地球防衛軍4.1 THE SHADOW OF NEW DESPAIR

【ちきゅうぼうえいぐん ふぉー ぽいんと わん ざ しゃどう おぶ にゅー でぃすぺあー】

ジャンル 3Dアクションシューティング
対応機種 プレイステーション4
Windows 7/8.1/10(64bit)(Steam)
発売元 D3パブリッシャー
開発元 サンドロット
クラインコンピュータエンタテインメント*1
発売日 【PS4】2015年4月2日
【Win】2016年7月19日
定価 【PS4】6,980円(税別)
【Win】4,980円→2,149円(税込)*2
廉価版 【PS4】PlayStation Hits
2018年7月26日/1,990円(税別)
レーティング CERO:D(17才以上対象)
判定 良作
地球防衛軍シリーズ


概要

『地球防衛軍』シリーズ4作目の『地球防衛軍4』をPS4に移植かつアップグレードした作品。
移植といえど巨大ロボと巨大怪獣の対決や、ミッションのリニューアル、ボイスの新録、武器性能の調整など多岐にわたって改変が施されている。
後発のWin版はマウスとキーボードの操作に対応、そして2048×1280の解像度に対応しスペック次第ではより綺麗な状態で楽しめる。


特徴

基本的なシステムは『地球防衛軍4』と同様であるため、そちらを参考のこと。ここでは主に『4』からの変更点を述べる。

  • 各兵科の調整
    • レンジャー
      • 回復アイテムを拾うことで、指揮下に入れた味方NPCの体力を回復させることができるように。
      • 緊急回避直後は車や柵といった小さなオブジェクトを破壊できるようになった。
      • ダウン時の復帰が素早くできるようになった。
    • ウイングダイバー
      • ダウン時にエネルギーを消費して素早く復帰できるようになった。
    • エアレイダー
      • 歩行要塞バラムやデプスクロウラーといった新ビークルが追加された。
      • 地底でも一部ビークルが要請できるようになった。
    • フェンサー
      • 触れただけで柵などの小さなオブジェクトを破壊できるようになった。
      • ダウン時にスラスターやブースターを使うことで素早く復帰できるようになった。
  • 新たな敵が追加・能力調整
    • 基本的に『4』と同じ敵がそのまま続投しているが、新規の敵として怪生物エルギヌスが追加された。『4』では姿を消した巨大怪獣枠が復活することとなった。
    • また色を変えたコンパチではあるが、赤装変異種や飛行変異種といった様々な変異種が追加。
    • シールドベアラーは大幅に強化され、護衛対象に張り付いて移動したり、攻撃を受けると逃げるようになった。また移動速度が向上し、スクリーンの展開範囲が大きくなった。
    • 一部の敵のアイテムのドロップ量が増えた。シールドベアラーやレッドカラーのドロップ数が特に顕著で、難敵・強敵を倒した時の見返りが大きくなっている。
    • その他、一部の敵の体力が増減している。
  • ミッションの追加・改変
    • エルギヌス関連のミッションが4つ追加され、ミッション総数は94から98に増加。(オフラインでは85→89)
  • 映像や処理など
    • 地底が光源皆無の暗闇となった。プレイヤーや味方にライトが装備され、それで照らしながら攻略することとなる。
    • テクスチャが改変され、一部の武器やビークルなどの見た目が変わっている。

評価点

  • 『4』の評価点を受け継ぎつつも、追加要素によって不満点の解消や新たな評価点が追加されている。
  • グラフィック関連
    • 出力解像度が720pから1080pへ。フレームレートは30fpsから60fpsへ引き上げ。
    • 光源処理の追加によって爆発が更に派手になった。砲兵隊の榴弾砲などが特に顕著で、敵の残骸と共に派手な光が発生し爽快感をもたらす。
      • 爆発だけでなく銃のマズルフラッシュや、ナパームの火炎、レーザーなどにも光源が付与され派手になっている。
    • オブジェクトが増えている。公園には木や遊具、河川敷には花壇、道端には車、家の側にはホースリールなどなど。店の看板も増えている。
  • 処理関連
    • 『地球防衛軍』シリーズに常につきまとう問題だった処理落ちに関してはシリーズで最も少なくなっている。皆無というわけではないが、ほぼ起こらない。
    • 『4』では酷評されていたロード時間の問題は解決されており、大幅な短縮に成功している。
      • ただしロード時間短縮のためか、ミッション開始直後はテクスチャ解像度が著しく落とされている。
    • 処理落ち発生時などに敵に攻撃するとダメージが与えられないという、いわゆる「ダメ抜け」と呼ばれる現象も発生しなくなっている。
    • システムソフトウェア4.50で追加されたPS4Pro限定機能「ブーストモード」を用いれば、更にパフォーマンスが安定する。
      • 処理落ちが発生しないどころかほぼ常時60fpsとなり、少なくともオフラインプレイでは処理落ちの発生やフレームレートの低下はなくなった。ネックであったロード時間の長さもある程度解消され、きわめて快適なプレイが可能となった。
  • 演出面の補強
    • 敵味方の増加に伴ってミッション固定の爆撃機も増量。先に述べた光源処理も相まってド派手な絨毯爆撃をしてくれる。
      • 『4』ではミッション固定の空爆の威力は難易度による差がなく、高難易度での威力は雀の涙程度しかなかったが、今作では高難易度でも敵を蹴散らしてくれる。
    • 『4』では「支援を要請しろ!」などとプレイヤーがエアレイダーであることが前提の通信が流れたりしたが、今作の一部ミッションでは要請しなくとも砲兵や攻撃機が支援してくれるようになった。
  • 新たな武器・ビークルが追加
    • レンジャー、ウイングダイバー、エアレイダーにそれぞれいくつか新武器が導入された。フェンサーはなし。
      • 『2PV2』に登場したスラッグショットやスパークランス。他にも既存武器の上位品がいくつか追加されている。
      • 上述の通り、ビークルには対エルギヌス戦用に投入された歩行要塞バラム、地底戦用に開発されたデプスクロウラーの2種類が追加された。
    • また一部の既存武器は調整が施され、強化・弱体化されている。
      • ビークルの一部装備にはレーザーサイトが搭載され、敵に狙いをつけやすくなった。
  • ミッションの改変
    • 半数以上のミッションが大幅に改変されており、『4』経験者でも楽しめる内容となっている。
    • 敵味方が大幅に増量。200体以上の敵が同時に迫ってくるミッションも少なくない。
    • ゲーム後半の高難易度では敵が追加配置されたり、変異種に置き換わっていたりする。難易度を上げての周回プレイでも新たな驚きが得られるようになっている。
    • 前述の通り完全新規ミッションはエルギヌス関連のものに限定されている。
      • 特に巨大ロボ部隊VS巨大怪獣軍団という大激戦が繰り広げられる「巨人たちの戦場」は作品の目玉と言える程に非常に力が入っている。演出も相まって非常に燃える楽しいミッションとプレイヤーからも高評価。
      • 単に「巨大ロボに乗って巨大怪獣と戦う」だけではなく、「歩兵の立場で巨大ロボが戦いやすいように援護する」というありそうでなかったシチュエーションも再現している。
      • 全長50mにも及ぶ巨大ロボットで戦うというシチュエーションは、同じサンドロット製作にして本シリーズのオリジンと言える『ギガンティックドライブ』を彷彿させる。
    • その他にも『4』では大幅に難易度が下がった「絶対包囲」が今作では再び難関ミッションとして調整されている。多種多様な敵が次々と出現して波状攻撃を仕掛けてくる為、兵科それぞれの長所を活かした連携が鍵となる戦略性の高いミッションとしても評価されている。
  • 味方の調整
    • 全体的に数が増している。おかげで常に味方が会話し続け、更に騒がしく賑やかに。
    • 『4』でウイングダイバー隊はレーザーランスしか装備していなかったが、新たにLAZRやイズナなどを装備した者が登場するようになった。
    • またフェンサー隊にさりげなくいる程度だったガリオン軽量機関砲を装備した部隊も、今回は他の部隊と同じくらいの頻度で登場するようになった。
    • シリーズで初めてNPCビークル部隊が実装され、ギガンテスやタイタン、ネグリングなどの部隊が登場。
    • 味方が増量した影響か、『4』と比べて体力が若干少なく調整されていることが多い。
      • ただ『3』ほど脆くはなく、ちゃんと頼れる戦力となっている。
  • チャット関連
    • 定型文を発言することで指揮下の味方NPCが反応してくれる。「EDFッ!」を選択するとNPCも一緒に「EDF!」と言ってくれるなど。
      • アピールモーションも同様で、プレイヤーが踊ると指揮下のNPCも踊ってくれる。
    • タッチパッドに対応したショートカットによって、予め設定した文を素早く使えるようになった。
  • オンライン関連
    • 『4』では同期ずれが激しかったが、概ね改善。位置ずれなどはあまり起こらなくなった。
    • 照準を合わせた場所にマーカーを指定できるようになったため、味方プレイヤーに攻撃目標を適切に指示できるようになった。攻撃目標だけでなく、アイテムの位置や集合位置を示すためにも利用できる。
  • レンジャーの大幅な強化
    • 高位モデルの武器が数種類追加されたほか、既存の一部の武器の性能も向上。
    • 中でも一発長リロード超威力が特徴であるストリンガー狙撃銃(無印以外)の強化は目覚ましく、もはやロマン武器ではなくなったばかりか、伝統的な高性能狙撃銃ライサンダーを超えるほどのトンデモ性能に。
    • アサルトライフル最高位モデルの「AF99ST」「AF100」も過去最高水準の性能に。
    • しかし、『4』の頃から最大の弱点であった移動の遅さは全く改善されず、高難易度のソロでは相変わらず他兵科より苦戦しやすい傾向がある。
  • BGM
    • DLCミッションでは過去作品の曲が使用されている。マザーシップが最終段階になった際に「円盤襲来」が流れるなど燃える演出を引き立てている。

問題点

  • 相変わらず様々な不満点が解消されないまま実装されている。
  • レタリウスの調整不足
    • レタリウスの吐き出す糸に捕まると移動が制限され、スリップダメージを受けながらネットにまで引きずりこまれる。
      • オブジェクトの窪みに引っかかれば解放してくれるが、それでも数十秒の時間が必要で、大抵の場合その間に他の敵に攻撃され殺される。
      • レタリウス本体にある程度ダメージを与えることで解放してくれるようになったが、そもそもレタリウスがネットの裏にいたら攻撃できない。
      • この糸は相変わらず壁を貫通する。ビルに隠れていても捕まるときは捕まる。
    • レタリウスのネットが硬すぎる。レタリウス本体どころか、物によっては何十万もの耐久値を誇る。
      • さらにEDF隊員の攻撃は防ぐくせに、フォーリナー側の攻撃は貫通する。何重にも重なったネットの向こうから糸を投射されたら詰み。
      • 貫通能力を有する武器でもネットは貫通できない。防御スクリーンはともかく、ネットくらいは貫通兵器で貫けるようにしてもいいはずである。
    • DLCではヴァリアント・レタリウスという新種が追加されたが、こちらも理不尽の塊。
      • 弾速が速すぎるため見てから避けるのは不可能。ビル街ならまだしも、平地ではどうやっても捕まる。ビルに当たった糸も大きくしなって壁を貫通する。
      • 射程も長すぎるため、狙撃武器で遠距離から一方的に攻撃することもできない。
    • ヴァリアント・レタリウスの登場でレタリウスの糸の先端は敵(フォーリナー側)にも当たって待機中の敵を起こしてしまうという謎のバグを有していることが判明。
      • もちろん、巣穴に当たれば巣穴がダメージを受けたと判定されてそこから出てきた敵が起動するという悪夢。
  • ドラゴンの調整不足
    • 『4』でも評判の悪かったドラゴンだが、あまり問題は解決されていない。
    • 根本的原因の火炎の威力・命中率がほぼ調整されず、体力と飛行速度を下げるという調整が原因。
      • 少なくとも、連射してくるのだから散弾状にする必要は無いはずである。
  • 地底が暗すぎる
    • 今作の売りのひとつであったが、いざプレイしてみるとあまりに暗すぎて非常にプレイしづらい。単にストレス要因が増えただけと言えばほぼその通り。
    • 電撃武器で照らすこともできるが、非常に目がチカチカする。まるでポケモンフラッシュ。今どき、こんな点滅表現を含むものが市場に出回るとは。
    • ヘルメットのライトで多少照らすことができるが、それでも微々たるもの。
      • またこのライトは主人公(カメラではない)の頭が向いている方向を照らすため、リロード中や緊急回避中などは正面を照らさない。
      • 燃焼している限り周囲を照らし続けるナパームなど、新たな使い道が生まれた武器もあるが・・・。
  • デプスクロウラーの調整不足
    • 地底でも要請可能な新ビークル。壁や天井にも張り付いて歩ける特徴があるが搭乗中のカメラワークが悪く、壁や天井に張り付いている時でもカメラは水平で固定のため非常に操作しづらい。3D酔いには注意。
    • 耐久値が紙すぎる。乱戦となる危険の少ない地底向けとはいえ、非搭乗時はNPC隊員の誤射でも即大破するレベル。
    • レンジャーや生身のエアレイダーと同じく、普通に歩くより緊急回避を連発する方が速く動けてしまう。
    • 搭乗口の判定が小さく乗り込みにくい。乗り込む際に後脚が邪魔になりやすい。
    • 要請に必要な功績値の低さの割に攻撃性能は高いので、コストパフォーマンス自体は良い。
  • フェンサーの武器へのテコ入れがほとんど無い
    • 他の兵科では武器の調整が多く行われ、新武器も追加されたりしたがフェンサーは特に無し。
    • せめて武器のアイコンの使いまわしを解消するとかぐらいはしても良かったのでは?
  • 過去作からの使い回しが多すぎる
    • 初代EDF自体が流用によって成立した作品というだけあって、本作もまた使い回しが非常に多い。しかし、特に『2P』以降使い回しに頼りすぎている感が強い。使い回しは時間・予算・労力の削減にはなるとはいえ、本シリーズは節度を知らない。
    • 敵の新種も相変わらず色違いが多い。本作初登場の敵の内、緑蟻・黄緑蟻・赤蜂・赤飛行ビークル・紫レタリウス・赤デスクイーン(いずれも正式名は異なるが便宜上色で表記した)は全て既存の敵のモデルを流用している。
      • 初代から赤蟻やエースファイター(レッドカラー)が登場していたが、『2P』からは金蟻・紅蟻(本作の紫蟻に相当)・銀蜘蛛が登場し、『4』のDLCからは黄ドラゴン・赤ドラゴン・金クイーン・銀大蜘蛛が登場と、『2P』以降量産されている。
      • 行動パターンの違いはあるものの、見た目がワンパターンすぎて手抜き感が強い。
  • チャット関連
    • 『4』から内容が見直されたが、やや疑問符の付くところも。
      • 倒された味方や途中参加者を待たせてしまった際に有用だった「待たせてゴメン」という定型文が削除されてしまった。
      • ボイス付きでかっこよかった「すべて片付けるまで油断するな!」も削除されてしまった。
    • テキストチャットにウイングダイバー用ボイスが追加されたのだが、どれもかなりの棒読み。
      • ウイングダイバーには歌う系のボイスが追加されておらず、「歌う」になっていない。また、この歌は全部で8パターンほどあるが、チャットではそのうち3パターンしか歌えない。
  • その他、『4』からの変更点の問題・新要素の問題
    • 敵総数の増加などにより、『4』に比べて難易度はやや上昇。特にオンラインでは余計に初心者お断りの性質が強まってしまった。
    • 『4』では360版のみ可能だったオンラインでの画面分割プレイができなくなった。純粋は2人プレイはもちろん、達成率や稼ぎの進捗ペース底上げも不可能になった。
    • 『4』ではPS3版のみ可能だったオンラインでのサーバー選択ができなくなった。フレンド専用部屋やリスナー専用部屋が余計に邪魔になってしまった。
    • レンジャーの緊急回避は障害物を壊して進めるようになったが、破壊判定が回避の出始めにしか出ないため、依然としてガードレールなどに引っ掛かりやすい。常に破壊判定をまとっているフェンサーと比べるとまだまだ移動の阻害を受ける。
    • レンジャーはNPC隊員を配下に入れるメリットが大きくなったが、鈍足ゆえに合流に時間がかかる。オンラインだと、伝達しない限りはウイングダイバーなどに先に拾われてしまう。また伝達しようにも適切な定型文は用意されていない。
    • エアレイダーのビークルが1人3台まで要請できるようになったが、4台目を呼び出すと古いものから壊れてしまうにも拘らず新旧を判別する方法が自力での記憶しかない。
      • また、協力プレイで複数のエアレイダーが同じビークルを要請した場合、どれが誰が呼び出したものなのか判別できない(これは『4』でも同様)。
    • 位置指定マーキングが電磁トーチカ越しにセットできない。トーチカの向こうに居る敵ではなくトーチカ自体にセットされてしまう。ミッション「殺戮の女王」の武器稼ぎ部屋では、トーチカ越しに必死にマーキングしようとするプレイヤーも少なくない。
    • 『4』から性能の上下した武器があるが、武器Lvが適正に調整しきれていない。
      • レンジャーで例えると、「AF99ST」「ハーキュリー」「ストリンガーJ9」などは優秀でありながらLvが据え置かれたのに対し、「バッファロー・ワイド」はさほど強力でないにも拘らずLvだけが85→92と上がっている。
    • 音声が基本的に『4』からの使い回しのため、『4』から変更された箇所の一部と食い違いが生じている(飛行ビークルなのに飛行ドローンと言うなど)。
      • 『4』から内容が改変されたミッションでも解説文がそのままで、そのミッション内からいなくなった敵が解説に書かれていたりする。
    • カラー変更と対戦モードの専用BGMがどちらも廃止され、作戦指令本部BGMで統一された。普通にプレイしていれば短時間しか聴けなかったとはいえ、せっかく用意されていた専用BGMの廃止は地味に寂しい。ただでさえ聞き飽きやすい作戦指令本部BGMを聴く時間がさらに延びた。
      • DLCには『3』のBGMが採用されたが、非DLCでも使えるようにほしかったという意見も。
    • レーダーの他プレイヤーを示す丸印がサイズアップし、基本的な見やすさは向上したが重なるとむしろ見づらくなった。
    • レーダー上のNPC隊員の表示色が青色→水色に変わったが、アイテムの表示と色相が似ており、双方の距離が近いとかなり判別が難しくなってしまった。

賛否両論点

  • シールドベアラー
    • 『4』では置物扱いされていたシールドベアラーだが、今作では大幅に強化。
      • AIが改変され、護衛対象に張り付いて移動するようになり、攻撃を受けると逃げるようになった。移動速度が向上し、防御スクリーンの展開範囲も広くなった。
    • なかなか賢いAI自体はプレイヤーに受け入れられてはいるが、移動速度に関しては賛否両論。
      • 機動力の低いレンジャーでは逃げまわるシールドベアラーを追撃することができない。そのためトドメを刺すのに時間がかかる。
  • 緑蟻
    • DLCミッションにのみ登場する敵。正式名称「強食変異種」で、性質を一言で表すのならば大量地獄である。
      耐久力と引き換えに圧倒的な物量と速さを手に入れた難敵であり、あっという間にレーダーを赤点で埋め尽くすその姿に初見ではあっけにとられるだろう。
    • こいつが出現するミッションに限ってカクカクレベルの処理落ちが発生することがある。言い換えればPS4の性能すら食いつぶす程の数と速さを誇る。
    • とにかく武器の相性がものをいう敵であり、弾幕を張りづらい上にリロードが重いフェンサーにとってはこの上ない難敵として立ちはだかる。
    • この敵自体が問題というより、この敵が出現するミッションでは緑蟻に対抗する為の武器を選ぶことを強いられる為、プレイの幅を狭めていることが問題と言える。
    • 次世代機でこそ実現した新たなベクトルの強さを持つ敵であることは確かであり、低耐久力故に火炎放射器や代々ネタ武器の代表格だったサイクロンレーザーに使い道が生まれたという側面もあるのだが。
  • アイテム回収
    • 敵の数が増えたため、結果的に回収することになるアイテムの総量も増加。
      しかし依然としてプレイヤーがわざわざ拾いに行かなければならない。水没アイテムも相変わらず回収不可。
      • 足の遅いレンジャーではなおのこと苦痛であり、全部回収しようと思うとマップ中を転がり回る必要がある。
      • だがこれは「無理に回収しなくてよい」「回収もゲーム性」「回収はEDFの伝統」としてシステムの改変を望まない声も多い。
      • 一方で、救済要素たる「アーマーの強化」がレンジャーだけ極端に不利なのも事実であり、ここはもう少し考えるべきだった。
    • さらに本作の大規模ミッションでは戦闘中に表示上限(128個)に引っかかってしまい、回収するまでアイテムが出なくなってしまう。
      • このため敵の総数に合わせて上限を引き上げるべきという声が強い。
  • リムペットガン系の性能変更
    • 連射速度とリロード速度が向上した代わりに威力と爆破範囲が低下。産廃だったスナイプガン系の性能が大幅に上昇し実用レベルに。
    • 一方、スナイプガン系を除くリムペットガン全種を一律的に性能変更という大味な調整のため、ランチャーとヘビーガンが産廃に転落してしまった。
  • ワイヤー系の弱体化
    • エアレイダーの特殊武器のワイヤー系が『4』から威力が1/3と大幅に弱体化され、攻略に使える場面が減った。
      この「初登場時は強過ぎて、続編で一気に弱体化」という流れは、ウイングダイバーのレイピアで一度やってしまっている。
    • 『4』では確かに強力だったが、産廃化については意見が分かれる。威力低下に合わせてリロードも軽くしてほしいという声もある。
    • ただ、支援要請やビークルで戦うのがエアレイダーの本領であり、他兵科のような生身の戦闘力は不要という意見もある。
      • 今作におけるエアレイダーの能力調整はビークルの強化・生身の戦闘力の弱化が多く、この意見に概ね合致している。
        しかし、最低限の自衛武装がほとんど無くなってしまった点はやはり痛い(特に食らいつきからの脱出)。
  • 歩行要塞バラムの弊害
    • 攻撃方法は原始的なパンチや踏みつけのみ(一部のモデルは砲塔を搭載しているが弾薬は有限)だが、これには弾薬を必要とせず、機体が大破しない限りは永久に戦える。
    • 耐久力も桁違いに高く(最高位モデルでは何と62万超)、操縦席にはエアレイダーとレンジャーだけでなく、ウイングダイバーとフェンサーも乗り込める。
      • エルギヌス戦での詰み防止のためとはいえ、ウイングダイバーやフェンサーでも操縦できてしまうのは頽廃的だという意見もある。
    • 非常に頼もしい兵器なのは確かだが、ただでさえ使い道の少ないタイタンやブルート、プロテウスなどの立場を余計に喰ってしまっている。
      • 特にプロテウスの立場は悲惨。『4』で「巨人」と渾名されていたがこのバラムの方が遥かに巨大であり、もはや巨人でもなくなってしまった。その上呼び出す為に必要な功績がバラムよりも多いという始末。バラムは輸送機ヒドラ4機に吊られてという大掛かりな演出で呼び出されるが、プロテウスは自身よりも小さなコンテナに収まってヒドラ1機が運んでくるという至って普通の演出。
      • 固定配置のプロテウスを活用できるミッション「魔山の巨人」も続投だが、2つ手前のミッションに「巨人たちの戦場」が追加されたため、もはや今更「巨人」には見えない。「巨神船」のアルゴの巨大さに驚くEDF隊員がプロテウスとサイズを比較しているのにも不自然さが生じている。
    • バラムも無類の強さを誇るという訳ではなく、小型の敵に密着されると対処出来ないという巨大ロボ特有のお約束を再現した弱点はあるのだが、そんなことは他のビークルだって同じわけで…。
    • とどのつまり、後付け特有の矛盾やバランス悪化を露骨に生み出してしまっている。本作は移植作であるし、バラムがらみの演出も好評だが、会話や演出についてもっと調整すれば良かったのかもしれない。

総評

『地球防衛軍4』の移植改良版でありナンバリング上ではわずか0.1の変化ではあるが、実際のゲーム内容は単なる移植に止まらないあらゆる面での改変改良が施されているため、純粋に新作として楽しむことが出来る。

その一方で未だに改良されない部分や一部の敵や武器の調整方法や多すぎる流用、放置されているバグなど、今後フルプライスタイトルとしてシリーズを続けていくならばいずれ解決しなくてはならない『地球防衛軍』シリーズとしての課題が浮き彫りとなってしまった。

しかし、シリーズの評価点と伝統をしっかり引き継ぎながら快適で派手に進化を遂げた本作は、間違いなくシリーズの総決算的作品と呼べるだろう。


Win移植版

  • 基本的にはベタ移植だが、マウスエイム導入に伴って一部の武器の使い勝手が変化している。
    • 特に強力になっているのは対飛行ドローンやドラゴンへの攻撃全般。弾速がさほど速くないロケットランチャーでも移動に合わせてマウスを振りながら発射することでビシバシ当たる。
    • 逆に使いにくくなっているのがフェンサーの重火器とエアレイダーの乗り物。前者はマウスの動きに追随しない武器が多く、マウスエイムの利点が活かしにくいこと。後者はキーボード移動故に微妙な入力を受け付けないので制御が難しいというのが理由。

余談

  • 『4.1』という妙なナンバリングをしてしまったため、以下のような現象が引き起こされている。
    • 本作や続編『5』の批評において「4.5くらいの内容」といった表現が(肯定・否定問わず)度々用いられる。
    • 客観的には完全版商法にも見えるため、『5』において「どうせ5.1が出るのでは」と警戒する者が現れる原因となってしまった。
      • ただ、「内容や対応機種が変わったアップグレード移植版」であることなどを示すためには仕方なかったのかもしれない。

その後の展開

  • 2022年12月22日にNintendo Switchで『地球防衛軍4.1 for Nintendo Switch』が発売。
    • ちなみにこちらは上記のものが正式タイトルで「THE SHADOW OF NEW DESPAIR」の副題は付かない。
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最終更新:2023年05月11日 16:16

*1 Win版の開発をサンドロットと共同で担当。

*2 2018年7月24日に販売価格が改訂された。