ここではPS2『バーンアウト3:テイクダウン』及び、リメイク作品であるPSP『バーンアウト レジェンド』についても解説する。判定はどちらも良作とする。
バーンアウト3:テイクダウン
【ばーんあうとすりー ていくだうん】
ジャンル
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レーシング
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対応機種
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プレイステーション2
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発売元
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エレクトロニック・アーツ
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開発元
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Criterion Games[クライテリオンゲームス]
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発売日
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2004年10月14日
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定価
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6,800円
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レーティング
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CERO:12才以上対象
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判定
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良作
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ポイント
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大手パブリッシャー発売によるシリーズ大幅改革 圧倒的進化したビジュアル・スピード感・破壊描写 ライバル車を破壊するテイクダウンシステムが誕生 シリーズ及びEA作品に影響を与えた一作 まじ やられた!
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バーンアウトシリーズ
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概要
破壊系レースゲームの代表作『バーンアウト』シリーズの第3作。
前作『BURNOUT 2: POINT OF IMPACT』から2年(国内では半年)間の期間を経て発売された。
これまでのシリーズ作品はAcclaim Entertainmentから発売されていたが、2000年代に入ってからはAcclaimの業績不振によりシリーズ存続の危機に陥っていた。
デベロッパーのCriterionは本作発売の直前にEAの買収を受け傘下会社となったため、本作以降はEAからの発売となっている。
なお、Acclaimは本作発売とほぼ同時期に連邦倒産法第7章(チャプター7)の申請により倒産している。
特徴・評価点
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対向車線走行やニアミスといった危険走行でブーストを溜め、一気に加速するというクレイジーなレースゲーム。
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本作から追加された要素「テイクダウン」で、自車を敵車にぶつけ、壁や一般車にクラッシュさせることでブーストを補充できる。
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テイクダウンをすると、カメラが切り替わり、敵車の壊れていく様子が映し出される。設定でオフにすることも可能。
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特定の場所にテイクダウンすると「フォトアルバムテイクダウン」となり、クラッシュシーンが変化する。各コースにそれぞれ複数存在し、全て達成するとスペシャルカーをアンロックできる。
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本作ではブーストのシステムが変更され、ブーストが溜まっていればいつでも使えるタイプへと変更された。
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ブーストは危険な走行をする事で増量し、テイクダウンをすればブーストゲージが増加し、ブーストが最大値まで回復するようになる。
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逆にライバルに攻撃されるとブースト量が減り、クラッシュしてしまうとゲージが減少する。
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前作から車両が多数登場するようになり、さらに最高速度も大幅に増した。
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シリーズウリのクラッシュシーンも大幅進化。大量の破片が飛び散ったり、パーツが外れたりする。さらに爆発要素もするようになった。
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さらに、自車がクラッシュした場合は時間がスローになる「インパクトタイム」を発動できる。
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インパクトタイム中はアナログスティックで車を動かす「アフタータッチ」を使える。敵車を巻き込んででテイクダウンしたり、一般車をも巻き込んでさらなるクラッシュを演出できる。
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レースモード以外にも、敵車を何台テイクダウンできるかを競う「ロードレイジ」、車の群れに突っ込んで被害額を競う「クラッシュ」モードなど、ボリュームは大きい。
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ロードレイジモードでは、一定時間以内に規定数以上のテイクダウンを争う。プレイヤーには耐久力があり、一定のダメージを受けたりクラッシュすると完全破壊となりイベントが終了する。
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クラッシュモードでは、「アフタータッチ」に加え、一定の台数の車を壊すと、自車を爆発させる「クラッシュブレイカー」も使用可能。
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各ジャンクションにはジャンプ台やアイテム等のギミックがあり、ただ突っ込めばいいという訳ではなくどこを走ってクラッシュしアイテムを上手く獲得できるかの戦略性が生まれた。
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ゲーム内のラジオ放送「CRASH FM」がゲームを盛り上げる。ナビゲーターはMC RYU。
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走行中は60fpsでヌルヌル動き、さらには処理落ちがほとんど起こらない。
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ゲームエンジンはCriterion製の「RenderWare」を使用しており、普通なら処理落ちが免れない程の激しいアクションを行ってもフレームレートが安定していられるのは、エンジンが強力だったことを証明している。
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発売元がEAになったため、EA TRAXとして多数のアーティストを使い全44の楽曲を収録。
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本作は明るいロック曲が多く、シリーズ最高のサウンドトラックと評価する声も多い。
問題点
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車の性能差がわかりにくい。それほど激しい性能差は無いが。
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おまけ程度にトップスピードとウェイトのみが表示されている。
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クラッシュモードの問題。
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面数が100と多いが場所は同じで、構成が異なるという使い回しがある。
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多くのステージには点数を2倍、4倍するアイテムが置いてあるが、4倍のアイテムを取ると簡単にクリアできてしまう。逆に4倍を取らないとゴールドランクをとるのが難しいステージも。
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特定の条件でテイクダウンをすると「フォトアルバム テイクダウン」となるが、その条件が厳しく、特定の車にぶつけるなど、ほぼ運ゲーである。
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オンラインのサーバーが終了してしまった。
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といっても、発売から5年半後の2010年4月まで稼働していたので、大変頑張った方だと言えるだろう。
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アンロック要素が早めにどんどん解除されるが、最後の方は各クラスの目玉となる車両程度になり、若干作業感が出てくる。
総評
「テイクダウン」の導入により前作までのややストイックなイメージを一変、ライバルを攻撃して楽しく遊べるレースゲームとしてシリーズの方向性を定義させた本作。
後継作が出た今でも、独特の雰囲気や音楽から本作を最高傑作と推すファンも多い。
シリーズ入門としてはもちろん、後継作から戻ってきても十分楽しめるだろう。
余談
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本作はIGNの「The Top 25 PS2 Games of All Time」において6位を受賞した。
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発売前にファミ通から本作の体験版が配信されていた。
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ファミ通から攻略本が発売されている。(発売はエンターブレイン)
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ゲームの攻略内容だけでなく、開発者インタビューも掲載されており、本作やシリーズの誕生秘話などが語られている。
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海外ではXb/360版も発売されている。より美麗なグラフィックと、短いロード時間で楽しむことができる。アジア版は国内のXb/360で動作可能。
バーンアウト レジェンド
【ばーんあうと れじぇんど】
ジャンル
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レーシング
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対応機種
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プレイステーション・ポータブル
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発売元
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エレクトロニック・アーツ
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開発元
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EA UK
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発売日
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2005年10月20日
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定価
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4,800円
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レーティング
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CERO:12才以上対象
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判定
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良作
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ポイント
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『3』をベースに過去作の要素を追加 多少劣化するもPSPでは健在のクオリティ 100%クリアが超難関
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概要(レジェンド)
『バーンアウト3』をベースにしたPSPリメイク作。
『3』の基本的なシステムはそのままに、過去作からコース・モード・車を追加している。
かつてダウンロード版がPSストアにて配信されていた。
特徴・評価点(レジェンド)
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PSPなので、いつでもどこでもテイクダウンが楽しめる。
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『2』にあった「チェイス」モードが復活。パトカーに乗って、敵車にダメージを与え最終的にテイクダウンするモード。
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『初代』から1コース、『2』から5コースが復活。『2』からいくつかの車両が復活。
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『3』のシステムで過去作のコースでレースやクラッシュが楽しめる。
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オリジナルペイントを施した「コレクターカー」が25台追加。
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しかし、1人プレイで獲得できるのは5台のみ。残りは通信プレイで獲得する必要がある。
問題点(レジェンド)
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ハード性能の影響で、フレームレートが30fpsになっていたり、クラッシュがややパワーダウンしているなど、劣化部分もある。
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UMD版では、ロードがより長くなる。
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ダウンロード版では、逆にPS2版『3』よりも短くなる。
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『3』にあった複数のコースをつなげたロングコースや、一部の車両、CRASH FMなど一部要素が削除された。
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相変わらずマップは表示されず、さらに車の性能グラフまで削除されてしまった。
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クラッシュモードの問題。
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面数は『3』と変わらず100。
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点数を2倍、4倍するアイテムは削除されたが、その影響でごく少数ではあるが高ランクをとるのが難しいステージができてしまった。
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有名なソフトではないので、通信対戦が必要なコレクターカーは正攻法で入手することは大変難しい。
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プレイ環境を2つ用意すれば自力で取ることは可能ではあるが…
総評(レジェンド)
携帯機に移植され気軽にプレイ可能になった本作。
性能上『3』よりもやや劣化していることは否めないが、ゲームとしての楽しさが失われたわけではない。
寝る前に布団の中でも一壊し行ってみてはいかがだろうか。
最終更新:2024年06月17日 20:49