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新世紀エヴァンゲリオン

【しんせいきえう゛ぁんげりおん】

ジャンル アドベンチャー
対応機種 セガサターン
DVDプレイヤーズゲーム
発売元 【SS】セガ・エンタープライゼス
【DVD-PG】キングレコード
発売日 【SS】1996年3月1日
【DVD-PG】2004年6月2日
定価 【SS】5,800円
【DVD-PG】5,040円
判定 なし
ポイント 一番最初に出たエヴァゲー
TVアニメ版と並行して製作した故の設定齟齬
設定を…返せっ!
ある意味黒歴史だが…
新世紀エヴァンゲリオンゲームリンク


概要

最初(史上初)のエヴァゲー。続編のタイトルが『2nd Impression』であるのに合わせて、『1st Impression』とも呼ばれるようになった。
ちなみに、TVアニメの放映中に発売された唯一のゲーム作品でもある。

特徴

  • アニメーションムービーの間にコマンドを入力するタイプのゲームであり、日常パート・戦闘パートのふたつから成り立っている。
  • TV版第九話と第拾話の間(イスラフェル撃破後)という設定であり、ゲーム冒頭でシンジが使徒(山下いくとデザインによるオリジナルのもの)に記憶を奪われるところから物語が始まる。
    • その後の弐号機との模擬戦の結果と直後の選択肢次第で、おおまかに「戦闘編」「学校編」「放浪編」の3ルートに分かれる。

賛否両論のある設定

  • このゲームはTVアニメ版と同時製作されていた。それ故に設定の齟齬も多く、特にファンから指摘されるのはキャラの呼称の問題である。
    • シンジがレイとアスカのことを「綾波さん」「アスカさん」と呼ぶのは、記憶を失っているからという理由があるが……。
    • レイがシンジ、アスカに対してそれぞれ「シンジ君」「アスカ」と呼ぶ*1
    • アスカもレイのことを「レイ」と呼ぶ。TV版では常に「優等生」「ファースト」と皮肉を込めたあだ名で呼んでいたため、違和感があるという意見もある。
      • とは言え、アスカはTVアニメ版でも初期の頃はレイのことを「レイ」と呼んでいたので初期イメージに準拠したとも言える。また、本作のアスカとレイはアニメ版と違って特に仲が悪い訳ではない。
  • 零号機の色がオレンジである*2。このゲームは第九話と第拾話の間という設定であるため、ブルーになっていなければおかしい*3

賛否両論のある展開

  • 「学校編」では、シンジが記憶喪失なのを良い事にアスカから嘘を吹き込まれてしまい、洞木ヒカリ(委員長)を自分の恋人だと思い込んでしまうという展開がある。
    • 選択肢次第ではヒカリの機嫌を取ろうとしたシンジが強引にキスする展開も*4
    • また、同じくトウジ達から嘘を吹き込まれてしまい、クラスメートの前で「シェー」(おそ松くんに出てくるイヤミのアレ)を披露するという展開もある。
  • 分岐によっては、シンジが仲間達と「地球防衛バンド」を組むというシナリオに進むことがある。
    • 地球防衛バンドは続編の『2nd Impression』にも引き続き登場した。
    • 地球防衛バンドの持ち歌は、洞木ヒカリをボーカルとした「奇跡の戦士エヴァンゲリオン」という熱血調の曲。これは音声データがROM内に収録されており、説明書にも簡単な楽譜が載せられている。
      • ヒカリ役を演じた岩男潤子氏はかつて「セイント・フォー」というアイドル・グループに在籍していたことがあり、歌手活動をしていたというのは一部で有名な話である。
  • なお、本作の脚本はアニメ版の脚本も担当した山口宏氏が担当。ただしアニメ版に参加した最初の話の脚本執筆作業中の参加だったため設定が把握できておらず、「こんな感じだろう」とつくった結果、上記のような衝撃の展開となった。

捕捉

  • 1回のプレイ時間は約30分であり、ストーリーはアニメ感覚で進行。ゲーム内で使われているアニメは本編からの流用も多いが新規に描きおこされたものもあり、作画の質はそれなりに良い。
    • 因みに、アニメーションは本編の製作をガイナックスと共同で担当したタツノコプロによるもの。
    • 勿論、声優はTVアニメ版と共通。
    • BGMもTVアニメ版と共通であり、おなじみの曲から、かなり意外な曲まで幅広い選曲がなされている。
  • オリジナル使徒は「奪ったシンジの記憶から、今までの使徒の能力やレイ・アスカの攻撃パターンを覚えた」という設定。ゲンドウの幻影を出すなどの精神攻撃も行う。
    • 使徒というより、(デザインなども含めて)いわゆるスーパーロボット物や特撮の怪獣という印象が強い。製作当時エヴァの資料が無かったため、製作スタッフには『トップをねらえ!』*5のイメージで作成したらしい。
    • エヴァも企画書の段階では王道のヒーローものであるかのように紹介されていたので、間違ってはいないのだが。
    • エヴァンゲリオンも、それに合わせてかスーパーロボットのような戦い方をする。
      • 新規に描きおこされた、「空手チョップをするエヴァ」や「光を身に纏い、渾身の力で突撃するエヴァ」はある意味必見である。
    • イベントで配布された本ソフトの宣伝用チラシは、往年の怪獣映画のパロディの様なデザインになっていたので、ある程度は狙って作られている模様。
    • 余談だが、アニメ版で山口氏の担当した脚本回で登場する使徒は精神攻撃を得意としているものが多かった。本作の経験がある意味生きているのかもしれない。
  • 用意されたオリジナル展開はやや無理があるものの、過去を乗り越えるシンジなど明るい展開もある。設定齟齬による怪我の功名かもしれない。
    • 折しも今作発売当時は本編も佳境に入り、最終回の後半まで鬱展開続き*6で、本作の明るい展開に救われたファンも多いようだ。

総評

  • 早すぎたエヴァゲー。
    • 上述のような設定齟齬は、まだ『エヴァンゲリオン』というアニメの歴史が浅く、キャライメージが固まっていなかった故なので、人によっては許せる範囲かもしれない*7
    • が、ファン層が多岐に渡った現在ではこの作品を黒歴史認定する意見も少なくない。
      • 00年代に乱発された後発のエヴァゲーが、それぞれの方法で「意図的に世界観を壊そうとした」という物が多かった一方、このゲームは「時期が早すぎたせいで結果的に世界観が壊れた」という珍しい壊れ方をしている。そういう意味では『ヱヴァンゲリヲン:序』の先祖と言えるかもしれない。あちらに比べれば月とスッポン(当然『月』は今作の方)だが。
      • 尚、各声優もしっかり演技してくれている。これもゼロ年代における乱発時代とエヴァ黎明期の違いと言えるかもしれない。

移植・その後の展開

  • DVD-PGに移植された。
  • 1年後には続編の『新世紀エヴァンゲリオン 2nd Impression』が出ているが、こちらはエヴァブーム真っ只中の発売という事もあって、しっかりとTVアニメ版に準拠した造りとなっている。