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遊☆戯☆王 デュエルモンスターズ レガシー・オブ・ザ・デュエリスト:リンク・エボリューション

【ゆうぎおう でゅえるもんすたーず れがしーおぶざでゅえりすと りんくえぼりゅーしょん】

ジャンル 対戦型カードゲーム
対応機種 Nintendo Switch
プレイステーション4
Xbox One
Windows 7~(Steam)
メディア ダウンロード専売ソフト
発売元 コナミデジタルエンタテインメント
開発元 Other Ocean Interactive
コナミデジタルエンタテインメント(ローカライズ等)
発売日 【Switch】2019年4月25日
【PS4/One/Win】2020年3月24日
定価 3,000円(税抜)
プレイ人数 1~2人
レーティング CERO:B(12才以上対象)
判定 なし
ポイント 収録カード 10,000 種類以上
ただし、収集にはかなりの時間と根気が必要
ロープライス故に小規模
遊べる幅が限られるオフラインの規制
遊☆戯☆王シリーズ


概要

  • Nintendo Switch向けには初のリリースとなる、遊戯王カードゲームを再現したコンピューターゲームのひとつ。略称は「遊戯王LotD」
    • 以下、「遊戯王カードゲームを再現したコンピューターゲーム全般」を指して「遊戯王ゲーム」「過去作」とする。
    • 前作『レガシー・オブ・ザ・デュエリスト』(2015年)は日本未発売。「新マスタールール」対応(リンクモンスターの登場)やアニメ作品の参戦数を増やしたバージョンアップ版の本作で初来日となる。
    • Other Ocean Interactive社開発の海外産遊戯王ゲームが日本で発売されるのは、『Yu-Gi-Oh! 5D's DECADE DUELS』に次いで2作目。
  • 発売から約1年後、Switch版の無料アップデートと同時に、アップデート適用済みの他機種版(PS4/One/Win)も発売されている。
  • 固有名詞を多用する都合上、有名な「遊戯王カードWiki(非公式)」にならい、本文中の《》はカード名、【】はデッキタイプ・型の通称を指している。

はじめに

  • KONAMI製の遊戯王カードゲームは、日本語版だけでなく世界の8つの言語にローカライズされて販売されている。
    日本では『遊☆戯☆王オフィシャルカードゲーム』(OCG)として販売されているのに対して、北米・欧州では『Yu-Gi-Oh! TRADING CARD GAME』(TCG)として販売されている。*1
  • 基本的なルールは同一で、裏面を隠すスリーブに入れれば混ぜて遊ぶことも可能だが*2以下に挙げる要因によって、日米間の環境・流行は、大きく異なる。
  • 発売時期・販売形態の違い
    • 後述する「海外先行収録カード」が一応存在するが、全体的には日本より遅れる上に、日本で強力・人気のカードは高レアリティに格上げされることが多く、デッキ構築の難度・投資額が高くなりやすい。
    • 「雑誌付録」を中心に、海外で主流ではない販売形態、パック商品の再構成・収録の見直しも行われており、日本で多用された強力なカードでも、2年以上遅れた事例がある。(近年の代表例では《水晶機巧-ハリファイバー》の2017年登場⇒2019年渡米)
  • 海外先行収録カード
    • 複数のモンスター、専用の魔法・罠があるなど、「テーマデッキ」が成立するほどの枚数が収録される。
    • 過去には【未開域/Danger!】【SPYRAL】のように日米の環境を一変させたテーマデッキ、《ローンファイア・ブロッサム》のように特定のデッキを強力にサポートするカードなども登場している。
      • およそ1年後に日OCGでも収録されるが、この間の日米の環境は当然別物である。
  • 詳細ルールの違い
    • リミットレギュレーション(禁止・制限カード*3)の内訳が異なる。一方ではエースモンスターが禁止、もう一方ではエースの召喚を補助するカードを禁止…といった感じ。
    • ごく一部のカードに「処理判定の違い」が見られ、その処理が禁止・制限に影響することもある。
  • デジタルゲームの本作でも、以上の影響を多大に受けている。
    • ゲーム自体には影響しないが、「悪魔・天使・神」などの宗教的表現、「実銃」などの暴力的表現、「巨乳・肌の露出」などの性的表現をはじめとした、イラストやカード名の規制・修正も非常に多い。

採用ルール・収録カードについて

  • 本作発売当時の遊戯王OCGでは、「新マスタールール」が採用されており、それ以前と比べてルールが大きく変更されていた。 アニメ作品で言う『VRAINS』相当のルールで、これに準拠したゲームは本作が初めて(そして唯一となった)。
    • 「エクストラモンスターゾーン」「リンク召喚・リンクモンスター」の導入。
    • 「エクストラデッキ(EXデッキ/旧:融合デッキ)」を使用する特殊召喚=「融合・シンクロ・エクシーズ・ペンデュラム」への制限強化。
      • EXデッキからの最初の特殊召喚は、EXモンスターゾーンでのみ行える。
      • 2体目以降の特殊召喚は、リンクモンスターが持つ「リンクマーカー」が指定した位置でしか行えない。
        よって「1体目を必ずリンクモンスターにする」または「EXデッキのモンスターを1体しか使わない」あるいは「最初からEXデッキを使わない」など、戦略の大幅な見直しを求められた。
    • 「ペンデュラム召喚」に関するルール制限の強化。
      • 「ペンデュラムゾーン」が専用カード置き場から、魔法・罠ゾーン(5枚中の両端)へ統廃合され、同時に使用できるカード枚数が少なくなった。
      • 「ペンデュラム召喚」をEXデッキから行う場合は、上述した「EXモンスターゾーン」「リンクマーカー」によって「同時に召喚できる数」が制限される。
  • 「欧米版『遊戯王TCG』における『Hidden Summoners』」発売時点で「 日米全てで 発売されていたカード」約9000種類が収録されている。
    • 当該シリーズ(ブースターパック・エキスパンション)は欧米で2018年11月ごろに発売されている。
      その頃の日OCGでは、その次のシリーズや雑誌の付録などで、更に多くのカードが登場しているが、それらは 未収録 となっている。
      また逆に、TCGで日本より先行して収録されたカードも、 同様に未収録 となっている。
      • 過去の遊戯王ゲームと同様、処理が非常に複雑な《ポールポジション》*4等のごく一部のカードも未収録。
  • 収録カード共々、日米間の格差を埋める「世界大会仕様」に近い独自レギュレーション*5を採用しており、リミットレギュレーション(禁止・制限カード)が日OCG/米TCGで食い違う場合、重い方の制限が適用されている→カードリスト
    • リミットレギュレーションに準拠しないデッキはマルチプレイ不可、解除して対戦も不可。シングルプレイでは特にペナルティは無い。
      • このほか、【カオスループ】デッキの中核・《カオスポッド》無限ループの中断など、ごく一部の特殊なルールの処理にも違いがある。

アップデート/他機種版

  • 発売約1年後の2020年3月24日、Switch版の無料アップデートと同時に、アップデート適用済みの他機種版(PS4/One/Win)が発売された。
    • 収録カード数が増加し、10,000枚を超えた。
    • マスタールール(2020年4月1日改訂版)」に対応。
      • 「融合・シンクロ・エクシーズ」の召喚制限緩和。メインモンスターゾーンへの召喚と、2体目以降の召喚が自由になった。
      • 「ペンデュラム・リンク」の召喚制限はこれまでと同様。

ゲームモード

シングルプレイ

  • ストーリーモード
    • 『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』~『遊☆戯☆王VRAINS』のストーリーを読みながら対戦する。
    • 「闇遊戯VS海馬瀬人」で勝利すると報酬を得て「闇遊戯VS羽蛾」が解禁……といった感じでストーリーを進行させる。敗北時にはアドバイスが表示される。
    • プレイヤーも対戦相手も、デフォルトでは原作再現「風の」デッキが用意されている。
      • 自作デッキも使用可能で、先述の通り禁止・制限を守る必要は無く、デフォルトデッキにも《天使の施し》のような禁止カードも投入されている。
      • クリアしたパートでXボタンを押すと、対戦相手が入れ替わる(例:自分が海馬・相手が遊戯)「リバースデュエル」で対戦できる。こちらも仕様は同様。
      • 初回クリア時には報酬カードを、初回・再戦問わずクリア毎にゲーム内通貨「デュエルポイント(DP)」を入手できる。
  • チャレンジモード
    • ストーリーモードで勝利したデュエリストと戦う。デッキが強力なため、ある程度のデッキ構築力が求められる。
    • こちらも初回クリア報酬とDP入手があるほか、初回報酬とは別のドロップカードもある。
  • チュートリアル
    • 用意された盤面を操作してカードの種類や召喚方法を学ぶモード。全19項目。一度閲覧した項目にはチェックマークが付く。

マルチプレイ

  • 「ランク マッチ」「プレイヤー マッチ」はオンライン対戦。「ローカル マッチ」はオフライン対戦。
    • こちらも先述の通り、いずれも「本作独自のレギュレーションに準拠するデッキ」のみ使用可能。

BATTLE PACK

  • 「シールドプレイ」「ドラフトプレイ」の2モードがある。
    • 「シールドプレイ」では、ランダムで選ばれる50枚のカードでデッキを組む。この50枚にはエクストラデッキのカードも含まれている。
      • 不要なカードをサイドデッキに入れて、デッキを40枚に近くするくらいしかデッキ構築要素がないため、運要素が強い。
    • 「ドラフトプレイ」では、複数枚表示されるカードからCPUと交互にピックをしてデッキを作成する。こちらはそれなりに構築要素がある。

カードショップ

  • ストーリーの進行に応じて解禁されるパックを購入するモード。パックは本作オリジナルのもの。
    • DPを消費して、カードが8枚封入されたパックを購入する。武藤双六のパックのみ200DP、他は一律400DP。

問題点

カード収集の問題点

  • 本作最大の問題点。 膨大な労力と手探りで、大量のカードを集めなければいけない。
    • 10,000種類以上のカードが存在するのに対し、初期カードはわずか149種類
      • 難易度が高いのではなく、不親切で煩雑、面倒くさい仕様なのが問題。
      • 後述の通りキャラゲー要素・ゲームバランスにも難があり、対戦以外のお楽しみ要素が皆無なこともあって、好みのデッキを作れるようになるまでモチベーションを保ちにくい。
  • ストーリーモード・チャレンジモードの対戦報酬、DPについて
    • ランダムドロップは勝利時に3枚、敗北時も必ず1枚もらえる上、デッキのカードをダブり無くドロップしていくので、終わりは見えている。
      • しかし、デュエリストの多さが仇になり作業感が強い。
    • DPもレートが釣り合っていない。勝利時は2,000ポイント程度だが、敗北時でも400~1,000ポイント程度入手できる。
      • 「一定ターン数の経過まで降参できない」といった仕様も無いので(過去作にはある)初手で降参して敗北したほうが効率良く稼げる。
      • ゲームの存在意義が疑われるが、だからといってこれをやらないと、更に効率の悪いカード集めを強いられる。
  • パックについて
    • 29種類存在するパックに、1パックあたり314種類と膨大に収録している上、カードリストが非公開。
      「孔雀舞・310/314・928/942」のように、カード取得率だけ表示されている。前者はカードの種類、後者は同名カードを3枚まで数えている所持枚数(314×3=942)。
      • パック最後の8枚目にしか登場しない「レアカード」も、1パックあたり60枚程度存在している。
        パックに7枚入るノーマルも250枚近いと言えば、一点狙いがどれほど低確率か、理解できるだろう。
      • 排出率が違うため一概には比較できないが、現行のOCG商品では50~80種程度の収録が主流。
        アップデートで追加されたVRAINSキャラクター4人のパックは200枚程度だが、これでも多すぎる。
    • 「まず、どこに何のカードがあるのかわからない」「パックのカードが多すぎて、欲しいカードがなかなか出てこない」「パック内のコンボ・シナジーが乏しい」と問題が山積みである上に、
      カードパック開封のテンポの悪さ、ダブりが無に帰す仕様といった、カード集めのモチベーションを下げる要素が何重も連なっており、苦行と呼んで差し支えない。
+ パックの問題点の詳細
  • カードパックは「遊戯」「海馬瀬人」など全てキャラクター名が付けられていて、遊戯パックは当然《ブラック・マジシャン》や《デーモンの召喚》といった原作の使用カード、原作の名シーンをイメージしたカード《真実の名》など、ある程度までは想像に難くない内容になっている。なのだが……
    • 更に《カオス・ソルジャー -開闢の使者-》に代表されるような光・闇属性混合【カオス】デッキの主要カード《輝白竜 ワイバースター》や《暗黒竜 コラプサーペント》、果てはアニメでは海馬が使用した《混沌帝龍 -終焉の使者-》まで入っている。
  • このようにデッキの作りやすさ、連想ゲームが成立するのは、まだ優しい方。
    1作品あたり5~6人のパックしか存在しておらず、ゲームバランスでも原作再現でも首を傾げるような収録が多々見られる。
  • DM:孔雀舞パックに《二頭を持つキング・レックス》《インセクト女王》《伝説のフィッシャーマン》。
    • 同作品キャラの使用カードを無節操に詰め込んだだけで、種族・属性などのシナジーは皆無。《伝説のフィッシャーマン》も、せめて城之内パックに入れてほしいカードである。
  • DM:獏良パックに「トゥーン」シリーズと《サクリファイス》《ラーの翼神竜》、《酒呑童子》、「代行者」シリーズと《閃光の追放者》。
    • アニメでは《ラーの翼神竜》を奪って使用したこともあるが、単にボスキャラのカードを詰め込んだだけなのが実態だろう。
    • 獏良が使用する《ネクロフェイス》の除外戦術とシナジーがあるとは言え、《酒呑童子》は漫画版GXの三沢のカードである。
      そして、獏良の主力であるアンデット族や悪魔族ではなく、除外戦術の共通点しかない天使族の「代行者」まで詰め込むのは、やりすぎ。
  • GX:遊城十代パックに《混沌幻魔アーミタイル》とその融合素材「三幻魔」シリーズ、更に三幻魔のサポートカード、そして《蛇神ゲー》。
    • 「アーミタイル」の使い手であるユベルが終盤で十代と融合したり、「覇王十代」として使用した《E-HERO ダーク・ガイア》の融合素材(悪魔族+岩石族)として三幻魔の一体《幻魔皇ラビエル》が有力*6、などの関連性が見出せないわけではないが、三幻魔自体の召喚や戦闘をサポートするカードも詰め込んでおり、十代の主力であるHEROたちとのシナジーは皆無。
    • 原作再現としても、三幻魔は同じGXのボスキャラという関連性があるものの、DMボスキャラの《蛇神ゲー》はGX作中で名前すら出たことがない。
  • ARC-V:黒咲隼パックに「幻影騎士団」「LL」「彼岸」「閃刀姫」「蟲惑魔」「テラナイト」「魔弾」「忍者」「ギアギア」「電子光虫」「森羅」「十二獣」
    • 【幻影彼岸】のように混合デッキが成立するものも一応あるが、どう見ても根本的に数が多すぎる。「閃刀姫」「魔弾」は黒咲のイメージであるエクシーズ主力のテーマですらない。
  • 原作キャラと無関係なシリーズのカードでは、収録形式も一貫していない。
    • 例えば強烈な制約を課す「王宮」シリーズのうち、《王宮のお触れ》《王宮の勅命》は獏良、《王宮の弾圧》は城之内、《王宮の鉄壁》は三沢といった感じ。
  • 1パックずつしか購入できず、裏返ったカードが表になる「開封演出」もスキップ不可。
  • 同名カードは3枚まで使用できるが、3枚使いたければ、自力で3枚手に入れなければいけない。
    • 『TAG FORCEシリーズ』などにある、不要カードのポイント変換(カード生成・交換)の救済措置は無い。
      • 4枚目以降の溢れたカードは無に帰す。 公式発表はないが、統計的には4枚目以降のカードは出にくくなっている。 ただし根本的な面倒さは変わっておらず、確率が低いだけでダブりは発生する。
      • 一応、画面を見ずにAボタン連打するだけでも連続購入できるので「ながら作業」は可能。

対戦バランスの問題点

  • レギュレーション・収録カードについて
    • 世界大会仕様のレギュレーションのため、日OCGの非禁止カードでも、米TCGおよび本作では禁止・制限指定、あるいはそもそも未収録であるなど、日OCGのシミュレーターとしては使えない・扱いにくいところがある。
      • 禁止カードには、相手の特殊召喚を自分の追加ドローで牽制する《増殖するG》のような定番カード、多大なデッキ枚数を墓地落としに利用する《隣の芝刈り》のような特定デッキのキーカードまで該当している。
      • 未収録カードの中では、シンクロデッキで必須級の扱いを受けていた《水晶機巧-ハリファイバー》の不在が痛手になっている。 (Ver1.0.1でおおむね改善)
    • 遊戯王ゲームの常だが、発売当時のレギュレーションに合わせている上、本作はカード追加も行っており、新作カードの規制が甘い。
      • ランクマッチでは、新マスタールールの影響(EXモンスターゾーンの導入と展開の制限)を受けにくいデッキ、中でも【サンダー・ドラゴン】が猛威を振るった。
    • 任意のプレイヤーマッチ、ローカルマッチでも、レギュレーションの解除や変更はできない。
      • オンライン対戦の規制は当然としても、オフラインの規制は遊びの幅を狭めるだけである。
  • 新マスタールールについて
    • リンクモンスターがEXデッキの展開を制限する「新マスタールール」施行によって、『GX』の融合、『5D's』のシンクロ、『ZEXAL』のエクシーズ、『ARC-V』のペンデュラム、常にEXデッキに依存していたアニメシリーズほぼ全てが悪影響を受けている。
      • ストーリーモードのデッキが思うように使いこなせなかったり、有用なリンクモンスターが未収録のため、特にシンクロ系デッキは自作しても万全とは言えない。
      • リンクモンスターの依存が大きい点で、キャラクターイメージのデッキ構築が難しかったらしく、ストーリーの極端な例ではレアハンター"以外も" 禁止カード《天使の施し》 三積みのように開き直った構築さえ見られる。
    • ゲームの仕様として「発売時点の最新ルール対応」が求められるのは必然だが、このルールを適用するなら、デッキ構築は熟慮するべきであった。
      • かといって、例えば「アニメ作品の年代別に当時のルールを再現する」という方法では、プレイヤー側もルールを把握しきれない、開発の負担も大きい、といった問題で実現困難だと思われる。
      • Ver1.0.1「マスタールール(2020年4月1日改訂版)」適用 に伴い、EXデッキに関連する悪影響は、ほぼARC-Vストーリー・ペンデュラム系デッキに限ったものになっている。
  • ストーリー・チャレンジで、デッキ構成の貧弱さ、対戦カードの相性の悪さ、デフォルトで勝つのが極端に厳しいデュエルが存在する。
    • 特に『デュエルモンスターズ(初代/DM)』が顕著。自作デッキも使用可能なので、突破自体は可能だが、雰囲気作り・ごっこ遊びの爽快感には乏しい。
    • シングルプレイではリミットレギュレーションを遵守しなくていいのは先述の通りだが、そもそもプレイヤーのデフォルトデッキ・対戦相手のデッキの一部が レギュレーションに違反 している。
+ 『DM』ストーリーに難のある例
  • ストーリー2話、海馬が《青眼の白龍》(ブルーアイズ)を双六から強奪し、闇遊戯が《封印されしエクゾディア》で撃破する回*7の再現だが……
    • 自分の遊戯デッキは《エルフの剣士》《暗黒騎士ガイア》《ブラック・マジシャン》など通常モンスターを《凡骨の意地》の追加ドローに変換して《封印されしエクゾディア》完成を狙う。
    • 相手の海馬デッキは《ジャッジ・マン》や《青眼の白龍》を《古のルール》で速攻で展開するパワータイプ。
      • 遊戯デッキには《光の護封剣》や《六芒星の呪縛》といった時間稼ぎ、《凡骨の意地》以外のドロー加速として 禁止カード《強欲な壺》《天使の施し》 も用意されているが、十中八九間に合わずに殴り倒される。
      • エクゾディアよりも有力な勝ち筋は、むしろ逆に殴り倒す……ブルーアイズを《サンダー・ボルト》《ブラック・ホール》で破壊して《死者蘇生》で奪ったり、 禁止カード《強奪》 を使うことである。
      • アニメ化されていない原作漫画の最初のデュエルは「海馬が盗んだブルーアイズを遊戯が《死者蘇生》で奪還する」という展開であり、それをオマージュしたもの…だとしても《強奪》はあまりにも無粋。
      • リバースデュエルでは逆に、相手(遊戯)の「凡骨エクゾ」や《強奪》に怯えながら、自分(海馬)はモグラ叩きのように戦闘破壊するだけのデュエルをする。この時の海馬は手札破壊カードなどを使っていなかったので、確かにこうなるが…そもそも原作の敗者視点で逆転勝ちさせるという設定がいかがなものか。
  • 「王国編」のキャラクター、バンデット・キースも難あり。
    • 通常召喚可能なレベル4モンスターが《スフィア・ボム 球体時限爆弾》2枚だけで、それ以外のモンスターは、生け贄(リリース)が必要なレベル5以上のみ。
      • 生け贄が必要になった「バトルシティ編」よりも前のキャラクターなので再現としては間違っていないが、ゲームにならないのは別問題である。生け贄をLPで代用する《死皇帝の陵墓》を入れるフォローだけでは到底足りておらず、直接攻撃の恰好の的になっている。
      • リバースデュエルで使わされるのも当然このデッキ。
  • 「バトルシティ編」までストーリーが進んだ18話、「レアハンター」は凶悪の一言。
    • 偽造した《封印されしエクゾディア》でデュエリストを狩っている設定の人物だが、 本来1枚制限カード であるエクゾディアパーツを全て3積み*8した上で 禁止カード《強欲な壺》《天使の施し》 の3積み6枚セット、その他も《強欲で謙虚な壺》《成金ゴブリン》《無謀な欲張り》などドロー加速カードがデッキの大半を占める。
      • その結果、プレイヤーにターンを回さない先攻1ターン目で勝利することも珍しくない。原作再現のつもりなら この時代に存在しない《強欲で謙虚な壺》だけでも自粛してほしい ものである。
      • なお、ドロップするカードも同様なので、ここで周回すると戦力の大幅強化に繋がる。
  • 闇遊戯デッキに、原作設定では1枚しか存在しない神のカード・生け贄が3体必要な《オシリスの天空竜》が3枚入っているなど、原作再現と実用性のどちらで見ても首を傾げる構築も。
  • チェーン処理について
    • チェーンは「相手のチェーン1魔法カードを、自分のチェーン2罠カードで無効」という風に、後から発動したものから先に処理する。
    • 発動条件・タイミングが指定された効果を一人のプレイヤーが同時に発生させた場合は、プレイヤーが任意で順序を決める。
      • 例えば「アドバンス召喚(生け贄召喚)に成功したとき」というモンスターの効果と、同じ発動条件の《帝王の開岩》が場に存在している、という場合。
        プレイヤーはどちらをチェーン1,2にするか自分で選び、相手の「直前のチェーンを無効にするカード」から身を守る、といったテクニックがある。
      • ところが本作ではこれができず自動でチェーン処理されてしまい、本来のパワーを発揮できないカード・デッキが存在している。
  • CPUの適当さ
    • 遊戯王ゲームでは残念ながら定番化しているこの問題も、相変わらず付きまとってくる。
    • 「モンスターAとBをリリースorリンク素材にして、2枚目のモンスターAを召喚」のように損失しかない無駄な行動を行う*9
    • リンクモンスターには「守備表示・守備力」が「概念として存在しない(0ですらない)*10」のだが、CPUはそれを認識できていない。
      • 数少ないバグの一つとして「墓地のリンクモンスターは守備力0として処理される(《悪夢再び》の回収対象になるなど)」というものがある。

キャラゲー・演出の問題点

  • ゲームのシステム・バランス全体の問題点の他、キャラゲーとしての雰囲気や演出の魅力にも欠ける点が散見される。
+ クリックで展開
  • ストーリーモード・原作再現について
    • 「INF-N8」という本作オリジナルのロボットのキャラクターが語り部となって、デュエリストたちの伝説を追体験していくという設定のようである。
      • ストーリーモードを始めた瞬間、何の説明も無く彼が登場する唐突さ、「なんと盛り上がる導入でしょうか!語りが上手ですね!」というチュートリアルの文章に、違和感を覚える人は多いだろう。
    • ボイスや一枚絵の存在しない紙芝居進行で、派手な効果音や立ち絵の動きに乏しいため、ストーリーをさらっと追える程度の価値しかない。
      • その上にシナリオのピックアップも適当で、ZEXALのラスボス「ドン・サウザンド」などゲーム作品初登場のキャラがいる一方で、GXの「覇王十代」など重要キャラにも未登場のものがいる。
      • ARC-V原作最終戦の「遊矢VS零児」の後に何故か原作には存在しない「遊矢VS遊勝」が差し込まれ、こちらが最終戦となる*11逆に原作で遊勝が唯一まともにデュエルを行った「ユーリVS遊勝」戦は本作未収録。
  • 『TAG FORCE』シリーズでは「OCG未登場のアニメカードをゲームオリジナルで収録する」というキャラ再現・救済措置を取ることが多くあったが、本作にはそれがなく、いびつなデッキ構成も見られる。こちらはパワーバランスよりも雰囲気の問題の強い方。
    • 『GX』のジム・クロコダイルクックは、多用していた「化石融合モンスター*12」の代わりに『5D's』のジャックが使用した「ピース・ゴーレム」シリーズやOCGの「コアキメイル」シリーズを《地球巨人 ガイア・プレート》への繋ぎに使う【岩石族】デッキ。
      • 切り札は原作通りだし、種族統一の雰囲気作りやデッキパワーは最低限整っているが、他キャラのカードをお下がりのように使わされているのは複雑な気分。
    • 『ZEXAL』ラスボスのドン・サウザンドは「ヌメロン」モンスターの代わりに、「ハンド」の戦線維持と「光天使」の展開で《No.101 S・H・Ark Knight》などに繋げる【バリアン七皇ランク4】っぽいデッキ
      • 寄せ集め感が否めない上に、展開の補助も《カゲトカゲ》《ゴブリンドバーグ》《グランドラン》といった『ZEXAL』主人公の遊馬が使用したデフォルメ・コメディ調のモンスターであり、ラスボスの彼には相応しくない。
      • (当時)未OCGカードだった《CNo.1000 夢幻虚神ヌメロニアス》などが冠する「虚無」のイメージなのか、「インフェルノイド」シリーズも紛れ込んでいる。レベルや召喚手順が主力のナンバーズと噛み合っておらず、イメージ再現もデッキパワー追求も、どっちつかずで中途半端。
  • ムービー・グラフィック
    • 有名カード・エースモンスターの召喚時に3Dムービーが挿入されるが、クオリティが粗悪な上スキップも不可能。
    • ムービーに限らず、デュエルフィールドの3Dグラフィックも含めて、90年代後半~00年代初期のようなベタ塗り・のっぺりとした質感。2019年で3000円のゲームとは到底思えない。
      • 『TAG FORCE』シリーズのプリレンダリングムービーと比べても雲泥の差であり、低品質が際立つ。
      • よりによって屈指の人気カード《ブラック・マジシャン・ガール》が特に可愛くないと不評。 Ver1.0.1でグラフィックが修正された。
    • 効果でフィールドと墓地を往復する《スターダスト・ドラゴン》を使った日には、冗談抜きで「嫌というほど」見ることになるだろう。
    • ムービーの選出も疑問がある。
      • 初代デュエルモンスターズ、ペガサスの《サクリファイス》にはムービーがあるが、「神のカード(三幻神)」にはムービーがない。《ラーの翼神竜》だけでもボスの威厳として欲しかったところ。 カードの性能としてはともかく。
      • GX、遊戯十代の《E・HERO サンダー・ジャイアント》のムービーがあるのに、《E・HERO フレイム・ウィングマン》のムービーがない。
        確かにサンダー・ジャイアントも活躍はしたが、「フェイバリットカード」と公言され、第1話をはじめ印象的なシーンも多い、フレイム・ウィングマンを出し抜くものではないだろう。
      • 過去作で恒例だった《封印されしエクゾディア》の勝利時演出はない。 ただし、本作は【エクゾディア】を多用せざるを得ないため、スキップできないムービーはなくても良かったとも言われる。
      • Ver1.0.1でエクゾディアのムービーが追加された。 周回のお供に不純物が混入されたとして、プレイヤーからは逆に批難される珍事が発生した。
  • 『VRAINS』の扱い
    • アニメ『VRAINS』は、本作発売時点でまだ放送中だったことを差し引いても、扱いが悪い。VRAINS主人公・PlaymakerとDM主人公・闇遊戯が並ぶメインビジュアル、『リンク・エボリューション』というVRAINSとリンク召喚をフィーチャーしたタイトルとの不一致を感じる。
    • ストーリーモードにはシナリオが一切無く、NPC3人とデュエルできるだけ。発売より2年前の2017年から放送されていて、シナリオの土台はあったはずだし、30以上ある他シリーズのステージとの格差も大きすぎる。
    • そのNPCも、ブルーエンジェル、Go鬼塚はともかく、3人目が汎用モブデュエリスト・ハノイの騎士という謎の人選。
      • 序盤から登場しているライバルキャラ・リボルバーや、「もう一人の主人公」風に描かれたキャラクター・Soulburnerなど、人気も活躍もあるキャラクターは他にいる。
      • ただし、二人の使用デッキは、このゲームの(当初の)収録範囲内だとあまり強くない。「強い順」で選ばれたのだろうか?
    • Ver1.0.1にてストーリーモードの対戦可能キャラクターが追加された。
      • リボルバー、Soulburner、ブルーメイデン、Ai人間体の4人。最終シーズンまで再現されているが、 結局シナリオがなく、既存3キャラの追加シナリオも無し。
    • Ver1.0.1の追加カード でも、ブースター商品で言うところの『IGNITION ASSAULT』までの収録で、アニメ最終決戦を飾ったエースモンスター《アクセスコード・トーカー》《ジ・アライバル・サイバース@イグニスター》が両者不在。
      • この2枚が収録された『ETERNITY CODE』の発売は2020年1月11日、アップデートで適用された「マスタールール(2020年4月1日改訂版)」の施行よりも前である。
        2020年3月24日のアップデート時期を鑑みれば『IGNITION ASSAULT』(2019年10月12日発売=半年前)の収録でも頑張ったと言える方で、アニメ作品としての不遇ではなく、単なる収録カードの不足だが……あと1パックだけ、せめてカード数枚だけでも、追加で収録できなかったのか。惜しい・物足りない印象を受ける。

ゲーム全般の問題点

  • テンポの悪さ
    • CPUの長考などでデュエル時間が伸びやすい遊戯王ゲームだが、本作はそもそも、ドローや魔法・罠の発動といったあらゆる動作のテンポがとにかく悪い。
      実際のプレイ動画を見てもらえれば分かるが、2倍速でもまだ速いとは言えないレベルである。
      • 《融合》を発動、エフェクトが入って融合召喚が終了するまで約10秒かかる。
        緑の光輪と光点が交差するシンクロ召喚、サーキットが出現するリンク召喚など、エフェクトはアニメを再現した見応えあるものになっているが、やはりというか、スキップ不可。
    • 同じ内容のデュエルでも過去シリーズ『TAG FORCE』の数倍の試合時間を覚悟することになるだろう。
  • オプションが乏しい、自由度が低い
    • BGM・SE・自動スキップ設定の3種類のみ。 どこぞのクソゲーの魔王よりはマシだが 明らかに少ない。
      • ムービー・エフェクトはスキップ不可の上に、ここにON/OFF切り替え設定すら無い。
    • 自動スキップはシンプル・デフォルト・プロの3種類から選択可能。チェーン処理等をマスターしてプロに設定すれば、いちいちチェーン処理の確認がされなくなる。
    • 過去作にあった「カードを自動配置する」設定がないため、召喚や発動の際にいちいち配置先を選ぶ必要がある。
      • リンク召喚の登場で、カードの位置の重要さが増したとはいえ、【フルバーン】のようにカード位置をあまり気にしなくてもいいデッキも多いため、不要な選択処理をスキップできないのは難点。
      • 自分はともかく、相手の【ジャックナイツ】など、双方に影響するものもあるので、致し方ない部分も否めない。
    • 保存可能デッキ数が少ない
      • たったの32。多種多様な戦術・デッキが存在するのに、まるで足りない。
  • 文字の入力・表示について
    • デフォルトデッキ以外は、デッキ名に漢字を使用できない。【サンダー・ドラゴン】などは問題ないが、例えば【蟲惑魔】だと平仮名の【こわくま】で妥協したり、英語名で代用が必要。
    • 枠からはみ出るテキスト、不自然に翻訳された文章や誤字、無用な改行等の問題もある。
      • 【究極竜】【荒野】【黒魔術】他多数のデッキレシピ名で文字表示がおかしく、文字の上に別の文字が重なっている。
      • ストーリーモードのステージ選択画面でも「リプレイする歴史的デュエルを選択します」という微妙な違和感のある日本語が踊る。
        原語では"Select a historical Duel to replay"=「あなたが再現したい、歴史的なデュエル(名シーン)を選択してください」といったニュアンスだと思われる。
      • 「ペンデュラム召喚」が「ペンドゥラム召喚」と記されているのは脱力モノだろう。
  • チャレンジモードにて
    • 先述の通りストーリーモードで勝利したデュエリストと対戦するモードなのだが、闇遊戯と榊遊勝のデッキ構成が全く同じものとなっている。

評価点

  • アニメシリーズ共々、長い歴史を持つ『遊戯王OCG/TCG』を、コンピューターゲームとして実物に近いルールで遊べる。
    • 10,000種類以上 のカードが使える点は、種類だけを考えれば凄まじいの一言。
      • 長い歴史を持ちカードプールが膨大かつ召喚方法が多彩なために多数のコンボやデッキが開発されている。弱小カードを活かす手段も多い。
      • これほどのカードプールを備えたデジタルカードゲームが貴重な存在で、これだけでも評価点になると言えよう。
    • 「対象に取る・取らない」「チェーンに乗る・乗らない」「効果とコスト」のような難解なルールも、およそ正確に処理されており、バグも少ない。
      • 「スタン落ち」*13が無い上に、長期間再生産されていない、高額なセット商品でしか収録されていないなど、入手困難なものもある。
      • アニメから参入したカードゲームに親しみの薄い初心者や、カード収集に困難な事情があっても、気軽に遊ぶことが出来る。
  • リミットレギュレーションを無視したシングルプレイも、ファンコミュニティの一部で最強の【エクゾディア】について議論されるなど、(いわゆる「世紀末的」に)一周して楽しもうとする向きも見られる。
    • 下記のような強力なカードを使う点はほぼ一致するものの、残りの10枚程度をどう埋めるかはデュエリストごとに差が出た。
      • 《強欲な壺》《天使の施し》《苦渋の選択》《成金ゴブリン》《無の煉獄》《一時休戦》《チキンレース》三積み。
      • 《エクゾディアパーツ》《強欲で謙虚な壺》《ドン・サウザンドの契約》 《運命の一枚》 各1枚ずつ。
  • BATTLE PACK
    • ドラフト制の対戦のため、アドリブやデッキ構築のセンスが要求される。環境ではパワー不足のカードも大いに活躍の余地がある。
    • 特定のカードとのコンボ前提のカードが出現しないため、運が悪くてもある程度のデッキにはなる。
      • デュエルの低速化にもなっており、地道にアドバンス召喚したり《つり天井》で盤面を取り戻したりと、高速化した環境とは別の楽しさがある。
    • 対人戦にも対応している。カード資産に差があっても平等にデュエルできる。
  • 「GX」のラスボスであるダークネス、「ZEXAL」のラスボスであるドン・サウザンドといった、今までのゲーム作品で出番がなかったキャラクターが登場する。

総評

デジタルで気楽に遊べる遊戯王ゲームが、久しぶりの据置機対応で、収録カードも10,000種類以上が存在する点は評価できる。
しかし、『WORLD CHAMPION SHIP』や『TAG FORCE』に代表されるOCG再現ゲームとは製作会社が違い、システム周りの利便性、原作再現の多くが廃止されており、作り込みの甘さ・改良の余地を感じる点が散見される。
ガチ対戦用のOCGシミュレーターとしては、カード集めの不親切さ、テンポの悪さ、TCG基準のカードプール・リミットレギュレーションが足を引っ張っている。
キャラゲーとしても、原作再現・ゲームバランス両面の歪さ、低品質のグラフィック、一部作品の扱いの悪さなどから、褒められないものになっている。
アップデートで多少改善されたものの、根本的な問題点は改善されておらず、初期Verで離れたプレイヤーを復帰させるには至っていない。

カード集めの苦労や、ゲームのテンポや独自のルールに慣れてさえしまえば、豊富なデッキ構築や対戦を楽しめるため、膨大な作業量に耐えられるかが、本作の評価の大きな分かれ目となる。
『WORLD CHAMPION SHIP 2011』以来のオンライン対戦復活など末永く遊べる機能があることも利点で、合う人なら値段以上に楽しめるだろう。

ただし、遊戯王ゲームには現行の基本プレイ無料タイトルが存在しており、今となっては相対的にもオススメしにくい状況である。「余談」として後述。


収録カードに関する問題・返金騒動

  • 本作は元々、「 遊戯王OCG デッキビルドパック ヒドゥン・サモナーズ』までのカードを収録」と公式サイトに掲載しており、これは「日本で2018年8月ごろまでに発売されたカードを収録」という意味合いとして受け取れる。
    ところが突如この告知が削除され、発売2日前(4/23)になって「 海外版 '『 遊戯王TCG Hidden Summoners』までのカードを収録」とTwitterで発表
    • 冒頭に記した通り、 日OCG 米TCG の間には決して無視できない違いがあるため、突然の発覚にプレイヤー一同は騒然となった。
      • 上記ツイートはただの宣伝で謝罪文ではないため、この時まで誤表記に気付いていなかったと考えられる。
    • 「遊戯王OCG」と明記されていたこと、ダウンロードの予約販売が既に始まっていたこともあり、「優良誤認」も疑われる事態に発展。
      • 結果、翌日:発売前日(4/24)に誤表記としての謝罪、さらにその2日後:発売翌日(4/26)には、予約購入者への返金対応を開始した(5/24まで受付)。
      • コナミ公式サイトおよびニンテンドーeショップの紹介では「(日)OCGと収録内容が異なる」ことが真っ先に掲載されるようになっており、この問題が重く受け止められたことが見て取れる。
      • 2019年当時において、ダウンロード予約は返金に対応しないものとされており、異例の対応といえる*14
    • 金銭トラブルを抜きにしても、ゲーム性を損なう収録カードの狭さ、発表の遅さには、多くのプレイヤーが不満を抱えている。
      • 当時のOCG環境で必須級であった《水晶機巧-ハリファイバー》他多数のリンクモンスターが収録された『LINK VRAINS PACK』が収録外*15だったことは、「環境デッキのシミュレーションに使えるかどうか」において致命的な差異である。
      • 一方、海外先行販売カード【Danger!】(後の【未界域】)などを一足先に日本で使える、などということもなかった。

余談

  • 起動時に表示される「OTHER OCEAN」のロゴの魚は左右のスティックで眼と体を回せる。
  • ダウンロード専売タイトル故、『TFSP』と同様に特典カードは存在しない。
    • ゲームと同日に攻略本が発売されており、こちらにはリンクモンスター《プログレオ》が付属している。
    • 海外版では《プログレオ》《サイバネット・コーデック》《マイクロ・コーダー》の3枚をつけたパッケージ版を発売している*16
  • 「レアハンター」の強さは、海外における2015年の前作発売時点から一切変わっていない。
    • その強さと悪名は当時から動画サイトなどで伝えられており、そのゲームが下敷きの続編ということで、日本でも発売前から完成度の低さを危惧されていた。
      • しかし遊戯王という日本発コンテンツの強力なブランドと、久しぶりの家庭用ゲーム発売という期待の前では、その懸念は全体から見れば極一部に過ぎず、決して大きく取り上げられなかった。
      • そして明らかになった実態と、そもそもそれどころではない優良誤認紛いのトラブルも相まって、発売後の非難の声は非常に大きい。
  • 遊戯王ゲームでは基本プレイ無料タイトルが2本配信されており、どちらもオンライン対戦に対応している。
    • 『遊戯王デュエルリンクス』(2016年11月~)
      • モバイルを主要なプラットフォームとして、「スピードデュエル」を採用した対戦ゲーム。
        そのルールに加えて、キャラクターの「スキル」やアニメ出身オリジナルカードの実装で、アニメ・キャラ再現を重視すると共に、OCGとはひと味違う独特のゲーム性を実現しているほか、キャラクターのボイスや3Dモデルのカットインも充実している。
      • こちらの長期間にわたる好調が伝えられていたことで「CS版遊戯王はもう出ない」と諦めていたプレイヤーが多く、本作の発表は驚きをもって迎えられた…が、実態は上述の通りであった。
    • 『遊戯王マスターデュエル』(2022年1月~)
      • 本作の対象ハードを全て含むCS/PC/モバイルの完全マルチプラットフォームで、「マスタールール(2020年4月1日改訂版)」対応のOCGをほぼ完全再現した対戦ゲーム。
      • カード発売から半年~1年程度での追加実装や、本作とは違い「海外先行カードの日本版発売前デジタル実装」も実現しており、対戦ゲームとしての充実度ではほぼ上位互換となる。
    • 上記の2作と比較した場合、本作の長所は「(運営型・ガチャ式の2タイトルと違って)安価な買い切り式である」「(一応)アニメのストーリーを追体験できる」「ドラフト制の対戦が可能」ぐらいしか挙げられないのが、残念ながら正直なところ。
+ タグ編集
  • タグ:
  • TCG
  • コナミ
  • 2019年
  • 遊☆戯☆王

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最終更新:2024年01月02日 01:51

*1 日OCG/米TCGの比較を主とした解説。韓国版・中国版もOCG名義の販売だが、販売形態・発売時期は日本と同一ではない。

*2 商品名の都合上、裏面のロゴ表記が異なり区別できてしまうため、義務づけられている。また、公式大会では「現地の母国語版」のみ使用可。

*3 本来は同名カードをデッキ内に3枚まで使用可能であるところ、強力すぎることを理由に0~2枚まで制限するルール

*4 任意で止められない無限ループを、数枚のカードだけで容易に引き起こす。

*5 時間切れの判定勝ち狙いで利用される《神秘の中華なべ》など、一部カードの禁止指定は、本作に適用されていない。

*6 実戦的なレベルではないが、同パックのカードだけでも融合召喚は可能。岩石族の素材には同パックの《N・グラン・モール》や《The despair URANUS》などが使える。

*7 アニメ第1話『戦慄のブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン』のうち、遊戯と城之内のお手本デュエルがこのゲームの1話として再現されて、VS海馬が2話。

*8 これ自体は原作再現。本来はエクゾディアパーツを積むより、他のドロー加速カードを入れた方が良い。ただし、手札破壊の対策や壁モンスター扱いの2枚目なら考慮の余地はある。

*9 墓地に送った方が都合の良いモンスターなど、プレイヤー視点であえて行う事例もあるが、本作CPUは(割と例年通り)本当に無意味に行う。

*10 何!? 守備力がないなら、守備力0ではないのか!?

*11 原作は最終話で遊矢と遊勝がデュエルを始める所で完結するため、デュエルの過程や結末は不明

*12 後に「COLLECTION PACK 2020」でOCG化を果たしている

*13 環境・流行を入れ替えるルール改訂。「発売から一定期間経過したカードを、公式大会の主流レギュレーション(スタンダード)では使用禁止にする(落とす)」の俗称。『マジック:ザ・ギャザリング(M:TG)』『ポケモンカード』の採用が有名。

*14 この後も他タイトルで優良誤認トラブルを招き、2020年9月から条件付きでキャンセル可能になった

*15 『LVP』はTCGでは発売されず、他の商品に分割して収録され、《水晶機巧-ハリファイバー》はOCG登場から2年後の2020年、ようやくTCGで発売された

*16 海外でのパッケージ販売されるのは北米では『ワールドチャンピオンシップ2011 オーバー ザ ネクサス』、欧州では『激突!デュエルカーニバル!』以来であり、同梱カードの《サイバネット・コーデック》《マイクロ・コーダー》の2枚は「ストラクチャーデッキーマスター・リンクー」で収録されていたもので海外では同デッキが未発売。