化石創世リボーン

【かせきそうせいりぼーん】

ジャンル ロールプレイング
対応機種 ゲームボーイ
販売元 スターフィッシュ
開発元 フリークソフト
発売日 1998年7月17日
定価 3,980円
プレイ人数 1人
セーブデータ 1個
レーティング CERO:A(全年齢対象)
判定 なし
ポイント 化石にスポットを当てたポケモンフォロワー
あまりに優しいローグライク風ゲーム
早過ぎたカセキホリダー
化石創世リボーンシリーズ : I - II


概要

  • ある日地下の世界を掘り当てた人類。そこには見たことがない生物や、化石によって生まれた生物が数多く存在した。
    その世界に人類は探索隊を派遣。主人公は兄が参加している探検隊の乗り物に密かに乗り込み、地下世界のベースにまでくっついてきてしまう。
    すぐに地上に帰す手段がないため、主人公は特例で地下世界の調査に参加することとなった。
  • 釣りゲーでお馴染みのスターフィッシュが販売した、ポケモンフォロワー作品の一つ。
    • しかしメインシステムはローグライク風のゲームのため、どちらかというと不思議のダンジョンシリーズにモンスター収集要素を入れたという方が的確。
  • 基本的には洞窟に潜り、ダンジョンの底までたどり着いてボスを倒し戻ってくる。これを繰り返す。

特徴

  • モンスターの加入方法が化石を再生させる。
    • ダンジョンには様々な種類の化石が落ちている。それをベースに戻って再生させることで加入する。
    • 化石は種類を「あたま」の化石で決定し、「からだ」「てあし」でパターンを変更させることができる。
      • 何が再生されるかはシルエットで確認できる。
    • 全106種のモンスターがいるが、その全てが化石の配合で加入させることができる。

問題点

  • あまりに難易度が易しめ。やろうと思えば1時間でクリアできる。以下にプレイヤー有利となる要素を挙げる。
    • 対象年齢が小学生向きのためか、ゲームをクリアするのにほとんど苦労しない。戦闘システムとも相まって難易度が優しすぎるとも言える。
      • ダンジョンを潜っていく不思議のダンジョンスタイルにして、1階層分下に降りられる「つるはし」が店売りで値段も安価。基本的にはダンジョンで取れる化石を売って、つるはしを買い一気に最下層まで降りていく方針となる。
  • 必ずこちらから先手を取れる。
    • ローグライク風のゲームではあるが戦闘形式はポケモンで、シンボルとエンカウントしたらそのまま攻撃メニューが開かれる。この際、こちらが必ず先攻を持つ。行動順に素早さは考慮されない。
  • 吹き飛ばし攻撃でハメが可能。
    • 上述通り、戦闘に入った際必ずこちらから攻撃が可能なのだが、モンスターの技の一つに敵を直線状に吹き飛ばせる効果を持つ技がある。
      一度接敵状態から離れると戦闘終了扱いとなるため、これらが組み合わさり、エンカウント、吹き飛ばし攻撃で戦闘終了、エンカウント、と一方的に攻撃することが可能。これがボスでも有効。
  • ボスのHPが低い。
    • このゲームにはアイテムとして「おおいわ」や「しゅりゅうだん」といった、確定ヒット、固定ダメージのアイテムがある。
      「おおいわ」は100ダメージ、「しゅりゅうだん」は200ダメージなのだが、通常ボス4匹のうち最大のHPを持つラスボスでさえ「しゅりゅうだん」2個で倒せる。「おおいわ」こそダンジョンで拾うしかないが、「しゅりゅうだん」は店売りアイテム。
  • ダメージ計算式が防御側有利
    • 最終的なダメージ量が、攻撃側の最終計算-防御側の防御値となっており、防御値が最大数値の255だと攻撃側がどれだけ高い攻撃値を持っていようが基本的には1に抑えられてしまう。
      敵味方双方に言えるリスクではあるが防御値が高いにこしたことはない。
  • 最初に取れる1匹と、+1匹でクリアが出来てしまう。
    • 最初に博士からのプレゼントとして連れていける(再生できる)モンスターの中に、攻撃型、吹き飛ばし技持ち、良成長といいとこ取りの「トリケン」というモンスターがいる。この存在のおかげであと1匹任意に連れて行くだけで攻略では苦労しにくい。
    • この手合のゲームの性質として、最初の1匹を育て続ければゴリ押しが効くというのはありがちだが、このゲームの場合は「手榴弾」の存在で中盤からアイテム任せにできてしまうのでそれ以前の問題。
  • モンスターの成長タイプに格差がある。
    • 当作品には4種類の成長タイプがある。これは種族に関係なく個別に振り分けられているのだが、ここに格差が存在する。
      • 「攻撃型」は攻撃値が右肩上がりに成長、途中から耐久、運もよく伸びる。モンスターの固有技(ひっさつ)を覚える速度が速い。
      • 「防御型」は防御を中心に上がるのだが、ダメージ計算式の都合か防御が最大値まで上がりきらないモンスターが多く中途半端な完成型となる。固有技も強力だが覚えるのが遅い。しかも防御値無視の固有技が存在するため、長所が死んでしまう。
      • 「素早さ型」は「速さ」こそ上がるが、他のステータスが他の成長タイプに比べて圧倒的に劣る。固有技の取得レベルも速いが、まともな効果を持たない。このゲームでの「速さ」は敵から逃げる時にしか使わないため存在価値があまり無い。
      • 「バランス型」は晩成型で全てのステータスが高水準に上がる。序盤の成長速度が遅いものの、最終的には攻撃のみ攻撃型に負ける程度にまで成長する。
    • 以上に観点からどうプレイしても「攻撃型」「バランス型」を選ぶのがベターなのだが、これらを判断する基準がない。見た目でもあまり判断がつかない。
  • 化石の収集がし辛い。
    • モンスターの図鑑を揃えるには自然と化石による再生に頼らざるをえないのだが、ダンジョンの1階層で入手出来る化石はその階層に出る種類の化石に限られる。よって狙いの化石が出るまでは何度も通わないといけないのだが、ドラゴンの化石が特に出にくい。
      • クリア後のエクストラダンジョンでは全ての化石が出るためシナリオ上で固執する必要はないのだが、やっぱりドラゴンの化石は出難い。
  • 人間のグラフィックが子供向けらしくない。
    • モンスターは可愛らしいものから格好いいものまで揃っているのだが、人間のグラフィックがどうも垢抜けない。
  • 通信システムがない。
    • 育てたところでローグライク風でダメージ1同士が飛び交う泥仕合になるし、1つのソフトで図鑑が完成するため通信の必要性はないのだが、折角育てたモンスターが内々だけというのは寂しい。

評価点

  • 運に左右されにくくクリアが容易。
    • 召喚トラップで囲まれることでも無い限り、基本的には理不尽な死を迎えることはない。
  • 種類豊富なモンスターたち。
    • 当ゲームでは106種類のモンスターが登場する。グラフィックもかなり凝られている。
      • 当時のK-1ブームを反映したようなモンスターも。
  • 1つのソフトで全部が揃う。
    • ポケモンフォロワーとしては異質。

総評

子供向けのローグライクRPGとしては最低限の品質を保っている。
だが子供向けとは言え難易度は易しすぎるもので、ゲームバランス自体非常に悪い。
その他の問題も散見され、それらを補えるだけの評価点や特徴もない為、佳作と言った所だろう。

ゲーム性は全く異なるが、後に化石をテーマとした『カセキホリダー』シリーズが人気になった事を考えると、
この手の作品のテーマとしては珍しい「化石」に焦点を当てた着眼点は良かったと言える。

その後の展開

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最終更新:2024年04月09日 08:00