コミックスゾーン
【こみっくすぞーん】
ジャンル
|
アクション
|

|
対応機種
|
メガドライブ
|
発売元
|
セガ・エンタープライゼス
|
開発元
|
セガテクニカルインスティチュート
|
発売日
|
1995年9月1日
|
定価
|
7,800円(税抜)
|
配信
|
【Wii】バーチャルコンソール:2007年1月30日/600円 【Win】Steam:2010年6月2日/98円 【360】2009年6月10日/400マイクロソフトポイント 【PS3】2011年8月31日/617円
|
判定
|
良作
|
ポイント
|
アメコミ的世界観 漫画的表現を取り入れた演出 アーケードライクな難易度
|
概要
セガがメガドライブ専用で発売したアメコミを意識したアクションゲーム。
開発はSega of America所属のSega Technical Instituteが担当しているため、洋ゲーチックな要素も多い。
ストーリー
ニューヨークに住む漫画家スケッチ・ターナーは、ある蒸し暑い晩、原稿を執筆していた。
ところが、突然の落雷と共に実体化した自身の漫画のキャラクター・モータスによってコミックの世界へ送られてしまう。
ターナーは同じく自身が創作したキャラクター・アリッサと鼠のロードキルの力を借りながらモータスの野望を阻止するため、コミックの世界を冒険する。
特徴
-
基本は横スクロールアクション。各ステージはエピソードで区切られており、ゴールに辿り着いたりボスを倒すとクリアとなる。
-
敵を全滅させる、仕掛けを解くといった条件を満たすと矢印が表示されて進めるようになるベルトスクロール的な要素も持つ。ステージによってはルート分岐も存在する。
-
ターナーの操作は攻撃とジャンプ、アイテムの使用の3つ。
-
攻撃は方向パッドやジャンプとの組み合わせで多彩な技を繰り出せる。
-
一部の技は格ゲーのようなコマンド入力が必要。また、攻撃ボタン長押しで体力を消費して紙飛行機で攻撃する遠距離攻撃が出せる。
-
ファイティング6Bパッドを使用するとX、Y、Zボタンでアイテムを選択できるようになり、Cボタンがカスタムボタンとなってブロッキングやショルダーアタックなどを割り振ることが出来るので操作性もさらに向上する。
-
なお、標準パッドの場合はオートブロッキングになり、技も全てコマンド入力で出さねばならない。アイテム選択も立ち止まって行う必要がある。
-
オプションからボタン配置を選択する事も可能。
-
ライフ制。残機はなく、ライフを失った時点でゲームオーバー。
-
コンティニュー回数には制限があり、ステージをクリアするたびに2回ずつ増えていく。
評価点
漫画的表現を取り入れた世界観と演出
-
1ステージは漫画の1ページに相当し、各コマのクリア条件を満たしながら右下のゴールのコマへと移動していく。
-
画面手前からモータスの腕が出てきて敵を描く、次のシーンに移る際にコマを乗り越える、殴り飛ばした敵が書き文字の擬音と共にコマをぶち破るなど漫画的演出が多数取り入れられている。
-
閉まっている扉を破壊すると隠し部屋に進めたり、枠線を破壊してコマとコマを繋げる、敵の遠距離攻撃が当たった部分のコマが剥げる…など面白い演出が豊富で、漫画の世界を上手に表現している。
-
ステージ中ではアリッサや敵キャラとの会話イベントも発生し、物語を盛り上げてくれる。
-
フキダシに台詞が表示される他、「そのとき突然…」といったナレーションが入ることも。チュートリアルやヒントの会話も用意されており、ゲームシステムとして上手く機能している。
-
会話中もゲームは一切止まらないので、会話を無視して先へ進むことも可能でスピーディーなゲーム展開を実現している。フキダシの表示時間も長いのでしっかり読みながら進められるのも良点。
-
なお、オプションから言語を日本語と英語を選択可能で、英語を選べばよりアメコミらしさが増す。
-
ターナーや敵キャラにはサンプリングボイスも用意されているが、メガドラ後期という事もあってクリアな音質を実現している。
快適で爽快なゲームプレイ
-
簡単操作でターナーは多彩な攻撃を繰り出すことが出来、それらを組み合わせたコンボで敵を吹っ飛ばすとコマの端に叩きつけられたり、派手な効果音と画面揺れが発生して爽快感抜群。
-
ステージ中では謎解きも用意されており、単調にならないよう配慮されている。さほど頭を使う内容ではないが、解法を間違えるとトラップに嵌まる場合もあり一筋縄ではいかない。
-
6Bパッドを使用すると操作性がより快適になる。とっさにアイテムを使用したい時やコマンド技を簡単に出せるようになるため6Bパッド推奨と言える。
賛否両論点
ゲームバランス
-
何度もプレイして攻略法を確立していくタイプで、難易度は洋ゲーらしくやや高め。難易度選択も存在しない。
-
ベルトスクロールゆえかザコの一体一体が硬めで、ガードを多用する者も多い。このあたりも難易度の高さに拍車をかけている。
-
ルート選択によっては、ページに火をつけられて時間内に脱出しなければならない場面などもあって、より難易度が高くなる。
-
ただし、決して理不尽ではなくプレイヤーのテクニックとステージを覚えていくことで確実に進んでいくことが出来るアーケードライクなバランスと言える。
-
敵をダメージを受ける仕掛けに当てることで大ダメージを与えることが出来たり、単純に戦う以外の選択肢も存在する。仕掛けを利用することで驚くほど楽に勝てるボスもいる。
-
アイテムとして持ち運べるロードキルは謎解きを助けてくれたり、背景を破ってアイテムを探し出してくれる有能キャラ。うまく利用すれば攻略を有利に進められる。
-
ただ、ロードキルは置き去りにしたり崖から落ちると一時的にいなくなってしまうので、気を付けてやる必要がある。また、アイテムの隠し場所はノーヒントなので、様々な場所でロードキルを使ってみるしかない。
ボリューム
-
ゲームは3エピソードで構成され、それぞれ前半後半に分かれるので実質全6ステージ。
-
ルート分岐やマルチエンディングがあるとは言え、ややボリュームが少なく感じやすい。
-
その分、短い時間で手軽に楽しめるゲームとも言えるが。
問題点
-
破壊する必要のあるドアやオブジェクトを殴った際に僅かながらダメージを受ける。状況によっては辛い。
-
固い物を殴れば殴っただけライフが減り続けるので、敵よりそっちのせいでライフを消耗してしまうことすらある。
-
敵が多い場所では処理落ちが発生し、難易度が急上昇する場面もある。
-
ベルトスクロールと違ってサイドビューなので軸をずらして対処する事が出来ない。ゆえにこういった場面は、いかに強力なアイテムを持ち込めるかが重要となっている。
-
前述のようにマルチエンディングだが、最後の最後で唐突に発生する時間制限イベントの成否によって分岐するため、初見では戸惑いやすい。
総評
メガドラ末期に発売されたこともあって全体的に出来が良く、世界観とマッチしたゲームプレイなど上手くまとまっている良作。
難易度はやや高めながら、何度も練習することで確実に先へ進めるバランスは良好で、本格アクションとしても楽しめる逸品である。
当時から評価は高かったものの、末期ゆえに出荷数も少なくプレミアゲーとして有名だったが、現在は安価なダウンロード版もあり、プレイ自体は難しくなくなった。
メガドライブミニの収録タイトルにも選出されているので、購入したユーザーはぜひプレイしていただきたい。
余談
最終更新:2024年04月20日 13:39