リズム怪盗R 皇帝ナポレオンの遺産
【りずむかいとうあーる こうていなぽれおんのいさん】
| ジャンル | リズムアクションアドベンチャー |  
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| 対応機種 | ニンテンドー3DS | 
| 発売元 | セガ | 
| 開発元 | ジーン | 
| 発売日 | 2012年1月19日 | 
| 定価 | 初期版 | 6,090円 | 
| ベスト版 | 3,024円 | 
| DL版 | 2,674円 | 
| 判定 | 良作 | 
| ポイント | 謎解きとリズムゲーの融合 棒読みヒロインと大人の事情
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概要
パリの街を舞台に怪盗Rの活躍を描くリズムアクションアドベンチャー。
セガの集大成的な音ゲーとも言えるさまざまなリズムゲーム、楽曲が楽しめる。
ストーリー
ラルフは昼間はごく普通の少年だが、夜は怪盗Rとしてパリの街を騒がせている。
ある夜、パリ市警から逃亡している最中に、謎の男たちに襲われていた少女マリアを助けたことにより、マリアは怪盗Rの正体がラルフだと知る。
秘密を共有した二人は、ともに行動するうちに皇帝ナポレオンを名乗る男と幾度も対峙する事になる。
システム
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大雑把にいえば、レイトン教授シリーズの謎解き部分をリズムゲームに変えたようなゲームである。
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パリの街がマップとなっておりそれぞれの場所で人物やオブジェクトをタッチして会話、蒐集を行っていくことでフラグが立ち、要所でリズムゲームをクリアしていくことでストーリーが進行する。
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扉を開けるための暗号を解くカギが「音」である等、音を使った謎解きがアドベンチャーパートの特徴である。
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しらみつぶしにタッチしていくと、隠しアイテムやコインなどが見つかる。また登場人物の会話も随時変化し、場合によってはおまけのリズムゲームがプレイできることもある。
 
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リズムゲームは操作方法が統一されておらずゲームごとで異なる操作を使ってクリアしていくのが特徴。
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入力タイミングの目印になるマーカーも存在するが、多くのゲームはキャラクターの動きによってもタイミングをとることができる。『リズム天国』をイメージするとわかりやすいだろう。
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基本的なタッチ、ボタン入力のゲームはもちろん、タッチペンをバイオリンの弓に見立ててスライドさせたり、ジャイロ操作を使って3DSを傾けることで入力していくゲームもある。
 
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セガの過去の音ゲーである『サンバDEアミーゴ』『スペースチャンネル5』等のスタッフが開発に関わっており、それぞれのゲームを再現したステージや楽曲等ファンサービスも豊富な作品。
本作の魅力・評価点
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セガ版『リズム天国』ともいえる豊富な種類のリズムゲームと質の高い楽曲。
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ストーリークリアと関係ないゲームも含めてリズムゲームは40曲以上。バリエーションに富んだ操作によりマンネリ感なくゲームを楽しめる。
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各ゲームは簡単なパターンから入り、曲終盤に行くにしたがって難しくなっていく流れに沿っているので音ゲーが苦手な人でも抵抗感なくプレイできる。
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なおゲーム全体としての難易度は、序盤こそかなり簡単だが後半から急上昇する。但しアドベンチャーパートで集めたコインで「お助けアイテム」を購入可能なので、音ゲーが苦手な人でもクリア可能なので安心してよい。
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クリア評価オールAを目指すなら、音ゲーに精通したプレイヤーもかなり歯ごたえを感じるられるだろう。
 
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リズムゲームのシチュエーションとストーリーが一致している。
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監視の目をくぐって美術館に潜入する、襲撃してきた敵を撃退する、足場の悪い通路を渡る⋯など、全てのリズムゲームはストーリー展開に対応している。話の流れと関係のないリズムゲームを求められる場面は一切ない。
 
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宿敵との決闘も、黒幕との決着も当然リズムゲーム。敵同士が律儀にリズムを刻んで戦う様子は一見シュールだが、胸が熱くなること間違いなし。
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上記のようにセガ過去作をリメイクしたようなお祭り要素も好評。
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ほかのリズムゲームに比べてやや難しく感じる人もいるかもしれないが、いずれもストーリークリアに必須ではない「おまけゲーム」なので安心して楽しめる。
 
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ストーリーの要所で挿入されるアニメーションの出来は秀逸。
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一度見たムービーはゲーム内のショップで購入すればいつでも視聴可能。
 
難点
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ジャイロ操作とリズムゲームの相性がイマイチ。
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3DSを傾けて入力するときどのタイミングでどのぐらい傾ければきちんと認識するのかが分かりにくい。故にミスしても何が悪いのか分かりづらく、苦手な人は上達が難しく感じる。
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ジャイロ操作が用いられるゲーム自体は限られているが、ストーリークリアに必須なものもあるので苦手な人はそのステージで嵌まりやすい。
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一応これらは判定が前に緩く作られているので表記よりかなり早く傾けてもperfectとなる。それに気付けばクリアは容易であるが、リズムゲームとしてはやはり良い物とは言いづらい。
 
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アドベンチャーパートは基本的にしらみつぶしで推理要素は少なく、面白みに欠ける。
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隠しゲームの解放には蒐集が必要だが、背景をくまなくひたすらにタッチするしかないアイテムも存在するため面倒である。
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オブジェクトをタッチしてアイテムをゲットしたとき只のコインでもいちいちカットインが入りゲームが中断するなど細かな不親切仕様も。
 
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プロモーションの一環として、ヒロインのマリア役の声優にタレントの剛力彩芽を起用したのだが、
演技の棒読みっぷり
が不評で、はっきり言ってこれは酷いと声を漏らしたくなる程、このゲーム最大の難点と言っても過言ではない。
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レビューサイト等でも彼女の演技に対しては批判意見が殆どである。当時ゴリ押しとも言われていたメディアでの過剰なまでの露出が災いしてファン以外からの評判が芳しくなかったが、それを差し引いても褒めるべき点は無い。
 
総評
全体的にライトゲーマーに向けたデザイン、プロモーションが行われた作品だが、
中身を見ればセガの音ゲーのノウハウが十二分に詰まった盛りだくさんの内容となっており、良き時代のセガファンたちに向けたファンサービスもある。
とりあえずストーリーだけを楽しむこともよし、オールA評価までやりこむもよしで、様々な層のプレイヤーが楽しめる作品になっている。
但しヒロインの(声の)演技がとても悪い為、人によっては拒絶反応を起こす可能性もある。そこだけは購入前に公式PVなどでよく確認しておくことをお勧めする。
余談
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上記の声優起用に加え、タレントの有吉弘行や俳優の榮倉奈々等をCMに起用、テーマソングもそれぞれ著名な歌手であるmiwa、AIとタイアップを行うなど、携帯機の新規作品としては積極的なプロモーションが行われている。
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Chapter1に収録されているリズムゲームが遊べる体験版がニンテンドーeショップで配信されていたが、2023年3月28日をもってeショップのサービスが終了したため、現在はダウンロード不可能。
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本作発売後、剛力彩芽が映画「プロメテウス」の主人公の吹き替え声優を担当することが発表された際、ニュース等では「声優初挑戦」と報じられた。どうやら本作の出演を無かったことにしたいらしい。
 なお、吹き替えの評判については……お察しください。
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本作のストーリーはほぼそのままに探索要素をカットし一部演出を簡略化して、音楽のリミックス、Rの着替え、ソーシャル要素を含むサポーターなどが追加されたアプリ『リズム怪盗R プレミアムライブ』が900円でios向けに配信されていた。ストーリー後半をプレイするために追加課金が必要なこと、それが本体購入時あらかじめ知らされていなかったこと、サポーターの課金ガチャ要素、課金によるコンテニューなどから不評な面もあった。
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2023年に発売された『サンバDEアミーゴ:パーティーセントラル』のDLC「セガミュージックパック」に本作から「怪盗Rのテーマ」が収録。
 逆輸入とも言えるかたちになった。
最終更新:2023年11月21日 22:52