【つきによりそうおとめのさほうつー】
ジャンル | 恋愛ADV | ![]() |
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対応機種 | Windows 7~8.1 | ||
発売・開発元 | Navel | ||
発売日 |
Limited Edition:2014年12月19日 Standard Edition:2015年2月28日 |
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定価 | 9,800円(税別) | ||
レーティング | アダルトゲーム | ||
配信 | 2015年4月17日/8,580円 | ||
判定 | 良作 | ||
Navel作品リンク |
Navelの『月に寄りそう乙女の作法』の続編に当たる作品。略称は『つり乙2』
明言は避けているがつり乙ルナルートから約20年後が舞台で、『乙女理論とその周辺 -Ecole de Paris-』の登場人物と思わしき人物も登場する。
これまでの作品をプレイしておいた方が楽しめるが、未プレイでも楽しめるようにかなり配慮されている。
これまでの雰囲気は多々継承しているが、主人公を含めた登場人物を一新して舞台にも少なからず変更が加わっている。
タイトル部分も意識している作りになっているが、それまであまり描写されていなかった環境も意欲的に取り入れられている。
その代わりに実質共通のテーマだった「主従関係」や「お嬢様と服飾」に必ずしもスポットが当たっているわけではない。
あまりイメージを引っ張りすぎずに、主人公と各ヒロイン毎に話を追っていくと素直に楽しめる作品だろう。
『Limited Edition』が初回版で『Standard Edition』が通常版である。
主人公の「桜小路才華」は芸術総合学院「フィリア学院日本校(*1)」で最高の成績を収めることを目標にニューヨークから帰国した。
帰国後、日本校の服飾科で男子部が廃止されることを知り検討した結果、
以前から外見が女性そのものであることを自覚している才華は女装して通学することを決意。
そしてフィリア学院には開校時から多数の寄付をした者は入学試験をパスでき、
付き人も生徒として認められる特別編成クラス制度が続いているのでこれを利用することにした。
付き人になる為の紹介を親戚で日本でも有数の富豪でもある「大蔵ルミネ」に頼んだ結果、
アイルランドの貴族「エスト・ギャラッハ・アーノッツ」と主従関係となる。
その後、同じ高級マンション「桜の園」に住むことになる「八日堂朔莉」やひょんな縁から一般生徒の「銀条春心」とも知り合う。
そして、フィリア学院にエストと通いつつ友人達と夢に向かって励む日々が始まる。
主人公とヒロイン達は全員がフィリア学院一年生。
ルートのロックなどは特にないが、一般的にはルミネを最初に攻略して朔莉は最後に攻略するとより楽しめるとして勧められている。
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好評だったシリーズながら主人公と舞台を一新した作品。
以前との主人公の差異が大きいながら、丁寧にキャラクターとシナリオが構築されていて良作と言えるゲームになっている。
それなりに賛否両論点や不満点があるものの、シリーズ物でありながら『乙りろ』の時と同じく意欲的に新しい試みに挑戦している気概も感じられる。
今までの作品が好きな層なら安定して楽しめる作品だろう。
*1 名前の通り女学院ではなくなっており、教科も芸術総合学院になっている。
*2 作中では明言されていない。
*3 家の事情とはそこまで関係ないと思われる。
*4 桜小路家の本家分家の関係性はある程度把握している。
*5 ただし、初対面におけるアトレや九千代からの印象は悪かった。
*6 自身でも変態でSとM両方兼ねていると言及している。
*7 一般クラスと特別編成クラスの仲はただでさえ悪いのだが、これによって更に悪化。
*8 他の登場人物はコレクション向けのデザインをすることが多い。
*9 主席入学しており、才能のある才華やエスト達も彼女の成果物を見て多少打ちのめされた。本作に登場する生徒の中では最も確かな実力と審美眼を兼ね備えていて毒舌なジャス子ですら認める腕前。
*10 この世界の日本における有名な服飾雑誌『クワルツ・ド・ロッシェ』が開催しているコンテストの賞。日本の服飾業界においては登竜門の様な扱い。
*11 ちなみに7人目の子供に当たり、それまでの子供とは異母兄妹の関係。4~6人目の子供も年を取ってからの子供だが、それでも4~6人目の子供とは孫程の年が離れている。
*12 個人でもかなりの地位・財産があり、それで足りなければ前頭首を初めとする様々な人物が手を貸してくれる環境。
*13 詳細については過去作を参照。
*14 この場合に理知的なことは必ずしも長所でなく、正論と視野狭量であるが故に、影響を考慮できずに自身の意向を押し通す結果になることも多い。
*15 これらのことから前頭首は才華のことを警戒している。
*16 冷静になれば素直に辞めたり、熱くなり過ぎる前に他者が止めるので多くは問題になっていない。
*17 総裁殿はゴスロリ好きが高じて自分でブランドも作っている。
*18 媚びている訳ではなく、『誰かの為になるのは立派なこと』を素で実践している形。
*19 ジャス子にはプロのデザイナーとして決定的に足りていないものがあり、伯母自身はそれを日本人から教えてもらったとのこと。
*20 英語は喋れない。
*21 このむらっ気の強さから、ラフォーレは彼女には注目していない。むしろ才華よりもかなりスタンレーに近いタイプだと思われるが育成を考えての事だろうか。
*22 彼女から見たら大蔵家はともかく、アーノッツ家や桜小路本家は大したことはない。
*23 母が祖父や祖母の影響を強く受けているので才華達への敵愾心が非常に強く、伊瀬也にも悪し様に伝えられている。しかし、そのことを除けば基本的には立派な母親らしい。
*24 一般クラスと特別編成クラス、上級生と同級生、母とアトレ達、成績優秀者への羨望と劣等感、委員長としての影響力を一方的に期待されるなど様々な立場や感情との板挟みに合っている。そしていくつかの事情から才華やエストにプレッシャーをかけられる場面が多い。
*25 母が父の存在を隠しつつ育てていた為、母が亡くなる時に父の存在を知った。父もそれまで彼のことを知らなかった。
*26 結果が出ているので日本校理事長である総裁殿も苦言を呈することしかできない。
*27 ちなみに、前々作ヒロインの湊はお嬢様ながらほぼ一般人のようなキャラクターだったが、担当したシナリオライターが異なる。
*28 後々見直している場面も多いが。
*29 本家の現状は不明だが少なくともNY時代まではメイドすら居なかったのでメイドの扱いに全く慣れていない。
*30 子供がたくさん居て少なくとも娘は5人居る。そして、エストもだが三女もかなりの贅沢をしている模様。
*31 この影響でエッテ主従はりそなより1学年上(性格にはりそなの入学が1年遅れ)となっている。
*32 例えばルナと和解後の衣遠の全面バックアップがある状態では原作の孤立無援で絶体絶命の状況が危機感が薄いものになる、衣遠と和解済な為三兄妹が衝突の末に結束する流れが確実に消滅している、クライマックスに本来存在した兄妹の恋愛感情が2人兄妹にない為感動がどうしても薄くなる、など。