神凰拳

【しんおうけん】

ジャンル 格闘ゲーム

対応機種 アーケード(MVS)
ネオジオ、ネオジオCD、セガサターン
発売元 ザウルス
開発元 ザウルス
システムビジョン
稼動開始日 1996年6月23日
発売日 【NG】1996年7月22日
【NCD】1996年8月23日
【SS】1997年4月4日
定価 【NG】32,000円
【NCD】7,800円
【SS】5,800円
配信 アケアカNEOGEO
【Switch】2019年1月3日、823円(税込)
【PS4】2019年1月10日、823円(税込)
【XBOX ONE】2019年1月10日、840円(税込)
判定 スルメゲー
ポイント プリレンダリングで表現されたキャラ達
属性の切り替えが鍵
しかし、受け身やガードキャンセル等の入力が困難


概要

1996年にザウルス*1から発売された格闘ゲーム。
登場キャラは全て神話上の人物をモチーフにしている。


特徴

グラフィックはやや3Dに近い、プリレンダリングで表現されている故、奥深い演出が特徴。

  • プリレンダリングとは「3Dで作ったモデルを元に2Dの絵を撮影しておき、その2D絵を加工したものをゲーム内での表示に使用する」手法。
    リアルタイムレンダリング(3Dを直接ゲーム内で描画する)よりも負荷を抑えた上で、あたかも3Dであるかのような描画が出来る。
  • 空中ダッシュやチェーンコンボ、2種類のガードキャンセルの他、エリアルレイヴ始動技のような「上昇攻撃」や空中から奇襲する「下降攻撃」、一定時間対応する属性の必殺技がパワーアップする「天変地異ゲージ」と言った個性的なシステムが盛り込まれている。
  • 各キャラはそれぞれ2つの「属性」を持っており、コマンド入力*2で切替えることが出来る。
    • 風/雷/火/水の4種類中、2種類が割り当てられている。
    • 勿論、決められた属性でないと使用できない必殺技もある故、上手くこのシステムを使い分ける事が本作の鍵である。
  • 天変地異について
    • 天変地異ゲージがフルに溜まり切った状態になると天変地異が発動し、発生した天変地異に触れる事でその属性の天変地異アイテムが取得できる。また発動中はその天変地異と同じ属性の技が強化される。
    • 技と同属性の天変地異アイテムを持った状態でコマンドを入力すると超必殺技である「天変地異技」が使用できる。
    • 更に「天変地異アイテムを3つ所持している*3」か「体力ゲージが赤く点滅した状態まで減少している時にコマンドを入力」すると強力な「超神拳技」を出すことができる。ただし、体力ゲージ側の条件を満たしていても天変地異アイテムを3つ持っていると強制的にアイテムも消費される。

登場キャラ

+ 簡易紹介
  • スサノオ
    • 破壊神で、モチーフは日本神話の神『スサノオノミコト』。
    • 属性は雷と火。主人公だけあって、初心者にも扱いやすい。
  • 弁財天
    • 福の神で、モチーフは七福神のうちの一人『弁財天』。
    • 属性は雷と風で、自らの福を求めて戦っている。
    • 因みに兄の名前は毘沙門天。
  • 孫悟空
    • モチーフは、中国紀伝小説のうちの一作『西遊記』の主人公『孫悟空』。
    • 属性は風と火で、リーチの長い如意棒を武器に戦う。
  • 酒天童子
    • 酒の神で、モチーフは日本古来の妖怪である『酒呑童子』。
    • 属性は火と水で、難病に冒された一人息子を救う為に戦う。
  • シーナ
    • モチーフは、童話等でお馴染みの『人魚姫』。
    • 属性は風と水で、必殺技等で人魚に変身する。
  • チチ&ネネ
    • モチーフは風神雷神で、姉のチチが雷神、妹のネネが風神である。
    • 属性は雷と風で、バロム1よろしく、合体して大人になる事が出来る。
  • イグレット
    • モチーフは死神で、常に仮面を被っている男装麗人。
    • 属性は雷と火で、自身のEDでは、その素顔を見たスサノオに迫っている。
  • 紊天
    • モチーフは貧乏神で、属性は水と風。
    • 美しい女性の尻が何より好きな、典型的なスケベ。
  • ベヒモス
    • 小ボスの魔獣で、典型的なパワーファイター。
  • イーリス
    • 中ボスのサキュバスで、ルシファーに対しての忠誠心は、誰よりも強い。
  • ルシファー
    • ラスボスの魔神で、この世を支配しようと企む。
    • 因みに同キャラ時は、ギルファーという名前になる。

評価点

  • プリレンダリングという奥深い演出に加え、神話上の人物をモチーフにしたキャラ達には、一部熱狂的なファンもいる。
  • 属性の切り替えによって使用出来る技が変わってくる為、無論、コンボの繋げ方も変わって来る。
    • それ故、技や繋げ方に対する研究もやりがいがある。

問題点

  • 属性システムに対しては、やはりマイナス部分も僅かながらにある。
    • 例えば「この技を使いたい」等になった時その都度切り替えなければならず、やや面倒な所がある。
  • 動きがやや粗い。
    • 本作等に用いられる手法『プリレンダリング』は、3Dをやや2Dに近い表現にする手法故、キャラ全体の動きがやや粗いと評される場合もある。
  • ガードキャンセル*4、投げ外し、受け身*5のコマンド入力が難しい。*6
    • その為、余り初心者にはとっつきにくかった。

総評

ネオジオで発売された格闘ゲームの中では、知る人ぞ知る、隠れた名作となっている。 また、前述の様に属性の切り替えがやや煩雑ではあるものの、それに伴う技やコンボの研究もやりがいがある。


移植

  • ネオジオROM版
    • クレジット数制限と4段階のレベル設定がある*7他はほぼMVS版と同じ。
  • ネオジオCD版
    • BGMがアレンジ版になった他、OPデモが専用のものになっている。オプションでMVS版同様の難易度設定(8段階)、1ラウンドの制限時間、出血表現の有無が設定できる。またクレジット数制限が無くなリ、実質フリープレイが可能。
  • SS版
    • ネオジオCD版ベースでの移植。オートガード機能*8とヒットコンボ数の表示が追加された。メモリの関係(拡張RAMには未対応)からか、キャラパターンが削減されている。
    • 尚、ボスキャラ3人(ベヒモス、イーリス、ルシファー)については対戦モードの場合はデフォルトで使用可能になり、対CPU戦の場合は使用する際の隠しコマンドが簡易化されている。
  • WiiVC版、プロジェクトEGG版(Windows)
    • 内容自体はネオジオROM版ベースでの配信。現在は配信終了
  • アケアカNEOGEO版(PS4/Switch/XboxOne/Win10)
    • 唯一、MVS版ベースでの配信

余談

  • 開発初期のタイトルは『超神拳』で、初期のネオジオフリークの発売予定表にはこちらのタイトルが掲載されていた。
  • 海外版のタイトルは『Ragnagard』。ちなみに海外版のタイトル画面ではバックに日本版のタイトルがうっすらと見えるようなデザインになっている。
  • SS版はパソコンのCD/DVDドライブに読み込ませると、ラフイラストや設定資料がおまけデータとして入っており、PC上で閲覧が可能。
  • 本作のデベロッパーでもあるシステムビジョンは過去に東芝EMIより発売されたSFC用格闘ゲーム『バトル・マスター 究極の戦士たち』を手がけており、開発スタッフも同作のメンバーが参加している。本作のシステムにこの作品から引き継がれている点が多々あり、必殺技も本作のキャラクターのものとほぼ同じものが存在する。
+ タグ編集
  • タグ:
  • FTG
  • 2D格闘
  • ザウルス
  • システムビジョン

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年01月21日 21:45

*1 1994年にSNKのセカンドパーティとして設立された子会社で、元々はケイ・アミューズメントリースのゲームソフト事業部門が前身。2000年に会社組織を解散している。

*2 天変地異ゲージを溜めるコマンドである「弱P+強P+弱Kを押し続ける」か「強P+弱K+強Kを押し続ける」の2通り

*3 属性は問わない

*4 「ガード中に→←」から通常技を使うとガード硬直をキャンセルできる。また、前述のガードキャンセルが有効中に「←→」で通常技と必殺技を使ったガードキャンセルが可能

*5 「打撃受け身」と「投げ受け身」の2種類があり、コマンドも異なる

*6 特に投げ外しは「掴まれている状態で874+弱P」というとっさには出せない代物。

*7 概ね家庭用ネオジオ版はこの仕様が大半であった

*8 但し、1ラウンド中の使用回数に制限有り。又、オートガードがONの時は天変地異アイテムを3つ持っているときのみ簡易コマンドで天変地異技が使用可能。