スーパーリアル麻雀 PII
【すーぱーりあるまーじゃん ぴーつー】
ジャンル
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脱衣麻雀
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対応機種
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アーケード
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発売元
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タイトー
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開発元
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セタ
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稼働開始日
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1987年
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判定
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なし
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ポイント
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スーパーリアル麻雀シリーズ、 そしてアニメーション脱衣麻雀の原点 手の付けられないえげつない難易度 焼き直しが空前のヒットに
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スーパーリアル麻雀シリーズリンク
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概要
セタは古くから麻雀と縁深く、アルバが発売した『リアル麻雀牌牌』の開発を手がけていた実績を持ち、1985年に開発された『リアル麻雀牌牌』では、「プレイヤーが和がると脱ぎ、負ける(または流局する)と着衣する」「2人対戦のスコア形式」「女の子はウェイトレス・看護婦・女子高生から選べる上に可愛い」と、脱衣麻雀のウリとなる部分を確立したことで一定の人気を得ていた。
それらの実績を元に、1987年にリリースされたアーケード向け麻雀ゲーム『スーパーリアル麻雀PI』は、洗牌(全自動雀卓でない雀卓で、牌をシャッフルすること)・ツモ・倒牌や相手の仕草など麻雀の「リアル」な動作を追求した意欲作だったが、当時のアーケードは「麻雀=脱衣麻雀」であり、脱衣要素が無かったPIの人気は今ひとつであった。
そして同年に「ロンよりショウ子をみせたげる」をキャッチコピーに引っさげ、アニメーターの田中良氏を起用して脱衣アニメーションを導入するなどの大幅なテコ入れが功を奏し、大ヒット作品に大化けすることとなった。
それが、本作『PII』である。
シリーズ上は第2作という位置づけではあるが、実質的には「PI」をベースに脱衣アニメーションを追加したバージョンアップ的位置づけにあたり、
アニメーション以外の要素は第1作目をそのまま踏襲している。
特徴
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従来の脱衣麻雀は一枚絵が多く、脱衣シーンでも服が消えるものや、脱衣アニメーションといっても数パターンしかないコマ送りのようなアニメーションや目・口などのパーツが動く程度のものしかなかった。
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そんな中、本作では基板性能+技術力+田中良氏の画力をフルに活かし、従来の脱衣麻雀のアニメーションレベルを遙かに凌駕する脱衣アニメーションを実現させた。
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タイトル画面のスタッフクレジット画面でのショウ子の振り向き一つを取ってみても、明らかに当時の他作品アニメーションのレベルを超えたアニメーションであることがわかるだろう。
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本作でショウ子のキャラクターボイス(と役の読み上げ)を担当したのは声優の山本百合子。
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『北斗の拳』のユリアや『魔法使いサリー』の夢野サリーなど、有名なヒロインや主人公を複数務めており、現在ではナレーション等でも活躍するベテラン声優である。
また、ゲーム作品ではタイトーのLDゲーム「タイムギャル」の主人公レイカ役でよく知られている。
システム
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イカサマ要素の無い(ということになっている)、純粋な二人打ち麻雀。一回和がるとショウ子が一枚脱衣し、和がられると一枚着てしまう。
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下着一枚まで脱がせた後も、さらに勝つことで3パターンのアニメーションが見られる。また、役満で和がると…。
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スタート時の持ち点は0点。一局終了時の得点計算の結果0点以下になった場合はゲームオーバー。(プレイヤーとCPUが双方テンパイでも0点なのでゲームオーバー)喰い断は無いが後付けはある。一発・裏ドラ・ダブル役満(それ以上も)あり。
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脱衣が打ち止めになってもゲームクリアにはならず、上記のゲームオーバー条件を満たさない限りは延々と続くが、難易度はどんどん高騰していく。
評価点
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なんといってもアニメーションのレベルの高さが挙げられる。田中良氏によるショウ子のキャラクターは麻雀プレイヤーの心を確実につかみ一大人気作品となった。
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また、脱衣画面写真が掲載された当時の「ゲーメスト」は爆発的な売れ行きを見せ、非麻雀プレイヤーの心までつかんでしまった。
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本作と続くPIIIのヒットは、設定画集やビデオ、さらにはファンブックなど様々なメディアでの展開を切り開くきっかけとなった。
問題点
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ゲームバランスはお世辞にもいいとは言えない。
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大きな役で上がると難易度が急激に上昇するのか、その後のコンピュータの手が格段に良くなり、一度役満で上がろうものなら「カン→カンドラもろ乗り」や「役満に近い積み込み」、さらにはコンピュータによる天和などとんでもないプレイを連発してくる。ゲーム部分だけを取り出せば「クソゲー」評価されても仕方ない内容である。
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さらに難易度は「基板の累計稼働時間」も上昇要素となっており、年季の入った基板は最高レベルに達していることが多い。
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そして相手が無茶苦茶やってくる一方でこちらはイカサマ一切不可能。結局スーパーリアル麻雀シリーズを通してイカサマは実装されなかった。
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『ジャンピュータ』以来絶えることのなかった「100円投入後、開幕早々天和喰らってゲームオーバー」による犠牲者はこのゲームでも相変わらず出ている。ここまで来ると「難易度ばかりが高い脱衣要素の無い脱衣麻雀」という誰特な作品になってしまう。
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画像
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容赦の無いCOMの猛攻。コンティニューなどという甘いものは無い。
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総評
本格的なアニメーションを取り入れた本作のヒットは後のシリーズ作展開にも結びつき、他メーカーにも少なからず影響を与えることとなった。
難易度はやたらと高いのだが、それを補って余りある魅力が本作にはある。実際にどれだけの人がそのアニメーションを見れたかは別問題としても、ある意味、「高難易度のご褒美は高難易度に見合うクオリティの高い脱衣アニメーション」という構図がプレイヤーを刺激し、高インカムにつながったと言えるのではないだろうか。
余談
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後にショウ子は高校2年生と設定されたが、本作の対戦相手は『PI』からの流用と言う関係でタバコを吸うキャラとなっているため、本作の対戦相手は「打ち役の成人女性と脱ぎ役のショウ子の二人組」と言う設定になった。後の脱衣麻雀ではプレイヤーがこの状態の作品も存在する。
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『PIII』以降はタバコ関連のアニメーションは無くなっている。雀荘で打っているであろう『PII』までとは違い、『PIII』以降はプレイヤーがヒロイン達の部屋に招かれて打っている設定が多いからだろう。
高校生が雀荘に出入りして良いかどうかまでは知らん。
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『PII』の脱衣画像をゲーメストが掲載した所、
売上が倍増した。
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もっとも、快挙だけではなく、書店で該当ページを破くなどの問題も発生した。
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この『PII』にはランクが存在するが、それは
稼働すればする程どんどん上がる
というとんでもないもの。
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電源がオフになっても、ハイスコアのバックアップ電池が生きている限りランクは残る。そのため、現存する基板は最高ランクになっている(筈)。
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一応、麻雀コネクタ端子をショートさせるとリセットは可能だが、自己責任で。
移植版
『スーパーリアル麻雀PII&PIIIカスタム』(PCエンジン)
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ナクザットがIIIとのカップリングで移植。家庭用を考慮して脱衣は抑えられている。
『スーパーリアル麻雀PII&PIII』(PC-9801、FM TOWNS、X68000)
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ビングがIIIとのカップリングで移植。麻雀ゲーム部分は残念ながらPIIIモード同様PIIIベースであり、声優も替えられている。ただし難易度はかなり低下している。
余談
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『PII』ということは『PI』もあるわけで、実は同じ1987年に稼働開始している。
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『PI』は「パート1」ではなく麻雀の「牌」(パイ)だったのでは、などの推測もあるが、タイトルが読み上げられることはないので実際のところは不明。
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麻雀部分のシステムはほぼPIIと同じだが、洗牌・理牌・ツモ・倒牌などの細かい仕草をアニメーションで表現しているほか、リーチをかけたときにタバコの煙を吹いたり、捨て牌等に時間がかかりすぎると台を揺らしたりするなど芸が細かくなっている。
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「脱衣麻雀」という
全くリアルではない
要素を売りにしている本シリーズになぜ『スーパーリアル麻雀』というタイトルが付いているのか、という疑問を抱くプレイヤーがしばしば出るが、それはこういった経緯によるものである。
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スタート時の持ち点は0点。一局終了時の得点計算の結果0点以下になった場合はゲームオーバー。喰い断は無いが後付けはある。一発・裏ドラ・ダブル役満(それ以上も)あり。ゲームオーバー条件を満たさない限りは延々と続くが、難易度はどんどん上昇していく。
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配牌時にツモ山の洗牌を行う。その直後に一旦表になっている牌を裏返すのだが場所はそのままになるため、ツモ牌の先読みがある程度可能である。
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画像
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タバコと台揺らし。台揺らしをされると強制的にツモ切りされる。
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最終更新:2024年06月13日 11:25