爆ボンバーマン
【ばくぼんばーまん】
ジャンル
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アクション
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対応機種
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ニンテンドウ64
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メディア
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64MbitROMカートリッジ
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発売・開発元
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ハドソン
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発売日
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1997年9月26日
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定価
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6,980円
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配信
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バーチャルコンソール 【WiiU】2017年6月28日/1,028円(税込)
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プレイ人数
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1人(ストーリーモード) 1~4人(バトルモード)
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セーブデータ
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3個
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判定
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良作
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ボンバーマンシリーズリンク
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概要
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ニンテンドウ64におけるボンバーマンシリーズの第一作。
ハードの進化に伴い、シリーズ初の3Dアクションへと変化を遂げている。
ストーリー
ボンバーマン達の故郷ボンバー星の空に、アルタイルという男とその部下達が治める要塞都市「ブラックシティ」が現れる。
彼らはボンバー星の生命エネルギーを我が物とするべく、ボンバー星の街に対して空爆を開始した。
主人公であるボンバーマンが腰を抜かしているところに現れる、シリウスという男。
アルタイルに恨みがあるという彼はブラックシティがバリアに守られていること、ブラックシティと連結している四つのエリアからのエネルギー供給を絶つことでバリアが破壊できることを伝えた。
シリウスの協力のもと、ボンバーマンはアルタイルの撃退に向かう。
特徴
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3Dで自由に行動出来る
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特に上下の移動が追加されたことが大きい。ただしジャンプは存在しない。
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爆弾の爆発が十字から球場に広がる。
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飛び石で置かれた壁の存在がなくなったため、爆風ぎりぎりに立つことがだいぶリスキーとなった。
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ボム投げとボムキックは最初から使用可能。
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これに伴いハンドグローブとキックのパネルは無くなった。
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ボム投げの影響範囲が広がった。
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マイナスアイテムやボムキックやボム投げで気絶した相手も掴める。場外に投げ捨てる事もできる。
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特に気絶したキャラを投げる事はストーリーモードでも重要なテクニック。
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新技能「ボムジャンプ」「ボムタワー」
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ボムジャンプは地面に置いた爆弾を踏み台にしてジャンプする行為。
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爆弾を蹴るか投げるかして配置し、爆弾の上へ飛び降りて爆弾を踏むと、ボンバーマンが弾かれるようにして飛び上がる。
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但し跳んだ後の自発的な空中制御はほぼ不可能で、踏みつけた角度によって飛ぶ方向が変わる。また自力でジャンプすることができないので何らかの手段で爆弾に登らねばならない。
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ボムタワーは、爆弾の上に爆弾を乗せて爆弾の塔を作ること。
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爆弾の上に乗った爆弾はさらに上に跳ねる。いくつも重ねるとそれが連鎖し、爆発した際に通常なら爆風が届かないところに爆風を届かせることもできる。
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以上のテクニックを組み合わせ、ためボム、ボムタワー、ボムジャンプで下から一気に高台に登ることも可能。
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なお凝った足場にするほど組み立て難易度も、使用難易度も上昇する。勿論ボムなので
爆発にも注意
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後半必須な場面が登場するため、簡単なものでも習得しておくべきテクニックである。
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ストーリーモード
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全6ワールド。第1から第4ワールドを順不同で全てクリアすると第5ワールドへの侵入が解禁され、第5ワールドを含めて条件を満たすと隠し要素の第6ワールドへ進める。
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難易度設定は「わくわく(低)」と「どきどき(高)」の二段階。
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「ゴールドカード」「カスタムパーツ」の追加
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ストーリー展開に影響を与える「ゴールドカード」は各ステージに5枚ずつ存在。
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普通のステージ(各ワールド奇数面)では「隠されたものを回収する」ことで3枚、「雑魚敵の一定数撃破」「規定タイムより早くゴール」が1枚ずつで計5枚。
ボスステージ(各ワールドの偶数面)では「特定の条件を満たす」ことで4枚、「規定タイムより早くクリア」で1枚の計5枚。
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なお規定タイムは開始時に案内され、タイムオーバー時は通知される。
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ゴールドカード120枚全てを集めるとオプションに「フルパワー」という項目が追加される。これをオンにすると、最大火力且つリモコンからスタートできる。
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条件はかなり厳しく、ゲームの難易度も下げてしまうが完全クリアの報酬なのでゲームバランスに影響は出ない。
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ただボムジャンプなどスキルが必要な場面でその破壊力を出されるとミスに繋がりやすい。パワーが正義とは限らないのである。
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カスタムパーツはバトルモードで使用することのできる「カスタムボンバー」で使用できる。
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「戦士の鎧」「猫のコスプレ」と外見が変わり、特殊な効果は無いが、バトル勝利時にボイスを出すという特徴がある。
カスタムパーツは頭・体・腕・足と4種類1セットになっており、パーツの種類を統一すると専用のボイスを発する。
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「バトルモード」に新ルールが追加
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バトルモードは従来のボンバーマンと同じルールの「シングルバトル」に加え、相手チームの宝石を破壊する「チームバトル」が新たに追加された。
評価点
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ボリュームたっぷりのストーリーモード
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ワールドは6ワールド、謎解き要素もパズルもボスも楽しめる。
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ロケーションは古代遺跡や市街地に溶岩地帯、雪原や氷上を渡るステージと多彩でそれぞれのギミックがある。
最終ワールドはメカニカルな敵基地内部、隠しワールドは天空に浮かぶ宮殿と、最後まで飽きさせない構成である。
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「ボムジャンプ」「ボムタワー」を使いこなすことでアクロバティックなプレイも可能。
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起爆タイミングを自分で選べるリモコンボムは本作にもあるが、あるからといって優しくならないのがこのゲームである。しかしやる価値は高い。
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カスタムパーツというやり込み要素。
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取得難易度は場所によってさまざまだが、難しいものになるとかなり巧妙な隠し方をされていたり、会得困難なテクニックがないと辿り着けないものも存在する。
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真エンディングにたどり着く過程でかなりのどんでん返しがあるが、後からストーリーを見直すと伏線が仕込まれている。
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その影響で立場が180度変わってしまったとあるキャラクターもしっかり会話が変更されている。
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ノーマルエンドなら優しいゲームデザイン
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ボムジャンプやボムタワーが必要とされることはほとんどなく、3Dになった普通のボンバーマンとしてプレイすることで
表向きのエンディング
は鑑賞できる。
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幸い、ノーマルエンドの後味はそれほど悪くない。そのため真エンディングに気づかない可能性もある。
表向きのラスボスも黒幕ではない事を暗に示唆しているためかかなり弱く設計されているが、シナリオに変なところはないため首を傾げる程度で尚更気づき辛いと言える。
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スタッフロールでは隠しステージの存在が少しだけ示唆されるが、条件が示されないので気付きにくい。
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面白さは変わらないバトルモード
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対戦のためだけに買っても間違いなく損はないレベル。
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しかしゲームシステムが一新されているため、格子状のステージでのテクニック等はほとんど使えない。
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シリーズ恒例の裏技つき
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バトルモードの隠しステージにはストーリーモード解禁されるものもあるが、裏技により全開放可能。
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BGMの数は少ないものの、質が高いものが多い。
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ステージBGMは各ワールドの雰囲気を見事に演出しており、ボス戦BGMもイントロの時点で程よく緊張感を煽ってくれる。
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ボンバーマンを含めた一部キャラクターにはボイスも実装されており、各ボスの掛け声などは印象に残りやすい。
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中でもとあるボスが戦闘開始時に発する「死にたいらしいな」「遊びは終わりだ」は、後述のように
ネタ的な意味で本作を象徴する名台詞として広まっている。
賛否両論点
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どきどきモードの難易度がやや理不尽
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敵が全体的に強化
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ザコ・ボス問わず別物と言えるほど強くなる。
耐久力も上がるが、「こちらより速く走りながら脇目も振らずに斬り殺しにやってくる」雑魚が増える。
--ハートの再利用不可
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わくわくモードでは自分や人型ボスがダメージを受けた際にハートがばら撒かれて回収出来るが、どきどきモードではロストしたらそれっきり。
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カード入手の規定タイムが短くなっているが、中には普通にプレイしては絶対に間に合わず、かなりテクニカルなボムジャンプでショートカットが必要となるほどタイムが短いステージもある。
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人型ボスの強さにかなりムラがある
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ラスボスを含む人型ボスは基本的に動きがある程度パターン化されており、パターンを読めれば攻略しやすい。
真のラスボスやカペラ、ハウトなどは積極的に攻めてくるのでかなり歯応えがあるが、他の人型ボスは全体的に攻撃も激しくないので手応えが薄い。
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グリーンガーデンのシリウスはまだチュートリアルの意味合いがあるので納得できる程度の難易度であるが、レグルスや表向きのラスボスの弱さが顕著。
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表ラスボスは二対一の構成でそれなりに手応えがあるが、同士討ちで自滅しやすくラスボス自身は他の人型ボスと違って特殊能力を持っていない。
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特に第二形態が第一形態以上に弱い。第一形態よりも積極性が弱いパターンとなり、こちらを仕留めてくる特殊攻撃を持っていないため。
一応、時折こちらを気絶させる衝撃波を放つこともあるが積極的にコンボを狙うハウトと違ってあまりコンボを狙ってこないので戦闘が長引くだけで大して被害がない。
おまけに気絶時間が他のボスと違ってかなり長くなっているので、普通に倒すだけなら登場時にボムキックを当てて場外に投げ飛ばすだけで終わってしまう。
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ゴールドカードの取得となるとワープで逃げる特性もあって手こずるのだが、戦闘が長引くだけなのでやや冗長になりやすい。
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レグルスや表ラスボス第二形態のように軸を合わせながら一定距離を保とうとするパターンは積極性が弱く単調な動きなので、ボスとしての弱さにも拍車がかかっていると言える。
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ワールド6そのものが難しい
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そもそもゴールドカードを取れるスキルがあること前提のようで
ただクリアするだけでもボムジャンプが必須
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高難易度ではリモコンボムが簡単には手に入らないため、
通常爆弾を踏み台にして連続ボムジャンプという曲芸も必要
になる。
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中ボスもストーリーの都合でこれまでの巨大ボスと違ってリモコンが手に入らない上、爆弾から逃げ回るパターンとなっているのでダメージを与えようとするだけでも一苦労。ゴールドカードの取得ともなるとなおさら難易度が上がってしまう。
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最終ボスに至っては第一形態が鬼門というより、かなり冗長。
これまでの人型ボスと違って後半戦突入までに与えるのに必要なダメージが第二形態よりも多く、頻繁に無敵状態になるためこちらからダメージを与えられるチャンスが極めて少ないため。
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普通に戦っていてはゴールドカード入手の規定タイムまでまず間に合わないため、場外へ落として即死させるのが正攻法という有り様。
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隠しステージを出現させるとボス戦におけるリモコンの入手難易度が上がる。
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ストーリーの都合でリモコンをくれる人物がいなくなるため、スタート時に配置されているものを自分で取る必要がある。
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ただし、自力でリモコンを取る都合上、リモコン無しでボスを倒すというやり込みも可能になる。
とはいえ、ノーマルステージのボス戦はリモコンを使うことを前提に設計されているので、リモコンなしで倒すのは極めて困難。
問題点
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操作難易度が難化
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3D化に伴い距離感が測りづらくなったため、自爆の可能性が飛躍的に上がった。
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ボムジャンプの難しさ
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ボンバーマン本体の軌道変更ができず、踏み台の爆弾の時間制限や跳躍もあり、極めて不安定
踏み台にする爆弾の配置や着地点を少しでも間違えると目的の足場の前でひっかかる、逆方向に戻ってしまうといったアクシデントも多発しやすい。
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ノーヒントのゴールドカード回収
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隠されたものを回収する、あるいはボスに対し特殊な行動をした際の報酬カードはノーヒント。
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ただし全部が突拍子もないものではなく、大型ボスなら「各部位の破壊」、人型ボスなら「ためボムを投げて当てる」「ためボムの炎を当てる」など同じルールである事が多い。
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ボス戦は一度に5枚全て入手する必要がある
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4種類の特殊な行動を全て満たした上で、規定タイムより早くクリアしなければならない。
4枚以下の場合、取得の記録こそ残るが取り逃し回収の際には持ち越されず、最初から全て取り直すことになる。
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「隠されたものを回収する」は、各地に隠された小物を集めることがメイン。
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パワーアップアイテムやジャンプ技能が必要なところに隠されているのだが、それが
1-1というチュートリアルのはずのステージにも及ぶ
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入り口が見えない隠し部屋に配置はまだ優しい方でボムジャンプ&ボムタワーを使ってショートカットすることが公式ガイドブックで紹介される鬼のような解法も。
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規定タイムの厳しさは
理論値でも他のゴールドカードの条件を満たすと間に合わない
ステージがあることから計り知れよう
幸いにして通常ステージは一枚取ってゴールしても記録される。
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カスタムパーツの一つの条件が「高難易度で3時間以内にゴールドカードを120枚集めると自動入手」。
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1ステージ7分半で世界を巡らなければならない。単なるおまけ要素なのが救いか。
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ゲームオーバー時にコンティニューをしなければ時間は記録されずリセットされるので、事前に下見をしてカードの配置を憶えるといった準備ができるのは幸いと言える。
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アイテムが出現後、勝手に流れていく
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動く方向はランダムだが、ゴールドカードなど届かない高い足場などにあるブロックを破壊して出てきたアイテムが自分の方に流れてこないこともある。
もちろん穴や海に落ちたら回収不可になるし、時間経過でも消滅してしまう。
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アイテムの種類に乏しい。
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能力アイテムは『爆弾』『火力』『ハート』『リモコン』『パワーボム』の4つ。
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それ以外のアイテムもいくつかあるが、ボンバーマンの行動力が広がったこととトレードオフなので仕方がない。
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「ブルーストーン」と「レッドストーン」の存在感がない
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集める事でコンティニュー回数が増えるが、所持アイテムがリセットされマップ画面に戻される都合から諦める行為と一緒。
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ゲームオーバーにならないとステージセレクトが出来ないことと、残機がある限りパワーボムが失われないという都合によるものだろう。
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残機は最大3機で増やす方法はない
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ボムによる自滅がこれまでと比べて多いゲームシステムであることを考えると残機が増えた方が有り難かったと言える。
総評
何かと難易度の高いハドソンゲーの傾向はボンバーマンシリーズでもお目見えすることとなった。
普通プレイを楽しむだけでもやりごたえのある作品だが、真エンディングでは相当な腕前が必要という挑戦者向けのバランス調整はハドソンなだけはある
解法に気づいた時に「これ自力で回収出来た人どれくらいいるんだろう……」と遠い目をしてしまうようなものもあり、挑戦心を擽る作品だ。
難しいゲームがやりたいという人に特にオススメしたい。
余談
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なお、続編に『爆ボンバーマン2』があるが、こちらでも自重していなかった。詳しくは該当記事で。
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2012年頃、ニコニコ動画にて本作のTAS動画が投稿された。その動画での白ボンの行動があまりにも人間離れしていたことが話題となり、本作のボスの放った台詞「死にたいらしいな」「遊びは終わりだ、殺してやるよ」が白ボンの顔文字とともにコメントされ、([∩∩])<死にたいらしいなというネットスラングが生まれた。
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『ボンバーガール』のメジャーアップデート版である『レインボー』から今作のとあるキャラをモチーフにしたガール「プラチナ」が登場。
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不敵な表情と威圧的な言動や必殺技をモチーフにした特殊ボム…はいいのだが、
負けセリフがポンコツすぎる。
最終更新:2024年12月08日 17:35