「修正依頼」が出ています。対応できる方はご協力をお願いします。
ゲームシステムや内容についての記述補強、評価点の加筆をお願いします。
※このページでは、オリジナル版の『PROJECT MINERVA』(クソゲー)と、マイナーチェンジ版『プロジェクト・ミネルヴァ・プロフェッショナル』(判定なし)について記述する。
『SIMPLE2000シリーズ Ultimate!!』シリーズで発売された廉価版についても触れる。
PROJECT MINERVA
【ぷろじぇくと みねるゔぁ】
| ジャンル | アクション |  
  
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| 対応機種 | プレイステーション2 | 
| 発売元 | D3パブリッシャー | 
| 開発元 | フラットアウト IMJエンタテインメント
 メディアファクトリー
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| 発売日 | 2002年8月22日 | 
| 価格 | 通常版:7,140円 限定版:10,290円(共に税込)
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| 判定 | クソゲー | 
| ポイント | TPSの基礎が破綻している 役立たずの仲間達
 フリーズバグ完備
 典型的芸能人ゲー
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概要
藤原紀香氏をフィーチャーしたミリタリーアクションゲーム。
実在のタレントをモデリングしたゲーム『鬼武者』が大ヒットした背景があり、それに便乗したと思われる。
藤原紀香氏のほか、大塚明夫氏・青野武氏・玄田哲章氏・池田秀一氏といった声優も参加している。またムービー作成は白組。
本編における藤原紀香氏の起用だけでなく、CMソングには韓国出身の人気歌手・BoA氏を起用するなど、かなり大々的な宣伝がなされた。
限定版にはPPコーティングボックス、シリアルNo.入りドックタグ、ロゴ入り弾丸型ストラップ、ロゴ入りクリップトーチが付属した。
ストーリー
大企業ミネルヴァ社が開発したアンドロイドが世界中で引き起こした紛争の鎮圧と事態解決のため、
主人公が属する国連平和維持法人UNPACの傭兵部隊AAA(エーキューブ)が立ち向かう。
ゲーム内容
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全7章。各章に複数のミッションがあり、自由に選択しプレイできる。一度クリアしても再度挑戦する事も可能。
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敵は主に無差別軍事行動を行うアンドロイド。
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アンドロイドの破壊のほか、爆弾の設置や人質の救出などのミッションもある。
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倒したアンドロイドの部品を兵器開発に売るという設定で資金が手に入る。その資金で武器や戦闘服を購入することができる。
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敵を倒すごとに兵器開発度が進み、新たな武器を購入可能になる。ただし武器はレベルが一定以上なければ装備出来ない場合もある。
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服の中には水着もあり、水着で戦場に向かうというお色気要素も。
 
 
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戦闘は基本的にTPSで、仲間と共に敵を撃破する。
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基本的に背後視点だが、キャラクターの向きを変えてもすぐに視界は動かない。しばらくしてから背後視点となる。さらに視界は独立して動かせない。このため進行方向を変更してしばらくは、狙うべき敵が視界に入らなくなる。
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射撃はスコープを覗いて照準画面に移行した状態でなければ行えず、また照準中は移動できない。
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敵は双眼鏡で索敵しないとレーダーに映らない。レーダーに映らないと基本的に仲間はアンドロイドの場所を把握出来ない。
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仲間はα・β・γの3チームがありそれぞれ3人配置し、主人公を含めて10人で行動する。隊長に選んだキャラは固有スキルを使用する。
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仲間へ命令を出す事ができ、狙う敵の指定、マーキングができる。ちなみにマーキング中も動けない。
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主人公や仲間にはレベルの概念もあり、レベルが上がるごとに強くなる。
 
 
問題点
操作面
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1ミッションで持ち歩ける武器は銃一丁、特殊武器(能力向上系がほとんど)一種、グレネードのみ。弾数は無限。
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雑魚敵であるアンドロイドはもちろんのこと、戦車やヘリも同じ銃で倒さなくてはいけない。
 
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移動中はカメラを上下させることができない。またカメラの追随速度も非常に遅い。
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射撃前に必ず一人称視点の照準画面に移行しなくてはならない。これがゲームのテンポを乱している。
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照準&射撃中は移動不能。
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照準画面に移行する際は体の向きに関係なく、カメラ正面に向かってズームする。そのため突然現れた敵に対応しづらい。
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一瞬で体の向きにカメラの向きを合わせる操作がある。これがないととてもやってられない。
 
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スコープ倍率は銃ごとに固定。そのため、倍率が高い銃を持った状態で敵に近寄られた場合、相手に照準を合わせるのが困難。また、高倍率の銃は処理落ちを招きやすい。
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持ち込める銃は1丁のみで近接格闘攻撃もないため、距離で武器を使い分けるなどの戦術が取れない。スナイパーライフルを持った状態で敵に接近されると地獄を見る。
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特典としてズーム率を変えるアイテムはある。しかし、入手するまでがかなり大変である。
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倍率が高いほど照準の移動速度が遅いので、近距離の相手や動きの早い相手を狙うことが難しくなる。対ヘリ戦ではハンドガン以外のほとんどの武器で照準画面の追随が不可能。
 
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弾道変化や限界射程・距離による威力減衰等が無いので、双眼鏡で狙いを付けた後すぐさまスコープ画面に切り替えるだけでハンドガンでも遠距離の相手に当てることができる。よってスナイパーライフルの存在意義がますます薄い。一応威力だけ見るなら全武器中最高クラスではあるのだが…というか、これを駆使しないとかなり辛いミッションがある。
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照準画面の間だけマガジン残弾が計算されるようで、一度解除してのぞき直すと弾が補充されている。これを利用してどんな銃でもリロードなしに撃ちまくることが可能。
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一つだけ照準画面をのぞき直しても弾丸が補給されない銃がある。
 
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武器のグラフィックを見ると、わざわざハンドガンにもスコープが付いていることがわかる。
 
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グレネードは投げる距離が調整できず、投げモーションが非常に長い。
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回復薬などのアイテムも使用可能だが、一部のアイテムは使用するとフリーズする。
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一度クリアすると隠し武器が使用可能になるのだが、レベルを最大まで上げる必要がある。しかも金額も極めて高いため、使用可能になった後にも入手するのは非常に困難。
敵
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敵はアンドロイドという設定もあって耐久力が高め。特に戦車やヘリは非常に硬い。
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頭部のような弱点を狙う、味方を狙っている敵を撃つ、味方と同時に攻撃などの条件でダメージボーナスが加算されるようにはなっているものの、だが終盤はとにかく敵に狙われるので悠長に狙っている暇はない。
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一部のアンドロイドは身長が人間の三分の一ほどしかない。装甲も薄いが動きが素早く、殲滅系ミッションではなかなか苦戦させられる。
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戦車やヘリは足が速いので前述の視点の問題をもろに食らうことになる。また一定時間ごとに主砲や機関砲による範囲攻撃を行ってくるため非常に戦いづらい。この範囲攻撃は稜線・障害物を無視して行われる。
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敵の照準移動速度は「プレイヤーの装備している銃の速度と同じタイプになる」という謎仕様のせいで、ミッション開始時からこちらを狙ってくるスナイパー型の敵が多いミッション等で照準移動の早い拳銃を持ち込むと四方八方からレーザーサイトが凄まじい速さで包囲してくるという、クソゲーを通り越してほぼムリゲー化する。
 
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マップが広めで、敵の出現も散発的。プレーヤーの移動速度も遅いので接敵に時間がかかる。
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敵の攻撃を受けるとどんな状態であっても怯む。照準の移動やグレネード投擲を中断させられてしまうためテンポが悪い。
無能な味方
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味方が本当にお馬鹿。おかげで戦術らしい戦術が使えない
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味方の行動は「索敵」「攻撃」の2種類しかなく、停止などの指示は行えない。「集合」も専用アイテムが必要になる。
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双眼鏡で「マーク」することで味方に敵の位置を教えることができる。しかし、マークした敵を優先して攻撃するためか、眼の前の敵に撃たれているのに気がつかない時がある。
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マークした敵が壁の向こうの場合、移動して射撃とはならず、「その場で壁に向かって全力射撃」する。
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こちらが投げたグレネードや、倒すと大爆発する敵アンドロイドから離れようとせず大ダメージを食らう。
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仲間は階段を登ってくれないため、倉庫内戦闘の上下差があり、下からの攻撃が難しいミッションの難易度が高い。
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味方は敵を補充するジェネレーター(格納庫のようなもの)・戦車やヘリなどの乗物を攻撃しない。
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前者は無視できるが放っておくと不利になるし、後者は多くの場合ミッションの破壊目標であるためほぼ一人で戦う羽目になる。
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ただ、これを利用して経験値・クリアポイントを荒稼ぎすることは可能。
 
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仲間も主人公のようにレベルアップするものの、こちらが装備を指定してやることなどはできない。
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やられてもレベルがそのとき上がらないだけでペナルティはなく、最終ミッションなどでは実質自分が撃たれないための囮である。
 
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ミッションによっては人質や爆弾のエキスパートといったNPCが付いてくるが、彼らに指示を出すことは出来ない。
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戦闘能力がなく、背中をウロウロ付いてきて敵の射線に入ってきたかと思えば、階段で引っかかって迷子になり、勝手に殺されたりする。
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この種のNPCとしてはお約束のように死んでしまうとゲームオーバーである。
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特に爆弾のエキスパートのマックスは台詞(例:「俺って天才!」)等もあってプレイヤーから嫌悪の対象に。
 
 
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味方チームはリーダーごとに違うスキルを持ち自分の判断で勝手に使うが、基準があいまいなうえに特定のスキルを使うとこちらもフリーズする。
ストーリー面
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ストーリーが中途半端。
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敵は先に説明したようにアンドロイド軍団を生産する企業だが、肝心の会社の人間を追い詰めるような展開が無い。
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中ボスのような存在も無く、エンディングでは「戦いはまだ続く」と言った感じになって事態の収拾は付いていない。
 
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脇役はともかく主人公まで出番がない。1ムービーで藤原紀香演ずる主人公も二言三言しゃべるだけ。
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肝心なことはムービーでは無く字幕のみのモノローグで語られる。それでも説明が不足している。
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池田秀一演ずるミネルヴァ社関係者もエンディング前にやっぱりに二言三言喋るだけで出番が終了。OPにも出ているのに。
 
その他
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最終ミッションは連戦だが、死亡または撤退の場合最初からやり直しになる。
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途中でそれまでの「ほぼ屋外戦」とは打って変わって非常にだだっ広い室内で迷路のような区画を上に下にと移動させられる。
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どの部屋も見た目は変化が無く、敵を無視して最短距離で移動しても15分近くかかる。また「最下層に到達しろ」と言いながら、実際には途中で上にあがらないといけない場所があるなどかなり不親切。
 
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新武器は特定ミッションのクリアのほか、ポイント集めによってアンロックされるが、買えるようになっても経験値が足りないと装備できない。また一度購入すると売却もできない。
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経験値とポイントは別扱い。さらに新武器開発のために「テクノロジーポイント」が必要であり、このためになるべくヘッドショットでダメージを与えなくてはならないという凝っているが面倒な仕様。
 
評価点
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主演・藤原紀香
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本作の唯一のセールスポイント。
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これまでのところ、藤原紀香氏を操作できるゲームは本作のみであり、また彼女が「軍服姿で銃を撃つ」役柄を演じたのも本作のみである。「紀香を使ってロボットと戦いたい!」「軍服姿で銃を持って戦う紀香が見たい!」というニッチなファンにとっては唯一無二の作品。そんなファンがどれだけいるかはわからないが。
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着せ替え機能もファンには嬉しいかもしれない。
 
総評
話題先行でそれなりに売れたようだが、ゲームとしては問題が多い。その結果、多くのユーザーから「主演・藤原紀香」だけを売りにした典型的な駄目タレントゲーの烙印が押されてしまった。
プロジェクト・ミネルヴァ・プロフェッショナル
【ぷろじぇくと みねるゔぁ ぷろふぇっしょなる】
| ジャンル | アクション |  
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| 対応機種 | プレイステーション2 | 
| 発売日 | 2003年8月21日 | 
| 定価 | 6,090円(税込) | 
| レーティング | CERO:12歳以上対象 | 
| 廉価版 | SIMPLE2000シリーズ Ultimate!! 2005年1月6日/2,000円(税別)
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| 判定 | なし | 
| SIMPLE2000シリーズ | 
 
概要(プロフェッショナル)
新規の武器やステージの追加に加え、多くの部分が改善されたマイナーチェンジ版。
2005年には『SIMPLE2000シリーズ Ultimate!!』として廉価版が発売された。
追加・改善点
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武器・装備
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武器の種類に手榴弾、レーザーブレード、バズーカが追加された。
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ブレードは近接武器で威力が高い。バズーカは範囲・威力共に強力だが味方にも被害があり、テクノロジーポイントが得られないというデメリットもある。
 
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4つまで武器を装備できるようになり、状況にあわせた柔軟な対応が可能になった。
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防具が大幅に追加された。ネタだったチャイナドレスや水着も実用レベルに能力が上がっている。
 
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操作
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移動速度が改善。
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xボタンで体術がだせるようになった。
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グレネードは飛距離の調整が可能になった(投げモーションは変化なし)。
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クイックリロードが廃止。
 
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同行する仲間は1チーム(3人)のみとなったが、個別に指示を出せるようになった。命令の種類も増えているほか、固有スキルを任意で使用できるようになった。また仲間のレベルもショップで資金を支払い任意に上げられるようになった。
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アニメーションがモーションキャプチャーを用いたものに変更された。
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ミッションは種類が増え、難易度の変更ができるようになった。
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ステージ数は約40種類、ミッションは約80種類。無印が24種類のステージに約50種類のミッションと言われていたので、少なくとも数としては大幅に増えている。
 
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3個の新規ムービーが追加。またフリーズバグも修正。
問題点(プロフェッショナル)
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特設サイトでは「隊員の思考力向上」が改善点に挙げられているが、相変わらず味方はマークしなければほとんど攻撃してくれない。馬鹿なNPCはそのまま。
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レベル上げが面倒なのもそのまま。ただ敵が無限に沸くステージがあるので無印よりは上げやすい。
総評(プロフェッショナル)
相変わらずTPSとしては中途半端だが、こちらは無難に遊べる出来にまでに進化している。各ミッションにかかる時間が少ないので遊びやすく、ボリューム面もなかなかである。遊んでいて気になる問題点も複数残ってはいるが。今から買うのなら迷うことなくこちら一択である。
余談
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完成発表会にはD3パブリッシャーの伊藤社長やゲーム事業推進部部長の岡島氏と共に迷彩服姿の藤原紀香氏本人が登場した
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壇上で本作をプレイした藤原氏は、なかなか思うように敵が倒せずに苦戦し、「発売されたら、家でゆっくりプレイしたいです」とコメントした。また、発売後に行われたトークショーでも苦笑いで「私には難しくて、なかなか先に進めません」と述べている。
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これらのイベントで語られたことを信じるならば、藤原氏は本作の開発中に積極的にアイデアを出していたようで、水着は彼女自身のアイデアであるらしい。さらなるゲーム出演に前向きな発言に加え、本作を「ぜひ映画化してほしい」とも述べてたが、今までのところどちらも実現していない。
 
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2007年にはパチンコ『CRプロジェクトミネルヴァ』およびパチスロ『アリシア』が発表されている。
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タイトルと藤原氏の出演、「アンドロイドと戦う」という設定を除けば、本作とは根本的な世界観からして異なるようだ。
 
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守靖ヒロヤ氏によるラノベ版『プロジェクト・ミネルヴァ』が2003年9月に発表された。
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『SIMPLE2000シリーズ Ultimate!! Vol.17 対戦 爆弾ポイポイ』には本作で登場した爆弾のエキスパート、マックスが登場する。
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だが、本作をやっている人で彼にいい印象を持つ人間はいないだろう。
 
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当作品(主に無印)の発売前後の時期には、ほとんどの『SIMPLE2000シリーズ』の説明書などに広告が載っていた。
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ただでさえページの少ない『SIMPLE2000シリーズ』の説明書の約1/3をその広告で消費していた作品さえあった(8ページ中3ページ=単純にページで計算すると37.5%である)。
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最後のページは取扱注意や著作権関係の表記があったりするとはいえ、ゲーム雑誌の特集でさえ1/3を1つのゲームに使うことなどない。
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ゲームの制作費用が相当掛かった(為に必死に売り込んでいた)ことが窺える。
 
 
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D3サイト内の『プロフェッショナル』の特設ページには、ミネルヴァ社公式サイトへのリンクがある。ただし、現在では全く無関係のサイトに繋がってしまう。
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D3は2004年1月にパチンコ・パチスロ系の販売会社であるフィールズと資本・業務提携を行い、これをきっかけに北米進出を果たすことになるのだが、フィールズ側が提携を決めた理由の1つは本作における藤原氏の起用だったという。
最終更新:2024年05月25日 10:00