弾爵-ダンシャク-
【だんしゃく】
| ジャンル | シューティング | 日本版「弾爵」 
  
 | 海外版(原作)「Nanostray」 | 
| 対応機種 | ニンテンドーDS | 
| 発売元 | タイトー | 
| 開発元 | Shin'en | 
| 発売日 | 2006年1月26日 | 
| 定価 | 5,040円(税5%込) | 
| プレイ人数 | 1~2人 | 
| レーティング | CERO:全年齢対象 | 
| 判定 | なし | 
| Nanoシリーズ 弾爵 (Nanostray) / Nanostray 2 / ナノアサルト / ナノアサルト ネオ
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概要
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ドイツのゲームメーカーであるShin'en Multimediaが開発した『Nanostray』の日本版。DSには珍しいシューティングゲームである。
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4種類のショット(メインウェポン)とサブウェポン、スマートボムを駆使してステージの最後に登場するボスを撃破することが目的。
ストーリー
船の側で発生した爆風によってゆっくり目を覚ますと、記憶がごちゃごちゃになっており何が起きたのか、この区域で何をしているのか思い出せない。本能的に、制御装置を調べると目的地がまだ入力されていた。敵が群がりはじめている、行動を起こさなくては。
    
    
        | + | 原文 | 
Slowly awakening from a blast to the side of your ship, your memory is jumbled and you can't remember what just happened or what you're doing in this sector. Instinctively, you check your console; a destination is still plugged in. You must take action; the enemy is starting to swarm.(原文はNanostray公式サイトより。訳:本記事作成者)
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内容
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内容は縦スクロールシューティングゲームである。ただし奥行きのようなものが存在し、画面の上側であるほど奥になりそれに伴い機体が小さくなる。とはいえ完全な3Dということはなく、普通の縦スクロールシューティングとして十分楽しめる。また、残機とは別に自機には耐久力が存在し、被弾しても数回までなら耐えてくれるため、初心者にもやさしい設定となっている。
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操作は十字ボタンで移動、YもしくはLでメインウェポン(ショット)、Bでサブウェポン、Aでスマートボム、Rでコイン(後述)回収、Xもしくは下画面のパネルをタッチで装備の変更、となっている。
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メインウェポンはパルス(前方)、サイドショット(左右)、シーカー(追尾)、ライトニング(ロックオン、詳細は後述)の4種類で、選択しているメインウェポンによってサブウェポンも異なる。
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サブウェポンはメインウェポンを強化した攻撃であり、エネルギーがなくなるまで使用できる。エネルギーの残量は下画面で確認できる。シーカー以外はBボタンを押し続けている間発動し、シーカーはBボタンを押す毎に単発の強烈な追尾弾を発射する。
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ライトニングは敵に当たるとその敵が破壊されるまで攻撃し続けるが、途中で別の敵に当たるとそちらをロックオンする。そのため最も効果が発揮されるのは常に1対1で行われるボス戦である。ただし、敵の中にはロックオンされないものも存在する。またサブウェポンは自機周囲の一定範囲が攻撃範囲となっており、メインウェポンと性能が全く異なる。
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スマートボムは弾数制限があるが画面全体の敵や敵弾を一掃でき、発動中は無敵状態になる(これは発動した瞬間から)等、使い勝手は非常によい。
 
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ゲームモードはアドベンチャー、アーケード、チャレンジ、マルチプレイヤー、の4種類であり、これらとは別にギャラリー/ジュークボックスモードが存在する。
    
    
        | + | ゲームモードの説明 | 
アドベンチャー
本作のメインとなるモード。ステージは3つのエリアに分かれて存在し、エリア内に存在するステージをすべて攻略すると新たなエリアに移動する。全8ステージを攻略するとゲームクリア。
このモードにのみ難易度が存在し、それによって残機数、自機の耐久力、コンティニューできる回数等が変化する。ただし、自機の耐久力に関わらず敵と接触すると即ミスとなる。
ゲームオーバーになりコンティニューすると、そのエリアの直前の状態から再スタートする。
 
アーケード
ステージを一つ選択してプレイできる。残機は3機、敵弾への耐久力は3発分で固定されている。各ステージ上位3位までのハイスコアが記録される。
ステージをクリアするとナノコードが表示されるようになり、公式サイトで入力するとハイスコアを世界ランキングに登録することができた。
 
チャレンジ
全22ステージ。各ステージを様々な条件を満たしてクリアするとチャレンジ成功となる。
条件の一例として、一定スコアの達成、スマートボムやサブウェポンなし、残機1でのクリア、等がある。
チャレンジに成功するとギャラリー/ジュークボックスモードでBGMを聴いたり背景や敵のグラフィックを鑑賞できるようになる。
 
マルチプレイヤー
DSのダウンロード通信による対戦モード。
4つのステージから1つを選択し、ゲームモードやルールを決めてプレイする。
ゲームモードには制限時間内に稼いだスコアを競うもの、相手より早く一定のスコアに到達するもの等があり、ルールも時間制限とサドンデス方式がある。
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スコアには敵を撃墜したときやコインを獲得して得られる基本スコアのほかにも様々な種類があり、ステージクリア時の残機数(1機あたり3000点)、スマートボムの所持数(1発あたり3000点)ほか、敵グループを全滅させると加算される「Wave Bonus」、ショットの連射やコインの吸い寄せを多用すると低下する「Valor Bonus」が存在する。
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アーケードモードで記録されるスコアはこれらボーナス点も含めるが、チャレンジにおけるスコアは基本スコアを指す。
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コインには黄と青がある。黄コインは中型機を撃墜すると出現し、1つ500点になる。青コインは敵グループを全滅させる毎に1枚出現し、サブウェポンの使用に必要なエネルギーを全回復する。このエネルギーがフルの状態で青コインを連続回収すると獲得ポイントが500点ずつ増加する。
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例えば2枚連続で回収すると1000点、3枚だと1500点、4枚で2000点…のように増加する。ステージによっては15000点を超えることもあり、これは特定のボスを撃破した際にもらえるボーナスを大きく超えている。
 
 
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ステージ名がユニークで、「密林」や「砂原」など名前からステージの概観がわかるもの、「世界」や「柱廊」など、どんなステージなのか想像しにくいものまで様々である。
評価点
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装備が多彩
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状況に合わせて装備を変更できるため、様々な状況に対応しやすい。例えば狙った一か所を集中的に攻撃するときはパルスに、同時に多数の敵を相手にするときはシーカーに変える、等ある装備では切り抜けるのが難しい場面でも、別の装備だと楽に切り抜けられるようになることが多々ある。
 
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下画面の作りこみが半端ではない
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上画面は普通のゲーム画面だが、下画面には現在のスコア、ハイスコア、残機、エネルギーメーター(自機の耐久力)、サブウェポンメーター(サブウェポンのエネルギー残量)、ウェポン切り替え、スマートボムの所持数、そしてレーダーが表示されており、様々な情報が一目瞭然である。
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装備の変更はXボタンでも可能だが、下画面の切り替えボタンをタッチすることでも可能である。その上、例えばパルスからライトニングに変更するにはXボタンを3回押さなければならないが、ライトニングのボタンをタッチすることで一発で変更できるなど操作の簡略化にも一役買っている。
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レーダーには自機、敵、敵弾が表示される。しかし敵や敵弾の大きさ等までは表示されないため、普通に上画面を見た方がはるかに安全である。が、このレーダーはボス戦になるとボスをスキャンして弱点を表示するようになる。細かいことではあるが非常に丁寧に作られている。
 
 
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やりこみ要素が多い
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普通にクリアすることはできてもチャレンジモードで一定条件を課されると、途端に難易度が上昇する。条件によっては普段考えもしなかった方法でプレイしたり、普段以上に細かい操作を要求されたりと自分の限界に挑戦することが多い。また、アドベンチャーモードの難易度EXPERTは相当な難易度となっているため、生半可な実力では通用しない。自信のある猛者はぜひ挑戦していただきたい。
 
難点
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サブウェポンの使用が限られる
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サブウェポンは強力なものが多いが、使用するとエネルギーを消費する。そのため、サブウェポンを使用しながら進むと青コインによる稼ぎができなくなる。それが嫌なら道中はメインウェポンとスマートボムのみで進むしかない。せっかく多彩な装備をうたっていながら、これはあまりにもったいない。
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ステージにもよるが道中一度もサブウェポンを使用せず青コインを獲得し続けてステージをクリアすると、サブウェポンを使用しながら進んだ場合の数倍のスコアとなる。通常プレイする場合はスコアを気にしなければいいだけの話ではあるが、チャレンジモードにおいて設定される目標スコアはこの青コインによる稼ぎを前提としたものであるため、やはりサブウェポン無しで攻略できるようになった方が無難といえる。
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ボスの中には一部の弱点を破壊すると青コインを落とすものが存在する。この場合青コインによる稼ぎをしようとすると該当ステージでは終わりの方までサブウェポンの出番がないことになる。これでは嫌でもチャレンジモードに挑戦しているようなものである。
 
 
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細かい不具合が多い
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例えばアドベンチャーモードでは「ミスをしてから復帰する際、難易度によっては所持するスマートボムの数が減る」旨のことが説明書にある。しかし、難易度ADVANCE以上では減るはずのスマートボムが減らない。また、チャレンジモードの「ボタンを押し続けての連射不可」というステージでは、ボタンを押し続けての連射ができ、そのままクリアしてもチャレンジ成功となる。
 
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不親切なマルチプレイヤーモード
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「アイテムによって自分を有利にしたり、相手を妨害できる」と説明書にあるが、どのアイテムがどんな効果なのか、どこにも記されていない。また、ステージは4つのうちから1つを選択できるが、別のステージで遊ぶためには一度通信を切って再びつなぐ必要がある。
 
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ストーリーがどこにも記載されていない。
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どういう世界観で誰がどうして戦っているのか、日本語版の環境において参照できる要素が何もない。記事冒頭に引用したのは移植元『Nanostray』の公式サイトからであり、『弾爵-ダンシャク-』の公式サイトやゲーム本編・説明書等に書かれたものではないのだ。せめて説明書に英語版の翻訳を載せるなり、日本語版なりの序文を用意するなりしてほしかったところ。
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もっとも見ればわかると思うが、『Nanostray』のストーリー自体が断片的かつ抽象的で、あまり説明になっていない。この断片的かつ淡々とした感じこそが世界観なのだなという理解はできるが。
 
総評
本作は多彩な装備によって様々な状況に対応できるようになっている。
自機には残機制と体力制が導入されており、みるみるうちに残機が減っていくということはあまりなく、初心者にもやさしいシステムとなっている。
また、やりこみ要素も数多く存在し、シューティングに慣れた人も楽しめる作品となっている。
一方でサブウェポンと青コインの稼ぎがかみ合わないなど、致命的とまではいかないまでも欠点も見られる。
こうした欠点が修正されていたならば、より良い作品となっていたはずだけに残念である。
備考
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海外では続編の『Nanostray 2』が発売されている。こちらはメインウェポンが1種類のみ、サテライト(オプション)のフォーメーションを変化させて戦う、サブウェポンはステージ開始前に1つ選択して装備する、等ゲーム性は大きく異なる。
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Shin'en公式サイトではこれらNanostrayシリーズのサウンドトラックをダウンロード販売している。
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同社の作品『FAST Racing NEO』では本作の「砂原」ステージ、続編『2』の「渓間」ステージで使用されたBGM2曲のアレンジバージョンが使用されている。こちらの作品はWii Uのダウンロードソフトとして日本でも販売されている。
最終更新:2022年09月03日 19:13