遊☆戯☆王 デュエルモンスターズ レガシー・オブ・ザ・デュエリスト:リンク・エボリューション

【ゆうぎおうでゅえるもんすたーずれがしーおぶざでゅえりすとりんくえぼりゅーしょん】

ジャンル 対戦型カードゲーム
対応機種 Nintendo Switch
メディア ダウンロード専売ソフト
発売元 コナミデジタルエンタテインメント
開発元 Other Ocean Interactive
コナミデジタルエンタテインメント(ローカライズ等)
発売日 2019年4月25日
定価 3,000円(税抜)
プレイ人数 1~2人
レーティング CERO:B(12才以上対象)
判定 なし
ポイント 収録カードが9,000種類に増加(ただし、集めるにはかなりの根気が必要)
北米・欧州版準拠のカードプール(ただし日本語版が存在するカードのみ)
世界大会用のリミットレギュレーション
原作のストーリーをほぼ再現できる(ただし例外あり)
ロープライス故に小規模
遊べる幅が限られるオフラインの規制
遊☆戯☆王 関連作品リンク


はじめに

KONAMI製の遊戯王カードゲームは、日本語版だけでなく世界の8つの言語にローカライズされて販売されている。
日本*1では『遊☆戯☆王オフィシャルカードゲーム』(OCG)という商品名なのに対して、北米・欧州版は『Yu-Gi-Oh! TRADING CARD GAME』(TCG)という商品名で販売されている。
基本的にTCGはOCGよりも数ヶ月から数年遅れでの発売となっているが、一方でOCGでは未発売のカードがTCGに先行収録される*2
更にレアリティ設定や発売方法が大きく異なっている*3カードやリミットレギュレーション(旧禁止・制限カードリスト)、カードプールの違いによる環境、ルールの解釈(裁定)など相違点も非常に多い。
とはいえ、殆どのカードや基本的なルールに互換性はあるため、海外版カードと日本版カードを混ぜて遊ぶことも可能*4
しかし、上述した相違点は決して無視できない点も少なくない。そのためプレイヤーの間ではOCGとTCGは実質別のゲームだと認識されている事もある。
以下、これを踏まえてお読みいただきたい。

なお、本記事において、【】はデッキの通称、《》はカード名を表している*5


概要

  • Nintendo Switchでリリースされた遊☆戯☆王シリーズ。
  • 本作は本来 『レガシー・オブ・ザ・デュエリスト』シリーズの1作 であり、2015年に発売された無印『レガシー・オブ・ザ・デュエリスト』に続く2作目(もしくは拡張版)にあたる存在である。
    • しかし、無印『レガシー・オブ・ザ・デュエリスト』は海外版しか発売されなかったため、日本ではこの『リンク・エボリューション』が単品で発売された形になる。
    • Other Ocean Interactive社開発の海外遊☆戯☆王ゲームが日本で発売されるのは、『Yu-Gi-Oh! 5D's DECADE DUELS』に次いで2作目。
  • 遊戯王OCG(以下OCG)は2017年3月25日より施行された新マスタールールにより、ルールが大きく変更されており、このルール準拠のコンシューマーゲームは本作が初となる。
    • 具体的には、このカードゲームの基本かつ超重要事項の、「エクストラデッキ」を使用した特殊召喚絡みのルールが大きく変更されており、『5D's』や『ZEAXL』で登場した召喚方式は最新のリンク召喚を用いない場合大きく利用が制限される。
  • 遊戯王TCG*6(以下TCG)「『Hidden Summoners』発売時点で、日本・北米・欧州全てで発売されていたカード」が収録されている。
    • ただし処理が非常に複雑となる《ポールポジション》*7等のごく一部のカードは未収録。これは過去の遊☆戯☆王ゲームと同様である。
  • ゲーム内でも禁止・制限カードが設定されている。世界大会仕様*8で、重複している場合はより重い方が適用される。→カードリスト
    • 禁止・制限リストを破っているデッキではマルチプレイ対戦はできない。解除しての対戦も不可能。
    • シングルプレイにおいては、禁止・制限を守らないことによるデメリットは特にない。一部のCPUも禁止・制限を守っていない。

ゲームモード

シングルプレイ

  • ストーリーモード
    • 『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』~『遊☆戯☆王VRAINS』のストーリーを読みながら対戦する。
    • 「闇遊戯VS海馬瀬人」で勝利すると報酬を得て「闇遊戯VS羽蛾」が解禁……と言った具合にストーリーを進行させる。敗北時にはアドバイスが表示される。
    • プレイヤーも対戦相手も原作再現されたデッキが用意されている。ただしプレイヤーはオリジナルデッキを使用するかを選択可能。上記のように禁止・制限を守る必要はなく、デフォルトデッキには《天使の施し》のような禁止カードも投入されている。
    • クリアしたパートでXボタンを押すことで対戦相手のデッキと入れ替えた「リバースデュエル」で対戦できる。こちらもオリジナルデッキも使用可能。
  • チャレンジモード
    • ストーリーモードで勝利したデュエリストと戦う。デッキが強力なため、ある程度のデッキ構築力が求められる。
  • チュートリアル
    • 用意された盤面を操作してカードの種類や召喚方法を学ぶモード。全19項目。一度閲覧した項目にはチェックマークが付く。

マルチプレイ

  • 「ランク マッチ」「プレイヤー マッチ」はオンライン対戦。「ローカル マッチ」はオフライン対戦
    • いずれも本作独自の禁止・制限カードを守ったデッキのみが使用可能。

BATTLE PACK

  • 「シールドプレイ」「ドラフトプレイ」の2モードがある。
    • 「シールドプレイ」では、ランダムで選ばれる50枚のカードでデッキを組む。この50枚にはエクストラデッキのカードも含まれている。
      • 不要なカードをサイドデッキに入れて、デッキを40枚に近くするくらいしかデッキ構築要素がないため、運要素が強い。
    • 「ドラフトプレイ」では、複数枚表示されるカードからCPUと交互にピックをしてデッキを作成する。こちらはそれなりに構築要素がある。

カードショップ

  • ストーリーの進行に応じて解禁されるパックを購入するモード。パックは本作オリジナルのもの。
    • ゲーム内通貨デュエルポイント(DP)を使用してパックを購入可能。
    • 武藤双六のパックのみ200DPで他は一律で400DPである。
    • 1パックには8枚のカードが封入されており、内1枚はレアカード枠となっている。
    • 孔雀舞310/314・938/942のようにカード取得率が表示される。前者はカードの種類、後者はカードの枚数である。

評価点

  • 9,000種類ものカードが使える
    • カードの種類で考えれば凄まじいの一言。これだけ豊富なカードプールを備えたデジタルカードゲームが貴重な存在である。
    • 長い歴史を持ちカードプールが膨大かつ召喚方法が多彩なために多数のコンボやデッキが開発されている。弱小カードを活かす手段も多い。
  • 本格的にOCGを始めるには高いハードルがある*9が、複雑な処理も自動処理されるため遊ぶハードルが大きく下がっている。
    • 高額カードや希少カードをふんだんに使用した構築などでも思う存分に遊べる。
    • ただし、《カオスポッド》の無限ループを発生させられない等OCGと違う処理があるため、【カオスループ】等は構築不可能となっている点には注意。
  • BATTLE PACK
    • ドラフト制の対戦のため、アドリブやデッキ構築のセンスが要求される。環境ではパワー不足のカードも大いに活躍の余地がある。
    • 特定のカードとのコンボ前提のカードが出現しないため、運が悪くてもある程度のデッキにはなる。
      • デュエルの低速化にもなっており、地道にアドバンス召喚したり《つり天井》で盤面を取り戻したりと、高速化した環境とは別の楽しさがある。
    • 対人戦にも対応している。カード資産に差があっても平等にデュエルできる。
  • 「GX」のラスボスであるダークネス、「ZEXAL」のラスボスであるドン・サウザンドといった、今までのゲーム作品で出番がなかったキャラクターが登場する。

問題点

大量のカードを手探りで集めなければいけない

  • 9,000種類以上のカードが存在するのに対し、初期に所持しているカードはわずか149種類
    • 本作最大の問題点であり、カードコンプリートに膨大な時間がかかることが大きく非難された。
    • 後述するようにキャラゲー要素も難があり、対戦以外のお楽しみ要素が皆無なこともあって、好みのデッキを作れるようになるまでモチベーションを保ちにくい。
  • 同名カードは3枚まで登録される
    • OCGは3枚まで同名カードを使用できるため、3枚使いたければ3枚手に入れる必要がある。それが9,000種類以上あるので……
    • 3枚までしか登録されないため4枚目以上の溢れたカードは完全に無駄となる。
    • TAG FORCEシリーズ』などで見られる、不要なカードのポイント変換や交換にあたるシステムは一切ない。カードパックから入手するカードであれば、本当にカードパックから引かなければ絶対に入手できないことになる。
  • ストーリーモード・チャレンジモード
    • 勝利時に3枚・敗北時に1枚カードをランダムドロップする。カードを集めるためには複数回同じ相手とデュエルする必要があるが、デュエリストの多さが仇になり作業感を強めている。
    • 幸いこのモードではドロップカードが重複せず、必ず1枚はドロップするため、複数回対戦すればドロップカードを全て入手できる。
  • カードショップ
    • 1パックずつしか購入できない。
    • 1パックあたり約315種類(計945枚)のため、全種類を揃えるのに最低でも40パックは必要である。
    • 1枚ずつ表示される演出はスキップ不可能。
    • 極めて前時代的であり、上記の膨大なカード数と合わせて欲しいカードを引き当てる作業のモチベーションを下げる大きな要因になっている。
      • 一応、画面を見ずにAボタン連打するだけでも連続購入できるため、ながら作業は可能である。
  • 欲しいカードの大半が、どこで入手できるかわからない
    • 城之内のパックからはギャンブルカードが出やすいなど、流石にキャラクターが原作で使用したカードはそのキャラクターのパックに入っているものの、そうでないものはほぼノーヒントで、ゲーム中にも一切説明がない。
    • 欲しいカードをピンポイントで手に入れたいなら、攻略本や攻略サイトなど外部媒体を参照する必要がある。
  • デュエルポイント
    • 敗北時でも400~1,000ポイント程度が入手できるのに対し、勝利時に貰えるのは2,000ポイント程度。そのため、何ターンも掛けて勝利するより、 初手で降参して敗北したほうが効率良くDPを入手できる。
    • 過去作に存在した10ターン経つまで降参できない仕様がないため、初手降参が最も効率が良くなってしまっている。もっとも、これができないと更に効率の悪いカード集めを強いられてしまうことになるのだが。

膨大な作業量のため、カードを集めるには《強欲な壺》等のパワーカードを詰め込んだ【エクゾディア】で1勝してクリア報酬を貰い、後はドロップがなくなるまで降参という面白みのない作業になりがち。
だがこの手を使っても膨大な時間がかかるため、1戦ずつちゃんと戦って勝とうとするとさらなる時間がかかる。

キャラゲーとしての問題点

  • 演出
    • ボイスは一切ないため、誰とデュエルしても淡々と進行するのみ。
      • 同価格帯の『TAG FORCE SPECIAL』でも、ボイスは一部の主要キャラのデュエル中のみと限定的であった*10。このため、ゲーム版遊戯王の既存プレイヤーは当初から半ば諦めている状況であったが、当然あるものと思って買った新規プレイヤーも少なくなく、残念に思う声も相次いだ。
    • 一部モンスターの召喚時に3Dムービーが挿入できるが、スキップ不可能。
    • 3Dムービーも出来の悪いフィギュアのようなのっぺりしたものになっており、価格を考慮してもかなり厳しいデザイン。
      • 特に屈指の人気カードであり、遊☆戯☆王を代表するモンスターの1体でもある《ブラック・マジシャン・ガール》は可愛くないと不評。タイトル画面にも3Dデザインが表示されるため嫌でも目立ってしまう。
      • 同時期に展開されているスマホアプリ『遊戯王 デュエルリンクス』とは比べられやすく、仮にもコンシューマー機であるこちらのデザインの悪さが際立ってしまうことになった。
    • 過去作で恒例だった《封印されしエクゾディア》の勝利時演出はない。ただし、本作は【エクゾディア】を多用するため、スキップできないムービーはなくても良かったとも言われる。
  • ストーリーモードは紙芝居形式でダイジェストで閲覧するのみ
    • ボイスや一枚絵は存在せず、立ち絵のみで進行する。
    • 派手な効果音や立ち絵の動きに乏しいため、ストーリーをさらっと追える程度の価値しかない。
    • ドン・サウザンドなどが登場するようになった一方で、覇王十代などの重要キャラが未登場となっている。
    • ゲームオリジナルカードが存在しないため、カードがOCG化されていないキャラは、原作に関係ないカードでストーリーモードに登場する。
      • 例として「GX」のジムは化石モンスターがOCG化されていないため、「5D's」のジャックが使用していた《ピース・ゴーレム》を使用する。
  • ストーリーモードのバランスが悪い
    • デッキ相性の悪さやデッキパワーが低すぎたりで、デフォルトデッキで勝つのが極端に厳しいデュエルが存在する。 特に「DM」のキャラが厳しく、キースのデッキはレベル4のモンスターが《スフィア・ボム 球体時限爆弾》2枚だけでそれ以外がレベル5以上の上級モンスターで構成されていて手札事故が非常に起きやすかったり*11、闇遊戯が使用するデッキに神のカードであり原作でも当然1枚しか存在しない《オシリスの天空竜》が3枚入っているなど、原作再現や実用性のどちらで見ても首をかしげざるを得ない構築のデッキも。
      • 楽に勝てるデッキもあるが、その場合は当然リバースデュエルで勝つのが苦である。
    • 前述したようにオリジナルデッキも使えるため、突破自体は可能。
    • 新マスタールール準拠故の弊害
      • 最新のルール故対応は当然ともいえるのだが、一方で「ARC-V」以前のキャラクター、つまり本作登場キャラのほぼ全てはストーリーでリンクモンスターを使用しないため、新マスタールールとの相性が非常に悪い。
      • このため戦力差を補うために、放送当時の禁止制限や原作再現関係なしに禁止制限を無視している事がある(極端な例では、「ARC-V」の志島北斗は禁止カードの《天使の施し》を三積みしている)。
      • 新マスタールール準拠で旧作のデッキを再現するとなればこうなることは誰にでも明らかだったので、原作再現を考慮して各原作の世界毎に、各時代に応じた昔のルールを再現するなどの対応方法を取っていればよかったのではないかと思われる。今後遊戯王のゲームで原作再現をやるたびにこうした問題は付きまとってくるであろう。
      • 大幅なルール変更によって一枚一枚のカードの価値そのものも2017年以前とは激変しているために、コンシューマーゲームという条件ならではの特殊な環境として旧ルールの再現ができれば昔のデッキ*12を使用できるため、原作再現だけでなくシミュレーターとしても付加価値が生まれる余地が存在するので惜しいポイントであった。
  • アニメ最新作「VRAINS」の扱いが悪い
    • ストーリーモードでの シナリオが一切無く、単にキャラクター3人とデュエルできるだけ となってしまっている。参考までに「GX」は32ステージ、「5D's」は31ステージある。
      • メインビジュアルにも、初代「DM」の武藤遊戯と並ぶ形で同じ主人公のPlaymakerがバッチリ映っているというのにこの扱いであり、非常にミスマッチである。
    • 選出キャラクターも、ブルーエンジェルとGo鬼塚はともかく、 ただのモブデュエリストに過ぎない ハノイの騎士を入れるのは不可解。
      • アニメ序盤から登場しているライバル枠のリボルバー、2年目にW主人公と銘打たれて登場したソウルバーナーをハブるのはおかしい。
      • 放送途中とは言え、発売時点でアニメは既に3年目に突入しており、時期を考えても2年目中盤までの内容なら入れられる時間的余裕は充分あったはずである。
      • もっとも、このゲームの収録範囲では2人とも大して強くはない(彼らの使用する【ヴァレット】と【転生炎獣】に大幅強化が入ったのはゲーム発表後)。「強い順」で選んだのかもしれない。
    • 登場パックが主人公であるPlaymakerのパックしかないのも、この扱いの悪さを後押ししている。

ゲームシステム面

  • 保存可能デッキ数が少ない
    • デッキ保存数はたったの32。9,000種類もあれば当然多数の戦術が存在するためとても足りていない*13
    • デフォルトデッキ以外はデッキ名に漢字を使用できない。【サンダー・ドラゴン】のようなカタカナは問題ないが、【蟲惑魔】等はひらがなの【こわくま】等で妥協するしかなく間抜けな印象を受ける。
    • 【究極竜】【荒野】【黒魔術】他多数のデッキレシピ名で文字表示がおかしく、文字の上に別の文字が重なっている。
      • 誤字や枠からはみ出るテキスト等の問題もある。
  • CPUの思考がいい加減
    • 遊戯王ゲームの常であり、デジタルカードゲームの常でもあるのだが、相変わらずCPUのAIは悪く、基本的な戦略さえ外してくることがよくある。
    • 新たに登場したリンク召喚では、 《デコード・トーカー》を含む3体を使用して《デコード・トーカー》を出す ことも日常茶飯事。
    • 新たに登場したリンクモンスターには守備表示や守備力の概念がないのだが、AIではそれを認識できていない。
      • CPUのAIのみならず、墓地のリンクモンスターを守備力0と判断し、守備力0のモンスターを手札に戻す《悪夢再び》で回収できてしまうなどのバグもある*14
  • オプションの乏しさ
    • BGM・SE・自動スキップ設定の3項目しかない。
    • 自動スキップはシンプル・デフォルト・プロの3種類から選択可能。チェーン処理等をマスターしていればプロに設定すれば、いちいちチェーン処理の確認がされなくなる。
    • 過去作にあったカードを自動配置する設定等がないため、召喚や発動の際にいちいち配置先を選ぶ必要がある。
      • リンク召喚の登場で、カードの位置の重要さが増したとはいえ、【フルバーン】のようにカード位置をあまり気にしなくてもいいデッキも多いため、不要な選択処理をスキップできないのは難点。
  • リミットレギュレーションの問題点
    • リミットレギュレーションが世界大会準拠であり、OCGでは無制限のカードが本作では禁止になっているものがあるため、デッキによってはOCGのシミュレーションに使いにくい。
    • OCGとTCGでは規制の傾向が異なるため、それを掛け合わせた今作はデッキ構築が両者に振り回されることになる。
    • リミットレギュレーションは3ヵ月に1回ペースで改訂されるが、今作はアップデートもなく放置されている。
      • 改訂が放置されているため特に新しいカードへの規制が甘い。オンラインで【サンダー・ドラゴン】が大暴れする一因となった。
    • オフライン対戦でも禁止・制限カードを入れたデッキを使用できない。
      • オンライン対戦の規制は当然だが、オフラインの規制は遊びの幅を狭めるだけになってしまっている。

総評

久々の据置機対応の遊☆戯☆王ゲームシリーズで、収録カードが9,000種類も存在する点は評価できる。デジタル化したことでOCGを気楽に遊べるようになった点も大きい。
一方でガチ対戦用のOCGシミュレーターとしては、不親切なシステムとTCG基準のカードプール・リミットレギュレーションが足を引っ張っている。 また、キャラゲーとしても、味気ない演出や一部作品の扱いの悪さなどから、褒められないものになっている。
制作会社の変更によって、OCGを再現したゲームでは今まで当然のように存在していたシステム周りの利便性や原作再現、演出などの多くが廃止されており、海外の企業特有と思しき課題も存在し、そうした点でも改良の余地が感じられる点が散見される。

カードさえ揃えてしまえば豊富なデッキ構築や対戦を楽しめるため、カードを揃えるまでの膨大な作業量に耐えられるかが本作の評価の大きな分かれ目となる。
『TAG FORCE』シリーズにすらなかったオンライン対戦の標準完備など末永く遊べる機能があることも利点である。
ある程度OCGの知識があり、カードを集める作業に耐えられるプレイヤーなら価格以上に楽しめるだろう。


収録カードに関しての問題と返金騒動について

  • 本作は、元々2018年8月に発売された「『遊戯王OCG デッキビルドパック ヒドゥン・サモナーズ』までのカードを収録」と公式サイトに掲載されていた。
    しかし突如この告知が削除され、発売2日前になって「海外版の『遊戯王TCG Hidden Summoners』までのカードを収録する」とTwitterで発表
    • 上述の通り日本版のOCGと海外版のTCGでは、決して無視できない数の違いがあるため、突然の発覚に騒然となった。
      • 上記ツイートはただの機能紹介で謝罪文ではない*15ため、この時までコナミは公式サイトの誤表記に気付いていなかった模様。しかし誤表記を発売2日前まで放置していたのはいかがなものか。
    • 特に当時のOCG環境で必須級であった《水晶機巧-ハリファイバー》などが入っている「LINK VRAINS PACK」が収録外になった*16のは痛く、それらがあるないでは「環境デッキのシミュレーションに使えるかどうか」が全く違ってくる。
    • 一方で海外先行で販売されていたカードである「Danger!」などを一足先に日本で使える…と思いきや、そんなことはなかった*17。単に収録カードが狭まったに過ぎず、発表の遅さも含めて多数のプレイヤーが不満を抱えることになった。
    • 海外メーカー作品であることから一部のプレイヤーが感付いていたものの、公式サイトに「遊戯王OCG」と明記されていたためほとんど相手にされていなかった。よりにもよって元締めのコナミがOCGとTCGを取り違えるのは、企業として致命的な失態である。
    • 殆どのプレイヤーは寝耳に水の状態で、特にあらかじめダウンロードで予約購入したプレイヤーからは「詐欺まがいの行為だ」と強い不満が挙がり、Twitterなどで炎上騒ぎとなった。そのためコナミは2019年5月17日まで希望者への返金対応を行うという異例の処置を取ることになる。

余談

  • ストーリーモードの18戦目「DM」の対戦相手「レアハンター」が印象的。
    • 原作再現として本来制限カードであるエクゾディアパーツを各3積みしている上、禁止カードのドローソース《強欲な壺》《天使の施し》も3積みしているため、非常に強力なデッキとなっている。
      • エクゾディアが1ターンで揃うのはもちろん、稀に初手でエクゾディアが揃い、何も出来ずに敗北する場合もあるほど。ただし本作は連勝ボーナスがないため、初手で負けても大して痛くはないが。
    • 一方で、上記の強力なドローソースをドロップするため、ここでドロップカードを全て取得しておくと、ゲーム進行が楽になる。
  • 起動時に表示される「OTHER OCEAN」のロゴの魚は左右のスティックで眼と体を回せる。
  • ダウンロード専売タイトル故、『TFSP』と同様に特典カードは存在しない。
    • ゲームと同日に攻略本が発売されており、こちらにはリンクモンスター《プログレオ》が付属している。
    • 海外版は相変わらずで、《プログレオ》《サイバネット・コーデック》《マイクロ・コーダー》の3枚をつけたパッケージ版を発売している。
  • 今作の登場で、スマートフォン/PC向けに配信されている『遊戯王 デュエルリンクス』は公式デュエルシミュレーターとしての役目を終えた。
    • デュエルリンクスの好調ぶりが伝えられていただけに、「CS版遊戯王はもう出ない」と諦めていたプレイヤーが多く、本作の発表は驚きをもって迎えられた。
    • カードプールや召喚法は本作の方が圧倒的に多いが、リンクスはスピードデュエルやスキルの存在など、ルール面での差別化は出来ている。
      • リンクス側もアニメオリジナルカードや 今作にも収録されていない最新カード を実装するなど、カードプールに関しても差別化の努力がみられる。

*1 厳密には韓国版と中国版も同様の商品名での販売だが、また立ち位置が異なるので便宜上除外。

*2 TCG先行収録のカードは大体1年後にOCGでも解禁される。

*3 イラストまで修正されている場合もあり、ファンの間ではたびたび話題になっている。イラストが変更される物としては、宗教、差別的表現、猟奇的な表現、暴力、死、武器、犯罪、酒、煙草、性的要素(肌の露出面積や胸の大きさも含まれる)などが描かれたイラストが修正の対象。

*4 海外版は裏面が異なるため、カード裏面が見えない不透明スリーブに入れなくてはならない。また、ショップデュエル(公式大会)では使用不可。

*5 この表記は、当wikiの外部の、有志によるオフィシャルカードゲームの総合wikiで用いられていることから、遊戯王OCGを扱うwebサイトでは暗黙の合意事項となっているので、非公式の書式ながら本記事もわかりやすさを優先してそれに倣っている

*6 北米・欧州版。

*7 数枚のカードだけで、任意に止めることが出来ない無限ループを起こせてしまう。

*8 OCG・TCGのリミットレギュレーションを合わせた物。

*9 膨大なカードプールや複雑化したルールなど。

*10 多くのボイスは過去作からの流用であり、流用されず削除された音声もあるほど。

*11 擁護しておくと、キースが登場するストーリーの時系列は王国編であり、当時はアドバンス召喚の概念がなくレベル5以上のモンスターはリリースなしで召喚できた。王国編のデッキの再現というだけなら劇中で使ったカードも見られるため再現度は高い方ではある。しかし実際のデュエルではアドバンス召喚を行う必要があるので難易度が跳ね上がっている。

*12 カードゲームの妙味である「動きの面白さ」が大きく違う

*13 遊戯王のデッキレシピ投稿サイトや外部wikiのデッキの種類一覧などを参照すればわかるが、遊戯王はコンボや効果のシナジーが凄まじく僅かな数のカードの追加からもダイナミックに新たな戦術が誕生するため、真面目な話3000件登録できても過剰とは言えないほどである

*14 フィールド上のリンクモンスターは正常に処理されており、守備力0に関するバグは起こらない。

*15 謝罪文は後に改めて発表された

*16 LINK VRAINS PACKはTCGでは発売されず、他の商品に分割して収録された。なお《水晶機巧-ハリファイバー》はOCG登場から2年経った2019年現在もTCG未収録

*17 ただし「Danger!」は約1年後に日本でも「未界域」カードとして収録されている。