ドラゴンボールZ Ultimate Battle 22
【どらごんぼーるぜっと あるてぃめっとばとる とぅえんてぃつー】
ジャンル
|
格闘アクション
|

|
対応機種
|
プレイステーション
|
発売元
|
バンダイ
|
開発元
|
トーセ
|
発売日
|
1995年7月28日
|
定価
|
5,800円(税別)
|
廉価版
|
PlayStation the Best for Family 1996年12月6日/2,800円(税別)
|
判定
|
なし
|
ポイント
|
総勢27名の登場キャラクター PS初のDBゲー 超武闘伝シリーズの実質的続編
|
ドラゴンボールゲームリンク
|
概要
プレイステーションで発売された、人気アニメ『ドラゴンボールZ』の対戦格闘ゲーム。タイトル通り、当時としては破格の22名(+5名)のキャラが登場する。
システム・必殺技・BGMなど多くの要素がSFCの『超武闘伝』シリーズと共通しており、実質的な続編となっている。
特徴
登場キャラクター
+
|
... |
-
通常キャラ
-
孫悟空・少年孫悟飯・孫悟天・トランクス・ゴテンクス・TRUNKS(未来トランクス)・ピッコロ・クリリン・天津飯・グレートサイヤマン・界王神・凶戦士ベジータ(バビディに洗脳されたベジータ)・ザーボン・リクーム・ギニュー隊長・フリーザ・人造人間18号・人造人間16号・セル・ダーブラ・魔人ブウ(無邪気ブウ)・超ブウ(邪悪ブウ)
-
隠しキャラ
-
少年孫悟空・亀仙人・ミスターサタン・超サイヤ人3孫悟空・ゴジータ
|
モード
CPU戦・対人戦・天下一武道会に加え、好きなキャラクターを育成し保存できるBUILD UPモードが追加された。このデータは『ドラゴンボール FINAL BOUT』に引き継げる。
ストーリーモードは存在せず、CPU戦ですべてのキャラを倒すとエンディングとなる。
操作方法
パンチ・キック・光弾・舞空術といった基本的な操作は武闘伝シリーズと同じ。
さらにバックステップ・光弾弾き・気を消費して光弾をかき消すバリアーといったアクションが追加された。
グラフィック
キャラクターのグラフィックは超武闘伝2から続くスタイルとして東映動画のアニメーター描き起こしによる2Dセル画取り込みなため、クオリティは高い。背景はポリゴンで描写されるようになった。
アニメーションの導入
スタート時にオープニングアニメが流れるほか、対戦前後にはボイス付きの短いアニメが挿入され、悟空対フリーザなど特定の組み合わせでは原作を再現したやりとりが行われる。対戦前後のアニメは途中スキップできないが、オプションでOFFにすることは可能。
-
ロード時間は5~10秒程度で、当時としては平均的な長さ。
超武闘伝シリーズからの主な変更点
-
デュアルスクリーンによる画面分割やデモ必殺技が廃止された。その代わりキャラが離れるとカメラがズームアウトしてキャラは縮小されて表示されるシステム。
-
舞空術での上昇・下降がゆっくりになり、移動中にも攻撃が当たるようになった。この時も縮小機能を使用して同一画面で地上と空中を表示するようなシステムとなっている。
-
通常のエネルギー弾でも気力を消費するようになった。この時、相手が空中にいると、地上のキャラは相手のほうに手を向けてエネルギー弾を発射するようになった。
-
気力ゲージ溜めはパンチ・キック・光弾いずれかのボタンの長押しに変更された。気を溜められないキャラも存在する。
-
天下一武道会モードの参加人数が8名から16名へと増加した。
評価点
-
総勢27名に及ぶキャラクター
-
通常22名+隠し5名の27キャラが登場。武闘伝シリーズで最もキャラが多かった初代でも13名(うち2名は色違い)だったのと比べて大きく増加した。面子もナメック星編以降の主役級をほぼ網羅した上でクリリン・天津飯・ギニューなどこれまで登場しなかった人気キャラを揃えており、ファン納得のラインナップだろう。
-
超武闘伝シリーズの『1~3』の登場キャラに加え、MDで発売された『武勇列伝』のキャラを加えた今までのシリーズの総集編ともいえるラインナップ
-
隠しキャラ5名はタイトル画面で隠しコマンドを入力すると追加される(タイトル画面も「Ultimate Battle 27」に変わる)。中でも悟空の最強形態である超サイヤ人3や映画で鮮烈な印象を残したゴジータの登場はファンを喜ばせた。
-
亀仙人を演じた宮内幸平氏は本作発売前に亡くなっており、本作は氏の演じる亀仙人を操作できる数少ない作品でもある。
-
オープニングアニメの存在
-
全22キャラが順に登場する力の入った出来で、テレビアニメと比べても遜色ないクオリティ。
-
このアニメは隠しキャラ5名にも用意されており、スタッフのこだわりが窺える。
-
良質なBGM
-
武闘伝2・3の人気曲がアレンジされて使われているほか、新規曲も負けず劣らずクオリティが高い。特に未来トランクスのテーマは評価が高く、後に影山ヒロノブ氏のボーカル入り版が作られるほど。
-
その他の評価点
-
一部のキャラはピヨリ時や気力が切れた際に独自の動きを見せるようになった。特に「待ったー!待ったー!」と必死にタンマをかけるギニューは必見。
-
隠し技として原作で使われた必殺技が多数追加。瞬間移動かめはめ波や魔空包囲弾といった印象的な技から、悟飯がセル戦で放った構えなしからのかめはめ波など意外なもの、入れ替わりをきちんと再現したギニューのボディチェンジなどバリエーション豊かで、キャラの魅力向上に一役買っている。
-
魔貫光殺砲や気円斬など一部の技はガード不可能になっているなど、個性化も図られている。
問題点
-
デモ必殺技の廃止
-
デュアルラインの削除に伴ってシリーズの売りであるデモ必殺技が廃止。DBらしい派手な必殺技の撃ち合いを再現できるシステムだっただけに、ファンからは不満の声が大きかった。
-
かめはめ波などのデモ必殺技だった技は武闘伝2・3で至近距離で使った時のような発射が遅い代わりに威力の高い飛び道具となったが、近距離では余裕で潰され、遠距離ではジャンプや舞空術などで容易にかわされるため極めて使い勝手が悪い。
-
防御側の駆け引きも減少し、光弾を打ち返しての連打勝負は出来なくなった。気力を消費してかき消す事は出来るものの大抵の場合は普通に避けられるのでありがたみが少ない。
-
また、かめはめ波や魔貫光殺砲のような光線状の技であっても見た目は巨大なエネルギー弾になってしまうため、いわゆる魅せ技としての価値も低い。
-
やかましいくらいに迫力があったサウンドも欠片もなく、終始貧相なエフェクトとサウンドで表現されるため、拍子抜けする。
-
消費気力の増大。
-
エネルギー弾を撃つだけでも気力を消費するシステムなだけに全体的な気力消費量の増大は地味に痛い。すぐに気力不足に陥るため、かめはめ波も気楽には撃てない。CPUもよく気力不足でフラフラになるため、遠距離で誘ってわざと気力を使わせてフラフラにさせるというワンパターンな戦法に頼りがちになってしまう。
-
やや不親切になったシステム面
-
バトル前にライフや難易度を変更したり、ステージやBGMを選択できたりといった調整が不可能になった。
-
バトル中のオプションがなくなり、コマンド確認も不可能に。キャラクターの多いゲームだけにこれは痛い。
-
CPU戦はCOMが選んだ相手と総当たりで戦う形式で、こちらで対戦相手を選べなくなった。
-
拡大縮小が激しく、キャラクターのグラフィックが潰れたように表示される事が多い。
-
対戦前後の会話に表示される一枚絵が下手
-
組み合わせによって特別なセリフや構図があるなどバリエーションは豊富だが作画のクオリティが低くせっかくの演出が台無しとなっている。
-
この掛け合い時のアニメの絵はよくみるとバトルに使用されている作画の立ち絵モーションの一枚を拡大して使用しているようなものもチラホラみかける。スペシャル名場面が見られる掛け合いの組み合わせでも、作画がいいものもあるが、妙に作画がおかしいものもあり、非常にアンバランス
-
ストーリーモードの不在
-
CPU戦やBUILD UPモードは延々とランダムで選ばれるCPUキャラを倒すモードとなる為、一人プレイのモチベーションを保ち難い。
-
豊富なキャラや原作再現デモといった要素を用意してあるだけにドラゴンボールのストーリーをなぞるようなモードが欲しかった所。
総評
登場キャラクターの大幅増加やアニメーションの導入などでキャラゲーとしての魅力は高まった一方、ゲーム性は武闘伝シリーズから進歩がなく、一部劣化した部分もあったりと、格ゲーとしてはあまり褒められた出来ではない。
とはいえ原作が超人気作品だけに多数の人気キャラクターを使える点は大きく、これといった不具合やストレスを感じる要素も見当たらないので、ドラゴンボールのキャラゲーとしては十分に遊べる出来ではある。
その後の展開
-
後にセガサターンにて本作と素材を共有している『ドラゴンボールZ 真武闘伝』が発売された。SS版ではシステム上本作では見られない作画も多く使用されている。(相手を画面奥に吹き飛ばすアクションなど)
-
同作は3Dステージから2Dステージへの変更、デュアルスクリーンの実装及びデモ必殺技の追加といった要素の追加によりほぼ別物のゲームシステムで製作され、タイトルの通り32ビット機版『超武闘伝』とも言うべき仕上がりに。
2作品は発売時期がかなり近いのでおそらく素材は元から共有する方向で開発も二本を並行して別スタジオが行っていたと思われる。
最終更新:2024年07月02日 22:25