本項ではPSPソフト『パタポン』と、PS4で発売されたリマスター版について記載する。
パタポン
【ぱたぽん】
| ジャンル | コマンド・カーニバル |  
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| 対応機種 | プレイステーション・ポータブル | 
| 発売元 | ソニー・コンピュータエンタテインメント | 
| 開発元 | ピラミッド | 
| 発売日 | 2007年12月20日 | 
| 定価 | 4,800円 | 
| 廉価版 | PSP the Best 2008年9月25日/2,800円
 2010年12月23日/1,800円
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| 判定 | 良作 | 
| パタポンシリーズ パタポン - パタポン2 ドンチャカ♪ - パタポン3
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| PlayStation Studios作品 | 
 
概要
2007年12月、SCEより発売された音ゲーとシミュレーションを組み合わせたようなゲーム。
オリジナリティ溢れるゲームシステムと、可愛らしいパタポンの歌が高く評価されている。
影絵のような独特なグラフィックも人気が高い。
プレイヤーはパタポン軍の神様となって、彼らを世界の果てに導いていくのが目的となる。
特徴
システム
2Dアクションのようなステージを敵や障害物を倒しながら進んでいき、神(プレイヤー)が「パタポン」族を進軍させ、
ステージ奥に配置されているゴールポールを通過させるとステージクリアとなる。(ボスステージではボスを撃破でクリア)
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パタポン達を動かすには4拍子のリズムにあわせてコマンドを入力しなければいけない。
 「□□□○」で前進、「○○□○」で攻撃。ゲームを進めることによって与えられる指示が増えていく。
 また画面の白枠の点滅を見れば4拍子のリズムがわかるようになっている。
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プレイヤーが指示を出すとパタポン達は歌いながら行動を開始する。この歌も4拍子。歌っている間にボタンを押してしまうと、行動がキャンセルされ、動きが止まってしまう。パタポンの歌が終わったら、再びコマンド入力をする。この繰り返しで進んでいく。
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プレイヤーの入力→パタポンの歌、ここまでの流れが1コンボとなり以降は、入力に失敗して流れが途切れるまで2コンボ→3コンボとコンボ数が溜まっていく。
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コンボ数が10コンボに到達するか、3コンボ目以降にボタンを4つとも正しいタイミングで叩くとフィーバーモードに移行する。
 フィーバーモードに入るとパタポン達の能力が大幅に上昇し、攻撃方法も変わる。ただし、入力が少しでもリズムから外れると即終了してしまう。
 中盤からは敵の攻撃が非常に激しくなるので、フィーバーモードの維持が必須になる。
 
ユニット
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兵種は盾・槍・弓など6種類存在する。盾は防御性能に秀で、弓なら遠距離攻撃が得意など。使用できる兵種はストーリーを進める、または特定のボスを倒すと追加される。
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ステージで得た素材を2つ組み合わせ、チャリン(お金)を払う事でユニットを作成する事ができる。
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例えば肉と鉱石を組み合わせると盾兵を作ることができる。
 素材にはランクがあり、ランクの高い素材を掛け合わせると特殊能力を持った「れあポン」というユニットを作ることが出来る。
 
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ユニットの育成はできず、ステータスの底上げは装備品頼みになる。
 
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素材やお金はボスや敵兵・動物・障害物を倒すことで入手できるが、武器などの装備品はボスと敵兵からドロップのみである。
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またミニゲームを使い一部素材や武器を入手する事もできる。
 
ステージ
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素材や金を稼ぐための「狩りステージ」、敵軍と戦う「交戦ステージ」ボスと戦う「ボスステージ」がある。
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ボスステージはクリアする度にレベルが上がりボスが強くなっていく。
 
評価点
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コミカルさとハードさが同居する世界観。
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パタポンの見た目を「目玉から手足が生えた生き物」と説明すると気持ち悪いものだが、実際はまん丸くデフォルメされた愛くるしい外見をもつ。
 小さく丸々した種族が集団で、敵対する「ジゴトン」や「マ族」と戦う姿に、わさわさしていてこれまた可愛く楽しいという感想が多い。
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反面お話の内容は割と重々しい。言ってしまえば戦争の話なので、敵勢力との激しい衝突や種族を守ろうと決死の覚悟で討ち死にする敵将など、笑ってばかりいられないストーリーの重みがある。
 
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コマンド入力による手軽な操作。
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リズムに合わせて敵と戦うスタイルのため、難しい面もちゃんとパターンをつかめるようになればいずれは攻略できる難易度になっている。
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それでいてステージや敵の特徴を考えて部隊編成をしたり、れあポンを生み出したりするなど、相応の工夫をすればより攻略が楽になり試行錯誤のしがいもある。
 
 
賛否両論点
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フィーバーモードが少しでもリズムがずれると即終了し、判定もとてもシビア。
 リズムアクション的要素が含まれているため、ある程度のリズム感がないと厳しい面はチラホラある。
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ボリュームが多くはない。ミニゲームなど一通り追っても、大体10時間~15時間でクリアできる。
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一部即死技でユニットが倒されると消滅扱いになる。
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倒されたパタポンは、頭にかぶっている「キャップ」を回収することで復活可能だが、一部ボスはキャップごとパタポンを捕食する等の動作をとる。こうなってしまうと後述のドロップ率の低さにより立て直しが難しい。
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多くの場合ボスはそういった攻撃の前に長めの予備動作を取るようになっているが、一度命令すると次の命令は8拍後になってしまうため手遅れになってしまいやすい。一応わざとフィーバーを切って呼び戻すというテクニックもあるが直感に反する操作な上説明もされないため気付けないことも。また、状態異常によってそもそも回避が不可能なことも。
 
 
問題点
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クリア後に再挑戦できるステージが少ない。それによる弊害。
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狩りステージとボスステージのみで、交戦ステージはクリアすると2度と挑戦できない。
 これにより装備品を入手できるのは最終的にはボスステージのみとなる。
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ミニゲームで入手できる装備は今作最強の武器であり、入手条件はやや厳しい。そして複数入手不可である。
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ちなみにデータ引き継ぎによる2周目という物はない。
 
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ボスのレベル上昇によるステータス増加が激しい。
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1レベル増加するだけで攻撃力が飛躍的にあがる。並の装備や下位ユニットでは歯が立たない。普通にプレイしていると大体5レベル辺りから厳しくなっていき、レベルが10を越えると多くのボスで一撃死してしまう。ボスレベルは100まで上がるため、ボスが事実上、際限なく強くなってしまうことに近い。クリア後に交戦ステージが出来ないこと、狩りステージが有用でないこと(後述)から、素材・武器稼ぎはボス戦でしか満足に行えないため、パタポンのロスト状況によっては今後の攻略が厳しくなってしまう可能性がある。
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また、回避中にわざとフィーバーを切る、というテクニックで無理矢理勝つ事もできるが、レベルが上がると激しく時間がかかる。
 
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一部存在意義がないアイテム・道具がある
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例えば、終盤で入手できる「さそりトンのヘルム」。これは攻撃した敵を眠らせる効果があるが、ボスには状態異常が無効なので、クリア後には役に立たない。
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また、クリア前でも入手した時点での交戦ステージは残り1つである。
 
 
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装備や素材のドロップ率が異常に低い。
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1ステージクリアで2つ入手できればいい方で、下手すれば1つも入手出来ないこともある。ゲーム終盤ですら初期装備混じりにならざるを得ない事も。
 
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兵種の性能の差が激しい
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騎兵はフィーバーモードに移行しないと攻撃力や機動力が低く真価を発揮できない。高レベルのボスを倒すにはフィーバーを切る必要があるので、最終的にはお荷物になる。また、騎兵はフィーバー中に敵をノックバックさせる事ができるのが最大の特徴だが、これもボスには無効なため、ストーリーでしか役割を遂行できないという短所もある。
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ゲーム終盤で作成可能になる笛兵。後方から多段ヒットする音弾を飛ばして攻撃する。この音弾の威力が非常に高く、他の兵と比べるとダメージ効率が全然違う。特に攻撃力が上がるれあポンを笛兵にする事で一騎当千の強さを見せる。
 
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れあポンと一般兵の差も激しい
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れあポンは防御力が高い、攻撃力が高いなど、一般の兵と比べてステータスの差が非常に大きい上に固有の能力を持っている。
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一般の兵は強力な装備をつけてようやくれあポンに追いつくほどなので、れあポンに強い装備をつけた方が効率がよくなってしまう。
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兵種によっては一般兵のみヘルムを装備できるので最強のヘルムをつけるなら一般兵にも利用価値はある。ただし最強装備は一点物。
 
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またれあポン同士でも差がかなりある。ランクが低いれあポンは高いれあポンに完全に喰われてしまっている。
 
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時期を逃すと入手できないアイテムがある。
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序盤の敵が落とす「鉄のヘルム」「鉄の剣」といった鉄シリーズの装備は、5つめのステージまでの敵しかドロップしない。しかし、前述の通り敵のドロップ率が非常に低いため、セーブロードを駆使しないといけない。
 
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装備品のコンプリートが不可。
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終盤でとある敵を倒すと2種類の装備のうちどちらか1つをドロップする。この敵とは1度しか戦えないためもう片方の装備は2度と入手する事ができない。
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中盤のステージで顔見せに来て途中で撤退するその敵を無理矢理倒せば一応コンプリートは可能。ただし相当特殊な戦い方を強いられてしまう。
 
 
ここに書かれている問題点の多くは、基本的にストーリークリアまではたいした問題ではない。
あくまでクリアするだけならば、特に問題となる点は少ない。
総評
リズムアクションゲーム的な要素を含みつつストーリー性もしっかりしており、『不思議な世界で神様となって世界の果てを目指す。しかし、その戦いには何の意味があるのか』『なぜジゴトンたちは行く手を遮るのか』など、システム的にはシンプルなゲームながらに考えさせられる要素はある。
純粋なゲームとしては平凡な評価が多いが、ストーリー回りの評価は良く、後にシリーズとなったことからも本作ならではの作風そのものも評価されたと言っていいだろう。
快適性には後発作よりかなり劣るが、もしもしっかりストーリーを追いたいならば、本作に挑戦する価値はあるだろう。
その後
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2008年11月27日に続編である『パタポン2 ドンチャカ♪』が発売された。
また、2011年4月に『パタポン3』が発売。前作までとは大きく路線を変えた。
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2025年7月10日に、『2』とセットでリマスターされた『パタポン1+2 リプレイ』がSwitch/PS5/Winで発売された。
パタポン(PS4リマスター版)
【ぱたぽん】
| ジャンル | コマンド・カーニバル |  
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| 対応機種 | プレイステーション4 | 
| 発売元 | ソニー・インタラクティブエンタテインメント | 
| 開発元 | SCEジャパンスタジオ | 
| 発売日 | 2017年9月21日 | 
| 定価 | 1,800円(税抜) | 
| 判定 | なし | 
| ポイント | 原作そのままのリマスター プレイ環境に左右される難易度
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| PlayStation Studios作品 | 
 
概要(PS4)
評価点(PS4)
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グラフィックの美麗化
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原作よりも滑らかになり、サクサク動くようになった。
 
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ロード時間の大幅短縮
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元々が容量の軽いゲームだったが、マシン性能の差もあり、ロードは一瞬で終わる。
 
問題点(PS4)
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目立った新要素や改善点は一切なし
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誇張などではなく、ムービーやUI、操作関係は全てPSP版から変化していない。
 原作同様画面下側のヒントはボタンを押している間しか表示されず、『3』でようやく追加された中断のリズムやリマスター版独自の追加ステージも無い。
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エンディングなどのプリレンダリングムービーはディスプレイサイズや解像度の関係でかなり粗く見えてしまう。
 
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また原作には無かったためか、コントローラーの振動をゲーム側でOFFに設定することができない。
 
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原作そのままの難易度と入力遅延
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PS4はワイヤレスコントローラーや液晶画面の出力性能など、プレイ環境による要因で入力遅延が発生する場合があるが、リズムゲーである本作にとってはその一瞬の遅延が難易度の上昇に繋がってしまうため、人によっては本作最大の問題点となってしまう。
 『2』以降の難易度調整システムも実装されていないため、この状態に当てはまるプレイヤーはフィーバー状態の維持のしづらさにストレスが溜まってしまう。
 ちなみにコントローラの入力遅延については、PS4pro/スリム以降に発売したデュアルショック4(CUH-ZCT2J)であれば、有線接続にする事で簡単に有線入力にできる。
 
総評(PS4)
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リマスター版独自の追加要素やUIの改善といったものが一切なく、難易度調整も行われていない。
 このため、良くも悪くも純粋な「リマスター」であり、原作を遊んだユーザーにとってはやや物足りないかもしれない。
 購入を検討する場合は難易度がやや高めである事を理解した上で、原作とこちらで自分に合った方を選ぶといいだろう。
最終更新:2025年08月09日 17:18