こんな魔法少女…アタシはレミィ

【こんなまほうしょうじょ あたしはれみぃ】

ジャンル 地球アドベンチャー
対応機種 Windows
発売・開発元 WINTERS
発売日 2002年10月4日
定価 8,800円(税別)
レーティング アダルトゲーム
配信 2007年10月9日/2,000円(税別)
判定 クソゲー
ポイント ボリュームが少なすぎる
場当たり的で意味不明なシナリオ
どっちらけなED


概要

WINTERSの5作目。
ライターは本ブランドのみで活動している平井次郎氏。 タイトルに「アタシ」と付いているが、過去作『こんなアタシでも…』シリーズとは特に関係がない。

ストーリー

地球平和…この言葉を耳にして、どのような思いを抱くだろうか?
謎の世界から舞い降りた『魔法少女・レミィ』が実現しようとしているのは、『地球平和』です。
主人公である無職青年・テツロウの部屋のテレビから、レミィは突如として現れます。
地球平和への方法とは?
(公式サイトより抜粋)

特徴

  • 選択肢1箇所のみのアドベンチャーゲーム。
    • 開始数分でテレビから魔法少女が飛び出してきて、「魔法なんか、誰が信じるか!」「信じる」の2択を選ぶ。
      • 前者はわずか30クリック程度の文章が表示されてゲームが終了する即死選択肢。
      • 事実上後者しか選択肢が存在せず、ゲーム要素はほぼ皆無と言える。
  • テキストに「…」が多用される。
  • レミィ以外に1人の人間と3人の魔法少女がヒロインとして登場する。

問題点

  • ボリュームが薄い
    • 抜きゲーとは言え、数時間で終わるボリュームかつ一本道のため、コストパフォーマンスが悪い。
    • 重い題材に対してテキスト量が少なすぎるため、各キャラクター心情や状況の変遷はおろか最低限の説明すら明らかに不足している。
      • そもそも題材の重さと手軽さをウリとしている抜きゲーというジャンル自体が噛み合っていないともいえる。
  • ストーリー
    • 矢継ぎ早に設定が追加され、後から申し訳程度に解説がなされる。
    • 脈絡がなく、その場その場で都合良く後付けしたとしか思えない。以下は一例。
      • 『サヨナラ』という言葉で魔法少女を撃退できる
      • 防御魔法には小便が有効なため、バリアを小便で突破する。
      • 63億の人間から『心の闇』を集めることに失敗し、悪意が巨大なロボットとなる。
      • ↑のロボットを拳で倒す魔法少女。
    • エロシーンは上述した無茶苦茶なストーリーの合間合間に挟まる。
  • エンディング
    • 上記のように荒唐無稽な戦闘に対して現実味のある「核ミサイル」がエンドに深く関わるため浮いている。
    • レミィは『核ミサイルを全て破壊する魔法』を唱えるとブラフをかけるが、人間に攻撃されてしまう。
    • 人間側の悪意があるのは確かだが、その後のレミィの行動はさらに問題がある。
+ エンディングのネタバレ
  • レミィは自分に向けられた核ミサイルを受け止め、武器としてビルをなぎ倒す
    • その後、核ミサイルは爆発、生き残った人間は、レミィの体内に保護された二人だけとなる。
  • レミィ曰く「全ての国がアタシを殺そうとしたから、人間を残らず殺すしかなかった」
    • だが、「全ての核ミサイルの破壊に賛成したモブ」などが描写されているため、明らかに殺す必要のない人間が含まれている。
    • そうでなくとも、人類を二人*1とその他で二分するのはあまりにも短絡的過ぎる。
  • 後付設定も相変わらずで、「人間以外の生物への被害は最小限に抑えた」「核ミサイルの放射能は消去した」などとレミィが語る。
    • そんなご都合主義な器用な魔法があるのなら、もっと穏便な手段を取れたのではないかと思わざるを得ない。

評価点

  • 舌吸い・巨女といった要素がある。作品数が少ないのでニッチ嗜好には合う。
  • 無職主人公を取り巻く気怠げな空気を感じさせるBGM。
    • チープではあるが、そこに独自の魅力を見出す人もいる。

総評

魔法少女とエロシーンが荒唐無稽なのに対し、「核ミサイル」という唐突なシリアス要素が噛み合っていない。
バカゲーとして笑い飛ばすのも難しく、「無職の妄想」というコンセプトは皮肉にも合致する。

パック販売

+ 移植一覧
  • 冬箱
    • このブランドのメイン『KISSシリーズ』以外のオムニバス。
      『こんなアタシでも…』
      『ゴメンなさい…アタシのせいで』
      『真冬外伝』
      『アンバランス~彼女の心は奪えない?~』
      『こんな魔法少女…アタシはレミィ』
      感覚の鋭い牙』の6作を収録。
  • WINTERS二重箱
    • オムニバスソフト『KISS×∞』と上記の『冬箱』のセット
    • 合計で13作収録という大ボリューム。
  • WINTERSぜんぶ
    • タイトル通りWINTERS全作品のセット
    • 合計で18作収録という大ボリューム。
最終更新:2022年09月11日 05:36

*1 主人公と親しい女・主人公。