モグモグGOMBO 遥かなる超料理伝説
【もぐもぐごんぼ はるかなるちょうりょうりでんせつ】
| ジャンル | RPG |  | 
| 対応機種 | ゲームボーイ | 
| 発売元 | バンダイ | 
| 開発元 | レイアップ イージー・コンピュータ・システム (ECOS)
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| 発売日 | 1995年6月16日 | 
| 定価 | 5,040円 | 
| 判定 | クソゲー | 
| ポイント | 原作番組の面影がない内容 超展開のストーリー
 ピーキーVSピーキー
 クッキングタイマー機能付き
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| 日本テレビ関連作品リンク | 
 
概要
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1993年から2003年まで日本テレビ系列で放送されていた子供向け料理番組『モグモグGOMBO』をゲーム化したもの。
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番組はヒロミと林家こぶ平(現:林家正蔵)が日本全国の食材産地・料理店・食品工場などを巡り、現地の子供たちと食材や料理に関する知識を深めるとともに、子供たちの作った創作料理を試食・評価する、という内容だった。
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初期は『ひとりでできるもん!』をだいぶ意識しており、CGアニメやオリジナルソングのショートコーナーも挿入された。それらは早々に消滅し、上記の通常回に加え、定期開催の子供料理大会へシフトすることで差別化が図られるようになる。
 
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一方ゲームは「今から1000年後の料理の作り方が分からなくなった世界、主人公モギー(名前変更可)が精霊などの仲間とともに、料理で世界征服を企む海賊から母親を救出する」という
番組とはおよそ無関係なファンタジーRPG
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共通要素は料理をすることと、ヒロミ・こぶ平を元にしたキャラが出てくるくらいしかない。この時点ですでに嫌な予感がするが…。
 
システム
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RPGをかなり簡単にしたシステム。
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パーティメンバーは複数人いるが、実際の戦いはキャラを選んで1vs1。戦闘中に交代はできる。
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攻撃は打撃と魔法。主人公とこぶへーは打撃だけ。後で仲間になる妖精達は、魔法が使える。
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魔法は特定の食べ物を消費する。
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本作は、必ず逃げる事ができる。
 
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勝って得られるのは、食材と食べ物のみ。このためお金を得るには、食材や食べ物を売りさばく必要がある。
 
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食材と食べ物。
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食材は料理を作るための素材。また食べると多少回復する。
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食べ物は回復アイテム、魔法アイテム、特殊アイテムの用途がある。
 
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料理。
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調理のワザを覚えると、料理が作れるようになる。ただし食材が数種類必要。
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調理は船内でする。船内マップは海上で開く事ができる。
 
問題点
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戦闘システムが不可解。
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パーティーを組んでいるのに、戦闘は1vs1。
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そして魔法はほとんどが攻撃魔法で補助魔法はなく、回復魔法は条件付き。更にお互いの攻撃は必ず命中する。
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1vs1の単純な戦闘がこれらのシステムのせいで余計単純になっている。
 
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一応、アイテム使用や逃げると言ったシステムは備わっている。
 
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テンポとUIも酷い。
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ゲームモード選択や名前入力時のカーソル移動がワンテンポ遅れ、フィールドではコマンドを開くごとに約1秒の間があり、場面切り替えのたびに約2秒待たされ、更に買い物やサブメニューなどの文字を表示するだけの画面移行には約4秒も待たされる。
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食材・食べ物を100個近く売買する事の多いこのゲームではこのテンポの悪さは辛い。
 
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店での売買の際、個数は1個・5個・10個から選ぶ仕様となっており、個数を自由に指定する事が出来ない。
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が、料理する時の個数選択ではそれがではできると言う中途半端な仕様。
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また、売ってみるまで売価が確認できない。本作では同じアイテムでも地域によっては売値が違うシステムのために不便。
 
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地図もあるのだが、船上の画面に移行してマストに登って使う必要がある面倒さ。
 
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主人公と味方の1人のこぶへーはゲームが進めば勝手にレベルアップする仕様。プレイヤーが育てる必要が一切ない。
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逆に言えば、ゲームの進行を無視してどんなにレベル上げをしようとしても成長しない。
 
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戦闘面での各キャラの格差が酷い。
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とにかく弱い主人公。
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全パラメーターがこぶへー以下な上、イベントでしか成長しない仕様もあって空気。主人公を戦わせる理由がない。
 
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そのこぶへーも中盤以降空気。妖精の使う魔法が本作での要になるのと、イベント成長なのもあってやはり出番がない。
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その妖精の中でもフィーは他の妖精が参加しだす中盤以降は役に立たない。
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攻撃力も魔法も弱く、回復魔法を持つが前述の通り条件付き。イベント成長ではないが、故に弱いのに育てる必要がある。
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一応、フィーの魔法しか通じないモンスターもいるのでまったく役に立たない訳ではないのだが。
 
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残りの妖精のティーとファオは強力な魔法を持つため、他三人はまったく使われない。
 
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敵モンスターの性能が異様に高い。
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中盤以降、モンスターは異常に威力の高い特殊攻撃を使ってくる。
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通常攻撃がほとんどプレイヤー側に通じないモンスターでも、特殊攻撃ならば体力8割をごっそり持っていくという有様。
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そして中盤以降の戦闘は「やられる前にやるか逃げるか」となっていく非常にピーキーなバランスに。
 
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更に敵味方問わず攻撃が必ず命中する仕様なので、相手が即死効果を持つ技を使ってくると問答無用で即死してしまう。
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終盤にでは防御力も異常に上がり、こちらの攻撃はまったく通じなくなる。更に他にも魔法しか通じない敵が多くなるため、主人公、こぶへーはなおさら出番がない。
 
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魔法や全回復アイテムが使い放題。
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魔法を使うのに料理が必要(正確には、料理と交換した食べ物)。そして料理の食材は買うことになるのだが、お金は食材と食べ物を売って入手する事になるため、大量の食材・食べ物が必要。所謂稼ぎプレイである。
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この点はまだRPGらしいと言えるのだが、実は労力なしで無限に得られ、それなりの値段で売れる食べ物があるため、お金に困る事はまずないし魔法も撃ち放題。料理を使えば体力がほぼ全快するが、これも使いたい放題である。
 
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超展開連発のストーリー。
    
    
        | + | 一応、ネタバレ注意 | 
開始時に設定などの説明はなし。ゲームがスタートするとあるのは変な本のみ。
序盤、こぶへーは何故か流氷の中から出てくる。この理由は終盤で解説される。
店で食べ物は売っているのに、「ひもじー」を連発する村民。海賊が食べ物を強奪しているために食べ物不足になっていると言う設定に説得力がない。ちなみに、料理の作り方が分からない設定もあるがその理由は説明がない。
 
しばらくはそれなりにまともな話が続くが、中盤から超展開。
こぶへーがいきなり死ぬ。後でご都合主義な事に生き返るが、ストーリー上彼の生死はまったくの意味がない。
城に囚われているキーマンを救出する方法を教える番兵。
造船所では、無関係なのに何故か牢獄の鍵を作ってくれる。
地下牢と繋がった場所にある囚われの姫の牢屋。姫は「敵国に囚われている」と虚報を流していたので、外から見える場所に隠す訳にはいかないのだが。
「母親が実は海底帝国のプリンセス」といきなり告白される。
謎のお助けキャラ・ヒロミはいろいろ事情や料理を知っているくせに、一気に教えてくれない。
海賊は世界世服のために妖精の卵を手に入れる。
妖精は料理で孵した当人の言う事を聞くようになるのだが、海賊は卵を孵化させない。そのために種守という人々を攫っていたがこの設定もよく分からない事に。そのため主人公たちに卵を取られる。
ラスト、主人公たちの努力の甲斐もなく最強の妖精が海賊の思惑通り復活する。しかし当の海賊は満足しながら突然その場で死ぬ。
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評価点
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番組を意識してか、ヒロミと林家こぶ平をモデルにしたキャラが出ている。
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なんとか料理番組のゲームらしくしようと、キーアイテムに料理が使われている。
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料理番組が原作らしく「クッキングタイマー」の機能がオマケとして用意されている。決して実物を使った方がラクだとか言ってはいけない。
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画面には野菜をひたすら頭に乗せて画面周囲を回るモギーの姿が…。
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ちなみにAボタンを押すと逆回転。…何の意味が?
 
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本編をクリアすると、上記の料理の説明を自由に確認できる「クッキングモード」が登場する。
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なんとかゲームの体裁は取れている。
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ステータスのインフレを起こすモンスターと言う理不尽さはあるが、こちらには無限に手に入るお金に際限なく使える魔法と回復アイテムが存在する。そして、二つの問題点が具合よく相殺しあい、辛うじて遊べるものとなっている。
 
総評
本作の要素は、元の番組とまるで関係がない。一応「料理」は重要なポジションではあるが、ほかに差し替えてもなんの違和感もない。
また、そもそも作りが根本的に雑。戦闘システムはその最たるものであり、ストーリーも説明不足や超展開が目立つ。
しかもテンポが最悪。単なる画面切り替えやシステムメニューの表示にその都度数秒を要するプログラムの構造は、実に謎である。
ただし、問題点同士が相殺されるような形で、結果的に遊べなくもないのはせめてもの救い。
最終更新:2023年12月05日 01:57