Fallout: A Post Nuclear Role Playing Game

【ふぉーるあうと あ ぽすと にゅーくりあー ろーる ぷれいんぐ げーむ】

ジャンル RPG
対応機種 MS-DOS
Windows
Mac OS X
メディア CD-ROM 1枚
発売元 Interplay Entertainment
ベセスダ ソフトワークス
開発元 Interplay Entertainment
発売日 1997年9月30日
配信 Steam:2010年12月20日/980円
GOG:/$9.99
判定 良作
Falloutシリーズリンク


概要

核戦争後のアメリカを舞台としたRPG『Falloutシリーズ』の日本未発売の第一作目。
1987年にInterplayが開発、Electronic Artsが販売したRPG『Wasteland』の精神を受け継ぐ作品として製作された。
本作は『3』以降のような一人称視点ではなく、見下ろし視点(クォータービュー)で進行するターン制SLG風のRPGとなっている。

ストーリー

2077年、ついに起きてしまった核戦争により世界文明は壊滅した。
アメリカも多大な被害を受け、人々はVault社の建設した核シェルターへ退避し、その中での生活を余儀なくされていた。

2161年、あなた(プレイヤー)の住むVault 13ではある問題が起きていた。
浄水装置のウォーターチップが壊れ、修理不能となってしまったのだ。このままでは住人は水を飲めずに息絶えてしまうだろう。
あなたは代わりとなるウォーターチップの探索任務をVaultの監督官から任命され、外の世界へと旅立つことになったのであった。

基本システム

  • 本作は主にマウス操作でプレイする事になる。
    • 行きたい場所をクリックすれば移動、右クリックするとカーソルが変化し、物を調べたり会話したり出来る。
    • アイテムの装備やステータスのチェックは画面下に並んだボタンを操作して行う。セーブやロードもここからいつでも可能。
  • 敵に気づかれる、画面下の武器アイコンをクリックすると戦闘態勢に変化する。この時は敵、NPCと交互にターンが回ってくるようになる。
    • プレイヤー含む各キャラは所定の行動ポイント(AP)内で行動する。移動、攻撃などをするたびにAPが減り、APを使い切るか待機する事でターンが経過する。待機した場合、残りのAPはアーマークラス(AC、回避率に影響する)に加算される。再度ターンが回ってくるとACは元の値に戻る。
    • 攻撃時は武器アイコンをクリックする事でカーソルがターゲットアイコンに変化。そのまま敵に重ねると命中率が表示され、クリックする事で攻撃を行う。
      • 武器は1度に2つまで、防具は1つまで装備可能。武器アイコン左上のボタンで武器を切り替えることが出来る。
    • さらに武器アイコンを右クリックするたびに攻撃方法を変更出来、通常攻撃、バースト攻撃、リロードなどの行動を取ることが出来る。
      さらに敵の特定部位を狙う部位攻撃(後のV.A.T.S)も全ての武器で可能。部位によって命中率、ダメージが変化したり、部位破壊が発生するようになっている。
    • スキルの使用は画面右下のSKILLDEXボタンから選択するか、キーボードの1~8キーがショートカットとなっている。
  • レベルが上がるとスキルポイントを入手出来、任意のタイミングで割り振ってステータスを強化できる。
    • また、3レベルアップごとにPerkを修得できる。Perkの中にはステータスが一定以上を条件とするものもある。
      • 後述する特徴の中にはPerkを得られるのがレベルアップ4回ごとに変化するものもある。
    • なお、レベルの上限は21のため、計画的な育成が必要となる。
  • 街間の移動はワールドマップから行き先を指定して行う。『ロマサガ』に近いが、移動先を選択するとプレイヤーのアイコンが移動して日数が経過していく。
    • 移動中、ランダムでエンカウントが発生する場合があり、敵やキャラバンなどと遭遇する事がある。エンカウントマップの端まで移動すればワールドマップに戻れる。
      • 時折通常とは異なるスペシャルエンカウントが発生することもあり、特殊なアイテムが手に入ったりする。
  • 本作は、ほぼ全てのNPCと取引が出来る。
    • 取引は物々交換で行われ、互いに釣り合うようにする必要がある。キャップ(通貨)も交換材料のひとつにすぎないため、釣り合えば物々交換だけで買い物も可能になっている。
      • 交換の際は個数を指定することも可能。特定のスキルが高ければ有利に取引が出来ることもある。
    • アイテムには重量が設定されているので持ち歩ける数は自ずと決まってくる。

評価点

  • 核戦争後の未来が舞台でありながら50年代アメリカの要素を取り入れた独特の世界観。
    • ゲーム開始時のイントロムービーからレトロな雰囲気が漂いつつも殺伐とした世界観が描かれている。
      • クエストにおいても悪人を殺して助けた人質から殺したことを罵倒される場面もあったりと、勧善懲悪はなく考えさせられるイベントもある。
    • 登場する人物たちもシビアな生活を送っているが、それでも友好的に接してくる人もいる。彼らとどう付き合っていくかが本作の醍醐味と言える。
    • ブラックユーモアも多数散りばめられており、前述のスペシャルエンカウントなどもお笑い要素が多い。
      • シリーズおなじみの「Pip-boy」も本作の時点で登場している(本作ではPip-boy 2000)。探索の残り日数を確認したり受けているクエストを確認するのが主な機能だが、特定の日付になるとお祝いメッセージが表示されたりとちょっとした所まで遊び心に溢れている(12月25日だと「Merry Christmas!」など)。
  • グラフィックは美麗で細かいところまで描写されている。
    • もっとも、細かすぎて後述の問題なども存在するが。
    • 町のリーダーなど特定の人物と会話する際はアップのグラフィックも用意されている。なかなか気合の入ったプリレンダCGで当時としては高クオリティだった。
  • 非常に自由度の高いゲーム設計。
    • ストーリーにある通り、本作の当初の目的はウォーターチップの探索である。探索には期限となる日数が設けられているが、期限内ならば何をやっても構わない。
    • ウォーターチップを見つけて届ければ期限はなくなり、自由に探索が可能になる。なお、とあるイベントを起こすと期限が延長される救済がある。
    • 人々から依頼を受けるもよし、Stealスキルを使って盗みを働くもよし、戦闘など行わず売買で生計を立てるもよし…と、遊び方の幅が広い。
      • クエストの攻略方法も様々な選択肢が用意されている。敵を全滅させたり、交渉して無血クリアする、人質の檻をピッキングして開ける、爆弾で吹き飛ばして開ける…など。
  • エンディングもプレイヤーの行動により変化するマルチエンディング方式。
    • 基本的に各種イベントのその後がテキストで語られるだけだが、ラストシーンにおける主人公の行動が変化するものもある。
    • ちなみにラスボスも選択次第では倒す必要がない。
  • システムはTRPGそのままであり、能力値や疑似ダイスロール判定によってシナリオ展開及び成功不成功が決定される。*1。出来る事が非常に多く、プレイヤーによって展開は十人十色に変化する。
    • ゲーム開始直後はプレイヤーキャラの製作から始まる。名前、性別、年齢、S.P.E.C.I.A.L、タグスキル、特徴を設定できる。
      • S.P.E.C.I.A.Lは『3』『NV』と同様、ステータスの基礎となる値。ボーナスポイントを割り振る他、ポイントを減らして別の箇所に割り振る事も出来る。
      • タグスキルは3つまで選択可能。選択したスキルは初期値が上がるだけでなく、スキルポイントを割り振ると1ポイントにつき2%ずつ増加するボーナスがかかる。
      • 特徴(Traits)は2つまで選択できる。どの特徴にもメリットとデメリットがあるが、基本的にデメリットの方が強い。あくまで任意なので、1つも選ばなくても良い。
    • 開始当初から3人分のキャラクターが用意されているが、能力は微妙なため自分で作成するのが一般的である。
      • 前述の通り成長の機会は限られているので、最初から方向性を決めておくとスムーズにプレイしやすい。
  • ゲームを進めるとコンパニオンが仲間になる。
    • 仲間になるメンバーはWastelandで登場したデザートレンジャーの一員や犬など個性派揃い。本作にはコンパニオンの人数制限がないので、自由にパーティー編成が楽しめる。
      • ただし、味方間での誤射も存在するので人数が増えれば増えるほど誤射の危険性が高まったりもするが…。
    • 彼らはAIにより自動で動くが武器を変えたりする事は可能。
      • アイテムを渡す際は他のNPC同様、取引を行う必要がある。取引は続編の2と異なり無償では行えないが、Steal(盗み)スキルで代用出来る。

問題点

  • バグが多い。
    • アップデートも行われたものの、多くのバグは残ったまま。その数は『3』以上とも言われている。
    • 対策として、非公式パッチを導入しておく事が推奨されているほど。ゲームをスムーズに進行したいなら、多少面倒でも入れてみる価値はあるだろう。
  • ゲームバランスはやや大味。
    • 最初からどこでも行ける為、シナリオを無視して進むと強敵と出会うランダムエンカウント地帯に進み何も出来ずに殴り殺される事がある。一方で(知っていれば)すぐに入手できる最強装備でそれもアッと言う間に覆せる。
    • キャラの能力値は無意味に近い物とゲーム展開そのものが変わる物とで差が大きい。SPECIALのCHは会話に及ぼす影響が限定的かつそれ以外の意味が薄い一方で、INはシナリオ進行全てに影響を及ぼすほど会話内容が変わる上にレベルアップ時の取得スキルポイント量に影響する。スキルも同様に無意味な物と重要な物とで差が極端。
    • どこでもいつでもセーブが可能なので、失敗即ロードで強引に先へ進むことも出来てしまう。この辺りは自分なりに制限を設けるべきかもしれない。
  • キャクラターのグラフィックが小さく見づらい。
    • 装備している防具によって姿が変わるが、装備によってはNPCと同じグラフィックになってしまうので敵と味方の区別がつきにくい時がある。

総評

『3』が発売されるまで日本での知名度は低く、海外ではGameSpotの97年度のRPG・オブ・ザ・イヤーに選ばれはしたものの極めて人を選ぶストーリーや世界観からメジャークラスの人気を得ることはできなかった。 しかしファンタジーが主流だった当時としては珍しい独特の世界観と自由度の高いゲームデザインが高く評価され多数のファンを生んだ。Baldur's Gateシリーズ程ではないが、Interplay社の代表シリーズの一つとなる。
現在はSteam等の配信サービスや、初期三作が同梱されたディスクのFallout Collectionで手軽に購入でき、日本語化も可能なので日本のプレイヤーにも認知されてきている。興味があればプレイしてみるといいだろう。
ネット上でも日本語化の方法やシステム解説、プレイ日記や動画もアップされているので参考にしていただきたい。