戦国無双 Chronicle 2nd
【せんごくむそう くろにくる せかんど】
| ジャンル | タクティカルアクション |  
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| 対応機種 | ニンテンドー3DS | 
| メディア | 2Gbyte3DSカード | 
| 発売元 | コーエーテクモゲームス | 
| 開発元 | コーエーテクモゲームス(オメガフォース) | 
| 発売日 | 2012年9月13日 | 
| 定価 | パッケージ版:6,090円 ダウンロード版:5,400円
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| プレイ人数 | 1~2人 | 
| セーブデータ | 2個 | 
| レーティング | CERO:B(12才以上対象) | 
| コンテンツアイコン | セクシャル・暴力 | 
| 判定 | 良作 | 
| ポイント | 進化した主人公周りのシステム 前作以上にやりこみ要素が満載
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| 無双シリーズ | 
 
概要
ニンテンドー3DSのロンチタイトルとして発売された『戦国無双 Chronicle』の続編。ただし、正確にはバージョンアップ版であり、シリーズでいうところの猛将伝+無印的な内容である。
主な追加・変更点
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藤堂高虎・井伊直虎・柳生宗矩の三人の武将が追加された。
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主人公のカスタマイズの強化。
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if展開を含めたシナリオの追加。
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スコアアタックモードである「猛将演武」の追加。
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すれちがい通信の簡素化。
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無双演武に難易度「天国」の追加(Ver.1.1以降)。
評価点
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各勢力ごとのマルチストーリーとなり、一部ではあるが、両サイド視点からの戦いも追加された。
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前作が一本道のシナリオで戦国を「駆け抜ける」なら、今作は各地の大名家に仕えながら戦国を「渡り歩く」イメージで作られている。あたかも七度主君を変えた今作の新武将「藤堂高虎」の生き様にも似ている。
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新MAP「洞穴」「氷原」が追加され、シナリオ数はDLCを含めれば100近くまで大幅に増加。
 
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ストーリー面の更なる強化。
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前作にもあった武将たちの日常を描いた場面も内容が追加されている。
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新武将3名も個性的なキャラ付けで概ね好評。彼らは特にここ数作言われてきた「西軍びいき」へのカウンターとしての側面もあり、絢爛たる豊臣政権の陰で虐げられた側面も描かれている。
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ただし、井伊直虎については特定の層を狙ったような癖のあるキャラ付けや描写がされている為、狙いすぎではないかという意見も少なくない。
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各大名家に仕える形になったことで、その家に関わるモブ武将のキャラが立つようになり、とりわけこれまで只のダメ大名であった斎藤龍興・朝倉義景・武田勝頼・北条氏政らが随分熱いキャラになった。特に斎藤龍興は某サイトで「綺麗な龍興様」「浅井の章じゃなくて龍興の章」と呼ばれるほど変わっている。
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大名だけではなく、「いい加減幸村と武田家の関係を史実準拠にしてこいつらをPC昇格させろ」と言われるほどの熱演を見せた武田家臣の山県昌景&馬場信春など、一部のモブ家臣にも大きな見せ場が与えられ、彼らのファンを歓喜させた。
 
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基本的には前作同様、史実通りなのだが、条件を満たせばIFシナリオへの分岐もある。
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メインルートではないためステージ数こそ少ないが、キャッチコピーの『宿命だって、変えてみせる。』の通り、史実重視で変えられなかった前作の宿命を変えていくことができる。
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その中には戦国無双2で好評(?)だった豊臣秀吉の妻・ねねの関ヶ原乱入戦(通称「ねねヶ原」)も復活・強化されているといった一面も。
 
 
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前作の不満点のいくつかが改善されている。
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弱点だったワラワラ感はやや改善。1~2割増し程度の撃破数が稼げるようになった。
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前作での武将への指示はあくまで移動・攻撃のみで、気が付くと武将が明後日の方に行くことも珍しくなかったが、今回は「待機」も選べるようになり、敵増援やミッションに備えやすくなった。
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スコアアタック要素として「猛将演舞」を追加。
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一撃も食らわずにゴールまで駆け抜ける、1vs1の撃破の速さを競うなど、様々な条件下でのミニゲームが全16種類。本モード限定ではあるが、石川五右衛門や宮本武蔵・佐々木小次郎といった『戦国無双3』系列に出なかったキャラだけでなく、何と平清盛、源義経、弁慶等『無双OROCHI』シリーズ初出の面子も出現する。
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インターネットランキング対応で上位はもちろんキリ番にもアイテムがプレゼントされる。
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「猛将演武」限定ではあるが、マルチプレイもできる。
 
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武器の強化がしやすくなった。
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前作ではレア武器以外は9回までしか強化できなかったが、今作では最大19回(回数は武器ごとにランダム)まで強化できるようになった。
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また、全武将に第2レア武器が追加され、装備としてはもちろん、合成素材としての選択肢も広がった。
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自作の武器には、武器銘を入れることが可能。その名前ですれちがい配信もできるように。
 
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武器強化の素材にもなる装備アイテムがスコアアタックである「猛将演武」で集めやすくなった。
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というのも、「猛将演武」ではクリア報酬が(「攻撃力up」など漠然とした表示だが)示されるので、狙いのアイテムをある程度絞り込める。また、せいぜい2~3分、長くても10分程度のため、気軽に挑戦できる。
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装備アイテムの種類自体も増えている。
 
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武将ごとの友好度が下がらなくなったため、効率のいいマップの繰り返し(通称「マラソン」)の後のフォローが必要なくなった。
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ADVパートでも下がらなくなった為「これは駄目だろ」というような選択肢も気軽に選べるようになった。
 
 
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主人公のカスタマイズ内容が服装だけでなく、顔・髪型・声などに拡張された。服装も一気に20以上にまでなった(有料DLCも含めるともう少し増える)。また、髪や肌の色も自由に調整できる。
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これまで戦国無双シリーズのエディットキャラ要素は真・三國無双Empiresの後塵を拝する形で薄めだったため、かなり異例の多さ。
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このため、弥助や愛姫を作る事も可能。
 
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前作でほぼ空気だった戦歴が充実した。
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戦歴パネルの枚数が圧倒的に増え、取得ボーナスがつくように。前作にあった実績要素が戦歴化、ボーナス化しただけのものも多く水増し感も否めないが、中には所持金やアイテムが手に入るなど有用なものもある。
 
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猛将演武での一部戦技の変更
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猛将演武では前述の戦闘の経過時間を遅くする「智謀」「神算」がそれぞれ「堅守」「鉄壁」に変更され、敵撃破時の勲功が増加する「立身」が「苛烈」に変更された。
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これにより無双演武で優遇されてた武将が猛将演武ではあまり採用されなくなり、逆に無双演武で冷遇されてた武将が猛将演武では日の目を見ることになり、武将間の格差が狭まった。
 
問題点
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3D機能を使用すると極端な処理速度の低下を起こす
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ワラワラ感を何とか増した弊害か、3D機能をオンにすると極端に処理速度が低下してしまう。
 
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引継ぎ要素が乏しい。
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無料ソフトを使って前作からの引継ぎが可能だが、完全に引き継げるのは前作で獲得したレア武器と既読イベントのみ。所持金は10000両まで、友好度は「良好」の一歩手前までしか引き継げない。装備アイテムやレア武器ではない武器は一切引き継げない。
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イベント埋めの必要性がなくなったりや第二レア武器を早めに取得できるという利点もあったもののやりこんだプレイヤーからは「もっと引き継がせてほしい」という声が上がった。
 
 
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ステルスは前回よりはマシになっているが、改善されているといいがたい。
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とくに「猛将演武」のようなスコアアタックではステルスが非常に厄介である。
 
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すれちがい通信の簡素化。
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すれちがい通信では武器とプレイデータを送るだけとなり、前作にあった「合戦」がなくなったため、やや寂しい内容となった。
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もっともテンポはよくなったので、アクション重視の人にはあまり問題はない。
 
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また、すれちがい武器の交換もお金で買う形になったので、弱い武器をもらっても割に合わないことに。
 
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やや不親切なシナリオもある。
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無双シリーズでは「合戦準備」に装備などを変更できるようになっているのだが、一部シナリオでは「合戦準備」には登場せず、プレイしていくと操作できる武将が出てくる。その武将は強制参加になるうえ、事前に装備を変更することもできない。
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本作ではシナリオ選択画面での「よろず屋」で装備を変更できるので、わかっていれば問題はないのだが、初見では戸惑ってしまう。
 
 
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マルチストーリーゆえの難点もある。
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例えば「小田原討伐 豊臣軍」は、3つ勢力でプレイできる(戦前・戦後イベントは違うものの、ステージの内容は同じ)。しかし、各キャラごとにレア武器が獲得できる勢力が異なるので、間違えやすい。さらに同じ戦いに何度も参加させられるというデメリットが復活したとも言える。
 
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九州の武家を中心としたシナリオが無い。
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PC武将である立花宗茂・立花誾千代の所属する大友家、同じくPC武将である島津義弘の所属する島津家。両家共に講談などでも語られる合戦を経験しているにもかかわらず、秀吉が介入してくる以前の九州を舞台としたシナリオが存在しない為、ファンや地元民からは不満の声が上がっている。
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ただし大友家に関しては主君である大友宗麟の存在が非常にネックとなっており、島津家は島津家で、史実を考慮すれば主人公と義弘以外は敵味方全員モブというやや見た目的に寂しい戦いを強いられる事となる。
 
 
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一部削除された要素がある。
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前作にあった各章の冒頭のOPが見られない。出来が良かっただけに残念がる人もいる。
 
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時限性のミッションボーナスが達成しづらい。
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協力戦技の格差
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「ローリスクかつハイリターン」「使える組み合わせの武将が多い」ということもあり、協力戦技では「鬼神」が圧倒的に使用頻度が高い。
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他の協力戦技は「リスクに対してリターンが薄い」「使える組み合わせの武将が限られている」ということから、使用頻度が低く、影が薄い。
 
総評
前作の不満点の多くを解消すると同時に、様々な遊び方の選択肢が増えて長く遊べる作品に仕上がった。しかし引継ぎ要素は乏しいため、改めて前作を買うメリットがほとんどなくなってしまったのが残念な点である。
最終更新:2024年03月24日 16:54