このページは初代作品であるPS版『バイオハザード』と、その移植作であるSS版及びDS版を取り扱います。
GC/Wiiで発売されたリメイクについては『バイオハザード (GC)』をご覧ください。
【ばいおはざーど】
ジャンル | サバイバルホラー | |
対応機種 | プレイステーション | |
発売・開発元 | カプコン | |
発売日 | 1996年3月22日 | |
定価 | 5,800円 | |
判定 | 良作 | |
バイオハザードシリーズ |
死より恐ろしい現実がここに…。
いまやゲーム業界でその名を確固たるものにした、大ヒットシリーズのファーストタイトル。
ゲームシステムは3Dグラフィックで構築されたフィールド内を探索し、襲い来る敵を倒しつつ数々の仕掛けを解いて脱出を目指すというもの。
発売当初は全くの無名であったが、口コミにより評判が広がり、最終的にミリオンセラーを達成した。
徹底した恐怖演出、豊富な謎解き、弾薬制限のシビアさなどで、「サバイバルホラー」というジャンルを確立した作品である。
1998年、夏。
アメリカ中西部の小さな街ラクーンシティ。
その郊外のアークレイ山地では、暴徒が民家を襲撃し住民を食い殺すという猟奇事件が続発していた。
犯行の異常性にもかかわらず、犯人グループの特定は難航。
事態を重く見たラクーン市警は、特殊作戦部隊S.T.A.R.Sを出動させる。7月24日、夜。
先遣したS.T.A.R.Sブラヴォーチームからの通信が途絶えたことで、残るアルファチームが現地へと向う。
しかし、異常に凶暴化した野犬の群れの襲撃を受けてジョセフが殺され、ヘリで待機していたブラッドは恐れをなして飛び去ってしまう。
残されたクリス、ジル、バリー、ウェスカーたちは追われるがままに古びた洋館に逃げ込むしかなかった。洋館内に次々と現れるゾンビと、異形の怪物。洋館に隠された謎とは何なのか。
生き残りをかけたS.T.A.R.S隊員たちの戦いが始まった。
固定カメラ切替方式とラジコン操作
工夫されたハード制限への対処
二段構えの攻撃方法
モノの「有限」がもたらすシビアな戦略性
心電図による体力表示
優れた恐怖演出
豊富なボリューム
その他の特徴
多くの続編が出ている現在の基準で見ても、本作の難易度は易しいとは言い難い。謎解きや戦闘の回避など様々な場面で頭を使う必要があり、当時は投げ出すプレイヤーも少なくなかった。
戦闘の難易度の高さ
探索と謎解きの難易度が不安定
主人公の選択
本作は2人の主人公から1人を選んでプレイする(*8)。
選択に応じてストーリー、HP、アイテム所持数、入手可能武器などが異なり、一応EASY/HARDの難易度が設定されている。
しかし、この選択が少々、曲者。
ジルは一応「EASY」と銘打ってはあるが、序盤で手に入る強力な武器を有効活用できず、弱い武器ばかり使ってしまうとダメージを受けやすくなり、低い体力のせいで難易度が高く感じてしまう。よって弾数を把握できない初見プレイでは結局どちらを選んでも難しいということになりかねない。
+ | 具体例 |
隠し要素の問題点
シナリオの問題点
+ | 一例(ネタバレにつき折り畳み) |
アクションアドベンチャーにホラーの要素を加えたゲーム性は、「サバイバルホラー」という新たなジャンルを生み出し、そのデファクトスタンダードとなった作品である。
以降シリーズ化がなされ、カプコンの看板タイトルとして順調に成長してゆくことになるが、後の作品である『2』『3』『コード:ベロニカ』などのシステムの大枠が本作と同じであることからも、その完成度が高いことは明らかである。
本作の最大の売りは徹底した恐怖演出であり、当時のユーザー達に衝撃を与えたほか、他社の同系統の作品にも多大な影響を与えたことは無視できない。
ただ、敵の理不尽な攻撃で体力が一気に減らされたり、即死の危険性に常に脅かされたりする一方で、攻略法さえ分かってしまえばザコ敵を一撃撃破で容易にクリアできてしまったりと、ゲームバランスについては極端であることは否めない。
また武器の種類が少なかったり、性能の限界で敵の同時出現数が少ないなどの問題点もあるが、その分シンプルに楽しむことができるともいえる。
シリーズが進むにつれて複雑化していったバイオシリーズの原点を知りたいならば本作をプレイしてみることをお勧めする。
「SSはポリゴン表現能力が低く、移植は不可能」という開発サイドの発言はあったが発売された。
初回特典として、本作のプロローグに当たる小説、開発秘話、未公開資料などが掲載されたハードカバー本『BIO HAZARD -The True Story Behind BIO HAZARD-』が付属した。
PS版からの変更点
開発サイドの発言通りに一部の劣化は見られるが、オリジナルの代替品として成立する程度に抑えられている。
追加要素の存在で純粋な移植ではなくなってしまい、またその追加要素も微妙なものが散見されるなど惜しい部分もあるが、原作の魅力は十分維持しており、総合では間違いなく元と同じ良作である。
以降の移植版では本作の要素は反映されておらず、その点では希少な存在となっている。
有名作品の移植版ということもあり、比較的安価に購入出来る物なので、PS版のみの経験者で本移植作に触れたことがないという方であれば一度プレイしてみるのもまた一興かもしれない。
『2』の開発が最初からやり直しになったため、本作に新たな要素を加えて発売された作品。DISC2には『2』の体験版が収録されている。
GCでリメイクされるまでの初代『バイオハザード』の決定版と言える内容である。
今でいう完全版商法のような内容だが、オリジナル版のプレイヤーでも新たに楽しめる追加要素は好評で受け入れられた。
『DIRECTOR'S CUT』のマイナーチェンジ版。
おおむねDC版と同内容。振動機能やBGM一新などでマンネリ打破を試みたと思われるが、基本的に変わりはなく「コンプリートディスクのおまけ」のように言われることもある不遇の作品。
振動機能との兼ね合いに加え、BGMの作曲者の一連の騒動からゲームアーカイブスでの配信は絶望的と見られるが、通常のDC版と比べてあえてこちらを選ぶ理由も薄いだろう。
対応機種 | ニンテンドーDS | |
発売日 | 2006年1月19日 | |
定価 | 5,040円 | |
レーティング | CERO:18歳以上対象(*41) | |
廉価版 |
BestPrice! 2007年1月25日/3,129円 New BestPrice! 2000 2008年12月25日/2,100円 |
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判定 | 良作 |
2006年に発売されたDSへの移植。
ディレクターズカットを基準としており、SS版、DCアレンジモード、振動版に準拠した変更点は無い。
ほぼ完全移植で、一部バグは修正されたが裏ワザも含めてオリジナル版とほぼ同じ感覚で遊べる。
色々と印象深かった実写ムービーも収録され、BGMもオリジナル版(SS版、ディレクターズカット版)に戻った。
オリジナル版の内容そのままに、全体的な遊びやすさは向上している。
DS機能を使う部分は若干調整が甘く見られるところがあるが、総合的には良質な移植と呼べる内容である。
その他に、Windows版も存在。オープニングムービーがカラーになっていたり、追加武器として4時間以内にクリアすることでクリス編では「ミニミ」、ジル編では「イングラム」というマシンガン系の武器が続編から先行して使用できる様になるのが大きな特徴であった。
*1 とはいえ、本作では特定条件下のみだがゾンビに対してクリティカルが発生する隠れた仕様がある上、スタートボタンを押してメニュー画面を出し、それをキャンセルすると直前の動作(構えや攻撃動作)をキャンセル(いわゆるスタートキャンセル)できる為、慣れればゾンビやケルベロス位ならこちらから一方的に攻撃でき、意外にも楽に敵を倒すことも可能。
*2 とはいえ終盤に近付くほど弾薬は豊富になり余裕が出てくる。
*3 「かゆうま」とネタにされやすいが、本来の文章ではこのように「い」が入るのが正しい。ちなみに、コナミのACゲーム『クイズマジックアカデミー』にはここの文章を答える問題があり、「かゆいうま」が正答となっていた。有名なネタのためか『ドラゴンクエストX』のハロウィンイベントでも、イベント会場にある家の中の本棚を調べると「かゆい うま」をパロディにしている日記を発見することが出来たりした。ちなみにこちらは甘党の人物が辛党になっていくという恐怖の様子が書かれている
*4 鍵の裏にある模様を見つける、本を開いて中に隠されているアイテムを取り出す等。
*5 噛み付きは最大6回、最大60のダメージとクリスでも3回フルに喰らえばHPが0になるほどの超高火力である。実際はレバガチャすることで2~3回に留められるがそれでもかなり多いダメージである。
*6 実は他にも即死攻撃を使う敵はいるのだが、大抵はこちらがDanger状態(瀕死の状況)でないと出してこないのに対し、ハンターはこちらの体力がかなり残っている(7~5割程度)状態でも即死攻撃を出してくるため、非常に厄介。
*7 攻略の手順にもよるが、コルトパイソンの場所と入手のためのキーアイテムは寄宿舎へつながる裏口(東)側とホールを挟んで正反対の位置(西)にあり、当然それまでのルート上にもハンターがいる。また洋館のボスとの戦闘から地下を通ってその先へ進むためのキーアイテムを探す過程では、ほとんど一方通行で西側に移動することになるので、手間を考えると洋館攻略の終盤に回す方が楽。
*8 警察の身分証明書から選ぶという演出になっている。その中には、崩れて読みにくいが、続編で実際に登場するR.P.D署長「ブライアン・アイアンズ(Brian Irons)」のサインがある。
*9 できるだけ早く振りほどいた(2回噛まれる)としても3~4回が限度。
*10 クリス編とジル編において配置弾薬の場所に違いはほぼ無く、弾薬の種類の違いのみ。
*11 ハンターの登場以降でモンスターに襲われるイベントが発生し、ここで救出できるか否かでエンディング分岐に影響を及ぼす。うまく進めればこのイベントは回避できる。
*12 即死攻撃は除く。
*13 SS版の特典であるハードカバー本に掲載されたゲーム本編のプロローグにあたる短編小説では、クリスとレベッカは事件前の時点から既に面識があると同時に、レベッカ自身はブラヴォーチームに同行しておらず、アルファチームの出動の際についていくことを懇願するものの入隊間もないことを理由にクリスに拒否されて置いて行かれるという展開になっているので、ここからジル編に繋がると考えれば一応の辻褄は合う。
*14 危機的状況とは思えないほどダンディな言い回しの多いバリーや異様に叫ぶ台詞が多いレベッカなどが特に顕著である。
*15 出典:SS版特典『BIO HAZARD -The True Story Behind BIO HAZARD-』より。
*16 クリス編では火炎放射器を中庭地下で入手するが、ジル編では最初からないので「バリーが(黒幕の協力で)先にここにきて持って行ってしまった」という可能性がある。
*17 ディレクターズカット版のアレンジモードでは、研究所の最後のセーブ部屋手前の廊下に意図的にドアップになるように配置されてるゾンビもいる。
*18 「え?あそこでゾンビがやってくるでしょ?」という人はよくよく思い出してもらいたいが「ゾンビがいる部屋Aの方の扉が開いてゾンビ出現、その後部屋Aに行くとゾンビが1体減少していた。」というような個所は1つもない。すべて「何かをしたらその部屋に新規にゾンビが出現」である。
*19 このまま無理に進んで寄宿舎まで行けば入手可能。
*20 クリスでは進行次第で発生しない場合もある。
*21 血清を入手した状態でかつリチャード救出に失敗した場合は血清をそのまま持ち越せるので、それを使用することも可能。
*22 タイムアタックを狙っている場合は噛まれない様にした方がいいのだが。
*23 「終わらせない」と表記されている事が多いが、この曲は「終らせない」が正解。しかしややこしい事にスタッフロールでは「おわらせない」と平仮名表記になっている。
*24 しかも歌唱している渕上史貴氏のデビュー曲である。
*25 OP用に作られた『Terror』に渕上氏が詞を付けたものをアレンジしたのが『氷のまなざし』である。
*26 特にバリーとウェスカーのコンセプトアートの再現性は異様に高い。実写映画には出ていないが地味にジョセフもよく似ている。ちなみにバリーを担当した俳優は、後に映画版のバリーを観た際「自分の方が似ている」とか言ったとか
*27 開発当初はクリス・ジル双方をクリアした後に「デューイ」というキャラクターでプレイ可能になるというオマケの要素の没案があり、彼の設定はここから流用したものと思われる。
*28 番組カメラマンである阿部浩一氏が前に勤めていた会社が、映像制作を行った為のこぼれ話。
*29 日本版『アローン イン ザ ダーク 〜新たなる悪夢〜』も元々はカプコンから発売される予定だったが、最終的にサイバーフロントから発売された。
*30 平野耕太氏の漫画『進め!!聖学電脳研究部』など。
*31 黒幕を殺害したと思しき敵キャラクターも再配置されるのだが、これは公式パーフェクトガイドにも掲載されていない。
*32 同作のバカボンはパパに近い格好をしているため間違われる事がある。
*33 ショットガンを装備している時を模していると思われる。なお武器は実際持っていない。
*34 ちなみに、いわゆるプロトタイプ版を元に紹介されていたので、今観てみると製品版と違う部分が見受けられる等なかなか趣き深い。
*35 所持弾数から「いくつ使ったかの減点法」では無く「残った弾薬の種類と数に応じての加点法」である。
*36 隠しコマンドでビギナーと同じ調整(体力除く)になるイージーモードにすることも可能。
*37 弾薬そのものは後半の洋館攻略以降に限られる。
*38 後述のデュアルショックバージョンでは修正されたのだが、ゲームアーカイブス版でもそのまま残されている。
*39 つまり、実際には彼のゴーストライターであった新垣隆氏の作曲。
*40 『2』『3』も軽快なロック調だったり優しいメロディだったりと、初代PS時代は作品の雰囲気よりもクリアのカタルシスを重視したエンディング曲が多かった。
*41 改定後に発売された廉価版のレーティングはCERO:D(17歳以上対象)。
*42 常に装備されておりアイテム欄の消費も無し。これに伴い、中庭地下で蜘蛛の巣を取り払うために置かれていたナイフは削除。
*43 グラフィックはサイズ調整や滑らかさの向上。モーション変化も直立時の呼吸、旋回・ダッシュ時の腕の開き方、武器の構え方、ゾンビの倒れ方など多岐に渡る。
*44 DSのロム容量は最終的に512MB(4Gb)まで使用可能になったが、本作の発売当時は256MB(2Gb)が最大であり、本作に採用されたのは128MB(1Gb)だった。
*45 手早く行わないとプレイヤーが毒状態になり、時間切れで死亡。