Parasite Eve II
【ぱらさいと いう゛ つー】
ジャンル
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シネマティックアドベンチャー
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対応機種
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プレイステーション
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メディア
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CD-ROM 2枚組
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発売・開発元
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スクウェア
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発売日
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1999年12月16日
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定価
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6,800円(税別)
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プレイ人数
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1人
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セーブデータ
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1ブロック使用
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レーティング
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CERO:C(15才以上対象) |
周辺機器
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アナログコントローラー対応
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廉価版
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スクウェア ミレニアム コレクション 2000年11月30日/3,800円 PS one Books 2002年3月20日/2,500円(各税別)
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配信
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ゲームアーカイブス 2010年11月18日/600円(税5%込)
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判定
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良作
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ポイント
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『Parasite Eve』シリーズ第2作 ジャンルがRPGからADVに
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Parasite Eve PE1 / PE2 / T3B
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概要
1998年にスクウェアより発売されたシネマティックRPG『Parasite Eve』の続編。
タイトルに「2」の名を冠しているが、前作からして瀬名秀明氏による同名ホラー小説の続編である。
従って時系列的には小説『パラサイト・イヴ』→ 前作『Parasite Eve』→ 本作『Parasite Eve II』となっている。
ストーリー
1997年クリスマスイヴ、カーネギーホールで発生した集団人体発火事件を発端に、一週間に渡ってニューヨークを震わせた「マンハッタン封鎖事件」。
それは、数十億年もの太古から細胞に寄生し、人類と共に進化してきたミトコンドリアが突如覚醒し、意思を持って活動を始めた事に起因するものだった。
凄惨を極めた事件は、N.Y.市警のアヤ・ブレア刑事の活躍によって一応の解決をみたが、それは更なる惨劇のほんの始まりに過ぎなかった。
事件後もミトコンドリア関連事件を追い続けたアヤがその事実に気付いたのは、惨劇の記憶もようやく薄れつつあった2000年、9月。
肌寒い夏の終わりの日だった…。
特徴
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ゲームシステム・ストーリー共に前作との接点は少なく、共通しているのは一部のシステムと主人公のアヤ、世界観くらいである。
特に操作方法・ゲーム性は大きく異なっており、操作方法は前作の「スティックを倒した方向へ移動する」という直感的なものから変更。
『バイオハザード』シリーズのような所謂ラジコン操作になった他、ゲームジャンルもRPGから「アドベンチャー」となっている。
なお、本ページでは『バイオハザード』を以後『BH』と表記する。
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前作にあったチューンナップ要素も、ポイント振り分けというRPG的なシステムから「パーツでカスタマイズ」という現実的な形に変更された。
RPG要素の減少については、製作者曰く「前作の舞台が一週間という比較的長い期間だったのに対し、本作は3日間の短い期間が舞台のため」との事。
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シナリオ面では、前作では2周目以降に隠し・おまけダンジョンが用意されていたが、残念ながら本作にはそのような要素はない。
その代わりにゲームクリア後の様々な特典が用意されており、「繰り返し何度も遊べる」という前作の長所を引き継いでいる。
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前作から引き続き笑い声や悲鳴などのボイスSEを起用している上、シャンバラのアナウンスによるボイスが追加された。
ゲームシステム
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システムは同時期に発売された『BH』シリーズに類似しているが、「戦闘」と「探索」が明確に区別されているという特徴を持つ。
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それらのゲームとの決定的な違いとして、『BH』は「サバイバル」であり、敵との戦闘は極力避け、物資を温存する事が重要であった。
一方で本作は「積極的に敵を倒していく」というゲーム性であり、様々な武器を使いつつ、敵を倒してEXP・BPを稼ぐ事が重要である。
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戦闘に関しては前作同様にシームレスのエンカウント形式であり、敵に発見されるか武器を構える事でエンカウントとなる。
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戦闘では基本的に銃器を使用する。「トンファ・バトン」等の近接武器もあるが、銃器・弾薬が豊富な本作では趣味の領域。
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□ボタンで敵をロックし、再度押す事で対象を切り変える。射線は点と点を繋いだ直線であり、システム的に上下の撃ち分けは不可能。
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攻撃はR1ボタンの「メインアーム/通常攻撃」と、R2ボタンの「サブアーム/武器固有の特殊攻撃」で行う。
開発者によると、右手でグリップを握り、人差し指で引き金を引くという、実際の銃器に基づいた操作性を意識したとの事。
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攻撃力・攻撃範囲・攻撃属性は弾薬に依存しており、射程・装弾数・クリティカル率は銃器に依存している。
銃器には「威力減衰率」が細かく設定されており、原則的に敵に近いほど本来の威力を発揮し、逆に距離が離れるほど威力が落ちる。
大半の敵は近接攻撃しか攻撃手段を持たないため、「弾薬の消耗」と「距離による優位性」がトレードオフになっている。
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前作同様弾薬は有限だが、敵を倒す事を目的としたゲーム性であるため、所持数が多い上に容易に入手ができるよう配慮されている。
所持数はハンドガン=500発、ショットガン=200発、ライフル=800発と非常に多い。ショップで格安で買えるようにもなっている。
その上、マップの随所に無限補給ポイントが用意されているため、BP(下記参照)がなくて詰むような事にもならない。
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戦闘に勝利する事で「BP」と「EXP」を獲得し、「MP」が回復する。
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BPはアヤの所属機関から振り込まれる給与の一種「バウンティポイント」で、これを消費して武具やアイテムを購入する。
MPは特殊能力「パラサイトエナジー」(以下PE)を発動するための「ミトコンドリアポイント」。
EXPはいわゆる「経験値」であり、新たなPEの習得や、習得済みのPEの進化・強化に使用する。
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戦闘してBPで武器や防具を購入、EXPでPEを復活・強化し、装備を整え次の戦闘へ…というのがゲームの主な流れである。
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アドベンチャーパートでは、オブジェクト等を細かく調べる事ができ、その都度アヤの「心情」が語られるようになっている。
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これ自体は『BH』シリーズや『SILENT HILL』シリーズにも存在するシステムであるが、本作ではより深い作り込みがされている。
例えば、死んだSWAT隊員に同情したり、汚いトイレに嫌悪感を示したり、飾られた土産物に「可愛い」と感じたりする等である。
同じ箇所でも調べる度に反応が異なり、逆に上記の汚いトイレ等は「もう見たくない」と言う等、見ていて飽きないものになっている。
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これは、アヤの心情を深く掘り下げクローズアップする事で、プレイヤーのアヤに対する没入感を増幅させるという試みであり、
同時に単調な作業になりがちな探索に色を添えるという、当時のアドベンチャーには殆ど見られなかった本作の特徴の一つと言えよう。
評価点
主な特徴・魅力
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様々な武器やPEを駆使し、敵を倒していくのが本作の醍醐味である。
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『BH』に似た要素はあるが決して模倣品ではなく、戦闘面では当時のそれを遥かに超える、完成度の高く練り込まれたゲーム性を持つ。
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当時の『BH』は、限られた物資で脱出を目指す「サバイバル」であり、倒さずとも問題のない敵は回避する事も重要な戦略であった。
一方で本作では、主人公の職業・所属組織的にも、システム的にも、「自分から積極的に敵を倒していく」事が重視されている。
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銃器の種類・総数は前作ほど多くはないが、それでもアドベンチャーとしては十分すぎる上、一つ一つがしっかりと作り込まれている。
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知名度の高いM4A1・ベレッタM93R・骨董品のルガーP08、『ターミネーター』に登場したSPAS12等は、知っている人も比較的多いだろう。
更にはMM-1ライオットガンやFN Minimi等の重火器に加え、更にはガンブレードや携帯型レールガンといったトンデモ兵器まで登場する。
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様々な銃器に目を奪われがちだが、登場する弾薬も、名称やパッケージこそ違うがその殆どが実在するものである。
例として9mmヒドラ=Federal社製ソフトポイント弾の「Hydra Shock」、エアバースト=M397空中炸裂弾、バックショット=OOバック弾等。
火属性を持つため一見ゲームオリジナルと思われがちなファイアフライも、「ドラゴンブレス弾」という実在する弾薬だったりする。
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武器の性能や構え・リロードモーション等は、開発者が拘り抜いただけあって実銃にかなり似通った、あるいは忠実な性能となっている。
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例えば、M4A1は3点バーストと単発を撃ち分けられ、距離で威力が減退せず、銃剣やM203グレネードランチャーでカスタマイズできる。
ショットガンは近距離で威力が上がり、散弾やスラッグ弾を使用可能。MP5A5は9mm弾を連射でき、タクティカルライトで目眩ましが可能等。
専用のスネイルマガジンが用意されたルガーP08は、もはや完全にマニアの領域に足を踏み込んでいる。
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アヤのモーションも作り込まれており、SPAS12は射撃時に全身で反動を受け止めるような姿勢を取る他、M93Rに至っては3点バーストの
反動を抑えるためにフォアグリップを握るという部分まで再現している。挙句の果てには各銃器の装弾数まで再現するという徹底ぶり。
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特殊能力パラサイトエナジー(PE)は、戦闘で獲得したEXPを消費して習得・進化させていく。
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これを簡単かつ雑に言えば「魔法」のようなものであり、MPを消費して火炎弾を撃ち出す・自身を回復する等の超常現象を起こす。
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いずれにも長所・特色があってしっかりと差別化が図られており、プレイスタイルにもよるが、基本的に役に立たないものはない。
MPは戦闘終了後にある程度回復する上、新たなPEを習得・強化した際に全回復するので、意外と多く使っても大丈夫だったりする。
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威力は低いが隙が少なく転倒させる・状態異常を与える・消費MPは重いが敵全体に大ダメージを与える等、数も種類も実に豊富。
前作に登場したエナジーショットや、スクウェア繋がりで聖剣伝説に登場したエナジーボールなんかもある(どちらも効果は全く違うが)。
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戦闘に関するほぼ全ての数値が固定化されており、ランダム要素が少ないのも本作の大きな特徴である。
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本作におけるランダム要素は、クリティカル発生確率と攻撃力に掛かる乱数のみであり、その他は全て固定数値である。
ドロップアイテム・後述する回復MP・敵のHP・敵の配置・状態異常の発生時間・毒の継続ダメージの発生回数に至るまで全てである。
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それら以外にも、銃器の威力減退率・弾薬の攻撃力と属性・敵と銃器のクリティカル倍率・敵の弱点倍率等が細かく設定されている。
被ダメージ・与ダメージを割り出す計算式も単純であるため、敵や自分の銃器・プレイスタイルに合わせた作戦行動が取り易い。
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これらの特徴を押さえておけば、最初期に入手するような弱い銃器・弾薬でも、大ダメージを狙う事が可能になっている。
例えばクリティカル倍率が高い敵に、同じく倍率が高い銃器を使う事で、超確率でクリティカルを発生させ大ダメージを与えられる等。
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また、戦闘終了後に回復するMPも敵によって決められている。
例えば「オドストレンジャー」という敵は、倒せば戦闘終了後にMPが3回復する、2匹倒せば6回復するといった具合である。
これにより「戦闘終了後にMPが6回復するので消費MP6までのPEを使おう」という戦い方ができる。
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上記の要素を併せた戦闘システムは戦略性が高く、非常に楽しめるものとなっている。
その他
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スクウェア産だけあって、グラフィックはPS1最高レベル。キャラの3Dグラフィックも当時としてはかなりのもの。
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BGMも粒揃いながらクオリティが高い。
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前作では下村陽子氏が手掛けていたが、今作の作曲者は『ロックマン&フォルテ』等を手掛けていた水田直志氏に交代した。
前作と比較してやや盛り上がりに欠けるという意見もあるが、ゲーム性やシナリオの雰囲気に絶妙にマッチしており、概ね好評を得ている。
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主人公のアヤは、その美しい容姿や先述した心理描写も相まって、前作以上に多くのプレイヤーを虜にした。
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特に中盤のシャワーシーンは、本作最大の見せ場と言っても過言ではない。TVCMで見て驚いた人も多いはず。
ちなみにシャワーシーンは次回作『T3B』にも入っている。当初は入れないつもりだったが、ファンからの要望を汲んで製作された。
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野村氏がデザインした、アヤやその他のキャラクターのイラスト・デザインも評価が高い。
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ディレクターの岩尾賢一氏によるエゴや偽善等の「汚い部分」を題材にした物語も、重々しいながら深く考えさせられるものになっている。
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前作は時田貴司氏の原作のテーマ性に沿った、スケールの極めて大きいエンターテイメント性の高いシナリオで好評を得ていた。
一方で今作はアヤの人間性に関連する点を深く掘り下げる構成であり、精神的葛藤からの救済等、「心」が特にクローズアップされている。
前作とは毛色が異なるものの、より深くアヤの魅力を味わう事ができるだろう。
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タイアップ要素として「エビアン」や「コカ・コーラ」等が存在しており、作中ではMP回復アイテムとして扱われている。
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これは、PEの超常現象によってミトコンドリアが『熱』を発し、体内の水分が失われるという、原作・前作の設定に基づくものである。
本作のMPは言わば水分であり、上記によって補給するという、原作設定や企業とのタイアップと、ゲームとしての自然さを上手く合わせている。
ちなみにコーラは糖分が多いため、作中ではMPとHPの両方を回復し、価格は120BP。地味に芸が細かい。
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プレイしていて殆ど気付かない、本作の密かで地味な特徴・評価点として、バグが皆無に等しい点が挙げられる。
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これを聞いて「当たり前じゃないか」と思う人もいるかもしれないが、どんなゲームにでも大なり小なりバグは存在するもの。
しかし本作には本当にバグが見当たらない。バグがないのが評価点なのではなく、それほどに作り込まれている事が評価点なのである。
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一応バグらしいバグとして、改造したM4A1のサブアームでの攻撃中に、特定操作を行う事で与ダメージが数倍になるというものがある。
しかしこれは発売から10年後という、相当な時間が経ってからようやく発見されたバグであり、これ以外のバグは確認されていない。
それほどまでにバグが目立たず、完成度の高い作品であるという事である。
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クリア後に解禁される4つのやり込み要素とポイント引き継ぎ。
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詳細
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「リプレイモード」
敵の攻撃力が50%、PE習得の必要な経験値が40%になっており、無双プレイや高難度の予行練習に持ってこいのモード。 クリアする度にショップの品揃えが充実するので俺tueeeeeeeが楽しめる。
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「バウンティモード」
上級者用のハイリスクハイリターンなモード。アヤの攻撃力が75%、敵の攻撃力が200%と、難易度が大幅に向上している。 また、一部の敵の配置が強力なものに変更されている上、配置が変更されなかった敵が一切アイテムを落とさなくなっている。 一方で配置が変更された敵は強力なアイテムを落とすようになっており、且つクリア時のスコアにボーナスが掛かる。
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「サポートレスモード」
アヤの攻撃力が75%、初期MPが僅か10になっている他、更に敵の攻撃力が300%に膨れ上がっている。 おまけにショップの品揃えが凄まじく貧弱であり、クリアには相応のテクニックとパズル的な戦略が要求される。 ただしクリア時のスコアボーナスはバウンティモードよりも多い。
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「デッドリーモード」
アヤの攻撃力60%・初期HP50・敵攻撃力300%と、思わず目を疑うような酷い仕様。1発食らうだけでほぼ確実にアヤが殉職する。 その上でバウンティモードの強力な敵配置とサポートレスモードの貧弱な品揃えが重く圧し掛かる他、ポイント引き継ぎは一切無い。 正にマゾプレイヤー垂涎ものの凶悪難易度であるが、本作を極めるにはこの難易度を避けては通れない。
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こう書くとリプレイモード以外は無理ゲーのように思えるが、先述の通り本作は、敵や自分の武器に合わせた作戦行動が取り易い。
例えば、PEを習得・強化するとMPが全快する仕様を活用すれば、回復アイテムに殆ど頼らずにPEを多用するプレイも可能である。 戦闘も同様で、各特性・ダメージ計算式等を理解すれば、例え巨大ボスであろうとハンドガンで一方的になぶり殺す事さえ可能になる。 徹底的なまでに作り込まれ、プレイヤーが対処可能な余地が豊富にあるからこそ、このような強気な難易度設定がされているのである。
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問題点・賛否両論点
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生理的嫌悪感をもたらす敵のデザイン。
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前作はボスだけが人間の異常進化で、雑魚は動植物の異常進化が大半だったが、今作では人間をモチーフにしたものが大半である。
物語も相まって高い嫌悪感をもたらすものになっており、敵としての存在感は十分だが、ホラー要素としての好みは分かれるかもしれない。
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当時の『BH3』に存在した操作である「ワンボタンでの180度ターン」がないため、180度旋回にやや時間が掛かる。
本作と『BH3』は発売時期がほぼ同じなため仕方のない面はあるが、戦闘重視の作風故にできれば欲しかったところ。
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一部の謎解きが非常に難解。
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特に中盤の耐火金庫のパスワードや、終盤の4つの石版の謎解きは、一度は匙を投げたプレイヤーも多い事だろう。
耐火金庫の謎解きは本編には関係ないのでまだいいものの、石版の謎解きはゲームクリアに必須の謎解き。解けなければ当然詰む。
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BGMは全体的に良質なのだが、ボリュームが小さく聞え辛い。プレイするならヘッドフォン推奨。
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一応BGMの音量調節機能自体はあるのだが、デフォルトで既に最大になっており、それでもなお小さく聞こえにくい。
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入手した武具やアイテムは売却できないため、不要なものはBOXに収まりきれなければ泣く泣く捨てる破目になる。
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初見プレイでは大して困らないが、ゲームに慣れて仕様を覚えた2周目以降は、豊富に手に入る回復アイテムがBOXを圧迫しやすい。
このため馬鹿正直に全部拾っていると面倒な事になる。回復をアイテムに頼り、浮いたEXPを他PEの解放・強化に回すという戦法も取れるが。
また、クリア時に元の購入額の5割がBPに還元されるので、BOXに保管して節約する意義はある。この場合は入れに行く作業が面倒になるが…。
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全ての隠し要素を得るためには、どんなモードでプレイしようと13周もしなくてはならない。
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それでいて周回によるお楽しみ要素は、リプレイモードにおけるショップの品揃えの追加と、難易度の変更程度しかない。
余程ハマったプレイヤーでもなければ途中で飽きてしまうため、「周回途中から縛りプレイ推奨」等とよく言われる。
残念な事にこの問題点は、続編である『The 3rd Birthday』にも引き継がれてしまった。
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前述の通り、本作の銃器は異常なほど拘られているのだが、極一部が実銃と異なる。
普通にプレイする分には全く気にならない些細な事ではあるが、拘って作られているが故に気になる点である。
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実銃との差
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「M4A1」
実銃のA1モデルに3点バースト機能はなく、単射とフルオート射撃のみ。3点バーストがあるのはM4A1ではなくM4である。M203やM9でカスタマイズできる上にフルオート射撃までできてしまえば明らかに強すぎであり、かと言って単発のみにして5.56mm弾の威力を上げればminimiが強すぎてしまうので、バランス調整の一環でフルオート射撃から3点バーストに変更したと思われる。装弾数を上げられるマガジンクリップは恐らくその名残だろう。M16A2かM16A4なら3点バーストができたのだが…。
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「P229」
本作のP229は9mmパラベラム弾モデルで、その装弾数は12発なのだが、実銃の9パラモデルは13+1発。.40S&W弾モデルや.357SIG弾モデルも存在するが、どちらも12+1発でありいずれも異なる。クソ高いクリティカル率+サイレンサー+タクティカルライトと三拍子揃った非常に強力な武器であるため、バランス調整の一環で減らしたのかもしれない。
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「キャリコM-950」
M-950に採用されているヘリカルフィードマガジンには、装弾数50発のものと100発のものがある。本作のM-950は装弾数100発なので100連マガジン…かと思いきや、メニュー画面で確認できるグラフィックがどう見ても50連マガジン。こちらは単純に開発スタッフのミスかと思われる。
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総評
『バイオハザード』の影響が見られる作風ではあるものの、外面・内面とも丁寧に描写された魅力ある主人公、
様々な要素が絡み合った奥の深い戦闘、別ゲームとして楽しめる周回プレイなどで、『バイオハザード』シリーズとは明確な差別化を図った意欲作。
良質なアクションアドベンチャーであり、PS1末期におけるスクウェアの隠れた名作とも言われている。
余談
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当時としては出荷数がかなり少なく、売り上げはも30万本程度と、前作から大きく下回った。
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このため入手が少々困難というやや不遇な扱いを受けていたが、続編発売に先駆け、前作と共にゲームアーカイブスで配信された。
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なお、PSPではR2・L2ボタンがアナログパッドに割り当てられており、デフォルトのボタン配置ではサブアームが少々使い辛い。
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オプションでR2をLボタンに割り当てておくと快適にプレイできるだろう。
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理由は不明だが、ゲームアーカイブス版はメモリーカード読取の不具合が起こる場合がある。
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メモリースティックのアクセスランプが点滅している際に、ゲームを終了する等で発生すると噂されている。
一方で発生しない人は全く発生しないので、「単純にメモリースティックの劣化ではないか?」とも。真相は不明である。
最終更新:2024年05月24日 11:11