ソル・ビアンカ
【そる・びあんか】
| ジャンル | RPG |  
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| 対応機種 | PCエンジン CD-ROM2 | 
| メディア | CD-ROM 1枚 | 
| 発売元 | メサイヤ(日本コンピュータシステム) | 
| 発売日 | 1990年06月29日 | 
| 定価 | 6,200円 | 
| 判定 | なし | 
| ポイント | 美女宇宙海賊冒険RPG CD-ROM2のRPGとしてはロード時間が短く快適
 スキルシステム採用
 セミオートバトルで爽快
 ボイスが聞き取りづらい
 一部難解シナリオ
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概要
当時はまだ少なかった、マルチメディア構想の一部として作られたゲーム。
OVA『ソルビアンカ~黄金の宇宙船~』も発売されており、ゲーム最終シナリオはこのOVAを基としている。
巨大な軍事力が行き交う暗黒の時代を舞台に、「ソル・ビアンカ号」という純白の宇宙船に乗る5人の美女宇宙海賊による、宇宙の秘宝をめぐる冒険RPG。
ゲーム内容
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7つのシナリオからなるオムニバス形式。そのうち2本はランダムに発生するショートシナリオで、クリアするとサービス的なビジュアルシーンが見られる。
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それぞれが異なった星または星系が舞台となり、世界観もそれぞれ個性的。ショートシナリオは宇宙空間である。
 
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戦闘は基本的にはコマンド入力・ターン制のオーソドックスなものであるが、いくつかの特徴がある。
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スキルシステム
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レベルが上がると、まずキャラクターによって自動的にスキルが上がる。さらにプレイヤーが自由に上げられる1~2スキルが与えられる。一度決定したら変更はできない。
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スキルは5つ。格闘・射撃・OFC(攻撃系ESP)・DFC(防御系ESP)・PS(パワードスーツ)。格闘・射撃スキル足りない武器を装備すると攻撃力・命中力が下がる。ESPやPSはスキルが足りないと使用できない。
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装備は誰が何でもできるし(PSのみスキル制限あり)、ESPもスキルとMPさえ満たせば誰でも使える。ESPは基本的には店で購入する。
 
 
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セミオートバトル
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戦闘に入ると、各キャラの行動は当初「たたかう(攻撃)」になっている。攻撃目標を決めたり他の行動をさせたいキャラがいる時は、「めいれい」を選び行動を変更する。変更し終わったら「たたかう」を選び行動開始に。つまり、必ずしも5人全員の行動を指定しなくても済む。
 
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銃器の一部には弾数制限があり、少なくなったら「カートリッジ」で補う。
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HP0になったら「気絶」。全員気絶したらセーブしたところからやり直し。気絶はESPの他、宿に泊まると治る。
評価点
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シナリオそれぞれの世界は原始的だったり、砂漠の惑星だったり色々楽しめる。
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また海賊ということもあり、純粋に勧善懲悪的なシナリオは少ない(その傾向を持つことは多いが)。
 
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エンカウント時、ロードが無い。他の画面切り替わりのロードも短い方。
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このゲームの大きな売りの一つである。非常に快適である。
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その代償なのかもしれないが、戦闘背景はいかなる場合でも黒い背景に星が流れるだけ。
 
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音楽は全般的に良質。
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特にエンディングの『負けないで』が素晴らしい。オープニングの曲もいいし、他の内蔵音源の曲もいい。
 
賛否両論点
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主人公たちは海賊という身柄ということもあり、万人受けする正統派美少女という感じではなく、好き嫌いがかなり分かれると思われる。
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セミオートで快適なバトル。
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エフェクトは派手ではないが、かなり爽快である。一撃必殺系の銃で敵を倒した時など特に。
 
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敵グラフックはきれいな方である上、種類が豊富。
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それぞれのシナリオで世界観が異なるため、シナリオをまたいで同じような敵は出ない。
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アニメーションするのはボスのみ。なおラスボスは、当時最大レベルの巨大さ。こちらのステータスが全く見えなくなるが。
 
問題点
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ビジュアルシーンの音声が非常に聞き取りづらい。
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最初のシナリオのオープニングからそうで、いきなりストレスがたまる。音量を大きくしても、BGM(内蔵音源)とのバランスが悪くてやはりなかなか良くならない。ビジュアルシーンのほとんどがシナリオの重要な説明に関わっているので、本当に困ったものである。聞き取れなくてもゲーム進行には差し支えないことが多いが。
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声優の技術はまともであり、そういう意味で聞き取れないことはない。
 
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シナリオの一部が難解。該当シナリオは「ジクムント」「超兵器人W」の2つ。これに上記の聞き取れない音声が加わるわけで…。
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前者はわけのわからない用語や現象が次々と現れ、最後で一度に謎が解かれるという展開で、ついていけない。
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後者は意図的に作られた電波シナリオであり、プレイヤーは置いてきぼりにされる可能性大(ちなみに主人公達も呆れている)。
 
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最初のシナリオが水増し感が強い。
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宝箱もイベントもなく、通路としての意味もなく、経験値稼ぎ以外何の役にも立たないダンジョンが2つある。
 
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スキルシステムの問題
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各キャラの自動上昇スキルとのバランスを考えると、それほど自由に上げられるというわけではない。早期に誰がどのようなスキルが自動で上がるのかを把握しないと、後で困ることになる。
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PSは完全に地雷スキル。
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1人は手を出す必要がないくらいに自動で上がり、他の4人は手を出したら他の必要なスキルが疎かになってしまう。PSは防御力だけでなく攻撃力等も上がるので強力だが、スキルに手を出してはならない。
 
 
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町などの中では、他のキャラクターが中途半端に移動する。通路を塞がれたら、なかなかどいてくれない。
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グラフィックはビジュアルシーン・他の画面共に、どちらかというときれいな方ではない。
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建物に屋根が無い。ロード時間を減らすためであろうが。
 
総評
PCE・CD-ROM2のRPGとしては、最高クラスの快適さを持ったRPG。
ただ、声の聞き取りづらさや難解なシナリオ等の問題や、人を選ぶ要素等から、割と評価の分かれやすいゲームである。
余談
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OVA版について
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OVAのタイトルには、中黒(・)が入らない。また、一部キャラクターの名前が少し異なっている。
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OVAのサントラも発売されたほか、2巻目のOVA『ゴメスの逆襲』も発売されている。OVAは後者のほうが知名度が高い。
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その後、大きくリメイクされた形で『太陽の船ソルビアンカ』が全6巻発売された。
 
 
その後の展開
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メサイヤは本作発売後、12月7日に高橋留美子の原作漫画をゲーム化した『らんま1/2』を、1年後の3月15日にメディアミックス作品『電脳都市OEDO808』をゲーム化した『CYBER CITY OEDO 808 獣の属性』を、4月5日にシューティングゲーム『エルディス』を、12月6日にアドベンチャーゲーム『らんま1/2 とらわれの花嫁』を、2年後の3月13日にアドベンチャーゲーム『魔物ハンター妖子 魔界からの転校生』をPCエンジンCD-ROM2専用ゲームソフトとして発売していった。
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『魔物ハンター妖子 魔界からの転校生』はプロジェクトEGGにも配信された。
 
最終更新:2021年08月22日 13:10