パワフルゴルフ
【ぱわふるごるふ】
| ジャンル | ゴルフ+育成スポーツ |  
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| 対応機種 | ニンテンドーDS | 
| メディア | 1024MbitDSカード | 
| 発売元 | コナミデジタルエンタテインメント | 
| 開発元 | コナミデジタルエンタテインメント(パワプロプロダクション) | 
| 発売日 | 2011年3月17日 | 
| 定価 | 5,250円(税込) | 
| 判定 | 良作 | 
| ポイント | 『パワプロ』チームが手がけたゴルフゲーム 彼女候補を使用キャラとして使える
 やり込み度の高い隠れた良作
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| 実況パワフルプロ野球シリーズリンク | 
 
概要
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『パワプロ』『パワポケ』など野球ゲームを手掛けてきたパワプロプロダクションによる初のゴルフゲーム。
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パワプロシリーズでお馴染みの「サクセスモード」 ライバルやヒロインを操作しての「サブストーリー」 大会を勝ち進んでいく「ワールドツアー」等のモードを進んでいく。
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ニンテンドーDSでの本格ゴルフゲームとして中々やりごたえのある隠れた良作となっている。
 
評価点
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初心者でも遊びやすく、やり込み要素の深いゲームシステム。
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手さぐり感があるおかげで、サクセス中でちゃんとチュートリアルで操作方法を教えてくれるので親切。
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勿論「ルーキーのお守り」的なアイテムもあり、自動的にくれるので慣れないうちは装備して挑める。
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「サクセス」では校長評価が下がるとゲームオーバーになるが、うろつきで校長評価を回復出来るのでカバーできる。
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しかし「サクセス」で強い選手を作る、「ワールドツアー」で高難度の大会に挑むとなると歯ごたえを増す。広く深いゲームデザイン。
 
 
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大会に挑む「ワールドツアー」と選手育成の「サクセス」の互換性が深い。
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ワールドツアーでポイントを溜めれば「サクセス」で手に入る装備アイテムが増えたり、サクセス中で強振やミラクルパットを使える「EXショット」の使用回数が増えていく。
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また「サクセス」をクリアして作った選手、サブストーリーの選手などを「ワールドツアー」で使えるため、各キャラをしっかり育成する必要が出てくる。
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『マリオゴルフ』『みんなのGOLF』に比べて能力値の影響が大きいため、強い選手を育成する事が勝ちあがるコツになっていく。
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アルバイトでお金を溜めて強い道具を買う事も出来る。
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サクセスの純粋な面白さとやり込みの度合いがあり、ゴルフゲームとしても正統派に遊べる。
 
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「パワプロ」では半ば封印されてる「彼女候補を使用可能キャラとして操作出来る」というイベントがある。
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中学生の同級生でコンビニで働いているめぐみ、本作のメガネポジションの牡丹は彼女にした上でサクセスをクリアして、出現したサブストーリーもクリアすると「ワールドツアー」で使える。
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またゴルフセンターのお嬢様である彼女候補の亜理沙もサブストーリーはなくワールドツアーで使えないものの、彼女にしてサクセスをクリアすると操作キャラとして使える。
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ライバルキャラの西崎やフォギー、サブヒロインの南国娘のナウパカや中華娘のリンリンなどのサブキャラもサブストーリーで使え、操作キャラを増やしていく楽しさがある。
 
 
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ライ(ボールの状態)がショットの難易度にきちんと反映されるゲームシステム
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1.「①スタート→②パワー→③インパクトと3回ボタンを押すことでショットする」のは既存のゴルフゲームと変わらないが、「
③インパクトの的が、ボールのある場所の傾きによって中央から徐々に移動していく
」。狙い通り飛ばすには、反対側に十字キーを適度な間隔で入力し中央に戻しつつショットしなければならない。傾きが急なほど的の移動も速くなる。
 2.ボールがラフやバンカーにある時はインパクトの的が小さくなる、状態に合わないクラブの時は特に小さくなる。これはほとんどのゴルフゲームである仕様。
 3.クラブの番手が上がる(飛距離の出る物にする)ほどカーソルの移動が速くなる。状態に合わないクラブの時は特に速くなる。これはゲームによってあったりなかったりする。
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1つ目の仕様が極めて画期的。両方の手で精度を求める動作を同時操作する必要があるため、ライが悪い時のショットの難易度が大変高いものとなっている。傾きの強いバンカーからロングアイアンで打とうとした時はミスショットを回避するだけでも至難、中央でのナイスショットは曲芸の域。
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既存のゴルフゲームはバンカーはともかくラフに入れた時のデメリットがせいぜい飛距離だけと小さく(上記2.3.程度の難易度上昇なら、慣れたプレイヤーならどうせナイスショットにすることは容易いため)、「打った先の状態はいいからとにかく飛ばす、ピンを狙う」という単純な戦略がセオリーとなっていた。また、これにより現実離れしたスコアが当たり前ともなっていた。
 しかし今作は1つ目の仕様により「ライが悪い場所はできるだけ避ける」という現実に則した戦略が求められるようになった。
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傾きは当然フェアウェイにもある。「ティアップする一打目はどうせ状態の良いフェアウェイに飛ばせるのだから打つ先の状態なんかいちいち確認しておかない」なんてプレイでは思わぬアクシデントに見舞われることとなるだろう。
 「傾きの強いフェアウェイに飛ばすくらいなら平らから打てるバンカーをあえて狙う」なんて戦略もカップが近いなら大いにありである。
 
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「片手で3回ボタンを押すだけ」という単調な操作は慣れれば気を抜いても狙い通りに止めるのは容易く続けていると飽きやすかったが、集中のいる操作になったことでマンネリしにくくなった。
 
賛否両論点
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「ワールドツアー」をある程度クリアしてEXショットを解禁しないと「サクセス」でのライバル戦や公式戦をクリアするのが難しい。
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逆に「ワールドツアー」もサクセスで鍛えた選手が居ないと難易度が高くなるため、両方を交互に遊ぶスタイルをほぼ強いられる。
 
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サクセスが1週間単位の1年半で終わるため、すぐ終わってしまう。
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またストーリー的には『パワポケ』のような展開を期待していると肩透かしを食らう。ノリとしては新キャラ多めの王道サクセスという点では『実況パワフルプロ野球NEXT』に近い。
 
問題点
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スピンが掛けづらい。
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スピンを掛けるために十字キーを上下左右に入力すると、インパクトの位置まで上下左右にズレるので、インパクトに集中できなくてストレスが溜まる。
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スピン無しで打ってもある程度まともにプレイできるので、スピンを使わないことが多くなりがち。
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しかもスピンを掛けると飛距離が落ちたり落下地点が左右にズレたりするので、その分の計算が面倒臭いのもスピンを使わなくなる一因になっている。
 
 
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特殊能力を取得してもセットしなければ反映されない。
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効果を発揮しているのか分かりにくい特殊能力が多い。
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サクセスのサブストーリーを出す条件が分かりにくい。
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特定のキャラクターを彼女にするだけでなく、特定の選択肢を選ばないと条件を満たさなかったりする。
 
総評
売れなかった不遇の作品ではあるものの、ゴルフゲームとして十全に作りこみが行き届いており、ゴルフゲーム好きの人には確実におすすめできる一品となっている。
余談
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本作の主人公はパワプロくんではなくパワゴルくんである。
最終更新:2022年11月08日 18:16