Blaze&Blade

【ぶれいずあんどぶれいど】

ジャンル アクションRPG


対応機種 プレイステーション
発売元 T&Eソフト
発売日 Eternal Quest:1998年1月29日
Busters:1998年9月23日
定価 Eternal Quest:5,800円
Busters:4,800円
判定 良作


概要

  • 老舗パソコンゲーム開発メーカー・T&Eソフトが放ったアクションRPG。多彩なキャラメイクと埃漂う雰囲気が特徴。
    • 『Blaze&Blade ~Eternal Quest~』(以下EQ)と、その続編『Blaze&Blade Busters』(以下BBB)があるが、BBBはEQの続編というよりはデータ引継ぎを想定した追加シナリオ集なので、共に当ページで扱う。
      • 特に記載のない個所はEQとBBB共通。
  • 明らかに多人数でのプレイを想定してデザインされており、一人プレイでは楽しみの幅が狭い。後のネットゲームで見られるような特徴が随所に存在する*1

システム

  • TRPGの様なキャラメイク。プレイヤーは最初に自身の分身となるキャラクターを作り上げる。
    • キャラクターは名前、性別、職業、口調(各種あり、それぞれ男言葉女言葉を選択可能)、カラーリング、守護属性、能力値ボーナスおよび割り振りを行なう。
    • 職業はファイター、ドワーフ、プリースト、エルフ、ウィザード、ハンター、シーフ、フェアリーの8種。
    • パーティーは最大4人で構成されるが、1人だけ作って進む事も可能。1人で4キャラ使うときは操作キャラを切り替える。
  • キャラクターはフィールドやダンジョンではトップビューの3Dアクションゲームになる。ワルキューレの伝説に近い。
    • ステージには特定の職業でないと入れない場所があり、必ずしもそこへ行かなくてはならないわけでは無いが、アイテムを入手する事が出来たりショートカット出来たりする。
    • 敵モンスターはフィールドやダンジョンをうろついている。敵を倒すと経験値がパーティー全員に分配され、跡地には経験値を追加で得る事が出来る宝石・金・稀に宝箱が出現する。
      • 宝箱には罠がかかっている事もあり、罠に遭遇すると様々な制約を受ける。
  • 魔法はコマンド入力で発動。高度な魔法は複雑なコマンド入力を要する。ボタン長押しでのコマンドなしの発動も可能だが使えるのはメニューからセットした1種類のみ。
    • コマンドならば自由に使い分け可能。またコマンドなし発動は詠唱時間があるため、素早くコマンド入力すれば早く発動できる。
  • プレイヤーキャラ同士の対戦モードあり(BBBのみ)。

評価点

  • プレイヤー一人一人が予めキャラクターを一人用意し、複数プレイヤーで遊ぶ事でこのゲームは真価を発揮する。モンハンスマブラがそうであるように、みんなでワイワイ言いながらプレイする楽しさは普遍である。
    • 複数人プレイでないとクリアできないギミックもあり、宝箱が開けられる等のメリットがある*2
  • アクションウィザードリィとまで称される坦々とミッションをこなしていくシンプルな構成。
    • 一度クリアしたダンジョンでも入りなおすとボスや宝箱が復活する。
    • アイテムの種類が多く、レアな武具を収集する楽しみがある。初めて拾った武具を鑑定して貰う時の緊張感は楽しい。
      • 固定設置の宝箱では主に宝箱を開けたキャラ用の装備が出ることが多いが、中身固定の宝箱もある。また、アイテム所持数可能数(倉庫含む)が少ないのでコレクションしたいならば受け渡しは重要。
    • 攻略できるダンジョン数はそう多くないものの一つ一つが広大で、一定レベルに到達する事で開く扉があり、ゲームの進行に応じて行ける場所が広がるようになっている。
    • 中にはラスボスより強いボスが出現するダンジョンもあり、打倒しがいがある。
  • キャラクターメイクの細かさは比較的多彩。際立たせた個性を出す事が出来る。
    • 能力値ボーナスの振り方によって最終ステータスが変わってくるため、「魔力に振り込んで魔法の短剣で戦うシーフ」や「力に振り込んで、補助魔法をかけつつ肉弾戦をしかけるウィザード」などのキャラクターも作成可能。
    • 口調の設定は面白く、「高飛車」「無口」「クール」など一風変わった口調も存在する。仕掛けごと、イベントごとに台詞が変わるので色々試してみると面白いだろう。「高飛車」口調のキャラがボスを罵倒する様は一見の価値あり。
      • 異性の口調も選択可能なので、ワイルドな女キャラやオカマキャラ、ロリキャラに年配男の口調でロリババア、等も作れるのは面白いところ。
  • 秀逸な魔法詠唱システム。
    • アクションが苦手な人はボタン押しっぱなしでのオート詠唱、そうでなければコマンド入力でのマニュアル詠唱と両立が出来ている。
      • 高度な魔法ほどオート詠唱の待ち時間は長く、マニュアル詠唱のコマンドは複雑になる。これにより両者のバランスが保たれている。
    • コマンド入力での詠唱は発動速度がプレイヤーの腕に影響されるため、コマンド暗記と操作の上達がそのまま戦力の向上につながり、練習のし甲斐がある。狙った敵に当てる意味でも詠唱速度は重要になる。必要な魔法のコマンドを素早くこなして発動させた時の達成感や一緒にプレイしている仲間からの賛辞は何事にも代えがたい。
  • 魔法詠唱、アイテム使用、装備変更、いずれの操作でもゲームが止まらない。このため、ARPGでありがちな*3「誰かがアイテムを使っている間は他のプレイヤーも待たされる」と言ったストレスが無い。
  • Lvアップが早く、上限はLv9999というやり込み要素の高さ(クリアするだけなら数百で可能)。

難点

  • キャラクターメイキングのステータス割り振りにどうしても時間がかかる。
    • TRPGのような雰囲気が出ており最初のうちは楽しいのだが、いくらでもやり直しがきいてしまうため、5ゾロ以上くらいの出目がないと納得が行きにくく何度もチャレンジしがち。
    • 一人プレイではさほど問題にならないが、複数人でプレイする場合にはキャラメイクを終わらせてから集まる等の約束でもしておかないと、ここで時間を使いすぎて本編に挑む前に頓挫する場合すらある。
  • 味方AIが役立たず
    • プレイヤーキャラの後に行列を作って移動し、常にこの隊列を崩さない。後方のキャラはジャンプに失敗して穴に落ちることも多々ある*4
    • 基本的に近くに来た敵にしか攻撃せず、魔法もアイテムも一切使ってくれない。つまり魔法系キャラはプレイヤーが操作しないと戦闘の役には立たない。
      • 女プリーストは通常攻撃の性能が著しく低く、余計にその点が際立ってしまう。
    • 物理攻撃役も基本的にはステージギミックの解除以外に必要性がないため、アイテム的扱いになってしまっている。
    • ハンターだけは敵を発見すると正確無比な射撃を行なう(その場で向きを変えるなどCPU操作時限定の挙動もあり、ハンターだけは操作をAI任せにした方が強い)。
    • これらは多人数プレイなら問題にならないため、一人プレイの時と評価の差を広げる原因になっている。
  • セーブが不親切。
    • キャラクター一人にメモリーカード3ブロック使う(4人パーティで組むと12ブロック必要となる)。
    • 一人一人個別にセーブする必要がある。メモリーカードを持ち寄ってプレイする事を想定しているのであろうが、一人プレイでは面倒そのもの。
    • セーブの仕様がやや特殊な為これを利用したアイテム増殖の裏技も存在する。
  • ポリゴンはPSと割り切っても粗い。
    • 処理落ちさせないために意図的に粗くする必要があったのは確かだが、発売当時の水準でもグラフィックには難があった。
    • 障害物で視界が遮られることや足場・高低差が分かりにくいことも多々ある。カメラ操作を工夫すれば見易さは格段に上がるが、それには多少慣れが必要。慣れるまでは見辛く感じるかも知れない。
      • 上記理由と基礎視点の関係により、割と画面酔いしやすい。
  • ダンジョンが長い。
    • 上記ポリゴンの関係もあって迷子になりやすく、一部ダンジョンのギミック解除にも時間がかかる。特に初回だと進めない場所もあり、攻略順が判らない初回は1ダンジョンにやたらと時間を食ってしまいがち。セーブポイントでの途中セーブ自体はあるが上記のとおりやや面倒。
    • 続編のBBBでは、ダンジョンの長さが短くなったが代わりにセーブポイントがなくなった(続編のセーブは、宿屋にいるときのみ行える)。
  • 金の重要度の低さ。EQではショップでアイテムを購入すると言った事は出来ない。
    • 他キャラへのアイテムの受け渡しはオークション形式だが、そもそもオークションにする必要性が無く、金はここでしか使わないので意味が無い。
    • 続編のBBBではオークションは廃止されて金のやり取り無しで受け渡すようになり、アイテム購入も可能になった。
  • EQではダンジョンからの途中帰還や回復アイテムの入手等が宝箱からのランダム入手に頼らざるを得ない*5
    • ボスを倒せば入り口まで魔法陣でワープ出来る。
    • ウィザードは途中帰還の魔法を習得できるので一人居ると便利。
    • プリーストがいれば回復魔法を常時使えるので、長丁場になりやすいこのゲームでは居た方が楽*6
    • が、前述の通りAIが魔法を使わない問題があるため、一人プレイで両方をパーティーに入れると少なくとも片方がお荷物に……。
  • アイテムの種類が多く、入手リストまであるのに所持可能数が少ない。倉庫はあるが、そこで保存できる数も少ない。それ以上に保存しておきたい場合は倉庫キャラの作成が必須。

総評

 一人でただプレイするだけならばそう飛びぬけた印象の無いゲームではあるのだが、複数人でプレイするとその評価が激変する。
オンラインRPGと違い一人プレイ可能のバランスに整えてあり、更に謎解きやステージ構成もそれらと違い、長いRPG開発のノウハウを生かした構成なので単品ゲームとしてのクオリティもそれなりに高い。
その性質上、ネットワークとの相性が良いのは誰の目から見ても明らかであり、ゲームアーカイブス配信やリメイクを熱望されている*7
1度でも複数人でプレイした人にとっては並ぶ物無い良作であり、そうでない人にとっては凡作という少々変ったゲームである。
今後リメイクされ、ネットワーク対応になればこのゲームの評価は更なる変化を見せるだろう。



余談

  • 1キャラに3ブロックも使うが、これは所持アイテムのグラフィックやパラメータなどがセーブデータに保存されているため。
    • そのためメーカーがオリジナルアイテムを作って配布することが可能。
  • 本作は『電撃プレイステーション』誌で猛プッシュされており、これをきっかけに購入を決めたプレイヤーも多いと思われる。
    • 増刊の付録CD-ROM収録の特別シナリオの体験版やセーブデータでのオリジナルアイテム配信もあった。
  • BBBのランダム生成ダンジョンで出現する前作ラスボスが落とすアイテムのパスワードによる、プレゼントキャンペーンが行なわれた。

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最終更新:2023年04月03日 17:03

*1 難易度に関しては一人プレイでも問題ないように調整されている。

*2 シナリオのクリアには必須ではない。

*3 聖剣伝説シリーズ(特に2)、テイルズ オブ シリーズなどでも同様。

*4 微小ダメージを受けるがプレイヤーキャラの隣に戻ってくるため、穴に落ちた所で実害はほぼ無いが。

*5 最下級の回復アイテムだけは宿で入手可能ではあるが、役立つのは序盤くらい。

*6 MPは1秒に1回復するものの、HPは微小。

*7 アーカイブスは通信プレイ未対応。ネットを介さない多人数プレイであればPS3なら通常のソフトと同様に可能だが、PSP・PSVは1人プレイ専用。