ANGEL BULLET
【えんじぇる ばれっと】
ジャンル
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土下座調教西部劇
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対応機種
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Windows98SE/ME/2000/XP
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メディア
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DVD-ROM 1枚組
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発売・開発元
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ライアーソフト
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発売日
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2004年10月1日
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定価
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8,800円(税別)
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レーティング
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アダルトゲーム
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配信
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2010年7月25日/2,880円
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廉価版
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Liar-soft Selection 07&nr2016年6月24日/2,980円
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判定
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バカゲー
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良作
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ポイント
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土下座調教(してもらう)ゲー 前半と後半の温度差
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ライアーソフト関連作品リンク
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概要
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ライアーソフトの第12作目。シナリオは天野佑一氏、桜井光氏。原画は『狼と香辛料』で有名な文倉十氏。
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西部開拓時代を舞台にしたADV。実在の人物をモデルにしたキャラクターも登場する。
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「フォート・ジョルディ (Fort Jordi)」と呼ばれる架空の町を拠点に少女ガンナー・セーラと変態牧師・クラウスが様々な依頼を受けながら西部の荒野を駆け巡る。
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いわゆる調教ものの一種なのだが、本作ではドMな主人公がノーマルなヒロインをサドへと調教すると言う珍しいゲームである。
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主人公・クラウスはあくまでもマゾなので、行為は強要ではなく土下座でお願いする。
当時のアメリカに土下座文化があるのかは置いといて。これが「土下座調教」の由来である。ヒロイン・セーラは変態行為を嫌がりつつも、己の目的のためにこれに応じる事に
ストーリー
1889年、西部開拓時代末期のアメリカ西部。
行方不明の父親を捜索する為に単身叔母の許を飛び出したセーラは、ならず者や魔物が跋扈する「魔界」と化した西部の荒野に足を踏み入れる。
道中に列車強盗と遭遇するが、既にガンファイターとしての実力を備えた彼女に敵はいないはずだった。
しかし、そこで初めて対峙した脅威、「人狼」には通常の弾丸が通用しなかった。
苦戦するセーラの前に一人の男が現れ、土下座し懇願する。
「頼む!その美しい声で俺を罵ってくれ!」
戸惑うセーラだったが、土下座する牧師クラウスから“魔力を蓄積した指輪”を渡される。
結果、セーラは見事魔物との戦いに勝利する。だが、それは彼女にとって壮絶な戦いの幕開けでしかなかった……。
登場人物
セーラ・V・ウィンタース(Sara.V.Winters)
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声:一色ヒカル
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行方不明の父を探すために血の滲むような特訓をして一流のガンファイターへと成長した少女。
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ショットガンとリボルバーの2丁拳銃を操る。背中にしょったカウボーイハットがトレードマーク。
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叔父のダイムノベルの影響を受けており英雄伝などには詳しく正義感が強いが教養には疎い。
クラウス・スタージェス(Klaus. Sturges)
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声:なし
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勃起した時のみ神の声を聞くことができる異端派の牧師。
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ある事件でEDになってしまい、神の声を聞くことができなくなってしまっていたが、セーラと出会ったことでマゾに目覚め能力を取り戻す。
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高い教養を持っており真面目で小心者だが、自らが信ずる教義と併せてセーラの前ではその変態っぷりを遺憾なく発揮する。
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宗教弾圧にあった過去があるので普段は異端であることをひた隠しにする。
スーザン・M・マクグラレン(Susan.M.McGlaren)
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声:野月まひる
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けだるい雰囲気を漂わせる、赤いロングヘアーとそばかすが特徴の女賞金稼ぎ。愛称は「スー」。
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ある男を追って西部にやってきた。狙撃の腕は超一流。
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カリフォルニア訛りのある英語(日本語テキスト上は関西弁風)で喋る。
パール・ヤンガー(Pearl Younger)
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声:草柳順子
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西部のロビンフッドと謳われた「ジェームズ&ヤンガーギャング団」の幹部、コール・ヤンガーと女アウトロー、ベル・スタアの娘。
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生後すぐに両親と生き別れており、顔も知らぬ父に淡い憧れを抱いて育った。
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やがて賞金稼ぎをしていた父と再会、無法者の父を経理面などで助けるべく、同行することに。
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なお、コールとベルの間にパールという娘がいたという史料もある。
飛び立つ鳥(とびたつとり)
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声:かわしまりの
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マントの下にシャーマンの衣装をまとう、インディアンの少女。物静かで、賢者的。
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部族はインディアン居留地に移住させられてしまっているが、彼女だけは巷を騒がせ始めた霊たちを鎮めるために西部に残った。
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現在の西部では霊を鎮めることと賞金首を捕らえることは同義のため、賞金稼ぎとして食べるには困っていない。
ゲームシステム
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戦闘パート
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漫画風にコマ割りされたコマンドを用いたターン制のコマンドバトル。
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自ターン開始時に「Bullet(銃で攻撃)」「Miracle(MPを消費して魔法で攻撃)」などの行動を選択して敵にダメージを与え、HPを0にする事で撃破となる。
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ただし、敵も「Interrupt」で反撃に出ることもあり、「Interrupt」されると画面に「Bullet」「Miracle」「Avoid(回避)」のコマンドが現れ、前2つのどちらかを選ばないと敵にターンが移行する。
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反撃をやり返したとしても、さらに「Interrupt」されることもあるため油断は禁物。
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こちらも敵の攻撃を「Interrupt」可能。
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調教パート
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魔物対峙に必要なMPを充填するためにクラウスがセーラにあの手この手でお願いするというもの。
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プレイ方法は「脱衣」「手で~」「足で~」「排泄行為で~」「泡踊りで~」「放置で~」「自慰で~」「特殊な衣装で~」の8種類
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プレイ方法を選択してから「土下座する」「泣き落とす」「すねる」「うんちく」「説得」「逆切れ」の6種類のコマンドからお願いの方法を選択。
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選択後に振ったサイコロの値がセーラの抵抗値を越えればHシーンに入るというもの。
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「逆切れ」はサイコロの数が増えるが、次回の抵抗値が大幅に上昇してしまう。
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サイコロの値には、それぞれ選択によってDogether、Untique、Setalk、Refudingなどといった微妙に英単語感のある単位が付く。
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なお、説得に失敗してもセーラには罵られるため、クラウス的には満足したのか多少のMPが充填される。
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プレイ方法はそれぞれ3段階あり、最初は1段階目だが成功するごとに段階があがっていく。
評価点
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実際の19世紀を舞台にしたストーリー
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一癖も二癖もあるキャラが多く、セーラとクラウスのドツキ漫才などギャグと笑いに満ちつつも、熱い王道ストーリーが展開される。
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実在の人物をモデルにした登場人物も多く、魔物退治というファンタジー要素溢れる世界観ながらも開拓時代末期の荒涼とした雰囲気と躍動感を与える作りとなっている。
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コール・ヤンガーの元相棒で世界初の銀行強盗として知られるジェシー・ジェームズを始め、世界初の探偵社を創設したことで名高いアラン・ピンカートン、伝説的な早撃ちガンマンのビリー・ザ・キッド、カラミティ・ジェーンなど、彼らを主役にした西部劇映画があるほどの有名人が総出演している。
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ドラマ「拳銃無宿」の主人公で、スティーブ・マックイーンが演じ人気を博したジョッシュ・ランダルも劇中では実在の人物として扱われており、彼の愛用したソードオフ・ウィンチェスターの「ランダル銃」とともにキーパーソンとなっている。
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クラウスの薀蓄を語りたがる性格もあり、随所に散りばめられた小ネタは相当なもの。
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戦闘パートも他には類を見ない物となっており、ターン制ながら臨場感のあるバトルと楽しむことができる。
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2周目以降は面倒であればMPを消費することで戦闘をスキップできる。
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ただし、終盤の各ヒロインルートに入ってからは、他ルートと同じ状況同じ相手でも別戦闘扱いのため、きちんと倒さなくてはならない。
賛否両論点
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人を選びすぎる調教パート
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ただのSMプレイではなく、クラウスがお願いするプレイの内容が特殊すぎる。
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「愚息との世間話(蔑むような目でお願いします)」
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「船長と白鯨プレイ(モリでぶっ刺される)」
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「顔面に排泄させようとする」
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等といった特殊すぎるプレイが展開される。
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一応中にはまともっぽいのもあるが大半はこんなノリであり、当のセーラも怒り狂ったり泣き叫んだりする始末。どっちがSなんだか。
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調教パートでMPを稼がないと敵を倒せないため必須だが、特殊性癖すぎて引く人もいるほど。
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それを章ごとに毎回やるはめになるのが苦痛、という批判もある。
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また調教パートのCGは運も絡むためコンプリートはやや困難。
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後半ストーリー
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ある事件をきっかけにギャグが多かったストーリーが180度転回。シリアス一辺倒の殺伐とした話が展開される。
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ここからクラウスが銃を握ることになり、各ヒロインのルートに入ることになる。
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後半は西部開拓時代の暗部を凝縮したような話になる。インディアンへの迫害や大虐殺、アウトロー等など。
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とにかく雰囲気が一変するため、前半のままがよかったという人や後半も合わせてこそ完成するという人まで様々。
問題点
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戦闘パート
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事前の選択肢を間違えた状態で戦闘になった場合、敵のHPが1以下に減らないため詰む。
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時間をかけてHPを削った所でようやく勝てないことに気付くため、リトライがダレやすい。
総評
変なソフトを出すことに定評のあるライアーソフトならでは(?)の1作。
調教パートやらブラックジョーク満載の内容でとにかく人を選ぶ作品ではあるが、前半のギャグや19世紀のフロンティアの雰囲気もよくセーラルートや飛び立つ鳥ルートなどヒロインの各ルートも評価が高い。
文倉十氏が原画を担当した18禁ゲームも珍しいのでその点でも価値はあると思われる。
余談
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こんな内容ではあるが、角川スニーカー文庫からノベライズが発売されている。
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敵の幹部は黒幕によって死から蘇らされ「魔人」と化している設定だが、舞台となる1989年にはモデルとなった人物がまだ存命中、というキャラがいる。興味がある人は調べてみよう。
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シナリオライターが同じスチームパンクシリーズとは同一世界観であることが匂わされている。
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アンサイクロペディアにも個別記事があるが、だいたい事実をそのまんま書いただけである。
最終更新:2019年01月11日 10:37