅間距離は相当に長く、10km以上離れている区間もザラにある。定通・定速ポイントやBGMの導入によって抑揚をつける工夫も見られるが、根本的解決に至っているとは言いがたい。
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繰り返しになるが、この点は実際の路線を再現しようとなれば避けて通れない点であることには留意すべきである。鉄道ファンはこれでも相当に楽しめると思われるが…
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Wii版では途中にアクティビティが追加された「キッズモード」の実装によりこの点は解消されている。
一部高難易度要素
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難易度超特級では停止位置の合格範囲が±30cm以内であり、+31cm以上はオーバーランとなる。
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そしてGreatボーナスが入るのは到着時刻±0秒、停止位置誤差±10cm以内と、シリーズ中どころか電車運転ゲーム全般で見ても最も厳しい判定となっている。
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他の難易度でもGreatボーナスが入るのは「到着時刻±0秒・停止位置誤差±30cm以内」であり、到着時刻がズレてしまえばGoodボーナスである。さらに停止位置±31cm以上はみ出すと、たとえ到着時刻±0秒を達成したとしても一切のボーナスが取れなくなってしまう。
曜日限定のダイヤ
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本作はハード内蔵の時計機能と連動しており、現実の鉄道よろしく平日と休日でダイヤが異なっている。その結果日によって運転できる区間が違っていたり、「運休」扱いでそのダイヤがプレイできなくなっていたりする。
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これはかなりリアルな演出で評価の声もあったが、忙しい社会人からすれば不親切である。
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もっとも本体の日付設定を変えてしまえばそれまでの話である。さらにPS2は2021年現在、日付は設定できても曜日は設定できなくなっている。こうなると意図的に過去の日付を選ばない限りは全列車全区間運転可能となる。
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これは本作と『プロフェッショナル2』のみの要素となっている。
問題点
初期解放ダイヤとその難易度
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初期解放されているダイヤが全体的に上級・特級・超特級と高難度なものが多く、苦労の末に完走して開放する隠しダイヤに初級や中級が多数ある。もっとも隠し路線の解禁にはコンティニューの有無は不問なのが救いと言えるか。
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例えば、初級ダイヤのひかり107号の出現には特級のひかり164号と超特級のひかり158号のクリアが必要。また、ひかり158号の出現には同じく超特級で、しかも休日運行のひかり554号のクリアが必要になる。
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Wii版でこのダイヤが収録された際は、出現条件が総走行距離500km達成に変更された。
調整不足なダイヤ
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最高速度を超えた速度での運行を求められる、極端に余裕のない区間のあるダイヤが散見される。
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『2』や『プロフェッショナル仕様』にもそのようなダイヤが存在したが、今作ではそれが何ダイヤも存在する。
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ダイジェストモードと時刻表モードで合わせて7ダイヤが初級として設定されているが、うち4ダイヤが最高速度を超過しないと秒単位で定刻にできない区間が存在する。ほかの難易度にもこのようなダイヤはあり、ほかの作品と比べても異常な数になる。
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今作は超特級でも±2秒、初級の場合は±10秒ほどのずれも定時と判定されるので、直前の駅間の巡航速度を調節することで定通ボーナス自体は獲得できることが殆どである。
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ただしひかり128号の小倉~新下関間は別格で、中級ダイヤにもかかわらずなんと10秒以上の遅延が確定している。直前の小倉は停車駅で巡航速度を調節して定時にする方法が使えず、そのままの速度で走ると次の厚狭は逆に10秒弱ほど早通してしまうのが厄介である。
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修正版でひかり174号の西明石~新神戸間の定通ポイントは修正されたが、ほかはそのまま残されてしまった。
フリーランモードの制限
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フリーランモードでは運転区間・時間帯・天候を自由に選べるが、車両毎に種別が決まっているほか、車両の営業最高速度以上へ加速できないという制限がある。
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例えば0系新幹線の場合、フリーランでは各駅停車のこだま4両編成しか運転できないため、「0系ウエストひかり」といった通過運転や別編成での運転を楽しめない。また、当然ながら停車駅と通過駅を個別に設定できる機能も無いため、「新下関駅には停車するが小郡駅を通過する、あるいは両方停車するひかり号」といった運転も不可能である。
各種再現ミス
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入換信号機
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ほぼ全ての駅に入換信号機が設置されているが、ただの飾りとなっており、ゲーム中でこれを使った運転はできない。
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それだけならいいが、この入換信号機は全て進行信号となっている。「入換信号の停止信号」というテクスチャが用意されておらず、ゲーム中で配置されている入換信号、本線や待避線等の全てが進行信号というありえない光景が発生してしまっている。
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ちなみに前述した博多総合車両所へ入庫の際、実際は入換信号を用いて入庫するのだが、本作ではそもそも博多南~車両所間に入換信号機が1機も設置されていない。
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トンネルの出口の描写がおかしく、トンネル出口は1km以上先なのに、出口が2~300mくらい先にあるような描かれ方をしている。体験版や過去作での長いトンネルは先の方を暗くして、出口が近づいたら明るくするなど工夫されていたのだが。
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悪天候なのにワイパーが動かない。新幹線においては200km/hを超えるとワイパー無しで水滴が飛ぶため動かさないのだが、こちらは低速域でも動かさない。
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午後8時なのに空が夕焼け。夜の描写自体は前作でもできていたのだが。
その他
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実際の距離より大幅に短縮されているとはいえ、ダイヤによってはクリアに1~2時間を要するにもかかわらず、中断セーブなどといった機能は無いため、ぶっ通しでプレイしなくてはならない。
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PS2版の説明書にセーブ機能を示唆する画像が収録されているため、当初は実装する予定があったものと思われる。
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没データとして、中断セーブ機能に関するテキストデータが確認されている。スケジュールの都合上、実装できなかった可能性がある。
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メインメニュー画面に表示される鉄ちゃんの肌の色が不自然。
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どう見ても人間の顔色ではない。色指定をミスしたのだろうか?
PS2修正版で改善されたもの
激しい処理落ち
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PS2初期版の処理落ちが余にも凄まじいことで有名である。過去作でも処理落ちが発生することはあったが、本作の処理落ちはゲーム速度が半分以下になるという完全にプレイに支障を来すレベルであり、おまけにいつ起こるのか分からない処理落ちもあるので一筋縄ではいかない。結果としてこれだけでもクソゲーという評判を固めてしまうことに。
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確実に遭遇するポイントとして、対向車とのすれ違いと停車駅に差し掛かった際の処理落ちがある。前者はやり過ごせなくもないレベルではあるため、下記停車と比べればそう問題になるものではない。定速ポイントとバッティングした際は悲惨になるかもしれないが。
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対して後者の停車時の処理落ちぶりは目に余るものであり、操作を受け付けにくい状況が終始続く。停車自体が細かな操作を求められるためにラグが致命的になるのは明らかで、場合によってはスコアアタックどころかクリアも困難になってしまいかねない。各駅停車のこだまを運転する時は間違いなく苦行の領域になるだろう。
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特にのぞみ号が全て停車する駅のうち「新大阪駅」「岡山駅」「広島駅」「博多駅」に差し掛かった際特に処理落ちが酷く、停車直前まで確実に処理落ちが発生してしまう。
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PS2修正版以降では、処理落ちの軽減と引き換えに、在来線の架線柱など一部のグラフィックが削減・除去されている。
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この他PS2初期版ではWIN350のムービーがバグのせいで条件を満たしても開放されない。
総評
シリーズ初の新幹線のみを主軸に置いているタイトルということもあり、発売前年のゲームショウや『通勤編』に付属していた体験版の時点での期待度は高いものであった。
しかしいざPS2版が発売されると、常時処理落ちとの闘いと言わんばかりにプレーに致命的な支障をきたすレベルの内容となっており、シリーズでも一二を争う騒動を巻き起こしてしまった。
のちに修正版との交換が行われ、各種廉価版やWin版もそれに準じたものとなったため、本来のポテンシャルを発揮。新幹線だからこそ実現できる快感、豊富な車内アナウンスや視点切り替え機能による充実した雰囲気、さながら『プロフェッショナル仕様』を彷彿とする細かな収録ダイヤといった点は光る特長である。
それでも内容全般にわたりゲームバランスに問題のある点が多く、特に最高速を超えた運転を強要されるダイヤ、隠し要素の条件の厳しさは群を抜いており、相変わらず新規層にはオススメしがたいものがある。シリーズファンを中心に熱心な支持は存在するが、やはり総じてコアユーザー向けと言える。
電車でGO!新幹線EX 山陽新幹線編
【でんしゃでごー しんかんせんいーえっくす さんようしんかんせんへん】
ジャンル
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電車運転ゲーム
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対応機種
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Wii
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発売元
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タイトー
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開発元
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トーセ
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発売日
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2007年3月1日
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定価
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5,800円(税別)
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プレイ人数
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1人
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レーティング
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CERO:A (全年齢対象)
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判定
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なし
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ポイント
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不具合は完全に消滅 キッズモード実装
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概要 (EX)
2007年に突如発売された、『山陽新幹線編』のリメイク作。任天堂据置機での発売は『64』以来となる。
リメイクにあたっては一部グラフィックの作り直しに加え、「キッズモード」という鉄道運転に遊びの要素も混ぜたゲームモードが追加されている。開発時の名称は、「電車でGO! 新幹線'06 山陽新幹線編」。
PS2/Win版からの変更点・評価点
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「レールスター」仕様でない700系がプレイアブルとなっている。
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グラフィックは当時JR西日本所属のB編成で、先頭部に「JR700」のロゴが入ったものとなっている。また、側面の行先表示器が3色LEDになっていることも特徴。
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東京~博多間当時最速の0系Wひかりや、東京~博多間運行の300系のぞみといった特徴あるダイヤが追加された。
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『プロフェッショナル2』以降の仕様を引き継ぎ、本作でも運転中の途中セーブが可能になった。運転時間が長いため重宝する。
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初心者向けの「キッズモード」が追加されている。
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リモコンを振って加速するなどエンターテインメント性が増加しているほか、定速走行などのアシスト機能も追加されている。
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単調になりがちな運転を楽しくするため、特に変化のない区間では指示されたキャラクター(クッキングママなど)をポイントするゲームが発生することがある。
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ATCの確認はキャラクターポイントと同じように、ポイントして確認する方式となっている。
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本モードでの加点、減点対象は「標識無視」、「停止位置の誤差」、「歓呼」、「適正速度のキープ」となっている。
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ダイヤはダイジェストモードや時刻表モードとは全く異なるものを使用している。
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PS2修正版以降で削られていた架線柱のグラフィックや、トンネルの不自然さといったグラフィック上の至らない点が補完されている。
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PS2/Winで不評だった鉄ちゃんのデザインが改善されて、可愛らしいものに変更された。
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一部を除いてダイヤが一新されており、2000年当時のダイヤをアップグレードしたようなダイヤも複数存在する。
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新規収録された2006年当時のダイヤは車内チャイムとして「いい日旅立ち•西へ」が使用され、PS2/Winから続投したダイヤや新録された昔のダイヤはひかりチャイム・のぞみチャイムが引き続き使用されている。
問題点 (EX)
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営業運転開始前とはいえ、当時最新鋭のN700系が収録されないことを悔やむ声が多かった。
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量産先行車は2005年に落成しているが、開発時期にはダイヤ等も未確定だったと思われるため、ある程度仕方ない面もある。
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ちなみに、N700系のうちJR西日本が所有するN編成(のちにN700A相当に改造されK編成に改番)トップナンバーのN1編成の落成は本作発売後の2007年6月1日である。
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新規収録された音声のうち、新録された駅放送や英語の自動放送が従来の放送と全く合っておらず、違和感を感じる出来になってしまっている。特に駅放送の号数表記や途中停車駅の案内はその差が顕著なものに。
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オープニングムービー、700系B編成のエンディングムービー、0系と100系のエンディングムービーの一部などにある新撮映像が従来の映像と比べて明らかに撮影技術が低くクオリティが著しく低下してしまっている。
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キッズモードのブレーキのクセが強い。Bボタンを押し続けるだけで減速するのだが、これが厄介者。最初は弱いブレーキなのだが押し続けるとだんだん強くなる。なので、短くボタンを押しても減速せず、逆に押し続けすぎると速度がかなり落ちる。だが幸いキッズモードは1秒単位のダイヤを求められてはいないので、賛否両論といったところだろう。
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300系ダイジェストダイヤは岡山発新大阪行きのひかりだが、何と各駅停車。ひかりとはいったい何だったのか。
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PS2/Winでも同じ区間のひかりだが、こちらは相生と西明石を通過している。
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余談だが、山陽新幹線開業前はこだまが『特急』、ひかりが『超特急』となっており、運賃に差があった。
総評 (EX)
全体的なグラフィックの強化に加えて追加要素も好評で、全体的な完成度が上がっている。またキッズモードは初心者プレイヤーにもまともなプレイ機会を与えるものであり、この点も評価できる。
結果として各種子供向け鉄道誌にも掲載されるなど、ようやく万人向けと言える作品に仕上げられた作品となった。
余談
PS2修正版・廉価版について
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PS2版の処理落ちについてタイトーは、処理落ちしない改良版へ無償交換という対応を取った。
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ただしユーザーからタイトーに問い合わせをした人に対してのみであり、公式HP上で無償交換という旨の案内は一切無かった。
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修正版かどうか判断する手がかりは、ゲームディスクをPCにセットした時に確認できるデータの日付が2001年11月、「SYSTEM.CNF」をメモ帳で開いた時に確認できるバージョンが2.01であれば修正版だと思われる。
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因みにPS2初期版との違いは先述の通り在来線の架線などのオブジェクトが削られてしまっている点と、その他フォントの一部変更がある。
これはWindows版も同様である。
その他
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500系新幹線の運転台を模した専用コントローラーが同時発売されたが、戸閉めランプや計器類がゲーム内の表示に合わせて点灯・変化するという超本格仕様で、完成度が非常に高い。現在ではかなりのプレミアがついている。
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Wiiでもほぼ同じ形状の専用コントローラーが発売されたが、こちらは計器類はシールで済まされている。
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ギャラリーモードには、何故かJR東日本の仙台総合車両所(現在の新幹線総合車両センター)の紹介ムービーも収録されている。
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またWindows版の音声ファイルには「東北新幹線・上越新幹線の車内チャイム」「上野~仙台のふるさとチャイム」「郡山・仙台の発車メロディ」が残っている。
未使用データ
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未使用の時刻表画像やハイスコアデータには高速試験車両「WIN350」や「ドクターイエロー」こと922形のダイヤを入れようとした痕跡がある。
また、資料館のポリゴンモデルにはこの2車種のものも存在する。
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PS2修正版、廉価版、Win版では全てのダイヤをクリアすることでWIN350のムービーを見ることができる。
その他移植
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2023年7月7日に、『EX』の移植が『電車でGO! PLUG & PLAY』第2弾として発表された。発売はタイトーで、コントローラーはSwitch版の専コン開発実績を持つ瑞起が担当。発売日は同年12月7日で、ネット通販のみならず各家電量販店でも取り扱われる。
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本Wiki取扱対象外のため、詳細は各自リサーチされたし。
最終更新:2024年07月28日 09:17