本項では最初に発売された無印PS2版を基準に解説します。


ファントム・ブレイブ

【ふぁんとむ・ぶれいぶ】

ジャンル やりたい放題シミュレーションRPG
対応機種 プレイステーション2
発売・開発元 日本一ソフトウェア
発売日 2004年1月22日
定価 7,140円
レーティング CERO:A(全年齢対象)*1
判定 良作
魔界戦記ディスガイアシリーズ



イマジネーションが戦術になる!!
やりたい放題シミュレーションRPG



ストーリー

海に浮かぶ小さな孤島「おばけ島」。
そこには去る戦いで命を落とした戦士『アッシュ』の霊魂(ファントム)と、
ファントムを操る能力を持った少女『マローネ』が二人で住んでいました。
島には不定期にマローネ宛のボトルメールが流れてきます。
マローネはボトルメールに入れられた依頼書を受けて遂行し、
報酬をもらう請負人(クローム)として生活しています。

マローネは霊を見ることができる能力のせいで、
他人に『悪霊憑き』と罵られ、住む場所さえままなりません。
それでも優しく前向きな彼女は両親の
「人助けをしていれば、いつかみんながマローネを好きになってくれる」
という言葉を信じて、ボトルメールの依頼をこなすのでした。
当面の目標は報酬を集めておばけ島を買い取り、住む場所を確保すること。
アッシュとマローネの冒険が始まります。

(公式サイトより引用)


概要

マール王国』シリーズや『魔界戦記ディスガイア』で名を上げた日本一ソフトウェアが送り出したシミュレーションRPGの一作。

豊富なキャラクターメイキング、9999まで上げられるレベルを始めとした膨大なやりこみ要素、章形式のシナリオなどは従来の同社作品通り。
その一方で後述するシステム面では新たに導入されたものが多い。
キャラメイクや戦闘中の仕様自体も変化しており、ディスガイアとはまた違った戦略性を持っている。
各要素は戦闘の自由度を高めており、演出も派手でやりたい放題の名に恥じない。

舞台は無数の島々に多様な人種が共存する「イヴォワール」という世界。
一見してライトなファンタジー世界観だが蓄音機や爆弾、リモコンなどの文明の利器がアイテムにあったり、世界的な大企業が存在していたりする。

シナリオは童話的なハートフルファンタジー、とはいえ日本一ソフトウェア作品にままある毒の含んだストーリー描写は健在。

ゲームクリア後のイベントでは、『ディスガイア』のラハールたちや『マール王国』シリーズのミャオ、シリーズ恒例の超魔王バールなど別作品のキャラクターが高レベルのボスとして登場し、彼らを仲間にすることもできる。


ゲームシステム

おばけ島

  • おばけ島ではキャラクターやアイテムを召喚してそれぞれ好きな場所に配置することができる。
  • 施設を利用したい場合は対応したユニットをキャラメイクしておばけ島に配置する必要がある。
  • ストーリーの進行に応じて郵便受けにボトルメールが届き、新たな依頼についての手紙や新聞などを読むことができる。
    • 新聞ではそのストーリーの時点で世界で何が起きているかがわかり、後の話の伏線やマローネたちの評判、NPCたちの事前情報やその後がわかるようになっている。
  • キャラクターを積み重ねるなどしておばけ島の最高地点に到達すると到達した高さに応じてアイテムや仲間がもらえるといった隠し要素もある。

戦闘フィールド

  • 『ディスガイア』とは異なり戦闘フィールドはスクウェア制ではなく、フリー移動形式に変更されている。
    • それにともなってキャラの向きによる被ダメージの変化がなくなった。
  • 戦闘フィールドには場所に対応した様々なアイテムが落ちており、それらをコンファイン&リムーブ、持つ&投げるといった下記のシステムを利用して戦う。
    • アイテムは「剣」「魔導書」といった武器だけでなく「岩」「木」といった自然物、「リモコン」「攻略本」「植木鉢」など普通は戦闘で使うものではないものなど様々。
  • 地形にはそれぞれ滑りやすさや弾みやすさが設定されており、それに応じて高いところから落ちたり移動したりする際に行き着く地点が若干変わってくる。
  • それぞれの攻撃の範囲も立体的に表示されわかりやすくなっている。

コンファイン&リムーブ

  • 戦闘では最初マローネしかいないが、彼女がコンファインすることで仲間を召喚することができる。
    • コンファインとは戦闘フィールド上にあるアイテムに仲間の霊を憑依させることである。
      • 要するに落ちているアイテムが、アイテムごとの補正付きのスポーン地点となるということ。
    • コンファインによって手番を消費することはないので戦闘開始直後から味方を大量召喚して短期決戦に持ち込むも、小出しに味方を出して敵の様子を窺いつつ戦うこともできる。ただし戦闘マップに応じてコンファインできる最大の味方数が決まっている。
    • 石にコンファインされたキャラクターはDEF(防御力)が上がってSPD(素早さ)が下がる、木にコンファインされたキャラクターはINT(知力)が上がるなど憑依させるアイテムに応じてステータス補正を受ける。
  • 仲間は永続的にコンファインさせられるわけではない。ユニットに応じてその戦闘中に行動できる回数が決まっており、それを超えると強制的に戦闘離脱してしまう。これをリムーブという。
    • リムーブする際にその仲間が憑依していたアイテムを一定確率で入手することができる。戦闘能力に乏しいがリムーブ時のアイテム入手率が非常に高い盗賊的なポジションのユニットもいる。
    • 主人公のマローネのみ倒されさえしなければ何度でも行動できる。

持つ&投げる

  • 戦闘フィールド上に存在するステータスを持つものなら何でも持ったり、持ったものを投げたりすることができる。
  • アイテムごとに固有の特殊技が設定されており、持った状態(=装備した状態)であれば使うことができる。
    • アイテムの種類自体がかなり多様なため、技の数も非常に多く、演出も様々。
      • 技は使うごとに熟練度が増え、一定以上溜めると技のレベルが上がり強くなっていく。
    • 挙句の果てには敵や味方キャラまで持ち上げて装備したり投げたりすることができる。ただし敵もこちらのキャラを持ち上げたり投げたりすることがある。
      • これにより敵を一箇所にまとめて範囲攻撃で一網打尽にしたり、敵を持ち上げて身動きを封じたり、厄介な敵を場外に捨てたりすることができる。
      • ただし敵を持ったままターンを終了したキャラクターは持ち上げた敵に応じてダメージを受けてしまう。
  • 持ち上げられたキャラは行動できなくなるが攻撃を受けることもなくなるため緊急回避に使える。

場外

  • 戦闘フィールドの外へキャラやアイテムを放り投げることができ、強制的に戦闘から離脱させてしまう。
  • キャラの移動中に場外に出てしまうことがあるが、その場合は落ちたところから一番近い場所に戻ってくる。またマローネは落ちた理由にかかわらず戦闘フィールドに戻ってくる。
    • 敵を投げ捨てることで簡単に葬り去ることができるが、残った敵が落とした敵のレベルに応じてレベルアップしてしまうためやりすぎると瞬殺されるおそれがある。最後の敵は場外送りにしても戻ってくる。
    • また当然のことながら敵がこちらのキャラを場外送りにしてしまうこともある。この場合その戦闘中は復活しない。

キャラ作成

  • 素質が霊験と名を変えていたり、ユニットが世界観に合わせてがらりと変わっていたりするものの基本的にはディスガイアと変わらない。マナで素質(このゲームでは霊験)を強化できるのも同じ。
    • プリニーなどディスガイアで登場したユニットも一部存在する。ディスガイアで人気が高かったためかアイテムに弓がないのにアーチャーがいたりも。
  • 商人やダンジョン師、称号師など施設までもがキャラとして作成することができるようになった。施設を利用する場合は彼らを作成しておばけ島に配置する必要がある。もちろん彼らを戦闘に出すこともできる。
  • ユニットごとに技の属性相性(=素質)が異なっており、ステータスだけでなく素質も考慮して技を使わせることで効率よく効果を発揮させられる。

プロテクション

  • 戦闘フィールド上にあるアイテムとキャラクター、アイテム同士、あるいはキャラクター同士に発生する支援効果。支援効果の内容は能力を補正したりHPをターンごとに回復するなど様々。
  • プロテクションは効果を与える側と受ける側が存在し、与える側が健在な限りは効果が発生し続ける。
  • かかっている補正が非常に強力な場合もあり、そういう効果を受けている敵がいる場合は与える側を先に破壊するなど対処が必要である。
  • プロテクションがかかっているアイテムに味方をコンファインすることで恩恵をそっくりそのまま受け取れるので、使い方によっては味方を有利にもできる。

魔導合成

  • 魔導合成師を利用することでキャラクターやアイテムを合成し、強化することができる。やりこみに重要なシステムの一つ。
  • 合成したアイテム同士のマナが合計され、マナを消費してスキルを受け継がせたり、能力を強化したりできる。

称号

  • 全てのアイテムやキャラクター、ランダムダンジョンには称号がついており、それに応じてステータスなどに補正がつく。
  • 称号師を利用することで称号を付け替えることができ、味方を強化したり、ダンジョンにあえて弱体化する称号をつけることで攻略を楽にしたりできる。

転生

  • レベルの上限は9999でそれより上げることはできないが、「転生」を行うことで特殊技や武器熟練度を引き継いでLv1に戻ることができる。基本的には『ディスガイア』と同じ。
  • この作品ではチェンジブックやタマゴといった特定のレアアイテムが必要となっている。

評価点

『ディスガイア』を発展させた戦略性

  • コンファインによって「どのアイテムに誰を憑依させるか」という位置や補正を考えたパズル的な駆け引き、リムーブによって「どういう順番で誰を戦闘に出していくか」といった戦術的な駆け引きが生まれている。
  • 能力が高くて強力なユニットほどリムーブまでの行動回数が少ない事が多く、ゲームバランスの調整に一役買っている。
  • 考えなしに仲間を出しまくっているとリムーブ後にマローネしかいなくなってしまうので否が応にも戦術が重要になってくる。
    • そのため一人のキャラを重点的に育てて無双することはできず、SRPGでよくあるベンチウォーマーが生まれない。
      • 唯一リムーブしないキャラであるマローネを育て上げれば一人で無双することも可能だが、マローネ自身は攻撃が苦手で回復が得意な能力に設定されているためかなり偏ったやりこみをしなければ難しい。
      • とはいえ回復役と相性のいい武器もあるので、逆に言えば通常のやりこみの範疇でも無双する事は可能。
    • キャラごとに装備していたアイテムはリムーブ後でも戦闘フィールドに残るため、最初にコンファインしたキャラクターが持っていた強力なアイテムをその場に置いて、次のキャラをそのアイテムにコンファインするといったことも可能。
      • ただしやりたい放題シミュレーションを謳っているにもかかわらず一定ターンでキャラが離脱してしまうことに「やりたい放題できない」と不満を持つプレイヤーもいる。
  • ユニットの種類も増え、商人やヒーラー、ダンジョン師など施設そのものをキャラとして作れるようになったのも自由度が高い、非戦闘系キャラでも役に立てるなどとして好評。
    • これらの戦闘向きでないキャラクターも育てれば施設そのものを強化できる(商人ならレベルが上がると取り扱う商品がより強力になるなど)ため、育てるメリットは小さくない。
  • 持つ&投げるもディスガイアの同システムを更に発展させており、特に場外に投げられるのは見た目的にもなんでもあり感を増していて派手。
    • 一方で考えなしに敵を場外送りにしまくっていると残った敵のレベルを激増させてしまうためバランスはとれている。
  • プロテクションの存在により敵を倒す順番を考えたり、戦場のアイテムを利用したりする必要が有るため戦闘のスパイスとして機能している。
  • 特殊技の種類は400種類以上もあり、見た目的にも派手で、演出もかっこいいものから荒唐無稽なものまであるため見てて飽きない。
    • 依存するステータスもバリエーション豊かであり、一通りのステータスに対応する特殊技が用意されている。

強化されたやり込み要素

  • 魔導合成システムや称号、ランダムダンジョンなどの存在により『ディスガイア』に比べるとやりこみがしやすくなっている。
  • レベルの高いランダムダンジョンに弱体化する称号をつけ、弱い敵しか出ないがレベルの高いアイテムが落ちているダンジョンを作る、といった手により経験値稼ぎ・アイテム収集も楽になった。
    • ダンジョンに称号をつけるとそこで登場する敵に同じ称号がつく。弱体化する称号がついた敵はその分経験値が減ってしまうが、アイテムやクリアボーナスには影響がないのでアイテムを攻撃して経験値を稼ぐ、敵をひたすら無視してダンジョンをクリアする、などの手で高経験値が得られる。

時に残酷、時に優しげなストーリー

  • ディスガイアのようなハチャメチャさはなくなっており、どちらかといえばマール王国シリーズに近い絵本のようなストーリーである。
    • 特にディスガイアでこれでもかとあったギャグ要素は全く見られない。そのためバカゲーのノリが苦手な人でも受け入れられやすいものになっている。
  • 迫害されていた主人公が仕事を通じて次第に理解者を増やしていき、最後は世界の危機を救って人々から認められる、という流れは少々ベタながら演出が丁寧でとても心温まる。
  • 悪人だったキャラクターがマローネの働きに影響されて改心したり、マローネと同じように困難に直面しながらも別の方法でそれを克服しようと努力する者がいる一方で修羅の道に身を落とす者がいたりとNPCの描写も考えさせられるものが多い。
  • ストーリーが進むごとに郵便受けに届くボトルメールも「マローネが関わらない場所で世界に何が起きているのか」「マローネの世間的な評判の移り変わり」を知ることができ、物語に深みを与えている。先の話で回収される伏線の描写もしばしばあるので唐突さがない。
  • このため『ディスガイア』などに比べて万人受けし、誰にでも薦められるものとなっている。
  • ただし後述するが描写が丁寧なために人間の身勝手さや理不尽な迫害の描写も際立っており、その点で人を選ぶことはある。

良質な音楽

  • 佐藤天平氏が手がける音楽はどれも聴き応えがあって作品の雰囲気を盛り上げている。
    • 一見癒し系の旋律ながら次第に熱く盛り上がってくる通常戦闘曲「この熱き想いの果て」や、おばけ島の安らぎ・のどかさを引き立てる「My Little Garden」など名曲は枚挙に暇がない。
    • 特にボス曲の一つ「Strange Wind」はその流麗で哀愁ただよう旋律からこのゲーム屈指の人気曲となっている。
    • 一方で挿入歌付きのイベント曲である「ともだち」はディスガイアの「ラハールさまの賛美歌」や「戦友(とも)よ」などに比べると影が薄いといわれがち。

質の高いドット絵

  • 原田たけひと氏の手がけるキャラクターデザインは世界観にそぐわっており、キャラクターの個性が容姿でしっかりと箔付けされている。
  • グラフィックは明るく温かみのあるドット絵で描写されており、イベントシーンではぬるぬるとアニメーションをしてくれるなどクオリティは高い。
    • PS2も全盛期な時代にドットかよ! という声もなくはない。とはいえディスガイアでも同じ批判はあったのでこれはどちらかといえば日本一ソフトウェアのお家芸であろう。ドット絵を採用しているおかげでロードが早い一面もある。
  • キャラクター(種族)種類も、当時の同社製他作品より充実していたといえる*2

豊富な隠し要素

  • ラハールや超魔王バールをはじめクリア後に多数の隠しボスと戦ったり他作品のキャラを仲間にできたりするほか、本編では登場しなかった隠しアイテムもある。
  • おばけ島の最高地点到達や転生のシステムも結果的に隠し要素となっている。
  • 日本一ソフトウェア作品の恒例でもあるがこうした要素はやりこみの目標として機能しており、歓迎されている。

快適な仕様

  • イベントのスキップやソフトリセットのコマンドが完備されており、非常に快適。ロードもほとんど無く、やりこみの邪魔にならない。
  • チュートリアルも持つ&投げる、コンファイン&リムーブなど重要なものについてはチュートリアル戦闘で丁寧に説明してくれる。
  • 魔導合成や称号など、その他のシステムも該当するシステムが使えるキャラクターが作成できるようになった時点で教えてくれるし、他の要素もおばけ島にいる謎の幽霊に話しかければちゃんと教えてくれる。
    • ただし転生のシステムだけは全く教えてくれないので隠し要素となっている。
    • チュートリアル戦闘のにそれを知っていた方が良いのだが(後述)。

賛否両論点

序盤の残酷な展開と終盤とのギャップ

  • 序盤のマローネは人々から『悪霊憑き』と呼ばれて迫害されているのだが、この描写がかなり露骨で容赦がない。
  • 依頼を達成したのに依頼人から正当な報酬を払うのを拒絶されたり、依頼人を騙した別の同業者に手柄を横取りされたり、とにかく人間の汚らしさとマローネの不憫さが際立っている。人が死んだりする陰惨さとはまた別方向でひどい。
    • 依頼人がまともでも生活に困窮していたり、敵がやむを得ない事情を持っていたりなどの理由で結果的に報酬を受け取れない展開が序盤のほとんどを占める。そのためプレイヤーの気が滅入ってしまうことうけあい。
    • そういった描写が少なくなってきた中盤以降でも「地上げ屋におばけ島を奪われかける」「薬品会社の施設を作るために島から住人(モンスター扱いだが)が追い出されかける」など嫌なところがリアル。
  • 終盤ではうってかわってマローネたちは世界を救える唯一の希望として世間から賞賛されるため「都合が良くなったら手のひらを返された」と人間の身勝手ぶりに憤るプレイヤーも多い。
    • もっとも直接的に人々と絡まなくてもマローネが仕事を成功させることで評判が上がっていく経緯はボトルメールなどで描写されているため展開そのものに無理があるというわけではない。
    • さらに作中の30年前にラスボス率いる悪霊たちの軍団によって世界がめちゃくちゃに荒らされてしまったという経緯があるため、死霊に恨みを抱く者が多いのは無理からぬことである。

仲間になる固定キャラがほとんどいない

  • マローネとアッシュを除くと固有の設定を持つ仲間キャラはクリア後の隠し要素で仲間になる日本一ソフトウェアの別作品のキャラぐらいしかいない。
  • スポット参戦で共闘するNPCは何人かいるため「仲間にしたかった」という声は少なくない。
  • もっとも主人公の設定やシステムの関係上、仲間にできるのは「既に死んでいる霊」であるため、彼らを仲間にするためには『ヴァルキリープロファイル』のように死亡イベントを山ほど作る必要に迫られたろうが…
  • この声に応えてWii版の追加シナリオでは「マローネ以外の全ての人間が死んでしまう」展開になり、それに伴って戦闘能力を持つ作中のNPCのほとんどを仲間にできるようになった。

崩壊しやすいゲームバランス

  • やりこみのハードルが下がった弊害として、やり方さえわかっていれば序盤から容易にランダムダンジョンや称号師、魔導合成師などを利用してパーティを飛躍的に強化できるためやりすぎるとヌルゲーと化す。
    • もっともこの点はあくまでプレイヤーの裁量次第である。ほどほどに鍛えつつストーリーを進める分にはそこまで悪いバランスではない。
  • SPD(素早さ)が高いほどターンが早く回ってくることや、少ないながらも攻撃力がSPD依存の特殊技があることなどから能力値の中でSPDの重要度が突出している。
  • ただしアイテムごとの強さは極端な強弱がないことや、リムーブの要素でSPDが高ければ高いほど早く退場してしまうため、ディスガイアに比べればよくなっているという意見もある。

問題点

戦闘中の不親切な点

  • フリー移動を取り入れたばかりでシステム構築がまだ未熟だったからか、傾斜やアイテムの位置関係によっては移動中のキャラがそれらに阻まれて途中で移動が終了してしまうことがある。
  • ちょっとしたミスで簡単に場外に送られてしまうキャラたち。
    • 味方の特殊技に巻き込まれて別の味方が場外送りにされた場合、そのキャラクターはその戦闘中戦闘不能扱いになってしまう。
    • 逆に敵が移動に失敗して勝手に場外に落ちてしまい、残った敵のレベルを上昇させてしまうこともある。
    • 氷に覆われているなど滑りやすい地形のステージでは移動のたびにつるつる滑りまくるのでこういった事故が多発し無駄に苦戦してしまうことも。

システムの複雑さ

  • 意欲的かつ多彩なシステムが取り入れられているため人によっては取っ付きづらい、使い方が思いつかないといったことも起こりうる。
  • 基本的にチュートリアルは行き届いているものの転生のシステムだけは全く教えてくれないため、やりこみに重要なシステムにもかかわらず隠し要素となっている。
    • 転生に必要なアイテムはかなり貴重であることや本編をクリアするだけなら使わなくても何も問題ないため、やりこまなければ必要はないが。
    • 最初にだけ行えるチュートリアルでしか手に入らないアイテムがある。それを手に入れるには基本的に事前の準備が必要。予備知識なしでできるとは思えない*3
      • ステータスも最弱武器と同じなので名前の違いに気が付いたところで、ここ限定だと知らなければユーザーが取得しようとは思わないはず。気づいたころには相当ストーリーが進んでいると思われる。それをやり直させられるのは控えめに言って苦痛だろう。
      • しかもそのチュートリアルの内容は「そのアイテムを持ち上げて攻撃してみよう」(これをするとコンファインできない)。あまりにも酷い。
  • マナ、霊験、お金など管理しなければならないリソースの種類が多く、戦闘中もキャラの位置や高さ、それぞれのステータス、地形の特性、アイテム、リムーブまでのターン、行動順、プロテクションの補正などと戦いに必要な情報がわんさかあるので慣れるまでは本格的に戦術を練るのは厳しい。
    • 戦闘の自由度の高さの裏返しとも言える。
    • やりこみに傾倒してしまえば戦略もクソもないパワープレイになってしまうのであまり考える必要はなくなるが…それはそれで折角の意欲的なシステムの多くが無駄になってしまう。
  • ユニットが死亡しても死体が残る仕様になっているため、敵ユニットの数が多いステージでは画面上のユニットが中々減らずにゴチャゴチャしがち。
  • システム的にキャラクターをベーゴマのように弾き飛ばすため、せっかくのグラフィックもディスガイア等に比べるとやや楽しみづらい。

総評

荒削りな点はままあるものの、万人受けするストーリーや自由度の高い戦闘、意欲的なシステムなど見どころの多い作品。
持つ&投げるの仕様や場外の概念、やり込みに関する仕様、一部の汎用ユニットなどはその後の同社作品に受け継がれ、『ディスガイア』とは異なる形でその後の日本一ソフトウェアに貢献している作品といえる。
『マール王国』シリーズや『ディスガイア』に比べると地味ではあるが一定のファンを獲得しており、後に追加要素をつけた廉価版が何度も発売されたりオンラインゲームになっていたりしている。


マイナーチェンジ・移植版

  • PS2『ファントム・ブレイブ 2周目はじめました。PlayStation 2 the Best』(2006年8月3日発売)
    • 内容を追加した廉価版。クリア後のレベル・アイテム引き継ぎ機能やエクストラボス「プリニガーXX」などを追加。
  • Wii『ファントム・ブレイブ Wii』(2009年3月12日発売)
    • 「もうひとりのマローネ編」が追加。他に画面・音声のリファイン、操作性の向上など様々な改良点あり。子会社のSystem Prismaが移植を担当している*4
  • PSP『ファントム・ブレイブ PORTABLE』(2010年10月28日発売)
    • Wii版をベースに5人のキャラクターを追加。
  • Win(Steam)『Phantom Brave PC』(2016年7月25日発売)
    • ベースは上記PSP版。画質も向上している(ただしキャラのドット絵はそのまま)。キーボード&マウス、英語音声・表示にも対応。
      • ストアページ表記によると本作もディスガイアシリーズに含まれるようだ
  • Switch『ファントム・ブレイブ』(2021年8月26日発売)
    • ダウンロード専売。
  • 攻略本は初代の物しか発売されていない。そのため『2周目はじめました。』以降の追加要素は自力で調べるしかない。
    • ちなみに他の日本一ソフトウェアのタイトルは、移植された物にも追加要素に対応した新しい攻略本が発売されている。

関連作品

  • 2005年にPS2にて同じ『ファントム』の名を冠した『ファントム・キングダム』が発売。
    • ゲームシステムは継承しているが、本作とストーリー上のつながりはない。
  • 小説版も複数存在しているが、電撃ゲーム文庫版(著:安曽了)収録の前日談では「ならず者がマローネを性的な目で見る」という衝撃的な場面が存在する。本作も序盤は残酷な展開だが、流石にそこまでの描写は無い。
  • 2012年にブラウザゲーム『Webファントム・ブレイブ』も配信されていた(同年中にサービス終了)。
    • ドット絵を流用したいわゆる合成系ソシャゲ。ソシャゲなのでリアルタイム要素*5やキャラを弾き飛ばす要素等はない。
      コンファイン要素こそよく再現されていたものの、ほとんど伸びないステータス、とにかく重い動作*6、バランスの悪い調整*7、アップデートで突然ダメージ計算式を変える等*8色々と酷い素材が勿体ない出来であった。
  • 2024年6月18日にて本作の完全新作『ファントム・ブレイブ 幽霊船団と消えた英雄』が発表された。主人公アッシュとマローネのコンビが続投する、直接の続編となる。対応機種はSwitch/PS5/PS4/Winで、2025年の発売が予定されている。
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  • 魔界戦記ディスガイア

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最終更新:2024年06月26日 10:54

*1 廉価版で付与されたレーティングを記載。

*2 例:レディゾンビ等当時のディスガイアシリーズでは見られないものもいる。

*3 島中のアイテムを高いところに積み重ねて一定の高度に行くともらえるキャラをチュートリアルでそのアイテムに使えばほぼ100%手に入る、というもの。

*4 2016年に日本一ソフトウェアの大阪開発室と合流する形で吸収合併された。

*5 当時のソシャゲによく見られた、いわゆる怪盗ロワイヤルのようにアイテムをそろえる奪い合いの要素はあった。ここではPS2版等のように移動距離や滑りやすい床などを考える要素ということ。

*6 コンファイン要素のために毎回ランダム配置を手直ししなくてはいけなかった。

*7 一例をあげると、一見どんなゲームでも重要そうなHPは、それ以上のダメージを平気で出せるので上げる意味はかなり薄かった。

*8 当然育成がかなり無駄になった。当時は魔法一強であったのだが、参照ステータスが変更されたため特化した育成がすべて無駄となった。なお魔法一強なのはアプデ後も実質変わらず、結果的に数日後から別のステータスを上げたキャラがまた無双するだけであった。