テストドライブ アンリミテッド
【てすとどらいぶあんりみてっど】
| ジャンル | カーライフシミュレーター |  
  
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| 対応機種 | Xbox 360 Windows 2000~Vista
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| メディア | DVD-ROM | 
| 発売元 | 【360】マイクロソフト 【Win】イーフロンティア
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| 開発元 | Eden Games | 
| 発売日 | 【360】2007年4月26日 【Win】2007年9月28日
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| 定価 | 【360】6,090円 【Win】5,800円
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| レーティング | CERO:B(12才以上対象) | 
| 廉価版 | 【360】プラチナコレクション 2008年7月10日/3,024円
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| 備考 | ハンドル型コントローラー対応 | 
| 判定 | 良作 | 
| ポイント | MMOレースゲームの先駆け 広大なオアフ島を自由に走り回れる
 レースゲームとしての難易度は高い
 サーバー停止に伴いオンラインは不可
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概要
1987年から続くレースゲームシリーズ『テストドライブ』シリーズの9作目。
過去作品は制限時間・チェックポイント制のアーケードゲーム的なシステムだったが、今作から大きく方向性が変えられた。
「東京都23区と同等の広さ(約1600平方km)を持つハワイ・オアフ島を自由自在に走り回れる」という、これまでのレースゲームと一線を脱したもので、公式サイトでは「カーライフシミュレーター」と称している。
ハワイ オアフ島内を自由きまま、好き勝手に走り回ることができ、贅沢なカーライフを体感できるドライビングゲーム。
約1600平方キロメートルのオアフ島の街並、景色、自然、天候を再現。道路以外にもビーチや山間部も走行可能。
GPSでドライブを楽しんだり、クルマやバイク、家などの購入資金を稼ぐためにミッションやレースにチャレンジしたり、オアフ島での過ごし方はプレイヤーの自由。
フェラーリ、ランボルギーニなど、90種類のスポーツカー、ラグジュアリカー、クラシックカー、モンスターバイクを収録。各インテリアもマーケットプレイスから入手できる。
世界中のXbox Liveユーザーがオアフ島に集結し、一緒にドライブしたり、島内で開催されるオンラインレースにチャレンジするなど、ハワイカーライフを実現できる。
(Amazonより)
特徴
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乗り回せる車は四輪だとフェラーリ、ランボルギーニ、メルセデス・ベンツ、二輪だと川崎重工業、ドゥカティといった大手メーカーから、往年の名車や最新鋭の高性能車種などを中心とした90種類が登場する。
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すべて実名なのはもちろん、各車とも外観・内装に至るまで非常に忠実にモデリングされている。エンジン音などもリアルに再現されており、しかも車内視点ではエンジン音が籠もって聞こえたり、走行中にウインドウを開けるとエンジン音や周囲の環境音が変化したりといった、サウンド周りの凝り具合が良い。
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車は一部の車種を除いてカーディーラーで購入できるが、ほかのプレイヤーが売りに出しているトレード(マイホームで利用できる)で新車/中古車を格安で入手するという手もある。排気量によりクラス分けがされており、チャレンジ/ミッションの中にはクラス限定や車種限定のものもあるので、一通りのクラスを揃えておくと行動しやすい。
 
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挙動については、全体的にシミュレータとアーケードの中間といった様子。車種ごとに加速性能・ハンドリング性能・足回りの違いが再現されており、それぞれの挙動の違いを感じながら運転できるものの、ギア比などのセッティングの変更はできないため、上級者には物足りなく感じるかも知れない。
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プレイヤーレベルが“チャンピオン”まで昇格すると、さらにシミュレータ寄りの挙動再現となる「ハードコアドライビング」モードがプレイできる(360版では有料DLC)。シミュレータ寄りのゲームを好む人や腕に自信のある人を意識して作られたモードである。
 このモードではキーボードやゲームパッドでは難しいので、ステアリングデバイスの使用を勧める。
 
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タイヤの空転を制御するTCS(トラクション・コントロール・システム)機能は、初心者向けの「ドライブ」と、中級者向けの「スポーツ」に加え、上級者向けの「ハイパースポーツ」があり、「完全オフ」も含め4種をゲーム中に自由に切り替えられる。
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まさにMMORCGとも言うべき代物になっていたのだが、現在はサーバー停止。オンラインでのプレイは出来なくなっている。
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以前はオンライン状態だとフィールド内に自分以外の大勢のプレイヤーも存在し、一緒にドライブするだけでなくレースで対戦する事も可能だった。ただし、360版のみ各種ランキングの閲覧やマルチプレイヤーでのオンライン対戦は可能となっている。
 
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単にオアフ島を走り回るだけの代物ではなく、ちゃんとレースゲームとしてのイベントも多数用意されている。
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その内容は単純なレースだけではなく、中には島の住人をヒッチハイクして制限時間内に住宅まで運んだり、怪しいブツを運ぶなんて代物まである。
 
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発売直前、本来の発売元であったアタリが日本法人のアタリジャパンを閉鎖してしまい、日本ではマイクロソフト本体が発売を担当。その為、360版ではテキスト・音声共に海外版の時点で実績の日本語化がされていたにもかかわらず、発売が数ヶ月遅れる羽目になった。
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Win版はテキストが日本語、音声は英語のまま。こちらはイーフロンティアがローカライズを担当した。
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ちなみに、海外ではPS2/PSP版も発売されている。
 
ゲームの流れ
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ゲームは、どこかの空港の搭乗口でのキャラクター選びから始まる。このキャラクターはマルチプレイやオンライン対戦のドライバーとしてほかのプレイヤーに見られる自分の姿である。
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プレイヤーキャラを設定し終わった時点では、多少の資金はあるものの、車もマイホームもない。駐車スペースがないと車を買えないので、先にマイホームの購入が必要。空港でレンタカーを借り、画面下のマップを使って不動産屋まで移動する。
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ちなみにこの時運転しているレンタカーは、いくら傷を付けても修理費は一切かからない。
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不動産屋に到着すると、そこででマイホームとなる物件を探す。外観、内装、駐車スペースなどに微妙に違いがあるものの最初はあまり種類はない。勿論ゲームを進めると、プール付きで大きな駐車スペースがある豪邸をも買うことが可能になる。
 
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続いて車の購入。飛行機に乗り、レンタカーを借り、マイホームを買った時点で財布の中身はかなり寂しいものになる。なので今は安価な一般車しか買えない。
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その後は基本的に、以下のような流れを繰り返していく。
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オアフ島を走り回って島中に点在するチャレンジやミッション、ディーラーなどを探す。
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チャレンジやミッションで金を稼ぐ。
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車を買う。
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駐車スペースがなくなったらマイホームを買う。
 
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総走行距離やチャレンジ、ミッションの達成率でプレイヤーのランクはあり、それによって開放される地域も存在はするものの、基本的に「しなければならない」といった明確な目標はないため、上記のチュートリアルを修了するとその後は自由にハワイ生活を楽しめる。
イベントの種類
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チャレンジは大きく分けると3つ。
 これらの中にはコースアウトや接触によって失格や最終的なスコアへのペナルティが発生する「ドライビングゲージ」が付与されているものもある。
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レース:普通のレース。1位になるのが目的。周回レースの中には各周回の最下位が脱落する「エリミネーター」もある。
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タイムアタック:プレイヤー1人で指定のコースを走り、そのタイムを競う。
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スピード:各スピードトラップを通過したときのスピードの平均値、もしくは開始後一定時間内の最高速度をできるだけ早くするのが目的。
 
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ミッションは大きく分けると4つだが、うち2つは依頼人の性別および指定ポイントまでの距離傾向のみの違い。
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トップモデル、ヒッチハイク:依頼人を時間内に指定ポイントまで送り届ける。上記のドライビングゲージあり。
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トランスポート:依頼された車を指定ポイントまで運ぶ。時間制限はないがドライビングゲージはあり、ノーダメージなら報酬1.5倍。クリアすると再挑戦不可。
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クーリエ:時間内に荷物を指定ポイントまで運ぶ。時間制限あり、失敗すると逆に金をとられる。クリアすると再挑戦不可。
 
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そのほか、車の色を変えるペイントショップ(一定条件で色を任意に変更できる店が解禁)、トップモデルやヒッチハイクの報酬で得たクーポンで服を買うショップ、家の売買ができる不動産屋、車のアップグレードが行えるチューナーといったイベントもある。
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また、全ての道路を踏破することで得られる家や、車のショールームすべてを訪れるとバイクショップが開店する、といった要素も。
 
車のランクについて
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車はA~G、バイクはmA/mBのランク付けがされている。イベントによってはランク指定があり該当する車を要求される。
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なおA/Bランクのイベントの中にはバイクでも参加可能なイベントもある。
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Gランクはクラシックカーという意味であり、性能は同ランク内でもまちまち。
 
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イベントによってはメーカーなどでの指定もある(アップグレードが行えるチューナーはメーカーによってきまっているなど)。
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ちなみにトップモデルやヒッチハイクにおける指定でよく挙がる「2シーター」もきちんとした意味があり、マクラーレンの車などでは参加できなかったりする。
 
評価点
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グラフィックは当時としては最高峰の代物。
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大画面のHD画質でプレイすると、まるで広大なオアフ島が目の前に実在しているのかと錯覚してしまう程である。
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一般車が信号に従って普通に走り、ウインカーを出して曲がり、ホノルル空港に離着陸する飛行機がブォ~ッと爆音を立てて飛び、電線は南国の風に揺れ、木の葉やゴミも舞う。ホントにハワイにいる気分にさせてくれる。
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流石に空港内に侵入して飛行機と並走すると飛行機のタイヤが真四角なことに違和感を覚えるが、これは想定外の事態だろう。
 
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美しく広大なフィールドを自由自在に走り回れるという他を圧倒する自由度を持つ。
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これまでのレースゲームでは閉鎖された空間の、決められたコースの中でしか走れなかったのだが、本作ではその常識を見事に覆してしまっており、本当の意味でどこへでも自由に行けてしまえる。
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ダイヤモンドヘッドやアロハタワー、ワイキキビーチ、パールハーバーなど観光名所もしっかりと再現されており、ご自宅で観光名所巡りができるのである。
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これは道路だけではなく、なんと車が進入出来る場所にならどこへでも行けてしまうのだ。例えば公園の中に突っ込んだり、車で山を登るなんて事も可能。
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また万が一地形にはまって脱出不可能になってしまったとしても、ボタン1発で簡単に近くの道路に復帰出来る。
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さらに一度通った道路なら、ナビマップを使って一瞬で移動する事が可能。ただしあくまでも「道路のみ」であり、例えば道路の無い山の中などに飛ぶ事は出来ない。
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更には島内に3か所ある空港のすべてに侵入することも可能(1つはある場所のオブジェクトがなぜかジャンプ台になることで、他2つはちょっと特殊な方法による)
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そしてある場所に隠されたワープオブジェクトにより離れ小島に行くことも可能である。
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自由度の高さはマップだけではない。一般車に混じってのんびりとオアフ島のドライブを楽しむもよし、交通ルールを無視して爆走するのもよし、自由気ままにプレイできるのである。
 
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ラジオは組み込みのもののほか、ハードに保存したプレイリストで自作することも可能。
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金策が容易
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車や家を買うのに必要なお金を集める難度は意外にも低い。
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トランスポート系のミッションは時間制限がないため、1回限りではあるが安全運転に務めれば1.5倍の収益を楽に得られる。
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アマチュアランク以上では「時間内に一定以上の速度を出せばクリア可能」というチャレンジがあるが、このチャレンジはスタート時点の進行方向自体は無関係であるため、逆走して全速力を出せばあっという間にクリアできる。これを繰り返せば楽に集められる。
 
問題点
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Win版はマシンの必要スペックが当時としては相当高かった。
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公式では必要動作環境として「ビデオカード:GeForce 6600GT以上」と発表されているが、この程度では明らかにパワー不足である。
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発売当時のメーカー製PCだと快適に遊ぶのはまず困難な代物で、頑張って自作するか当時のハイスペックかつ高額なゲーミングPCが必要だったため、とても気軽に手が出せる代物では無かった。
 
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肝心のレース部分の難易度がかなり高い。
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序盤から挑戦出来るFランクの大会でさえも敵ドライバーがかなり強い。少しの操作ミスであっという間に抜かれてしまう程。
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決して理不尽な強さではなく、コースを覚えて適切なドライビングをすれば必ず勝てるように調整されているのだが、レースゲームに慣れていない人だとここで投げ出してしまうのではないだろうか。
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ごく一部、正攻法では非常に難易度が高くショートカットでもかなりギリギリなものもあるが、頑張れば制覇できる程度ではある。
 
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時間や天候の概念が存在せず、いつまで経っても昼間の晴れのままである。これは続編では改善された。
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パトカーもオアフ島の中を走り回っており、なぜか信号無視・スピード違反・追い越しにはおとがめなしなのだが、一般車や標識に接触すると警戒レベルが上がってしまう(ただし他のプレイヤーの車になら接触しても罪には問われない)。警戒レベルが3を超えたり、パトカーに追跡されて車を押さえ込まれたりすると「逮捕」となる。
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逮捕されると被害の程度やキャラクターレベルに合わせて罰金を支払わなければならない。逮捕されても罰金を払えない状況になると牢屋にブチこまれ、一定時間車を運転出来なくなる。
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このせいで「誰もいない広大なフィールドを、最高速度で爆走してヒャッハー」なんて事が出来ないのである。さらに嫌らしい事に、レースイベントによってはなんと一般車両やパトカーも混じっている事がある始末。
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警戒レベルは追跡されずにある程度時間が経つと自然に下がっていくので、その間はパトカーに見つからないようにコソコソ行動した方がいいだろう。
 
 
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強制オートセーブであり、手動でのセーブ&ロードが不可能。
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やり直しが一切効かないので、前述の警察に追われるリスクもあり、常に緊張感のあるプレイを強いられる事になる。
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またデータ巻き戻しによる不正ができないよう対策が組み込まれていたが、これが誤爆してトレードができなくなったという報告も。
 
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一部間違っている翻訳
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DLC(現在は配信終了)で追加されたRUFを「ラフ」と読んでいるのが有名。正しい読みは「ルーフ」。
 
総評
レースゲーム部分の難易度は確かに高く、一般車両にぶつかると警察に追われる等の余計なシステムまで存在している。
だが、それでも美しくも広大なオアフ島を自由に走り回れるという、これまでのレースゲームの常識を覆すシステムはとても高く評価出来る。
レースゲームとしてではなく、純粋なドライビングツールとして気分転換に利用するのも全然アリ。
実際に公式でもそのような楽しみ方を推奨している程である。
備考
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以前は360/Win版共にDL版も販売されていたが、サーバー停止に伴い配信終了となった。公式サイトもサーバー停止に伴い閉鎖されている。
余談
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本シリーズのファンからは略称の「TDU」以外に「ロスルE」と呼ばれる事がある。これはタイトルロゴの「DRIV」の部分がカタカナの「ロスル」にも見えることが由来。
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本作のゲームエンジンを改良したものがEden Gamesの次作である『ALONE IN THE DARK』に使われている。
その後の展開
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2011年6月30日に続編の『テストドライブ アンリミテッド 2』がPS3/360/Winで発売された。こちらはオアフ島だけではなくスペインのイビザ島もドライビング出来るようになっている。
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ただし、こちらも販売元のサイバーフロントが倒産した影響で専用サーバーが停止し、現在はオンラインがプレイが出来なくなっている。詳細は作品ページを参照。
 
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2024年9月13日には香港を舞台としたシリーズ最新作『Test Drive Unlimited Solar Crown』がPS5/XSX/Win向けに発売。
最終更新:2025年01月18日 16:23