SDガンダム OPERATION U.C.
【えすでぃーがんだむ おぺれーしょんゆーしー】
| ジャンル | スクロール型アクション | 裏を見る | 
| 対応機種 | ワンダースワンカラー(専用) | 
| メディア | 16MbitROMカートリッジ | 
| 発売元 | バンダイ | 
| 開発元 | トムクリエイト | 
| 発売日 | 2002年2月16日 | 
| 価格 | 4,179円(税5%込) | 
| プレイ人数 | 1~2人 | 
| 判定 | ゲームバランスが不安定 | 
| ポイント | 差が有りすぎるユニット性能 弱すぎたり強すぎたりする敵
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| SDガンダムシリーズ | 
 
概要
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ワンダースワンカラー専用の、ガンダムのスクロール型アクションゲーム。
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『初代ガンダム』『Ζガンダム』『ガンダムΖΖ』『逆シャア』までの物語が、名シーンを織り交ぜつつ進行する。
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当時コミックボンボンで連載されていた4コマ漫画『SDガンダム フルカラー劇場』のキャラ(MS)もアイテムとしてゲスト出演している。
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このため、コミックボンボンや作者のあずま勇輝氏の名前もスタッフロールに記載されている。
 
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基本的に各ユニットを操作しつつ、出てくる敵を次々と倒していくのが目的なのだが……。
評価点
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登場するユニットはかなり多い。原作に出ていた有名な機体はほぼ全て出そろっている。本編には登場しないシン・マツナガやアナベル・ガトーの搭乗機までもが出てくる。
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台詞無しと言えども、ステージの進行・構成は概ね原作通り。特定のイベントで原作の名シーンをきっちり再現してくれる。台詞が無いのは脳内で補おう。
問題点
バランスの取れていないユニット性能
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各ユニットによって通常武器、タメ撃ち、必殺技、格闘武器・シールドの有無が異なっているのだが、その性能の差があまりにも激しい。
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本ゲームのユニットが使う武器はミサイル系<マシンガン・バルカン系<ビーム系=バズーカ系<中ビーム系<太ビーム系の順に強くなるが、弱い武器の攻撃は強い武器にかき消されてしまうという仕様が厄介。ちなみに同系統の武器同士だと相殺される。
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当然、弱武器を使うユニット(ガンタンクやザクなど)は弱い部類に入る。
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一部の機体(Ζガンダム、百式、Mk-II)は『Ζ』『ΖΖ』の両作に登場するが、乗っている人物が違う=別機体とでも言いたいのか、『ΖΖ』のそれらは通常武器が非常に弱いバルカン系である。そのため『ΖΖ』でそれらの機体を使うシナリオは圧倒的に難易度に差がある。
 
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また、各ユニットごとに使える必殺技も性能がかなり片寄っている。ランダムにビームを発射し当たり判定が小さいファンネル系、敵のシールドをごっそり削ってライフもごっそり削れるレーザー系、敵の動きをスローモーションにしてしまうNT系は強いが、真っ直ぐ突進するだけの突進系や武器を連射する連射系は横軸をずらすか離れていれば簡単に避けられる。
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格闘武器は無くても遠距離から撃てばいいだけで(そもそも本作では接近戦を行うメリットはほとんどない)、シールドは無くても当たらなければどうということはない。
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上の記述を統合すると、強いユニットは「太いビームを撃てる」「必殺技が強い」ユニットに必然的に限られてしまい、他のユニットを使う必要性が全く無くなる。
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ちなみにこの条件に当てはまるユニットはΖΖガンダム、ザクIII、サザビーなど。
 
難易度差の激しいシナリオ
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一度シナリオをクリアすると、同作品に出ていた別のユニットでプレイできる別シナリオも追加される。しかし上記のユニット性能の差により、同じ敵が相手でもその難易度は雲泥の差になる。
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例としてはガンダムとガンタンク。ガンタンクは「通常武器がミサイル系」「動きがのろい」「シールドがない」と完全にガンダムの劣化で、戦艦との戦いではかなりの苦戦を強いられる。利点があるといえば通常武器のミサイルが画面上2発うてるのである程度の連射は可能である事。
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『Ζ』の百式シナリオのラスボスは、ファンネル系必殺技を持つキュベレイと太ビームを撃つジ・O。原作では三つ巴の戦いだったが、このシナリオでは仲良く百式を攻撃してくる。ほぼ全方向から防ぎようのない攻撃を食らいまくるため、ほとんどリンチである。
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但し百式の必殺技は後半LV1~3すべてがメガバズーカランチャー(ZZのハイメガキャノンと同等の攻撃判定)になる為、二人まとめてファンネルごと薙ぎ払えるので「必殺技前提」で攻略するステージとみればそれほど難易度は高くない。
 
 
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他にもジム編、ボール編などといった、入れる必要があるのか分からないシナリオなどもある。
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とくにボールに関しては通常攻撃が格闘のみでその格闘が1段技。為技でやっと砲撃である為全ユニット中最弱といえる性能となっている。
 
単調なMS戦
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各ステージの通常パートではザクなどの量産型MSと戦うのだが、敵の動きは非常に単調。ちょろちょろしつつ、自機と横軸が合ったら攻撃してくるのみ。適当に撃ってるだけでも簡単にクリアできる。
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シャアやジェリドなど名有りのキャラが登場するボスユニットもまた単調。違うのはダメージ後の無敵時間が終わったら即発砲してくる点。やはり横軸をずらせば簡単に避けられる。必殺技もその場で即発動するので、パターンが分かれば非常に簡単。むしろわんさか出てくる雑魚の方が煩わしい。
難しいMA戦
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通常のMS戦は単調なのに対し、MA戦は嘘のように厳しい。どれも巨体なので攻撃は当てやすいが、レーザーや無数の弾を連続でぶっ放してくる為、ほとんど弾幕ゲーと化す。必殺技も有用でない場合が多い。
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パターンさえ掴めばどうにかなるが、それでもサイコガンダムMk-II、クイン・マンサ、α・アジールは凶悪。MS戦と同じ感覚でかかると痛い眼に遭う。
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特にファンネルや貫通ビームを撃ってくるクイン・マンサと戦う際のユニットは、前述のバルカン系の武器を持つ非常に弱いΖや百式。鬼畜にも程がある。
 
その他の問題点
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スコアの概念が存在しない。そのため「より多く敵を倒す」「ダメージをなるべく受けずにクリアする」と言ったプレイは完全に趣味の領域。
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『フルカラー劇場』のキャラは対戦モード・サバイバルモードでのみ登場するが、ガンダムとΖΖ以外は役立たず。
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Ζをサバイバルモードで取ってしまった場合、一度に敵が2体出現する。出てくる敵の種類によっては非常にやっかい。
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シャアザク、旧ザク、ギャンは完全にお邪魔アイテム。取ると自分に不利なことばかり起きる。
 
総評
遊べなくはないのだが、ゲーム自体の出来は非常に単調。一部がぬるかったり一部が難しかったり、難易度も一定していない。
やり込み要素も薄く、プレイ意欲にはどうしても欠ける。
簡単な状況テキストと、モビルスーツでの原作再現はある為原作を思い出しつつ遊ぶのには向いているが、ゲーム総評としては秀作とはいい難い出来になっている。
余談
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当時の『フルカラー劇場』でも本作の紹介を兼ねたネタが掲載されていた。コミックス4巻と新装版「春やすみ」に収録されている。
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スタッフロールに掲載されているあずま氏の名前が誤植されている(ローマ字の「Azuma」が「Auzma」になっている)。
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当時の懸賞で、パッケージやカートリッジのイラストが『フルカラー劇場』仕様になった「スペシャルパッケージ」が300名に配布された。ゲーム内容は製品版と同じだが、配布数が少ないため中古市場ではプレミア化している。
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上記の『フルカラー劇場』のゲームネタ+書き下ろしを収録した小冊子も付属している。
 
最終更新:2024年02月20日 14:37