HYBRID HEAVEN
【はいぶりっどへヴん】
| ジャンル | アクションRPG |  
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| 対応機種 | ニンテンドウ64 | 
| 発売元 | コナミ | 
| 開発元 | コナミコンピュータエンタテインメント大阪 | 
| 発売日 | 1999年8月5日 | 
| 定価 | 7,800円(税別) | 
| プレイ人数 | 1~2人 | 
| 周辺機器 | ハイレゾパック、振動パック対応 | 
| レイティング | ESRB: T(13歳以上対象) | 
| 判定 | スルメゲー | 
| ポイント | クリーチャーとプロレス! | 
 
概要
「3Dアクションシューティング」+「RPG」+「プロレス」という非常に毛色の変わった一作。
プロレスのアクションはプロレスラーのアレクサンダー大塚が監修。
ストーリー
2000年12月、ニューヨーク。
地下鉄に響き渡る一発の銃弾から、物語は始まる…
射殺された男は合衆国のシークレットサービス、ジョニー・スレイター。
拳銃を撃ったのは謎の男、ディアス。
ホームに残されたジョニーの恋人、ホリー。
この事件の裏には、巨大な地下組織の陰謀が隠されていた…。
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パッケージの中心に描かれている人物が冒頭のムービーで早くも死ぬという意外な展開。
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プレーヤーが操作しているディアスという人物(?)が何者なのかも分からぬままゲームは進む。
システム
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基本的には3Dアクションシューティングゲーム。
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『トゥームレイダー』のようによじ登りやぶら下がりアクションがあり、『トゥームレイダー』と同様なパズル要素もある。
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監視機械類はデフューザーという銃のようなもので破壊する。
 
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クリーチャーとはプロレス!
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クリーチャーにはデフューザーは効かず、接触すると戦闘画面となる。
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接触を避けられる場面は多々あるが、それをスルーするのはもったいない。
 
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画面上にPowerゲージが表示される
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技が決まった時の威力はPowerの値に比例する。Powerは時間とともに増加し、低い間は赤色、高くなると緑色、満タンになると緑色のままでゲージ全体が点滅する。技を繰り出すには少なくとも緑色の状態まで貯める必要がある。敵側のPowerゲージは表示されないが、同様にPowerゲージの縛りがあると思われる。
 
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技の選択はコマンド形式
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プレーヤー操作キャラの移動は随時操作できるが、技を繰り出すにはアクションコマンド画面を開く必要がある。コマンド入力画面中は操作キャラはもちろん、敵の動きも止まる。
 
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相手の攻撃に対する対応もコマンド形式
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ガード, ステップで避ける, そしてPowerゲージが溜まっている場合はカウンターが選べる。
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カウンターを選んで、操作キャラがカウンター攻撃を行った場合、Powerは消費される。
 
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間合いも重要
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技が当たった時に与えるダメージが技ごとに違い、間合いが遠すぎるとそもそも当たらない。
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逆に、敵の攻撃をバックステップで避けられれば被ダメージも減らせる。
 
 
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攻撃を受けて成長する
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攻撃を受けると、攻撃を受けた部位の防御力が上るというマゾシステム。
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新たな技を覚えるには、敵からその技を受けなければならないというマゾシステム。
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攻撃力を上げるには、逆に、自分の攻撃を相手に当てなければならない。
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この結果、どんな雑魚とでもお互いに瀕死になるまで戦う必要がある。
 
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難易度が選択できる
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「NORMAL」「HARD」「ULTIMATE」から選択できる。
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しかし、本当に必要な「EASY」は用意されていない。
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「ULTIMATE」をクリアすると隠しキャラが使えるようになる。
 
 
評価点
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ストーリーと演出
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前述の通り、主人公だと思っていた人物が冒頭ムービー内で死ぬというショッキングな導入。序盤はプレーヤーを置き去りにして急展開する。
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『バイオハザード』のようにまるで映画のような演出もある。しかしグラフィックは…。
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ただし、グラフィックは同月発売の3DAADV『シャドウゲイト64』や翌年発売の3DFPS『パーフェクトダーク』に比べればかなりマシではある。
 
 
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コマンド選択アクションシステム
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格闘ゲームのように複雑なコマンド入力操作が不要である点はプレーヤーの間口を広げたハズ…だったのだが、他の要素のせいで間口が広がらなかったのは惜しまれる。
 
問題点
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カメラ
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カメラ操作に慣性があり、カメラの自動切り替えもあるため、カメラを動かし過ぎると酔う。止まっている時のみカメラを操作するだけなら酔わないのだが。
 
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デフューザーの使い勝手の悪さ
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射程が短い。短いといっても敵よりはやや長いのだがあまり差がないため、間合いをとるのに苦労する。
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照準が定めにくい。
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照準は表示されない。水平に撃つ場合はやや下を狙う必要がある。ただし、水平の場合の当たり判定は大きく、当たらない場合はハズレているのではなく射程外であることが大半である。
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問題は下方に打つ場合で、床を這いずり回る自爆型に下向きに狙う場合は当たり判定がシビアである。敵の射程範囲と差が小さいため、狙うとやられるので距離をとった方が無難。なお、なぜか水平方向に撃って床の自爆型に当たることがある。それぐらい水平方向の当たり判定は大きい。
 
 
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敵キャラの再湧き
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いくら倒しても何の得にもならない監視機械類は一度部屋を出入りすると再湧きするのだが、プロレス相手のクリーチャーは1度倒すとほぼ再湧きしない。
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再湧きする箇所(黄色いパネル)でも、規定数しか再湧きしない。
 
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相手の技を受けて成長するシステムのため、どんな雑魚とでも瀕死になるまで技を受けないと次のレベルの敵とは対等に戦えないし、ましてやわざと技を受けるなどというプレイは難しくなる。
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このため、強くなって雑魚を蹴散らすという爽快感のあるプレイはできない。
 
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セーブポイントの少なさ
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1エリアに1つ程度しか無いのだが、最初のセーブポイントは1度使うとその後はその部屋に戻れないなどの制限もある。
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成長システムのせいでどんな雑魚からも瀕死になるまで技を受ける必要があるが、雑魚だってクリティカルを出すため割とよく死ぬことからセーブポイントの少なさは致命的である。
 
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ハイレゾパックの意味が無い
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通常モードのグラフィック自体それほど悪いというわけではないが、ハイレゾパックを使っても通常モードと見比べて差がないレベルのグラフィックである。まさにハイレゾの無駄遣い。さらに言うとハイレゾパックを挿すとフレームレートが通常モード時に比べて半分に落ちてしまうという難点も…。}
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ただし、ハイレゾパックを使用するとワイド画面表示が可能となる。ハイレゾパックを使用してワイド画面テレビに通常画面をレターボックス化して表示するモードもある。
 
 
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ミニMAPが各階の重ね合わせである
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ミニMAPを場面右下に常時表示できるのだが何故か上下の階も重ね合わされて表示されるため、自分のいる階層を把握しておく必要がある。
 
総評
『バイオハザード』と『トゥームレイダー』の良いとこ取り + プロレス! というコンセプトと、ストーリー演出の出来は良かった。
最大の問題は難易度。そしてハイレゾグラフィックの残念さと思われる。
技を受けるのもプロレスの醍醐味と思える人にだけお勧めする。
余談
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英語版は日本語版と同月に発売された。
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そのためか、日本語版でもゲーム内に英語表記が多く、そういう意味でも13歳以上対象である。
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ムービーでも登場人物たちは英語を話し、それに日本語字幕が付く。英語が聞き取れると、一部俳優の棒読みに愕然とするだろう。
 
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日本語版は2016年時点では中古が数百円で取引されているが、英語版は2016年時点でAmazonにて新品に2万5千円というプレミア価格が付けられている。
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英語版のWikipediaの記事も日本語版より充実しており、記事内では米国での評価に比べ日本での人気の無さにも言及している。
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日本で人気が得られなかったのは、ひとえに日本人プレイヤーには難易度が高かったためではないかと考えられる。
 
 
最終更新:2023年11月25日 13:30