トランスフォーマー

【とらんすふぉーまー】

ジャンル アクション
対応機種 プレイステーション2
発売元 タカラ
開発元 ウィンキーソフト
発売日 2003年10月30日
定価 6,800円
判定 クソゲー
ポイント ザ☆袋叩き
薄情すぎる仲間
やたら長いムービー
初期化される2周目
トランスフォーマーシリーズ



ガンガンたたけ! それがトランスフォーマーの戦い方だ!!



概要

アニメ『トランスフォーマーシリーズ』を題材にした無双系アクションゲーム。
アニメ第1作と、劇場版『トランスフォーマー・ザ・ムービー』の間に起こった事件という設定のストーリー。
プレイヤーはサイバトロンとデストロンのどちらかを選択し、その軍を主人公としたストーリーをプレイしていく。

なお同年に発売された玩具『トランスフォーマーコレクション9 スタースクリーム』に、本ソフトの宣伝映像を収録したDVDが同梱されていた。

登場キャラクター

第1作・『2010』・『ザ☆ヘッドマスターズ(もしくはリバース)』のキャラクターが登場する。
パッケージには「100体以上のキャラが登場」とあるが、プレイヤーが使用できるのは以下の面々のみ。

  • サイバトロン
    • コンボイ、マイスター、ホイルジャック、ロディマスコンボイ、チャー、アーシー、
      ハウンド、ラチェット、バンブル、ホットロディマス、ウルトラマグナス、ブラー、スプラング、
      クロームドーム、ハードヘッド、ブレインストーム、ハイブロウ、グロテス、ダブルクロス
  • デストロン
    • メガトロン、スタースクリーム、サウンドウェーブ、ガルバトロン、サイクロナス、スカージ、
      レーザーウェーブ、ブリッツウィング、アストロトレイン、オクトーン、シャークトロン、フルチルト、
      ウィアードウルフ、スカル、ワイプ、エイプフェイス、スナップドラゴン、シックスショット、ブラックロディマス*1

特徴

  • 全10ステージ。3人1組で出撃する。プレイヤーが操作するのは1人のみ。他2人はオートで、プレイヤーは面スタート時の配置と、変形以外は指示できない。
    • プレイヤーキャラが倒されるとゲームオーバー。仲間は倒されると、コンティニューしない限りはそのステージ中では復活できない。
    • ステージをクリアするごとに、一定の順番で仲間が加わる。隠しキャラは存在せず、両ルートとも2周すれば仲間は揃う。
    • 6面のみ、2周目以降はボスが別のキャラに差し替えられる。
  • ステージクリア後は倒した敵の数に応じて経験値が与えられ、レベルアップする。
    • ステージ中の障害物を破壊すると武器が出現する事がある。防御力を上げるシールドと、火器(マシンガン・ライフル・ランチャー)が存在する。
      • 仲間は全てハンドガンを標準装備しているが、新たな火器を入手すれば交換できる。
    • 敵を倒すと、お金に当たる「エネルゴンキューブ」を落とす。これでキャラクターや武器を改造する事もできる。

問題点

システム面

  • ゲージが溜まっている状態で攻撃ボタンを長押しすると「スパークコンボ」という連続攻撃を浴びせる事が出来るのだが、この「長押し」の判定がシビアで、普通に連打しているだけで出てしまう事がある
    • 合体兵士など巨大な敵相手には繰り出せない。
  • オート操作の仲間2人が役立たず。フォーメーションを変えても結局同じような行動しかしない。またプレイヤーが4人くらいの敵に襲われていても無視して他の敵の方に走っていく。
    • プレイヤーを助けに来た場合でも、なぜか敵の後ろで立ち止まって何もしないことがある。
    • 銃に変形するメガトロン・レーザーウェーブ・シックスショットの3人は、変形指示を出すと変形したままその場で何もしなくなる。
    • 一応前述のスパークコンボ使用時に味方が近くにいると、連携攻撃に発展する。特定の組み合わせ(コンボイとロディマスコンボイ等)になると演出が変わる。
  • ステージが始まると、敵は全員プレイヤー目掛けて突っ込んでくる。通常攻撃では一度に1体にしか攻撃できないため、大体は反撃もできず袋叩きにされる。
    • 防御はできるが正面の攻撃しか防げないため、大抵は一斉攻撃で空中コンボ→投げ飛ばされてダウンとなる。酷い時はザコのパンチ1発でダウンさせられる。
    • 銃撃は行うのに時間がかかりエネルギー消費もバカにならないため*2、飛行型のザコを撃ち落とす1シーンぐらいしか使い道は無い。その飛行型ザコにしてもライフが低いため、無改造の銃撃で倒せるので、武器を改造する必要はない。
      • 一方敵の銃撃は食らうと確実にダウンさせられる。
    • 一応打開方法が無いわけではなく、自分の周りに衝撃波を発生させる攻撃を繰り出せば、周りの雑魚を全員ダウンさせられる。ただし、回数制限こそないものの、この衝撃波は威力が低くこれだけで雑魚を倒そうとするととんでもない時間がかかる。
  • 周回プレイで引き継げるのは仲間のみで、レベル・改造・入手したアイテムは全て初期化される。
    • しかもキャラ変更の有用性が無く、終始性能の高いキャラのごり押しプレイになってしまう。1周で手に入るエネルゴンが少ない事もあり、プレイヤーが使用する1体を集中改造するのが最も手っ取り早い(というより仲間まで改造している余裕はない)。
      • ガルバトロンは両軍の中でも特に強い。キャノンに変形すると高速で移動できる上に、砲撃は貫通式でザコなら一撃で葬れるため、プレイヤーキャラとして使用すれば非常に有利にプレイできる。
      • ちなみにこのガルバトロンと同様の技を持つメガトロンの砲撃は味方にも当たる。なので本来は注意して使用したいところだが、上述の通り味方は役に立たないので気にしなくていいのも利点である。なによりガルバトロンの方は、原作の描写上全く違和感がない*3
  • 難易度は3段階用意されているが、実はコンティニュー回数が変化するのと、向かい風が吹くステージでの押し返される力が強くなるだけで、難しさ自体はほぼ変わらない。
    • コンティニュー回数は、「その周における回数」であり、面をクリアしても回復しない…のだが、なぜかセーブ→リセットすると回復する
    • 戦闘システムもステージ内の仕掛けも、全てが敵に有利なように作られており、イージーだろうと簡単ではない。高難易度でクリアしても特に何も起こらないのが救いか?
  • 多段変形できるトリプルチェンジャーとシックスショットは、出撃前に「そのステージで変形する1形態」だけを選ばされる方式。そりゃないぜ。
    • ボスとして出る場合も1形態にしか変形しない。
      • シックスショットは分身して複数体に分かれることでこの点を誤魔化している。
    • 一応キャラの強化状態は共有なので、ステージ毎だが形態を選べるキャラとして遊ぶことなら可能。
  • 柱を壊して鍵を探すステージがあるが、鍵は必ず最後に壊した柱から出る。探索要素は微塵もない。
    • 点在する柱を探して出して壊す…というものではなく、だだっ広い空間に規則正しく配置された無数の柱を順番に全て壊すという作業である。
    • 柱を壊し忘れると必ず戻って壊さなくてはならない。
    • 好意的に見れば、鍵を見つけた次点で即次のエリアへ移動になるので、アイテム回収不能などを回避させるためとも言える。
  • ボス以外の敵は変形しない。
    • 操作キャラが雑魚化した敵は変形後のモードで出てくる時があるが、雑魚専用のキャラは変形後のモードすらない。トランスフォーマーなのに…。
    • 殴りかかってくるか、射撃をしてくるかの差はあるが、基本的には強さとガワが違うだけである。
    • 原作で手持ち武器や特殊能力を有するキャラがそれらを使ってくるということもない。ひたすら素手で殴りかかるかハンドガンを撃って来るかである。
  • 各ステージの前後にはデモムービーが入るのだが異常に長い。
    • 一応スキップは出来るが全て飛んでしまうので、見たい場面だけ見るということができない。一時停止機能も無い。

キャラゲー面・その他

  • ヘッドマスター関連について。
    • まずヘッドマスターには国内設定と海外設定が存在する。詳しくは省くが、共通事項として登場するのが作中のガルバトロン達の時代よりもっと後となる。
    • ゲーム内図鑑の説明から、本ゲームに登場するのは海外設定版なのだが、ヘッドマスター達の外見が国内アニメの姿だったり、海外未登場のライデンが出演したり、シックスショットが国内版の忍者設定で分身したり、サウンドブラスターとサウンドウェーブが何の説明もなくペアで襲いかかってきたり*4と国内設定基準のキャラが複数登場する。
    • 更に、彼らは未来からロディマスコンボイやガルバトロン達が連れてきたのではなく、現在のコンボイやメガトロン達が連れてきたことになってしまっており、時系列が破綻している。
      • 一応海外設定では、ヘッドマスター達は最初は通常のトランスフォーマーだったのが改造を受けてヘッドマスターとなったので、通常のトランスフォーマーとして出演していれば許容範囲ではあったのだが…
      • なお、海外版ではコンボイは復活し後再び死ぬことはなく、ロディマスコンボイはマトリクスをコンボイに返上し、司令官ではなくなっているので、未来から連れてくる設定には出来なかったのだろう。
    • 恐らく、国内版と海外版の設定のいいとこ取りをしようとして失敗してしまったと思われる。
      • 国内設定にし、ヘッドマスターが存在する未来から来たことにすれば、少なくとも時系列・設定共に矛盾は生じなかったはずである。ゲームを海外に売れなくなるが…
      • ちなみにOPムービーで国内版の主人公及びライバルであるクロームドームとウィアードウルフが名前付きで紹介されているが、海外版での彼らはセリフが一言くらいしかない脇役である。
  • 登場キャラや使用可能キャラの選定が不可解。
    • マイナーなファイアーボットや量産ザコのシャークトロン、アニメではダイナザウラーから分離すらしなかったフルチルトが使用可能である一方、アニメでよく目立つアイアンハイドやグリムロックがザコキャラになっている。
  • デモムービーには両軍とも特定の6人しか画面に登場しない。誰を出撃させても、セリフを言うメンバーは変わらない。
    • サイバトロンではコンボイ、マイスター、ホイルジャック、ロディマスコンボイ、チャー、アーシー。デストロンではメガトロン、スタースクリーム、サウンドウェーブ、ガルバトロン、サイクロナス、スカージが該当。
    • セリフを言わないメンバーのみでイベントシーンに入ると、特定の6人の誰かが突如として通信画面に現れて話し始める
    • 他のメンツは、新規に仲間になる際のみ専用のデモで登場しセリフも言うが、それ以外のデモにはまったく登場しない。アニメで幹部だったウルトラマグナスやレーザーウェーブすらそんな扱いである。特にレーザーウェーブはシナリオ上重要な存在のはずなのに、シナリオデモでは名前しか登場しない
    • ホットロディマスとブラックロディマスに至ってはデモすら無く、いつの間にか仲間になっている。
    • ちなみにメガトロンの背中の銃口の向きがなぜか前後逆
  • 部隊はチームメンバー全員が揃っていない。誰かしら欠けている。
    • ダイノボットのみ全員出演している。
    • チーム全員が揃っていると、その場で合体出来てしまうからと考えることも出来るが…(ダイノボットは合体しない部隊である)。
      • その合体部隊に関しても初代に登場した部隊は冷遇されており、デストロン側で各部隊のリーダー格3人とビルドロン1人、サイバトロン側に至っては登場すらしない。
  • ゲームの仕様上仕方ないかもしれないが、ダイナザウラーが本来の設定より大分小さく、他の合体兵士くらいの大きさしかない。
    • まぁ元のアニメからして、キャラの大きさがコロコロ変わることなどしょっちゅうだったが。
    • 一応その後の後付設定では、ダイナザウラーは破壊と修復が繰り返されており、トランスフォーマーZ時に登場した三番機は資材不足から合体兵士くらいの大きさしかなかったとされている。ただし、ガルバトロン達の時代では巨大な二番機が稼働しているはずなので、ガルバトロン達が連れてきたのであれば、どの道設定に矛盾は生じる。
  • スタースクリームとサイクロナスは、メガトロンとガルバトロンが同一人物であることを忘れているとしか思えない言動を度々取る*5
  • 日本語音声がなく英語音声のみが収録されている。TF出演者は現在の大物声優ばかりなので、予算的に無理なのは解っているが。
    • また残念ながら原語版でコンボイやメガトロンを務めたピーター・カレン氏やフランク・ウェルカー氏が参加している訳でも無い。

評価点

  • グラフィックは素晴らしい出来。トランスフォームのモーションは最高作画の映画版をベースにしているものが多く、非常に凝っている。
    • 多数のキャラクターの3Dモデルが見られるのも良い。プレダキングやライデン等要注目。
    • 同じ開発元による『スーパーロボット大戦シリーズ』よろしく、登場キャラの図鑑機能もあり、全身像を閲覧可能。ゲーム中に変形できる者は、実際に変形させることもできる。
      • ただしキャラ名一覧は存在せず、一体一体左右ボタンで切り替えながら閲覧しなければならないので、妙に手間はかかるが。
      • また、図鑑の説明内に間違いが含まれていたり、原作で断言されていない設定を断言しているキャラも数人いる。
  • ストーリーは台詞回しなども良い意味でG1TFらしく、マニアックな設定も盛り込んでいて完成度が高い。
    • アニメに1回しか登場しなかった設定がいくつも語られるなど、ファン的な「ニヤリ」度は非常に高い。クリスタルシティ、ハートオブセイバートロン、クローンコンボイなど。
    • ゲームオリジナルのアイテムや設備でも英語セリフでの呼び方と日本語の字幕で名称が異なるものが存在する。G1TFはコンボイ=オプティマスプライムなど日本語訳の際に英語名とは異なる名称が与えられている人物や物が多い為、雰囲気を出すためにワザとそうしていると思われる。
  • オプションで言語を日本語設定と英語設定の2種類に切り替えることが出来、字幕やキャラクター名、図鑑の説明文などに反映される。
    • 英語設定にすると、日英でキャラ表示名が異なるものは英名のものになる(コンボイ→オプティマスプライムなど)。
      • 何故かアダムス(英名コスモス)のみアダムスのままである。字幕のみの登場なのであまり影響はないが…。

総評

CGは美しい、シナリオは練られている、しかしゲームとしてはとにかくストレスが溜まるという、『仮面ライダー 正義の系譜』と同タイプのクソゲーである。
最後までプレイするモチベーションを保てるかが懸念材料だが、ファンアイテムとして見れば及第点である。


余談

  • 「対策無しに宇宙へ出ると、自分たちの内部機構が太陽からの強力な電磁波の影響を受け過剰にエネルギーを消費してしまい、すぐエネルギー切れを起こして行動できなくなる(だから援軍を呼べない)」という発言が度々登場するが、デストロン編のエンディングではガルバトロン達が宇宙に出て平然としている
    • もっとも元のアニメからして、1話の中で設定が破綻することなどしょっちゅうだったが。
      • ついでに言うと、どの媒体を見ても「トランスフォーマーの宇宙での活動制限」という設定はまず出てこない。
  • 予約特典として付属したDVDは、90分にも及ぶ非常に充実した内容で評価が高い。チャプターごとに『マスターフォース』の玩具CMがいちいち挟まるのは閉口ものだが…*6
    • 以下は発売当時、2ちゃんねるの本作品スレッドに載った小ネタである(元ネタは『2010』のエピソード『クモの巣惑星』より)。
      サイクロナス「あのゲームをお前達にもプレイさせたかったぞ。あんなに面白いTFゲームはあるまい」
      モーターマスター「あれほど滅茶苦茶なのもな」
      スインドル「いっその事特典ディスクだけ売りゃ良かったんだ、千円ぐらいでよ!」
      
  • ちなみにこのDVD、「01」とナンバーが振られているのだが「02」以降は存在しない。ゲームをシリーズ化する予定だったのだろうか?
  • その後、所謂「G1」を題材としたゲームに関しては2015年に「Transformers:Devastation」が発売されるが残念ながら日本国内での発売には至らなかった。
    • 開発は日本のプラチナゲームズが担当していた。
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  • タグ:
  • PS2
  • ACT
  • 2003年
  • タカラ
  • トランスフォーマー

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最終更新:2024年02月19日 18:41
添付ファイル

*1 01年に限定販売された玩具が元。本ソフトが映像作品初出演でもある。

*2 エネルギーは銃撃の他にトランスフォーム形態を維持するのにも使用する。

*3 彼には「ユニクロンに再生強化された際に頭脳に変調をきたした」という設定があり、激昂すると敵味方問わず暴れる。

*4 サウンドブラスターは国内版ヘッドマスターズ2話で死亡したサウンドウェーブが復活した姿であり、二人は同一人物である。

*5 スタースクリームは、ゲーム内でガルバトロン達の会話を盗み聞きして知っているという設定。

*6 収録内容の物は『トランスフォーマー ザ☆ヘッドマスターズ』最終話以降関東地域以外で放送された物で通信販売限定で販売されたVHSソフト「戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー 英雄伝説編」のCMを含めた収録内容をそのまんま収録している。同内容は『戦え!超ロボット生命体 トランスフォーマーV』DVDBOX2の特典でも収録されている。