山村美紗サスペンス 京都財テク殺人事件
【やまむらみささすぺんす きょうとざいてくさつじんじけん】
| ジャンル | アドベンチャー |  | 
| 対応機種 | ファミコン | 
| 発売元 | ヘクト | 
| 開発元 | トーセ | 
| 発売日 | 1990年11月2日 | 
| 定価 | 8,500円 | 
| 判定 | 良作 | 
| ポイント | 良くも悪くもFCらしいグラフィック 内容は安定の山村美紗
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| 山村美紗サスペンスシリーズリンク | 
 
概要
「山村美紗サスペンスシリーズ」の3作目。バブル期に流行した「財テク(財務テクノロジー)」を題材にしている。
今まではタイトー発売だったが、今回はヘクトへと変わった。開発は引き続きトーセが担当している。
ストーリー概要
物語は主人公が親友と待ち合わせをしている所から始まる。
友人の一人がいつまで経っても来ず、しばらくすると近くで騒ぎが起き始める。
様子を見に行ってみると、そこには待ち合わせをしていた友人の死体があった。
親友が殺された理由を探る為、主人公は事件を探り始める。
特徴
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システムは標準的なコマンド選択式ADV
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前作までは目や口等のアイコン選択によるコマンド選択方式だったが、今回は「はなす」や「とる」等、シンプルなコマンド選択式になっている。
 
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グラフィックはバストアップタイプ
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前作までは顔のアップで俳優を表現していたが、サイズが小さくなった事で、『ポートピア』等の一般的なADV同様のキャラグラになった。
 
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一部の場面では簡易的な株取引も可能
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シナリオが進むと株価が変わるので、売り買いで主人公が損したり、得したりする。
 
評価点
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シナリオは今回も良好
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大金の動く株取引、株取引会社内での成績争い、薬品会社社長令嬢と有能社員の政略結婚、ライバル企業によるスパイ工作や引き抜き等、様々な事情が絡んでいる。
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上記も相まって事件は二転三転し、最後まで怪しい人物が何人もいる事件となっている。
 
 
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あまり詰まる事無くシナリオに集中できる。
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選べるコマンドはその時々で必要な物が表示されるので、詰まる事はあまりない。
 
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BGM
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BGMはこれまでのシリーズ同様、サスペンスの世界観を演出する良曲がそろっている。
 
賛否両論点
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主人公の株取引による損得がゲームに影響しない
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あくまでシナリオ理解の為に、株取引がどういう物かを説明するための要素である。主人公が得しても損してもゲームには一切影響がない。
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実際、FCのメイン層である子供には必要な説明ではあるし、シナリオ外の要素で詰まっても仕方ないのでこれはこれで問題はないのだが、頑張って儲けても特に何もないのは寂しいと言えば寂しい。
 
 
問題点
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特徴のなくなったグラフィック
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メーカーが変わった影響が一番大きく出た点。今までの顔を大きく俳優を再現したグラフィックが「山村美紗サスペンスシリーズ」の作風に合っていた事もあり、今作のシンプルな画面はシリーズファンには残念な点。
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とはいえ、ファミコンADVとしては標準的なもので質自体も及第点と言えるレベルであり、あくまで今までの2作をプレイしていると気になる点である。
 
 
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シナリオのミス
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ライターとグラフィック担当の連絡ミスか、ライターの勘違いか、ある場所で友人が目撃されたシーンで、「髪の長い女性」が目撃されてしまっている。髪が長いのは主人公の方である。
 
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旅情感がない
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財テク関連の話がメインゆえに舞台が京都であることを感じさせてくれる要素が登場人物のしゃべり方以外になく、せっかく舞台が京都なのに旅情感がない。
 
総評
前作までの特徴であるグラフィックは平凡な物になったが、シナリオの良さは相変わらず。
システムやグラフィックも無難にまとまっているので、FCのミステリとしては十分良く出来た一作と言える。
余談
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2025年時点でプレミアが付いており、入手困難である。
最終更新:2025年02月21日 00:29