ドラえもんWii ひみつ道具王決定戦!
【どらえもんうぃー ひみつどうぐおうけっていせん】
ジャンル
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ひみつ道具パーティーゲーム
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対応機種
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Wii
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発売元
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セガ
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開発元
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エイティング
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発売日
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2007年12月6日
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定価
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4,880円
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象)
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判定
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良作
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ドラえもんシリーズ
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概要
ドラえもんのボードゲーム。
Wiiリモコンを使った楽しいミニゲーム30個が収録されている。
ゲームシステム
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ゲームを開始すると「ボードゲーム」「ミニゲーム」「ひみつ道具ずかん」の3つから遊ぶモードを選ぶ。
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ボードゲーム・ミニゲームは4人でプレイする。プレイアブルキャラはドラえもん、のび太、しずか、ジャイアン、スネ夫の5人+隠しキャラのドラミ。
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ボードゲームは「ポイント」を集めるのが目的で、最も多くポイントを集めた人が優勝。
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ポイントはミニゲームに勝つと貰えるほか、マップ上の「プラスマス」や「グッドイベントマス」に止まったり、ひみつ道具を使用することでも手に入れられる。逆に「マイナスマス」や「バッドイベントマス」に止まるとポイントを失う。
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基本的にマップはサイコロ(1~6)を振って進んでいくが、アイテムとして「ひみつ道具」が登場する。道具の効果にはサイコロの目を変える、ポイントを増やす、ライバルを妨害するなど多種多様なバリエーションがある。
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ひみつ道具は各ターン1回ずつ使用可能。ショップで購入できるほか、ひみつ道具マスに止まったりミニゲームに勝利することでも手に入る。
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マップは周回制で、決まった数(2・4・6いずれか)周回するとゴールになる。途中で不利なイベントが起こったりすると「スペシャルゲージ」が溜まり、満タンになると強力なスキルの「スペシャルわざ」を発動させられる。ゴール後は「ボーナスルーレット」を回し、結果に応じて数ポイントをゲットできる。ただしルーレットの出目には「スカ」もある。
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マップでは途中で「サイコロン」「スゴロイド」の2種類の敵キャラが出現することがあり、同じマスに止まってしまうと様々な妨害を受ける(スゴロイドの方が若干被害が大きい)。
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ミニゲームは誰かが「ミニゲームマス」に止まるか全員が周回するごとに発生し、vs4・1vs3のものがある。ミニゲームにはあらかじめ「しょうひん」のひみつ道具が決められていて、1位のプレイヤーはそのひみつ道具をゲットできる。複数いた場合は勝者全員が貰える。
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一度遊んだミニゲームはメニューの「ミニゲーム」から自由に遊べる。ここでは所謂「ラウンドマッチ」をすることもできる。
評価点
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ボードゲームはルールが単純明快で分かりやすく、ミニゲームも難しすぎない。
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ちょうど『マリオパーティ』シリーズのルールを簡略化したようなものであるが、ポイントの増減以外はほぼ気にしなくていいので難しい戦略が必要ない。低年齢のプレイヤーでもすぐに理解できるだろう。
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ネタの幅が広い
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誰もが見たことがあるだろう「嫌々手伝いを頼まれるジャイアン」「ピー助と再会するのび太」といった光景が本作でしっかり再現されている。
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その一方で原作で1話しか登場しなかったオカルト愛好家の男性が出演する、西部劇世界でのドラミの服装が再現されている、などコアなネタも用意されている。
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イベントマスに止まった際、イラスト付きのイベントが発生することもある。
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BGMには当時のOP曲『夢をかなえてドラえもん』のほか、「のび太のまち」マップでは往年の名曲『ドラえもんのうた』のアレンジまで収録されている。
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3Dモデルは質が高く、ひみつ道具紹介場面はアニメさながら。
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あの「テッテレー」の効果音も、ハード上音色は違うがしっかり収録されている。
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ミニゲームがかなり白熱する。
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BGMは雰囲気を盛り上げる名曲揃いで、タイムアップ間際になるとピッチが上がり焦りを呼ぶ。
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点数のインフレからして凄まじく、そこそこ慣れれば数千点を取るなんてこともザラ。
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ボードマップは元となった世界が上手く落とし込まれていて楽しい。イベントもマップごとに違う。
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内容も多種多様。スタンダードな「のび太のまち」から始まり、運ゲー要素が強い「雲のくに」・大逆転が可能な「うちゅうのたび」など6種類のマップがある。
賛否両論点
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ミニゲームが勝負を左右してしまいやすい。
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スペシャルゲージやスゴロイド・サイコロンなど「運が悪いプレイヤー」に対するフォローはあるものの、ミニゲームが弱いプレイヤーに対する救済が皆無。
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ひみつ道具は使用後にサイコロを振れるものが多い。このためミニゲームに弱いプレイヤーや、ひみつ道具を奪われる標的になり続けるプレイヤーは圧倒的に不利になる。
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そもそもミニゲーム自体「連鎖ボーナス」が大半についているため、上手な人と下手な人で大差がつきやすい。条件によっては50倍近い得点差がつくこともある。
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ただし裏を返せば、同じ腕前の人同士なら余計な介入を受けずにガチンコ勝負ができるということ。ミニゲームの白熱度合いは素晴らしいものになる。
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ポイントの増減が全体的にチマチマしていてキリが悪く、爽快感のあるプレイはなかなか楽しめない。
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ただし何千点も派手に減らされるような設計だと、本作の主なターゲットであろう年少者にはメンタル的に厳しいかもしれないので悩みどころ。
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マップの後半には増減が大きいマスが比較的多く、ここをどう立ち回るかで戦術が生まれている側面もある。
問題点
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スペシャルわざの格差
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各キャラに割り振られた「スペシャルわざ」はそれぞれ効力が違うのだが明らかにバランスが取れていない状態で、慣れた人同士だと差が出る。
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具体的に言うと、ジャイアンとしずかのスペシャルわざが強く、ドラえもんとドラミは弱い。
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なお、状態異常は重ならないので、「のび太」「しずか」「スネ夫」のスペシャルわざは状態異常の相手に使った場合、直前の状態異常は消える。
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ドラえもんの技は「ひみつ道具がランダムで2個もらえる」。
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初期の5人中では最弱。相当運が悪くない限り割と高頻度でひみつ道具が手に入るため、恩恵を感じにくい。しかも、完全ランダムなので狙ったひみつ道具を必ず手に入れられる訳でもなく、手に入れる数でも方法でもジャイアンに劣っており、「ドラえもんのゲームなのにドラえもんが弱い」状況を生み出している。最低限、得られる道具が選べてもよかっただろう。
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ただし強力なひみつ道具が出た場合、一発逆転も可能となる。そのためドラミほど弱くはない。
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のび太のわざは「ライバルのサイコロの目を2ターンの間1にする」。
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1位のライバルの目の前にバッドイベントマスがあるなど、状況次第では強力なのだが、本作では「何も仕掛けがないマス」が存在せずポイントプラスマスの割合が大きいため意図せずライバルのポイントを増加させてしまう事がある。
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ライバルより先に周回すれば多くのポイントボーナスが得られるため、素早く周回したいときなどに役に立つ。ノロマなイメージに反して一着ゴールに近いキャラである。また、マスにしかける系のひみつ道具との相性もかなり良い。
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しずかのわざは「2ターンの間ライバルのひみつ道具を使えなくする」。
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2強その1。ひみつ道具を封じれば2ターンでも相当な差がつくので、その間に相手に妨害しまくろう。
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ジャイアンのわざは「ライバルから1つずつランダムでひみつ道具を奪う」。
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2強その2。ライバルがひみつ道具を持っていなければならないという欠点はあるが、道具3つを奪う点でドラえもんより遥かに強い。しかも他人のスペシャル技で効果を消される事もない。
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一応、「持っていない相手がいる場合はその分他のプレイヤーより多く奪う」という事はないため、ひみつ道具を持っていないライバルがいた場合は奪うひみつ道具の数が減るが、そうなるケースは少ない。
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スネ夫のわざは「ライバルがポイントプラスマスで取ったポイントを自分も受け取る」。
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一見弱そうだが、ポイントプラスマスが大半を占める本作のマップにおいてはかなり有効。減少は受け付けないのでガンガンポイントを増やしまくろう。
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ただし「グッドイベントマス」等での増加は受け付けない。
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ドラミのわざは「2ターン、サイコロの目を1~3から選べる」。
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隠しキャラなのに6人中で最弱。狙ってイベントを起こせる利点はあるものの、出目の幅が非常に狭いため使用タイミングが少ない。素早く進む用途にも代用できないため使い道は極端に限られたものになる。
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一応スペシャル技の影響、ひみつ道具の効果による状態異常を治すことはできる。
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なお、このほかパスワードを入力することで「映画ドラえもん のび太と緑の巨人伝」の衣装のキャラクターを使えるようになるが、これのスペシャルわざは「ライバルがサイコロで出した出目のポイントを手に入れる」というもの。
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強そうに聞こえるが、実はこのわざのみ効果は1ターンしか続かない。しかもライバルは1回休みや出目減らしなどの妨害を頻繁に行うため、意外にも使いにくい。
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オプションでスペシャルわざの有無を設定できるようにしていればよかっただろう。
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マップ「雲のくに」でゲームが延々と長引くリスクがある。
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雲の間を移動するマップなのだが、天気が雨が続くと天気を変えるか「雲固めガス」を使うかしないと雲を渡れなくなる。これが続くといつまで経っても同じ場所を回ることになる。
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一部ミニゲームの操作性が悪い。ボタン操作に対応させるだけで極端に改善したと思われるが…
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「ミチビキエンゼル」で顕著。正しい方向にWiiリモコンを向けてもなかなか成功判定にならない。
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「右です」など簡単な指示なのにCOMもミスしているところを見ると、わざとガバガバな判定にしているのではと思えてしまう。プレイヤーへの救済措置になってはいるが。
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「人間ラジコン」もなかなか成功判定にならず、やり方がわかりにくい。
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他作品にあるような「ミニゲーム前のWiiリモコンの動作確認」がなく、動かないままだと不利になってしまう。
総評
ドラえもん初のWii作品であったが、抑えどころを抑えた良作に仕上がっている。一部に調整不足も見られるものの、全体的に見て子供にとっても遊びやすい作品と言える。
最終更新:2023年09月27日 01:15