ダークエッジ
【だーくえっじ】
| ジャンル | 3D対戦格闘ゲーム |  | 
| 対応機種 | アーケード(SYSTEM32) | 
| 発売・開発元 | セガ・エンタープライゼス | 
| 稼働開始日 | 1993年1月 | 
| 判定 | ゲームバランスが不安定 | 
| ポイント | 疑似3D方式での初の本格格闘ゲーム キャラ操作が非常に困難
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概要
格闘ゲームがブームとなる中、セガが出したスプライト機能ベースでの疑似3D機能を使った3D格闘ゲーム。
巨大コンピュータ「RULER」に支配されたディストピア的な世界観の中、その支配から逃れるべくRULERを倒すのが目的。
システム
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操作系統は8方向レバーと弱・強のパンチ・キックボタンとジャンプボタンの操作系統。
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下段攻撃はレバーニュートラル+攻撃ボタンで出せる。
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防御については敵の向いている方向と逆方向にレバーを入れることで行う。
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飛び道具は全キャラクター共通で装備しており、いわゆるため技コマンド+パンチボタンで射出できる。
 
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登場キャラクターはプレイヤー操作可能キャラが6体、ボスキャラクターが2体。
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1人プレイ時は6人目が同キャラ対戦、その後ボーナスステージを経て中ボス→ラスボスとの戦闘となる。
 
    
    
        | + | 登場キャラクター一覧 | 
THUD the Samurai
侍のスピリッツと伝統をもつアメリカ人で二刀流(雷斬剣・風雲丸)の達人。精神のパワーを信じ、カミナリを操る。「能ある鷹は爪を隠す」の格言に従い、刀は最後まで鞘に納め、居合い抜きを信条としている。人間の意志を尊重しているので、機械仕掛けの武器を毛嫌いしている。
バランス型のキャラクターだが、どの技も水準以上で使いやすい。
 
BLOOD the Bio-Monster
遺伝子操作によって生まれた怪人で、生物兵器として生まれてきたらしいが、真実は謎に包まれている。伸縮する爪と鋭いヒレが武器。柔軟で頑強な肉体で、投げ技に長ける。
 戦うことを本能とし、体内で分泌される毒液を吐き出す。
通常技のリーチが長めな投げ技主軸のキャラクター。ただし射撃性能が低いのが難点。
 
YEAGER Sonic Breaker
最強の戦士になるためサイボーグとなったドイツの元戦闘機パイロット。体内にロケットエンジンを装備し、その重量のためホバリングで移動する。また高速飛行が可能。
 空を飛ぶことをこよなく愛しており、世界最強最速の男となるために、日夜戦い続けている。
その目標とは裏腹に機動力は並みの域を出ず、打撃のリーチも短め。高速飛行の必殺技による奇襲が主軸のトリッキータイプ。
 
GOLIATH with PowerSuit
工事用機材を改造したパワースーツを着用した労働者。労働者の期待を一身に受け、終わりなき戦いに身を投じる。動きはニブイが攻撃は強力。パワースーツは総重量1tにもなり、ガライアスの力をもってしても機動力を制限されている。
パワータイプのキャラクターで、リーチ・攻撃力ともに絶大だが動きが遅く技の隙も大きい。
 
GENIE the martial artist
女性武術家。もともと良家の御嬢様だったが戦闘のスリルに魅せられ、戦いに身を投じる。女性らしい美しさを第一に考え、身体を隠さず、筋肉の敏捷性をアップさせる超軽量バトルスーツを開発、着用する。
 身体に傷を付けることを最も嫌い、相手の攻撃をかわすスピード重視の戦闘スタイル。
攻撃力こそ低めだが敏捷でリーチも長く使いやすいキャラ。
 
M.E.K. Mechanical Enforced Kommando
ヨーロッパ出身の傭兵。戦争の負傷でサイボーグ手術を受け、全身にサブマシンガンをはじめとする武器を内蔵する。傭兵として金を稼いでいたが自分を戦争に送りこんだ全世界を支配する支配者の存在を知り、復讐を誓う。
必殺技全てが飛び道具で射撃もパンチ・キックで2タイプを使い分けられる飛び道具特化型。ただし通常技の性能が低く移動スピードも遅いため、後述の仕様も相まってかなり使いづらい。
 
    
    
        | + | ボスキャラクター一覧 | 
RAM-X
RULERがプレイヤーキャラクターを危険視したため、その抹殺のために送り込まれたロボット。RULERの収められているドームで対決することとなる。
本作の中ボスで、YEAGERをさらに高速化したタイプのキャラクター。
 
RULER
本作品の世界を支配する超巨大コンピュータ。顔の付いた二本の腕を持つ柱のような外観をしており、多彩な防衛装置を有している。
本作のラスボスで、多彩な飛び道具を主軸に攻撃してくる。2本中1本とれば勝利だが、時間切れでは勝利扱いにならないため、必ずKO勝ちを収める必要がある。
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問題点
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操作が非常に困難。
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ゲームスピードが速いために初見では相手との位置関係を把握することすら難しく、敵の攻撃を防御するだけでも困難。
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必殺技のコマンドがレバー半回転や1回転を要求するものが多く、レバーの最終入力地点が敵の方向に合わせていないと発動しない厄介な仕様のため、必殺技の発動もこれまた難しい。
 
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キャラクター間のバランスもあまりとれていない。
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基本技の性能がよく必殺技も使いやすいサッドやジーニィが優秀な一方、基本技の性能の低いイェーガーやM.E.Kはかなり厳しい。
 
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上記の仕様も相まって難易度は高い。
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特に射撃をメインで使うごとに敵のランクが上がってくるため、射撃メインで戦闘するとすぐに敵のランクが上がってしまう。
 
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プレイ可能キャラが6人と少なめ。
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これはゲームの特性上、大量のスプライトを利用していることもあり仕方のない側面もあるのだが。
 
評価点
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グラフィックは非常に美麗で、当時リリースされた作品の中でも屈指の出来栄え。
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演出面の斬新さも相まって見た目のインパクトは抜群。
 
総評
時代を先取りするセガらしい早すぎた3D格闘ゲーム。
意欲的ではあるものの、操作系統を3D専用の操作系統にしたにもかかわらず2D格闘系のシステムに縛られている側面もあるため、最後まで操作性の難に悩まされる作品。
ただし、その数ヶ月後にあのバーチャファイターが出たことを考えると、「失敗は成功の元」とも言える作品である。
余談
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コミックゲーメストにてコミカライズ版が連載されていた。作者はなかどくにひこ氏。主人公はジーニィとM.E.K.だが、登場人物の設定は原作とは若干異なる。
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一応プレイヤーキャラクターは全員登場しているものの、残念ながら打ち切りとなってしまった。単行本は1巻のみ出版。
 
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長らく移植の機会はなかったが、2020年12月17日発売のアストロシティミニに収録された。
最終更新:2022年04月22日 10:56