注意:このページでは『円卓の生徒 Students of Round(PC)』と、その移植作品『円卓の生徒 The Eternal Legend(PSP)』(共に良作)を併せて紹介する。



円卓の生徒 Students of Round

【えんたくのせいと すちゅーでんつ おぶ らうんど】

ジャンル 3DダンジョンRPG
対応機種 Windows XP/Vista/7
Xbox360
発売元 【Win】エクスペリエンス
【360】角川ゲームス
開発元 エクスペリエンス(チームムラマサ)
発売日 【Win】2010年4月30日
【360】2011年2月10日
定価 【Win】パッケージ版:7,140円/DL版:4,900円
【360】6,195円
レーティング CERO:B(12才以上対象)
廉価版 【360】DRPG SELECTION:2012年2月23日/3,990円(税込)
判定 良作

概要

エクスペリエンスが『Generation XTH ~Code:Realize~』の次に開発、発売したDRPG。
「初心者向け&新規ファン開拓」をコンセプトとして製作されたこともあり、チームラ作品の中でいち早く家庭用ハードへの移植がなされた。
各機種版ごとに若干の変更点、追加点こそあるものの、根底となる部分は全機種版において共通しているので、本稿ではPC版から最後発のPSP版まで一通り解説する。

  • ちなみにチームラにとっては、後述するXBox360への移植版がコンシューマ復帰作であり、PSP版は携帯ゲーム機初参入作である。
  • タイトルに「生徒」と付いているが『ウィザードリィエクス』や『ジェネレーションエクス』シリーズのような学園モノ・色物設定の作品ではなく、固有キャラ制&王道展開のファンタジーRPGとなっている。
  • 100年前に円卓の騎士と共に魔王オル=オーマと戦うも敗北した勇者が精霊神フェニックスの力によって復活、オル=オーマ打倒を目指して旅立ちながらも新たに円卓に加わった有望な若者達を指導してゆく、のが大まかなストーリー。

特徴

  • 難易度は「ノーマル」「ベテラン」「マスターモード」の3つ。といっても「ノーマル」と「ベテラン」では「出現する敵のレベルが上昇する」という違いしか無い。
    • また、この2つはいつでも切りかえられるので、レベル上げ作業は敵のレベル(と獲得経験値)が高いベテランで行い、ボス戦は敵のレベルと能力が下がったノーマルで行う、といった少々ズルい事も可能。
    • 一方「マスターモード」では、「ベテラン時よりも敵のレベルが高い」「ダンジョン内でのセーブが一切不可能になる」など難易度が大きく上昇し、最初に選んだらもはや難易度変更は効かない。その代わりに後述する特典が得られる。
      なお、難易度こそ上昇するが、上級者やドMなら最初からマスターモードで進めても問題ない。
  • 固有キャラ制
    • 最初は主人公1人でゲームが始まるが、すぐに戦士と魔法使いが仲間に加わり、ほどなくして僧侶も参入。以降もストーリーの進行に伴って仲間が加入。最終的には主人公含め11人の大所帯となる。主人公はパーティーから外せないが、他のメンバーはダンジョン進入時に入れ替えが可能。
      • チームラ製DRPGでは初の試みである。そもそもWizに代表されるハクスラ系は「0から作り上げたオリジナルキャラを徹底的に育て上げ、さらに 妄想 想像を加えて愛着を付ける」ことに魅力を感じるユーザーが多いため、一般的にハクスラ系と固有キャラ制は相性が悪いとされている。しかし、ライト層やいわゆるJRPGファンへの配慮とプレイヤー層の拡大を目指したのか、思い切った方針を採ったようだ。
    • 各キャラには「ソウルランク」というものが設定されている。これは「主人公との絆の強さ」を表したもので、これがアップすると獲得経験値の上昇・ユニオンスキル*1用のゲージの最大値上昇といった恩恵がある。ソウルランクは戦闘に勝つ・ユニオンスキルを発動する・面談時に食事を行う等の行動で上昇する。また、ソウルランクの上昇はストーリーを進める上でも必須。
    • 主人公≒先生ということもあり、拠点では仲間と面談を行うことができる。面談では仲間ととりとめの無い会話を行ったり、一緒に食事をしたりすることでソウルランクの上昇を狙える。
  • サブクラス制
    • キャラクターには本業とも言える「メインクラス」が設定されており、こちらはゲームを通して変更が一切できない。代わりに「サブクラス」は自由に選択、設定することが可能で、これによってパーティーをプレイヤーの好みに応じて補強できるようになっている。
      • サブクラスを設定すると、「サブクラスのレベルアップに応じてスキルの獲得や最大HP&MP、命中や呪文攻撃力といったクラス依存の能力が成長する」「装備可能な品にサブクラスのそれが追加される」といった特典が付くため、最終的な強さを求めるならサブクラスは必須。ただし「サブクラスを付けると獲得経験値がメインとサブクラスとで折半されるため、レベルアップが大幅に遅れる」という欠点もあるので、あえてサブクラスを付けずに突き進む、という選択肢もあり。
      • サブクラスの設定には「進路指導書」というアイテムが必要になる。ノーマルモードでは有限(1人平均2回分)だが、マスターモードでは店売りで無限に手に入る。ただし法外な値段を吹っかけられるが。
      • サブクラスを変更するとサブクラスに蓄積されていた経験値とレベルは全てリセットされてしまう。
    • 以上のような特徴があるため、サブクラスは簡単に変えるものではなく、役割分担を明確にした上で決め打ちする必要がある。この点は『ジェネレーションエクス』シリーズと異なっている。*2
  • 魔法の炉
    • チームラ作品で存在したアイテム強化のシステムを簡素化したもの。これまでの作品では「壊れた装備品(廃品)と修理に要する素材を用意し、アイテム合成で復元→そこからさらに強化、カスタマイズを行う」といったシステムであったが、これはプレイヤーの個性を出しやすい半面、アイテム合成の手間(素材の用意やアイテム管理など)が非常に面倒くさいという欠点があった。
      そこで本作では廃品を一切なくし、「装備品を魔法の炉に入れて溶かすことでポイントを獲得、貯まったポイントに応じてそのカテゴリの全ての装備品が一律強化される」というシステムになった。
      • 一例を挙げると、短剣を魔法の炉に突っ込みまくって加護の値を+10まで獲得すると、最低ランクの「バトルダガー」から最高位の「ドラントゥース」に至るまで全ての短剣に+10の加護が付き、それに応じて武器のダメージ値が上昇する。
    • これにより、装備品には「売って金に替えるか、魔法の炉に入れて強化ポイントを稼ぐか」の選択ができるようになった。トラップエンカウント用の食材購入費用捻出との兼ね合いもあるため悩みがちだが、きちんと稼いでいれば過去作ほどはお金がカツカツになるようなことはない。
  • トラップエンカウント
    • 本作の新システム。これは「ダンジョンの決まった場所に料理や食材といったエサを仕掛けた後ある条件を満たすと、宝箱を持った敵が出現するポイントに変化する」というもの。宝箱は敵のリーダーが所持しており、数ターン経過後逃走してしまう。こいつを逃がさずに戦闘に勝利すると宝箱を落とす。
    • 本作にはランダムエンカウントも存在しているが、装備品はトラップエンカウントで落とす宝箱からしか手に入らない。そのためトラップエンカウントはゲームにおいて必須となっている。
    • 仕掛けるエサとなる食材は店売りしているほか、敵も落とすようになっている。また、錬金術で合成(調理?)すると上位の物に変化。上位の物を仕掛ける程出現する敵のレベルと宝箱のランクが上昇する。
    • トラップエンカウントで出現させた宝箱には必ず呪い(Wiz系の罠と同じ)がかかっているが、本作での呪い解除は非常に簡略化されている。また、このときのアイテムにも呪い(ハクスラ系でおなじみの「未鑑定品」と同じ)がかかっているが、その解除(=鑑定)も簡単。主人公orアルケミストの魔法を使うか拠点に戻るだけでよい。
  • ストーリー面
    • 固有キャラ制というのもあり、基本的には一本道。その代わり、これまでのチームラ作品に見られる「独特かつ人を選ぶ設定」がほとんどなく、「魔王を倒す」という王道展開となっている。
    • ストーリーのテーマを挙げるなら「絆」の一言に尽きるだろう。
      • 仲間達はみな一様に悩みを抱えており、それを「先生」と言える存在である主人公や他の仲間達が手を取り合って解決してゆく。魔王を倒して迎えたエンディングでは彼らのその後が語られるのだが、皆それぞれの道を見い出し活躍している。これがタイトルを『円卓の「騎士」』ではなく「生徒」とした所以であろう。
      • 生徒達との面談やソウルランクシステム、魔王の眷族が使ってくる特殊攻撃「オーマの波動」*3とそれに対抗する手段といったゲームのシステム面でも、「絆」というテーマに沿ったものが多い。
    • 一方でチームラらしさも健在。定番のネコ耳侍娘、キーパーソンの耳飾り、主人公のデフォルトネームなど、チームラ作品を遊んできた人ならばニヤリとするようなネタが多い。とはいえ、Wiz-XTHとG-XTHの関係のように他の世界観を持つ作品との繋がりを直接想起させるようなものは少ない*4
    • そしてエロネタも健在。おっぱい星人のレンジャー、あるイベントから「抱き枕」の愛称をつけられたメイドロボ(魔法人形)、ソウルランク10のイベントなどなど。また、とある中ボスの行動テキストは……かつてのWiz-XTH2を彷彿とさせる。

評価点

ハクスラ初心者から上級者まで楽しめる

  • 「初心者だとどういうメンバー構成にしたらいいかわかりにくいので、序盤の流れを半固定化し、かつチュートリアルを充実させる」、「『宝箱の罠解除や識別』といったWiz系のお約束を簡略化」といった風に、本作では3DRPGのとっつきにくさとなる部分に手を入れ、初心者でも遊びやすくしてある。
  • 一方で上級者にとっては物足りない部分も出てくるが、ゲームの基礎となる部分はしっかりしており、ノーマルやベテランならヌル過ぎず厳しすぎずで気軽にプレイできる、マスターモードなら歯ごたえはあるが理不尽ではない難易度とゲームバランスはしっかり調整されている。

プレイアビリティ

  • キーアサイン、レスポンス面での不備はほとんどない。PC版はキーコンフィグを駆使すればキーボードでもプレイは可能だが、可能ならパッドを用意することを勧める。
  • ダンジョン進入時に数秒ほどのロードが入るが、モンスターグラフィックと共にヒントが出現するためあまり気にはならない(PC版ならスペックと設定調整でほぼゼロにもできる)。そして相変わらず戦闘前/後のロードと戦闘時のメッセージ送りは爆速。

モンスターグラフィック

  • 本作のモンスターデザインを担当しているのは、『アヴァロンの鍵』や『三国志大戦』『LORD of VERMILION』といったTCAGにおいて、ほぼ常連と言えるほど高確率で参加している塚本陽子女史。
    美しさとおどろおどろしさ(一部はコミカルさも)が混在しており、「末弥純画伯の頃の『ウィザードリィ』を彷彿させる」と高く評価されている。チームラもそこはわかっており、PC版発売と同時にイラスト集も発売するなど、商売面でもちゃっかりしている。

BGM

  • こちらはおなじみ神保直明氏が引き続き担当、良曲が揃っている(特に戦闘曲)。中でもラスボス戦闘曲である「伝説の戦い」は、その荘厳な雰囲気からとりわけ高評価である。しかし、これをPVに使ってしまったチームラはどうなんだろうか…。*5

アフターサポート

  • PC版初版は非常にバグが多かったのだが、不具合報告から得た問題点は後発のパッチで潰されており、現在では全機種版において致命的な不具合はない。
    • また、Xbox360版の追加要素(新曲追加、雑魚モンスターの色変えだった中ボスの新規グラフィック書き下ろし等)は先発のPC版にも無償バージョンアップで導入できるようになっている。
    • 一方、PSP版の追加要素は先行版には追加されないことが明言されている。ただし、この件についてはエクスペリエンスの社長が直々に釈明を行っており、その誠実な対応もあってかその点に不満を漏らす人は少ない。

問題点

固有キャラ制

  • 前述のように本作最大の特徴でもある。終始無言の主人公は別として、仲間達は皆キャラが立っているので批判がそれほど多いわけでもないのだが、「もっとちゃんとしたキャラメイクをしたかった」という意見や「キャラが合わない」という人もやはりちらほらと見かける。
  • 主人公のみキャラメイクできるのだが、6種類の外見(性別含む)と名前しか設定できない。
    • 本作最大級のネタバレにつき詳細は伏すが、主人公を男に設定しないと後半の展開にてかなり違和感を覚える事態になる。そのため、強力な 妄想 想像力でフォローできるという人でなければさらにキャラメイクの幅が狭まることに。
+ 物語の核心を含むネタバレ
  • 具体的には主人公の前世における性別は男性で固定なのだが、現世へと転生した肉体=主人公の性別は男性と女性のどちらかを選択することができるというもの。
    • 後述のヒロイン3名には恋愛関係まで進展するイベントが用意されているのだが、肉体を女性にしてもゴールインまで進めることが出来るのは、その手の展開が好きなプレイヤーには嬉しい点か。
      • 肉体の性別によってのテキストの差異は大きく、「女性の姿だけど中身は男性、いったいどう取れば良いのか」と葛藤するヒロイン達の姿はなかなか斬新である。
    • ただし、男性陣に対してはギリギリのところまで関係を進められるものの、どうやっても一線は踏み越えてくれないのが残念。というよりは教師と生徒という設定になっているのに踏み越えてくる女性陣がアグレッシブすぎるのだが。

ヒロイン格3人の妙な優遇具合

  • 該当するのはエルサ、ルーミ、マァリンの3人。前者2人は面談時に専用グラフィックがある他、ストーリー中盤でシュバリエ化(=上級職へのクラスチェンジ)を果たし、それに合わせて立ち絵が変化する。
  • Xbox360版およびPSP版ではキャラクターボイスが付いたのだが、PSP版ではこの3人だけキャストが有名声優に変更された*6。他のキャラクターについては当時あまり有名でない、もしくは専門学校の生徒が割り当てられている。

悪い意味でのチームラらしさ

  • バトルバランス面
    • 即死効果が付与された物理攻撃や強力な全体攻撃といった極悪攻撃が早くから繰り出される(特にマスターモード選択時)。とはいえ前述のユニオンスキルによって対処したり、レベルを上げてゴリ押しといった対策もあるので、何だかんだでゲームバランスは悪くは無い。
    • 敵の物理攻撃が激しいため、やはり盾役のパラディンが必須となるバランスである。ただし、パラディンはサブクラス設定時でもメイン時と遜色なく役割を果たしてくれるため、必ずしもルーミ*7を盾役に固定する必要は無い。
    • G-XTHであまり評判がよくなかった「連れ去り*8」もしっかり残っている。対応策もあるのだが、複数回食らうとどうしても1人は連れ去りの餌食となる。特に主人公や盾役が連れ去りをくらうと全滅する危険性が大いに高まるため、若干運ゲーの要素もある。
  • 説明不足
    • チームラ作品ではいつものことなのだが、本作は全体的にライト層向けの親切設計のため、アイテム効果の説明不足ぶりが余計に目立つ。
    • ダメージ値(攻撃力)や防御力などはちゃんと書かれているのだが、特殊効果などへの防御効果は曖昧。また、後述する連れ去り対策アイテムもあるのだが、そのことは一部を除いて一切アイテムの説明に書かれていない。
    • ACが「回避」、THが「命中」に名称変更されているのだが*9、これが普通のRPGと同様に高ければ高いほど良いものになっている。
      「普通じゃん」と思われるかもしれないが、Wiz系では元ネタである『ウィザードリィ(I~V)』はもちろん、たいていの作品で「ACやTHは低い程良い」という仕様だったので、Wiz系に親しんでいればいるほど戸惑いがち。もちろん慣れればどうということもないのだが。

難易度「ノーマル」「ベテラン」の存在意義

  • マスターモードでしか開放されない要素が非常に多いため。例を挙げると「ステータス上限の限界突破」「マスターモードでしか入手できないアイテム」「同おまけダンジョン」等。よほど時間に余裕のある、もしくは初心者でない限りは、最初からマスターモードでプレイすることを勧める。
    • 一応擁護しておくと、マスターモードはノーマルモードのデータの一部を引き継げるため序盤が楽になるし、マスターモードはPC版発売から2ヵ月後のパッチで追加されたという事情もある。なにより「初心者救済の手段」としてはアリだろう。

「村正」「大村正」の出現率の悪さ

  • 開発チーム名の由来でもある刀であり、特に後者はマスターモード限定かつ全武器中最強の攻撃性能を持つ武器である。のだが、これが異常なまでに出ない。
    • どの位出ないかというと、マスターモード本編クリア~隠しボス撃破までに数十時間ほどかかるのだが、それに比する時間をトレハンに費やして1本出るかどうか、というレベルである。たいていのプレイヤーは全キャラのメイン/サブ含めてレベルがカンストし、もはや倒せない敵などいないといった頃にようやく出るのである…。そのため、「俺のディスクには村正、大村正が入っていない」とボヤくプレイヤーが大量発生した。その中には作った張本人であるエクスペリエンスの社長もいる。
      • もちろん「入手をあきらめる」という選択肢はある。が、Xbox360版にはこの2つの武器入手が解放条件となる実績が存在しており、実績コンプリートの際の鬼門となってしまっている。
      • PSP版では出現率が上がったようで若干マシになっている。しかし今度は神村正が出ない…。

食事の用意が面倒

  • 終盤のトラップポイントの敵は高級食材・料理でないと引っかかってくれないこと、クリア後のストーリーを進めるには生徒全員のソウルランクを上げなければならないことから、後半は高級食材・料理の需要が非常に高い。このため高級食材の用意は必須なのだが、その準備にひどく手間取る。
    • 最高ランクの食材を1個作るのに最低ランクの食材(在庫無限)を200個ほど用意する必要があるのだが、アイテムのスタック数が10個までなので、アイテム欄圧迫、大量の食材加工に時間がかかるなどの問題点が生じてしまっている。「一括調理」のコマンドはあるため、スタック数が50~99個単位だったら非常に楽だったのだが……。
      • そのため、「主人公は勇者でも先生でもなく、シェフ?」と揶揄されることも。

その他の問題点

  • Wiz系ではおなじみの「友好的なモンスター」のシステムもあるのだが、本作にはアライメントの概念がないのであまり意味がない。但し、一部のダンジョンではこの要素を用いた初見殺しのトラップがある。
  • 敵のイラストが少なく、細部のマイナーチェンジによる使いまわしも多い。評価が高いだけに惜しむ意見は多い。
  • 一枚絵の表示されるイベントも少なくないのだが、それを後で見返すことができない。
  • BGMも20曲程と少ない。そのせいか、ダンジョン内ではBGMが流れない個所も多数ある。こちらも惜しまれている。
  • Xbox360版における、一部の実績解除にかなりの時間を要する。
    • 先述の「村正」「大村正」の入手実績に加え、「真ボスの撃破」「武具+99達成」の実績がとにかく時間がかかる。前者はパーティ平均Lvを95まで上げないと戦えず、後者に関しては正攻法で挑もうとすれば数百~千時間単位の時間が必要*10

総評

「シンプルイズベスト」を地でゆく佳作ダンジョンRPG。
PC版発売前の下馬票では、「ハクスラ系と固有キャラ制は相性が悪い」「これまでのチームラ作品が曲者揃いだったから、本作もそうに違いない」「1回発売延期を行っているがクオリティは大丈夫か?」と出来を不安視する見解の方が多かった。
が、蓋を開けてみれば、悪い意味での癖は大分薄まる一方でライト層も意識した親切設計となっており、ダンジョンRPG上級者はもちろん、初心者やチームラゲー未プレイ者にもおすすめしやすい作品となっていた。


円卓の生徒 The Eternal Legend

【えんたくのせいと じ たーなる れじぇんど】

対応機種 プレイステーション・ポータブル
発売日 2012年10月11日
定価 6,090円
レーティング CERO:B(12才以上対象)
廉価版 KADOKAWA GAMES COLLECTION:2013年7月4日/2,940円(税込)
判定 良作

概要(PSP版)

PC版Ver1.300をベースとした移植。
PSPの液晶に合わせ、画面サイズが16:9に変更されている他、「主題歌&挿入歌、新規BGMの追加」「キャラクターイラストの修正、ボイスの追加」「大村正を越える性能の武器「神村正(しんむらまさ)」の追加」といった変更が行われている。
全体的なプレイ感はPC/Xbox360版と共通しており、良移植と言っても差支えは無い。ただし、一部の仕様が劣化しているため、その点では劣化移植とも言える。

評価点(PSP版)

相変わらず全体的にスピーディーで快適

  • メディアインストール対応。行わくとも読み込みは速いが、メディアインストールした時はさらに早くなる。
  • スリープモードにすることで擬似中断できるので、マスターモード時でもプレイの中断がしやすくなった。

問題点(PSP版)

  • Xbox360版にあった実績解除のようにわかりやすいやり込み達成を示すものがなくなった。これはハードの違いもあるので致し方ないことなのだが。
  • 一部の要素がPC/Xbox360版よりも劣化している。モンスターグラフィックの解像度低下、BGMの音質低下、ダンジョン内の別セクター進入時に読み込みが入る、等。中でも前2つは過去作経験者からは不満に感じがち。
  • パッケージイラストがクロサワテツ氏(『デモンゲイズ』のキャラクターイラスト担当)に変更。「ギャルゲーチックなイラストが本作の雰囲気に合っていない」と不評であった。

総評(PSP版)

グラフィックと音源の質低下という問題点はあるものの、PC/Xbox360版より致命的に劣化した点はない。
むしろ携帯機にハードを移したおかげで空いた少しの時間でも気軽にプレイできるようになり、とっつきやすさは先行版よりも上がっている。
「PSPを所持していて面白いDRPGを探している」人には十分オススメできる作品である。


余談

  • 本作は『デモンゲイズ』『剣の街の異邦人』と世界観を共通しており、「本作の出来事は『空の叙事詩』として後年に語り継がれている」という設定になっている。
    • 時系列は本作→『剣の街の異邦人』→『デモンゲイズ』→『デモンゲイズ2』となっている。

その後の展開

2019年7月25日(DL版は7月11日)に、PSVitaで本作のリメイクとなる『蒼き翼のシュバリエ』が発売予定。


*1 1ターンに1度だけ発動させられるスキル。防御値無視の攻撃・ダメージの緩和などの強力な効果をもたらす。

*2 こちらでは各職業毎にレベルと経験値が保持されており、しかも状況に応じて簡単に変更できるようになっている。

*3 強力なチャーム(魅了)攻撃で、直撃すると確実に同士討ちを行うようになってしまう。設定面でも「人間側の連合軍がオーマの波動を一発受けただけで壊滅」「オーマの波動を受けた人間が魔王の傀儡に成り果てる(その中には主人公のかつての仲間も…)」とチート性能。

*4 PSVitaの『迷宮クロスブラッド インフィニティ』では本作のキャラがゲスト出演しているが、あくまでゲスト扱い。

*5 しかもPC版発売前のPVで、である。はっきり言ってPV詐欺レベル。

*6 エルサ:沢城みゆき、ルーミ:喜多村英梨、マァリン:広橋涼。

*7 メインクラスがパラディンのキャラ。前述の通り、ストーリー中盤で上位互換の「シュバリエパラディン」にクラスチェンジする。

*8 メンバーの一人を強制的に戦闘から離脱させる。実行したモンスターを倒せば復帰するが、ボスに拉致されたら事実上戦闘終了まで戻ってこない。

*9 ACは「Armor Class」、THは「To Hit armor class」の略。どちらも物理攻撃の命中判定に使われる数値。

*10 アイテム増殖の裏技を使えばなんとか100~200時間程度で達成可能な領域には持って行ける。ただし、この裏技が修正された廉価版では…お察し下さい。