注意:本稿では、オリジナルのAC版『MELTY BLOOD Act Cadenza』と、同作のPS2/Win移植版について記します。判定はAC版とWin版が「良作」で、PS2版が「判定なし」です。
【めるてぃぶらっど あくとかでんつぁ】
ジャンル | 2D格闘ゲーム | ![]() |
対応機種 | アーケード(NAOMI) | |
開発元 |
エコールソフトウェア TYPE-MOON フランスパン |
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発売元 | セガ(*1) | |
稼働開始日 |
2005年03月01日 Ver.A: 2005年08月05日 Ver.B: 2006年12月01日 Ver.B2: 2007年03月01日 |
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判定 | 良作 | |
ポイント |
自由度の高い攻撃システム 初心者にやさしいコンボ難易度 空中戦を主体とした立ち回り アーケードでは異色作ながらヒット作に |
同人ゲーム『月姫』のスピンオフである同人格闘ゲーム『MELTY BLOOD』のアーケード移植作。
TYPE-MOONとフランスパンの共同開発。略称は「メルブラ」(*2)。
同人発のゲームが商業作として展開されることは現在でこそ珍しくないが当時はあまり前例がなく、特にそれがアーケードで稼働するともなれば前代未聞であったことから注目を集めた。
またアーケード移植をあの『デスクリムゾン』を開発したエコールソフトウェアが担当したことも別の意味で話題を呼んだ(*3)。
本記事では最終バージョン「Ver.B2」における仕様について記述する。
+ | コンパチキャラクター一覧 |
同人ゲーム出身であることや原作の性質、当時低迷期にあったアーケード格闘ゲームへの参戦と、登場時の逆風が非常に強かった作品。
稼働当初は調整不足が目についたがその独特なゲーム性に取り憑かれたプレイヤーは多く、ヒット作といえる盛り上がりを見せた。
対戦ツールとしてもバージョンアップでの改善を経て十分な完成度に至っている。前代未聞の挑戦を成功させた意欲作といえるだろう。
【めるてぃぶらっど あくとかでんつぁ】
対応機種 | プレイステーション2 | ![]() |
メディア | DVD-ROM | |
発売・開発元 |
エコールソフトウェア TYPE-MOON |
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発売日 | 2006年8月10日 | |
価格 | 5,800円 | |
レーティング | CERO:B(12才以上対象) | |
判定 | なし | |
ポイント |
対戦に特化したシンプルな移植 深刻な対戦バランスや多数のバグ |
※共通項目は省略
当時ゲームセンターで稼働していた「Ver.A」の移植。対戦に特化したシンプルな移植になっている。
移植度自体は良好だが、まだ発展途上だったバージョンの移植であったこともあり、上下差の大きい対戦バランスからも格闘ゲームとしての難点も多い。
家庭用移植がAC版の稼働からおよそ一年半後(「Ver.A」稼働から数えても1年後)と遅く、その4ヶ月後にはアーケード版「Ver.B」が稼働したため、アーケードの練習用ソフトとしては短命な作品に終わってしまった。
【めるてぃぶらっど あくとかでんつぁ ばーじょんびー】
ジャンル | 2D格闘ゲーム | ![]() |
![]() |
対応機種 | Windows 2000以降 | ||
メディア | DVD-ROM 1枚 | ||
発売・開発元 |
エコールソフトウェア TYPE-MOON |
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発売日 | 2007年7月27日 | ||
価格 |
初回限定版: 7,800円 通常版: 5,800円 |
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判定 | 良作 |
ゲーム名は「Ver.B」だが、内容は最終バージョン「Ver.B2」の移植。
PS2版の反省を受けてかアーケードからそれほど間を置かずに発売された。
初回限定盤には2枚組のオリジナルサウンドトラックが付属した。
AC版を完璧に移植し、音質やロード時間などの問題もない。音声もフルボイス。
PS2版にあった要素は一部削除されたが、今から「Act Cadenza」を遊ぶならこちら一択。
*1 本作のためにエコールが10年間の販売委託契約を結んだ。期間満了後は、アークシステムワークスと契約している。
*2 開発者は「メルティ」という略称を提唱していたが、そちらはファンの間では全くといっていいほど使われなかった。
*3 『伝説のクソゲーを作った会社だから荒らしてもいいだろ』と言わんばかりに、公式サイトの掲示板は常に荒れまくっていた。
*4 同人版メルブラには本格的なストーリーモードが存在した。
*5 隠しキャラを含む。稼働当初は隠しキャラ込みで21名だった。
*6 弱攻撃の連打、立ち弱 → しゃがみ弱およびしゃがみ弱 → 立ち弱へのキャンセルは何度でも行える。
*7 前進する技をガードさせたあと弱攻撃でキャンセルして隙を減らす、という連携が単純かつ強力。
*8 それまで受けたダメージのうちの一部。ライフゲージの変色した部分。
*9 厳密にはシールドではなく相殺判定。
*10 明らかにわざと弱く調整されているいわゆるネタキャラの「ネコアルク」「ネコアルク・カオス」は除く。
*11 特にノーゲージ時が厳しい。ゲージを使ってようやく並程度。
*12 Ver.B2で対人戦のステージはランダムだが、Ver.A以前は乱入したキャラクターによってステージが固定だった。
*13 弓塚さつきやシエルのように起き攻めループが強力なキャラも存在する。
*14 いわゆる「メルブラ中段」と呼ばれるもの。空中技をガードさせたあと、続けて空中技を数発出すかすぐ着地して下段技を出すかの2択を仕掛ける。本作ではヒットストップの関係でこれをガードするのが非常に難しい。
*15 ガードを入力しながら攻撃すれば、技が動作してすぐのところを潰されてもガードできるというもの。
*16 バッタのようにぴょんぴょん飛び回る戦法を指す格ゲー用語。
*17 アダルトゲームを家庭用ゲーム機に移植されることはこれ以前にもあったが、アーケードゲームになるのは当時としても前代未聞だった。
*18 なお、同人ゲーム時代はタッグ版のほうが登場が先であり、「翡翠と琥珀が翡翠&琥珀のコンパチ」と考えることもできる。
*19 具体的には、旧シリーズの重要設定「タタリ」に関わるキャラがほぼ全員リストラされている。
*20 セイバー(アルトリア・ペンドラゴン)、マシュ、牛若丸、エドモン・ダンテス
*21 『月姫』での主人公という事だろうが、そうと知らないプレイヤーから見たら彼がメルブラの主人公という意味にしか読めない。
*22 公式からも許可は得ている。
*23 Ver.B2にも永久コンボは存在するのだが、状況が限られるうえ超高難易度だったので問題視されることはほぼなかった。
*24 前述した高機動力をもち、崩しも豊富。一度のコンボ火力は高くなく装甲は最低だが喰らわなければどうということはない。
*25 上述した『神のJB』を持ち、通常版と違い優れた飛び道具を使え、その他の技の性能もよい。基本火力が高くコンボも簡単。防御力が低めなのが弱点。
*26 通常技や必殺技に癖があるが、空中Cの判定が矢鱈強く、永久コンボも持つ。
*27 地上での機動性や空中攻撃のビートエッジができないなどの欠点があるが、ジャンプの軌道が早く鋭い。特にジャンプCの判定が強力でコンボ火力も総じて高く。ダウンを奪ってからの起き攻めは非常に見切りにくく、ワンチャンスから起き攻めの連続だけで相手の全体力を奪う事すらある。
*28 2Cをはじめとして通常技の判定が全体的に高水準で純粋に強い。
*29 バグが発生するキャラの特徴から「メイドめくり」と呼ばれた。
*30 「仰向けダウン」か、「うつ伏せ・仰向けダウン」のどちらか。キャラクターによって異なる。
*31 単体の翡翠と琥珀にタッグを組ませることはできる。