Wasteland 2
【うぇいすとらんど つー】
ジャンル
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シミュレーションRPG
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対応機種
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Windows XP/Vista/7/8/8.1/10(64bit版のみ) Mac OS X 10.5-10.14 Ubuntu 12.04以降
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発売元
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Deep Silver
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開発元
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inXile Entertainment
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発売日
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2014年9月19日
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配信
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Steam:2014年9月19日~2015年10月13日/3,090円 GOG:/$29.99
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備考
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『Wasteland 1: The Original Classic』が付属
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ゲームエンジン
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Unity 3D
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判定
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なし
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概要
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コモドール64他PC向けRPG『Wasteland』の続編。
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『Wasteland』を制作したエレクトロニック・アーツは当初はその続編を制作する意向を示していたが、計画を取りやめた。
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『Wasteland』の開発を担当したInterplay Entertainmentは『Wasteland』の続編を制作したいと『Wasteland』の版権を持つEAと交渉を重ねたが合意に至らず、精神的続編として『Falloutシリーズ』を制作した。
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『Wasteland』の版権はなぜかコナミに移り、2003年にinXile Entertainment(『The Bard's Tale』、『Choplifter HD』、『Torment: Tides of Numenera』)がこれを買い取ってGOGにて『Wasteland: The Original Classic』を販売。
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2012年にinXile Entertainmentは『Wasteland』の続編を作るとしてKickstartにて資金を集め、本作が制作された。
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2019年に有志による日本語化MODが公開された。本稿ではこの有志翻訳に基づいた用語を元に各内容を解説する。
ストーリー
ハルマゲドンが起こった際に工兵だった者たちが周辺の住民の治安維持のために戦い、デザートレンジャーと呼ばれるようになった。
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ストーリーは『Wasteland』の続きとなる。
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『Wasteland』の登場人物たちもNPCとして登場する。
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なお、『Wasteland』のゲームディスク自体がアイテムとして登場する。
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プレイヤーはこのデザートレンジャーの新人分隊を率いて任務をこなしてゆく。
システム
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難易度は、ルーキー、ベテラン、レンジャー、ナイトメアから選択可能。
キャラ作成
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最大で4名のメンバーで分隊を作成可能。
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「既存のレンジャーを使用」で、デフォルトの隊員を選択可能。
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「新しいレンジャーを作る」で、僕の考えた最強の分隊も作成可能。
スキル
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スキルは「戦闘スキル」「知識スキル」「一般スキル」に分かれている。
レベルアップごとにスキルポイントが得られるので、いずれかのスキルにポイントに割り振ることで、スキルを伸ばすことが出来る。
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戦闘スキル:各武器系統の習熟度
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知識スキル:「衛生兵」、「ロックピック」など雑多なスキル
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一般スキル:より雑多なスキル。例えば…
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キスアス、スマートアス、ハードアス:会話で相手を自分たちにとって都合のいい行動を取らせるような説得が可能。
例えば、戦闘場面かと思われるシチュエーションで「お前たちをデザートレンジャーの一員として迎えてやる」というスマートアスの選択肢で戦闘を回避出来たりする。
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リーダーシップ:ゲストNPCは一定確率で勝手な行動を取るが、リーダーシップが高いとそれを抑制することが出来る。
ピーク(PERK)
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Lv.が4上がる毎に選択で獲得出来る能力。
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「いじめっ子(カバー状態の敵に追加ダメージ)」、「硬化(クリティカルヒットを受けたときのダメージ低減)」など非常に強力。
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取得に前提条件があるものがあり、例えば「慎重なハンター(ショットガンの誤射率 -25%)」は当然、戦闘スキルのショットガンが必要であるとか、「正確なハンター(ショットガン使用時の誤射率 -50%)」は「慎重なハンター」の習得が必要などとなっている。
クワーク(QUIRK)
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レンジャーが持っている特質。いずれも長所と短所を併せ持っている。
ただし、新規キャラ作成時にしか付与できない。付与しなくとも良い。
例えば…
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サーカス団育ち:回避率+5%・リーダーシップボーナスなし
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奇数恐怖症:レベルが偶数の時、全特質値+1・レベルが奇数の時、全特質値-1
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躁鬱病:10~15分ごとに能力値が+2~-2の範囲でランダムに変化
Wasteland探索
砂漠mapを探索する。
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行き先はマップ上にてカーソルで右クリックで選択する。もしくは、地図で目的地を選ぶ。
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カーソルを動かしている間、その目的地に行くまでに消費するであろう水筒の目盛が表示される。
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水筒の水がなくなるとHPが減少してゆくため、事前にレンジャーシタデルで水筒を満たしておく、もしくは道中でオアシスに立ち寄って水筒に水を補給する必要がある。
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放射能の雲がある場所を通ると、分隊のメンバーのHPが徐々に減ってゆく。
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「RADスーツ(防護服)」を使うと、放射能汚染に耐えることが出来る。
RADスーツには耐えうる放射能のレベルが設定されており、上限を越える放射能のレベルの汚染地帯では役に立たない。
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ランダムエンカウントで敵や行商人と遭遇することがある。
戦闘
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ランダムエンカウントもしくはイベントマップにて、敵に発見されると戦闘に移る。
もしくは、レンジャーの「フリー射撃」から敵を攻撃すると先制攻撃が可能。
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探索モードからグラフィック的にはシームレスに、SRPG様の戦闘へ移行する。
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戦闘中はフィールドは格子状のマスに区切った形で表現され、マス単位でSRPG様に移動することになる。
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カバーで障害物に身を隠すと、敵からの命中率が下がる。
戦闘前に障害物の陰にいるとカバー状態で戦闘が始まる。
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攻撃ターンは敵味方関係なくキャラの「戦闘速度」によって決まり、戦闘速度が遅いキャラが1回攻撃するまでに戦闘速度が早いキャラに複数回攻撃ターンが回って来ることもある。
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重火器やアーマーなどを装備していると戦闘速度が遅くなるペナルティがある。
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ターンが回ってきた際には、APを消費して移動、攻撃、アイテムの使用などが出来る。
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運が高いとAPにボーナスが付く。分隊員全員の運の和が敵よりも充分に高いと、敵側にはAPボーナスがつかなくなる。逆もまたしかりである。
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APを使い果たすか、ターン終了を選ぶとそのキャラのターンが終了となる。
APを余らせてターン終了すると、次のターンに少量のAPを持ち越すことが出来る。
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戦闘中に戦闘不能となったキャラを規定時間以内に蘇生できなければキャラロストとなる。
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分隊員をキャラロストした場合は、レンジャーシタデルの井戸付近に座っている新人から補充される。
ログブック
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TO DOリストのような形式にてイベントの進行具合を示している
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本作はいくつものイベントが同時進行する。例えば、最序盤でさえ「エースのログブックを探せ」「無線中継機を取り付けろ」の2つが同時に進行する。
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上記二つのような長期間にわたるクエストもあれば、同じミニマップ内で終わるものもある。
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溺れている少年を助けるという、非常に短時間の時間制限が付いたものもある。
評価点
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キャラの作成、育成の幅の広さ
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新規作成キャラでゲームスタート出来る。
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ゲームに慣れたなら、QUIRKを付けたおバカキャラで舐めプレイ、縛りプレイも可能。
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キャラ育成も自由度が高い
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爆発物など、初期には要らない能力は付与を後回しに出来る。
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ゲストNPCキャラは加入、解任が選択制
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ゲストNPCは分隊員との合計が最大7名になるまで加入させられる。
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分隊員はデフォルトでは4名でスタートするため、その場合ゲストNPCは3名まで加えられる。分隊員は1名で始めてもよいため、その場合はゲストNPCは6名まで加えられる。
なお余談となるが『Fallout』のコンパニオンは人数制限が無制限であった。
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要らない子は加入させる必要がないし、要らないと思った時点でどこででも解任できる。
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なお、ゲストNPCをアイテム倉庫に使おうとすると、アイテムの種類によっては、一度与えると二度と手放さない(他キャラに渡さないし、売却できない)ものがあるので注意。
なお、アイテム倉庫自体はレンジャーシタデル内にある。
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解任したメンバーはレンジャーシタデル内に待機しており、いつでも分隊に加えることが出来る。
問題点
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グラフィックの質が見劣りする
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同時期の同様な内容のゲームに比べると、造形やテクスチャーの作り込みが今ひとつであり、PS2のゲームをやっているのかと思うレベルである。
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非難の声が大きかったため、ゲームエンジンをUnity 4.5に変更してグラフィックをほとんど作成し直した『Wasteland 2: Director's Cut』がすぐさま製作され、本作に置き換えられることとなった。
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ストーリーやイベントのクリア順序の自由度が低い
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オープンワールドのようでオープンワールドではない
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放射能の雲や敵の強さで探索範囲は制限され、こなすべきイベントの順番がコントロールされている。
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『Falloutシリーズ』は敵のドロップが強すぎてストーリーの順番をぐちゃぐちゃに出来るが、本作では敵のドロップに頼りづらい。
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ちゃんと「ロックピック」や「金庫破り」、「ハッキング」スキルを上げていないとドアを開けれずドアの先へ進めない、金庫や武器の入った箱などを開封できないので、上位の装備が先回りに入手しづらい。
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イベントを正規ルートで進めるためには、スマートアスなどの会話スキルも必要となっており、やはり、イベントの進行のために相応のレベルアップが必要となっている。
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不快な後味の悪いイベントが多い
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「レンジャーが最善を尽くし、あなたがどんなに頑張っても、幸せな結末を迎えられないこともあります」というヒントがあるが、本当にどうしようもないイベントがある。
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「Agセンター」と「ハイプール」の2箇所で同時にイベントが発生し、どちらかしか助けられず、一方(もしくは両方)が廃墟となる。
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とある人物から助け出してくれと頼まれた人物は、その時点でハチミツアナグマに襲われて既に死んでいる。
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重病や大怪我をしているキャラに「殺して」と頼まれることがある。場合によってはトドメを刺した方がマシな展開になる。
総評
名作の待望の続編。システムは初代とは大きく異なるものの、関連作となる『Falloutシリーズ』の初期作と大きく違わない。
しかし、ストーリーやイベントの自由度という点で大きく異なっており、『Falloutシリーズ』のように何でもありではない。また、イベントは発生条件や途中で失敗させない条件が自キャラのスキルレベルに強く依存しており、低レベルクリアは出来なくなっている。
逆にキャラの育成では『Falloutシリーズ』よりも自由度が高くなっており、再プレイ性がある。
その後の展開
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2015年10月13日に『Wasteland 2: Director's Cut』が発売された
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これに伴い、オリジナルの『Wasteland 2』は販売終了となった。
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『Wasteland 2: Director's Cut』のほうが上位互換となるため、今となってはわざわざ無印をプレイする意味もなくなっている。
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グラフィックのほとんどが差し替えられ、UIの見直し、新規QUIRKの追加、ランダムエンカウントのバリエーションが増えている等、ゲームそのものは変わらないものの、見た目はかなり違うものとなっている。
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PS4にて『Wasteland 2: Director's Cut』の日本語版がスパイクチュンソフトより発売された。
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2020年8月28日には待望の3作目である『Wasteland 3』がWindows(Steam)/PS4/Xbox Oneにて発売された。
最終更新:2024年09月21日 22:05