マクドナルド物語 ほのぼの店長育成ゲーム
【まくどなるどものがたり ほのぼのてんちょういくせいげーむ】
| ジャンル | シミュレーション |  裏を見る
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| 対応機種 | ゲームボーイカラー(専用) | 
| 発売元 | TDKコア | 
| 開発元 | アスペクト アルゴニクス (開発協力)
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| 発売日 | 2001年7月20日 | 
| 定価 | 4,500円(税別) | 
| プレイ人数 | 1人 | 
| セーブデータ | 3個 | 
| 周辺機器 | ポケットプリンタ対応 | 
| 判定 | クソゲー | 
| ポイント | ほのぼのブラック社畜育成ゲーム ゆっくりしていってね!(移動速度的な意味で)
 ひたすら単調なミニゲーム
 あまりにもしみったれた日々
 ある意味「現実」を反映したゲームだが妙に「非現実」な部分もあり
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特徴
マクドナルドの店員(店長見習い)として1年間働くゲーム。5人のアルバイトと一緒に仕事をこなしていく。
主人公はマクドナルドの店員として1年間働き店長になることを目指す。
5つのミニゲームをこなすと仲間の信頼度が上がり、仲間の役職がランクアップする。
ただ仕事をするだけではなく、アルバイトとのささやかな恋愛要素もある。
ミニゲーム
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レジ
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合計金額を計算して客から預かったお金から計算してお釣りを渡す。
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電卓のボタンを押して正しく計算するだけのシンプルなゲーム。
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3桁の買い物に対して2,000円を出されることがよくあるが、ゲームの発売時期を考えると2000年に発行されたばかりの二千円紙幣が広く流通しているのだろう。この辺りは妙にリアルである。
 
 
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おとどけ
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客の注文を聞き商品を届ける。
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客はハンバーガーorダブルバーガー、ポテトorドリンクS~Lの中から1~3個を注文してくる。
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ポテトのSとMのように同じ種類を2つ以上注文することはない。
 
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ハンバーガー
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鉄板の上でハンバーグを焼き、パンに向かって飛ばす。
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ハンバーグは適度なタイミングでひっくり返して両面を焼いてからパンのあるところに移動させて飛ばす必要がある。
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生焼けまたは焦がしたハンバーグを飛ばすと失敗扱い。しかし鉄板に放置しておけばミスにはならない。
 
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ポテト
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流れてくるポテトを容器に詰めていく。
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Sは1回、Mは2回、Lは3回Aボタンを押すことで満タンにできる。
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手元のポテトがなくなったらBボタンで補充する。
 
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ドリンク
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容器に客の頼んだドリンクを入れる。
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ドリンクはコーラ・オレンジ・ウーロンの三種類。サイズはS・M・Lの三種類。
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容器のサイズはランダムに選ばれるので、プレイヤーはドリンクの種類を選び9割ほど入れれば成功。少なすぎ、溢れは失敗。
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何故か「コーラ S プリーズ」などとすべて英語で注文される。
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何故かこのミニゲームのみ残り時間のカウントダウンが異常に早い。
 
問題点
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飽きやすい。
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滅多にイベントが起きず、ミニゲームの内容は毎日同じ。キャラのセリフもほとんど変わらない。
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パッケージ裏では「楽しいイベント」を謳っている。だったらもっと量を増やせ。
 
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普通にプレイすればゲーム内で3日…現実世界で言うと20分ほどで飽きる事請け合い。
 
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出来の悪い上に非現実的な設定も目立つミニゲーム
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レジ
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フォントの関係で『7』が『?』に見える。
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580円のセットのみを買う客がたまにくるが合計金額を計算しなければならない。当然答えは580円。確かに実際はセットのみを頼む客も多いが、ゲームでそれをやられても面白くない。
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客は同じ商品を2つ以上買うことは絶対にない。
 
 
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おとどけ
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雑なグラフィックのせいでポテトのサイズの見分けが困難。
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主人公の動きが遅いのでカウンターで商品を受け取り客の所まで運ぶのが面倒。
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加えて商品の受け取りがカウンター越しでなく、わざわざカウンターの中に入って手渡しで受け取る必要がある。製作者はマクドナルドに行ったことがあるのか?
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客は2~6人だが、客が何人でもクリア時に上がる信頼度は10で、1度でも失敗すると1しか上がらない。
 そのため覚えるのが困難な4人以上の客が来ると捨てゲーになりがち。
 
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ハンバーガー
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ハンバーグの位置やバーガーの種類によって難易度が変わってくるが、クリア時に上がる信頼度は同じ。
 
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ポテト
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ボタンを押してポテトを入れて、たまに補充するだけ。テレビやスマホを見ながらでも余裕でクリアできる程ヌルすぎるため1回やれば飽きること必至。
 
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ドリンク
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グラフィックが雑すぎてコーラもウーロン茶もほとんど違いのない色に見える。
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パッケージ裏に画像があるが、なぜか失敗シーン(オレンジジュースが溢れている)を使用している。
 
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それ以前に、主人公は店長候補という事でアルバイトではなく社員という設定になると思われるのだが、上記のミニゲームは
全てアルバイトの仕事であり、
売上の〆めやアルバイトのシフト管理、本社との提携や会議への出席…などといった社員としての仕事には全く携わらない。
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主人公の動きが遅いので移動が億劫。
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起床してマクドナルドへ向かうという基本動作すら面倒に感じる。よほど出勤するのが憂鬱なのだろう…
 
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自宅を出て左に移動すると画面上部の表示が乱れる。マクドナルドは自宅の左上にあるため毎日乱れるのを見ることになる。
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映画館などに行くと時々携帯電話が鳴り、「店が忙しいから来てくれ」という旨の連絡がくる。店に行くと慌てている店員がいるので手伝う必要があり無視すると信頼度が一気に下がる。
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この呼び出しは日曜日でも容赦なく来るため、休日に1人で遊ぶことさえ許されない。とんだブラック企業である…。
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しかも店に来ても〇〇が忙しい、などと案内してくれたりはせず、自分でどの作業(ミニゲーム)をするか探さねばならないという不親切極まりない設定。
 
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なおアルバイトとデートや旅行に行っている間は呼び出しがこない。ペナルティなしで遊びたければアルバイトに遊びに誘われる必要があるので(こちらからは一切誘えない)、こまめにメールをチェックする必要がある。
 
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携帯電話からメールを開封することができない。
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着信自体は携帯に来るのだが、なぜか開封は自宅のパソコンを使う必要がある。受信したメールを開けない携帯電話など、フィクション含めた古今東西探してもこのゲーム内にしか流通していないだろう。あるいはzipでわざわざ圧縮されているのだろうか?
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ちなみにメールが来ても自動で知らせてくれることはなく、いちいち自分で確認しなければいけない。とんだ欠陥品である。あるいは通知が来るのが嫌で設定OFFにでもしているのだろうか?
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パッケージ裏には「お家でメールチェック!!」と書いてある。携帯でチェックさせろ。
 
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結果的に携帯電話が鳴ったら呼び出し確定。携帯は主人公とプレイヤーを苦しめるだけの存在でしかない。解約させろ
 
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ミニゲームを何度か遊ぶか夜になると、疲れたので家に帰るかどうかの選択を求められるが、どちらを選んでも家に帰らされる。何故わざわざ選択肢を設けたのだろうか。
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起床のたびに「今日も1日頑張るぞ」と表示される。
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どちらもほぼ毎日見ることになるがテキスト速度が遅いので鬱陶しい。
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体力が少ない状態で仕事を終えると
「からだが、おもい…」と表示される。
こういうネガティブなところに限ってやたら生々しい。
 
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恋愛要素については友好度によって左右される。
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交際後結婚できるが、結婚した相手から再び交際の告白を受ける事がある。また、結婚しても新居もなければ同居も無い。
 
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名前を設定しないとデフォルトネームになるが、主人公は「マクドナルド」アルバイト達の名前は「アルバイト1」「アルバイト2」…「アルバイト5」になる。
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「マクドナルド」はともかく、アルバイトはせめて人間らしい名前にしてほしかったところ。
 
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本編と一切関係のない占いモードがあるが結果パターンが少なすぎて5回以上同じ結果になることはザラ。
評価点
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客を含めた全キャラに顔グラがあり、クオリティ自体も高め。
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初詣など季節のイベントがそれなりに用意されている。
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ハンバーガーゲームだけはそれなりに楽しめる。
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アクション要素が強く、テクニックや駆け引きも存在する。ただし何度もやるので飽きやすいが。
 
総評
朝起きて重い足取りで憂鬱な気分で窮屈な職場に赴き、休日に1人で遊ぶことさえ許されず、職場に人生そのものを捧げているかの如くひたすら単調な作業を淡々とこなす…。
最大のクソゲーと名高い「現実」と同じか、もしくはそれ以上に酷い日々を強いられる苦痛なゲームなので、鬱気味の人や職務で多忙な日々に疲れている人にはお勧めできない。
「マクドナルドの店員の仕事を知る」という意味でも所々が非現実的だったり、実際の店舗では行われない光景も当たり前のように多い為全く参考にならない等、生々しいばかりで現実味のないつくりも問題である。
発想は決して悪くなかったが、もう少し内容に夢を持たせたりゲームらしさを出していれば評価も変わっていただろう。
余談
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実は、スタッフロールを見るだけなら働きに行く必要がない。
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本作のRTA動画も作成されているが、その方法は365日間ひたすらベッドで寝るだけである。
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もちろん店長にはなれないバッドエンドである。こんなブラック店舗の店長になった日には過労死必至な為、それから逃れられただけ十分ハッピーエンドというべきか?普通は1週間無断欠勤した時点で懲戒解雇だが。
 
 
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版権の問題からかVC化されておらず、されることもないと思われる。
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こんな内容にもかかわらず、パッケージ裏では「あなたの街ハッピータウン」と書いてある…どこが?
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発売元であるTDKコアはTDKの関連子会社であったが、現在はクリエイティヴ・コアと名前を変え、TDKグループからも離脱している。コンピューターゲーム関連の事業も日本コロムビアに譲渡している。
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そして日本コロムビアは後にミスドとのコラボで『ミスタードーナツDS』を出すのだが…こちらも相当ブラックである。
 
最終更新:2024年06月03日 14:16