シャッフルファイト
【しゃっふるふぁいと】
| ジャンル | シミュレーション |  | 
| 対応機種 | ファミリーコンピュータ | 
| メディア | 2MbitROMカートリッジ | 
| 発売元 | バンプレスト | 
| 開発元 | パンドラボックス | 
| 発売日 | 1992年10月9日 | 
| 定価 | 7,600円(税別) | 
| セーブデータ | キャンペーン用1個+対戦用1個 | 
| 判定 | なし | 
| ポイント | 独創的なシステム マニアックな参戦作品
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| コンパチヒーローシリーズ | 
 
概要
コンパチヒーローシリーズの一作として生まれたシミュレーションゲーム。
ただしシリーズの公式サイトには記載されておらず、現在では外伝的な扱いを受けている。
カードゲームとボードゲームを組み合わせたような独創的なシステムが特徴。
    
    
        | + | 参戦作品一覧 | 
機動戦士ガンダム
機動戦士Ζガンダム
機動戦士ガンダムΖΖ
機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争
機動戦士ガンダムF91
重戦機エルガイム
機甲戦記ドラグナー
戦闘メカ ザブングル
マジンガーZ
グレートマジンガー
ゲッターロボ
ゲッターロボG
超電磁ロボ コン・バトラーV
超電磁マシーン ボルテスV
無敵超人ザンボット3
無敵鋼人ダイターン3
無敵ロボ トライダーG7
最強ロボ ダイオージャ
未来ロボ ダルタニアス
闘将ダイモス
宇宙大帝ゴッドシグマ
光速電神アルベガス
バンプレストオリジナル
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ストーリー
(説明書3~4ページより引用)
スーパーロボットの世界。ここは、力の源であるカードメタルによって支えられ、平和が保たれたいた。
しかし、その平和は邪悪なるザクバラン帝国によって破られてしまった。
ザクバラン帝国の帝王ダルガスが、カードメタルの略奪を始めたのだ。
残り7枚のカードメタルがそろえば、究極の魔獣機ガルシアスを復活させることができる。
そうなったらザクバラン帝国の支配は完全なものとなってしまうだろう。
スーパーロボットのヒーローたちよ、力を合わせてダルガスの野望をくじくのだ!!
システム
モードはキャンペーンモードと対戦モードの二つに分かれており、戦闘システムは共通ながらその他のシステムは大きく異なっている。
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プレイヤーは「国力」と呼ばれる行動力を消費して、盤上に駒を生産したり駒の移動を行う。
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『ガチャポン戦士シリーズ』のように名有りのユニットを生産するわけではなく、駒自体はユニットとしての個性を持たない。敵軍の駒と接触した際に手持ちのカードから任意にユニットを選択し戦わせることとなる。
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対戦モードでは手持ちの全てのカードから、キャンペーンモードではランダムに表示された2枚の候補のうちから1枚を選んで選出することができる。
 
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国力は盤上の拠点を制圧することで増加し、ターンごとの行動数を増やすことができる。
 
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カードはバトルカード・アイテムカード・イベントカードの三種類に大別される。
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バトルカードは戦闘に参加するユニットの能力を記したカード。体力・攻撃力・防御力・素早さの4つの値が設定されている。
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対戦モードでは勝敗に関わらず一戦限りで消費されてしまうが、キャンペーンモードでは敗北しない限り何度でも使い回すことが可能。
 
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アイテムカードは戦闘中に任意のタイミングで使用できるカード。追加の攻撃を行ったりユニットの能力を増減させる効果を持つほか、特定の組み合わせに限りより強力な「特殊技」を繰り出すことができる。
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イベントカードは国力や他プレイヤーのカードに直接影響を及ぼすカード。対戦専用でキャンペーンモードでは登場しない。
 
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対戦モードでは国力を消費して山札からカードをドローすることでこれらカードの補充が可能だが、キャンペーンモードではバトルカードを使い回せる代わりに途中でカードを補充することができないため、予め組まれたデッキを使用して戦っていくこととなる。
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簡単に言えば対戦モードはユニットを消耗品として扱う戦略級シミュレーション、キャンペーンモードはユニットをロストしないよう戦い抜く戦術級シミュレーションのようなバランスとなっている。
 
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戦闘中の乱数の決定は卓上ゲームさながらにプレイヤーに視認できるようサイコロで表示される。そのためステータスやダメージの計算式は比較的簡素なものとなっている。
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先攻・後攻は上記の素早さの値に1Dの出目を加えた合計で決定する。攻撃側の攻撃力によりサイコロの数と補正値が変わり、その合計から防御側の防御力をマイナスした値が体力から削られる…と至ってシンプルである。
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例えば攻撃力が「2D+5」で防御力が「2」であるとき、サイコロの出目が3・4であれば、3+4+5=12から2を引いた10が実際のダメージとなる。
 
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またゾロ目を出した場合(攻撃力が1Dの場合は「1」の目を出した場合)に限り、いわゆるクリティカルに相当する「怒涛の一撃」が発動する。全てのサイコロの出目が6相当で計算され、更に威力が2倍になるという極めて強い効果を持つ。
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上記の例が怒涛の一撃だった場合、(6+6+5)*2=34から2を引いた32がダメージとなる。実に3倍以上の威力である。
 
 
評価点
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やたらマニアックな参戦作品。ある意味でこのゲーム最大の特徴。
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『無敵鋼人ダイターン3』『重戦機エルガイム』などスーパーロボット大戦シリーズでもSFCが初参戦となる作品はおろか、『未来ロボダルタニアス』『宇宙大帝ゴッドシグマ』などスパロボシリーズへの参戦が10年以上も先になる作品が普通に参戦している。
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『光速電神アルベガス』に至っては、『スーパーロボット大戦X-Ω』に参戦するまで実に23年もの間本作が唯一の参戦作品であった。
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本作で「サイコガンダム」として登場しているのは「Ζガンダム」に登場した機体ではなく、メカニックデザイン企画『M-MSV』に登場した「量産型サイコガンダム」である(字数制限のため。戦闘時のセリフでは「りょうさんがたサイコガンダム でるぞ!!」と正式名称を名乗っている)。
 
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ユニットのグラフィックの見栄えが良い。
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上記のようにこのゲームの戦闘はダイスバトルで行われるため、戦闘アニメーションを考慮する必要がなく、その代わりに一枚絵としての描き込みは当時としてはレベルが高い。
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「ダルカス」「クルセイダー」「ガルシアス」といったオリジナル敵のデザインも格好良く、スーパーロボット大戦OGシリーズ等でのリメイクが期待されている。
 
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戦闘に使用するバトルカードの選出は「手持ちのカードを自動で一巡するカーソルが任意のカードの上に来た際にボタンを押しておく」ことで決定される。つまり画面を眺めていても戦闘が始まるまで相手がどのカードを選んだのか確認することができない。
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敵の選んだカードを見てからこちらのカードを選ぶような後出しジャンケンが通用しないため、自然と純粋な読みを競い合うシステムになっている。
 
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一見使えない弱ユニットにも読み次第である程度の価値を持たせることができる。
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ガラダやマラサイなどの弱ユニットは戦闘力が低く勝利は期待できないが、グレートマジンガーやF91といった強ユニットにぶつければ相手のカードを消費させることはできるため、自分の弱カード一枚と引き換えに相手の強カード一枚を葬ることになり、戦闘においては瞬殺されるが実質的には勝利に近い。
 
問題点
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ユニット間の性能に酷い格差が存在する。
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弱いユニットにも使いどころはあるとはいえ、そもそもダイモスやアルベガスなどの主役ロボがアフロダイAやハイザックに毛が生えたようなステータスであること自体があんまりである。
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参考までに、コンバトラーVの体力は102、百式の体力は50、ダイモスの体力は48である。リアル系の準主役ロボットより脆いスーパーロボットとは一体なんなのか。
 
 
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一部のイベントカードに反則的な効果を持つものが存在する。
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ドローしたプレイヤーのターンがしばらく飛ばされる「お休み」、数ターン経過するまでドローしたプレイヤーのユニットの能力が半減してしまう「脱力」、自分と相手の手持ちカードを全て入れ替える「カード入れ替え」など、一部のカードはこれだけで勝敗を決しかねないほど凶悪。
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特にカード入れ替えは自分のカードを全て捨ててから行えば相手のカードをそっくり奪ったうえで敵のカードをゼロにするという更に狂った性能に変貌する。シャッフルファイトならぬリアルファイトを誘発しかねない。
 
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「リバース」を所持していればこれらのイベントカードの効力を防ぐことができる。
 
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クリティカルが戦闘に及ぼす影響が大きすぎる。
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上記の通りクリティカルこと「怒涛の一撃」はダメージ係数が極めて高く、2回も発動すればかなりの性能差を覆すことができてしまう。
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「怒涛の一撃」の発動条件はゾロ目を出すことであるため、攻撃力が3Dのユニットよりも2Dのユニットのほうが圧倒的に期待値が高い。そのため、3Dのユニットよりも2Dのユニットのほうが頼れるという逆転現象が発生している。
 
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戦闘およびカードの引きにいずれも運が絡むため、最終的な勝敗が運によって決まることが多い。
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カードの選出には読みも絡むため、完全な運ゲーではないものの、結局は両陣営の中間地点で一進一退の攻防が延々と続くグダグダな展開になりやすい。
 
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特殊攻撃のうちマジンガーZの「ジェットスクランダー」とグレンダイザーの「スペイザー」は本来は自分の素早さを上昇させる技だと思われるが、バグにより敵の素早さが上昇してしまう。
総評
他では見られない参戦作品やロボットアニメを題材にしたカードバトルというアイディア自体は面白いが、システムの荒削りさが目立つ惜しい作品。
強すぎるイベントカードや山札からの引き運といった問題点は対戦モードにのみ存在するため、対人戦よりもキャンペーンモードを楽しむ一人向けゲームとして割り切ればそれなりに遊べる佳作と言える。
余談
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対戦モードで自分と相手のバトルカードが原作を彷彿とさせる組み合わせの場合、戦闘BGMが変わるという隠し要素がある。
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但しマジンガーZ-ガラダ等、原作通りであるにもかかわらずBGMが変わらない組み合わせも存在する。
 
最終更新:2023年06月13日 13:11