Fight of Animals

【ふぁいと おぶ あにまるず】

ジャンル 動物ミーム格闘アクション
対応機種 Steam Windows
CS機 Nintendo Switch
PlayStation 4
開発・発売元 Digital Crafter
発売日 Win 2019年12月19日
Switch 2020年4月30日
PS4 2020年9月24日
定価 Win/Switch 1,000円
PS4 1,540円
プレイ人数 1~2人
レーティング CERO:A(全年齢対象)
備考 共通 ダウンロード専売
最大8人でオンライン対戦可能
Switch おすそ分けプレイ対応
PS4 発売時点で他機種で配信済みのDLCを全て収録
判定 バカゲー
ポイント ネットで有名になったあの動物達 が格闘ゲームに
見た目はネタだが作りはガチ
野性的なゲームバランス


概要

世界中の神々が殴り合う格闘ゲーム『Fight of Gods』を開発した台湾のインディーデベロッパーDigital Crafterが手掛けた「動物ミーム*1格闘ゲーム」。
元々Switch版は3月末の配信を予定していたが、諸般の事情によって開発が遅れ、欧米版が4月9日に、日本版が4月30日にそれぞれ発売される形となった。
そしてSwitch版発売から約半年後の9月24日にはPS4版の配信も開始された。
正式タイトルには入っていないが、パッケージには「Legend of the strongest creature」(直訳:最強生物伝説)というサブタイトルが入っている。

簡単な操作 X 可愛い動物達 X 熱闘!!お好きな動物でバトル!

超!エキサイティング!オンライン機能で世界中のプレイヤーに挑む!

大ヒットだったネタ動物たちに戦わせるとどれだけ激しい戦いになるのか?

簡単な操作 X 可愛い動物達 X 熱闘!!

お好きな動物でバトル!超!エキサイティング!

オンライン機能で世界中のプレイヤーに挑む!

アーケードモードで強敵にチャレンジして、動物の王になる!

パワーフック犬、筋肉狐、二足歩行猫、カラスリラ、マジシャンリス…君を待っている!

(ダウンロードページより引用)

操作キャラクター一覧

本作での名称/読み 日本での通称 元ネタ画像
POWER HOOK DOG
パワーフックドッグ
右フック犬
CROWRILLA
カリラ*2
ゴリラみたいなカラス
WALKING CAT
ウォーキングキャット
二足歩行猫
MAGIC SQUIRREL
マジックスクアロー
水を操るリス
MIGHTY FOX
マイティフォックス
マッスルギツネ
MUSCLE BELUGA
マッスルベルーガ
マッチョイルカ
EGG DOG
エッグドッグ
アザラシ犬 卵犬
SLENDER CAT
スレンダーキャット
のびーるたん imageプラグインエラー : 画像を取得できませんでした。しばらく時間を置いてから再度お試しください。
  • また、オリジナルの隠しキャラとして「TRICKY FOX」「BAD DOG」がいる。それぞれ「MIGHTY FOX」「POWER HOOK DOG」のコンパチキャラであり、アーケードモードを進めていくと敵として登場*3、勝利するとプレイヤーキャラとして使用可能になる。難易度は問わない。

システム

※本記事におけるボタン表記はSwitch版基準で行う。

  • 対戦をメインとした作品であり、ストーリーの類は一切存在しない。
    • ゲームモードは勝ち抜きのアーケード、一戦だけのバーサス、オンライン対戦、トレーニングの四つで、CPU同士や他人の試合を観戦する事も可能。
  • 3Dキャラクターを軸移動無しのフィールドで操作する2D対戦形式。
  • 使用するのはLスティック/方向キーとABXYのみ。
    • 基本操作:Yで弱攻撃、Xで強攻撃、Aで中段/スキル、Bでスーパースキル/バースト、後退で中段ガード、方向キー下のしゃがみで下段ガード、横移動二回入力でダッシュ/バックステップ、方向キー上でジャンプ。
    • 相手に攻撃を当てる、攻撃を当てられる、スキル攻撃を使う事で画面下部のゲージが増加し、満タン状態でBボタンを押すとスーパースキル(必殺技)/バースト(コンボ脱出)が使用できる。
    • また、一部の技後の硬直はダッシュキャンセルで隙消し可能。
  • キャラクターを選択した後、自分でコンボを繋げるスタンダードモードと、自動でコンボが繋がるアシストモードを選ぶことが出来る。そのため、格ゲー初心者でも楽しめるようになっている。

評価点

  • カオス過ぎる操作キャラ達
    • 本作をバカゲーたらしめる根幹の要素であり最大の評価点。
    • 作品情報の画像の時点で察し、キャラクター一覧の項目で確信に変わった人も居ると思うが、本作の操作キャラは全員が インターネット上で有名になった動物の錯視画像 から着想を得て制作されている。初見の人は困惑するか抱腹絶倒すること間違いなし。 かつてこれほど面子の濃い格ゲーがあっただろうか?
    • 各キャラクターの動きは大半が本作オリジナルだが、他の格ゲーや同じ動物の別のネタ画像を元に作られているものもある。しかもそれらのアクションに違和感が無く、見事にキャラクターとマッチしている。
      • 「MIGHTY FOX」はわざわざイントロで下半身を地面に潜らせているという芸コマっぷり。
  • 万人向けのゲームシステム
    • エンジョイ勢や初心者でも楽しめる"笑える格ゲー"としての完成度
      • おすそ分けプレイ(Switch版のみ)やアシストモードも可能なため、ガチ勢でなくとも、家族や友人と爆笑しながらエンジョイプレイをすることができる。
    • シンプルだが奥深い戦略性
      • 本作には所謂"投げ"が存在せず、攻撃の火力が全体的に控えめに設定されており、「どれだけ長く攻撃を当て続けることが出来るか」「どれだけ的確に相手の攻撃を凌げるか」といった点が非常に重要になるため、シンプルな操作にもかかわらず「どんな風にコンボを繋げばよりダメージを稼ぐことが出来るか」という点を研究する楽しさは他の格ゲーに決して劣らない魅力があると言える。
  • BGMも地味に良曲揃い。特にタイトル画面からステージ選択までの間流れているBGMは、聞いてると段々耳から離れなくなってくる謎の中毒性がある。
  • 開発元によるキャラ性能の調整やキャラ追加
    • 特定の技の吹っ飛ばしの高さを下げる、硬直のフレーム数を増やすと言った調整が度々行われており、その点を評価する格ゲーマーも少なくない。
    • また、のびーるたんや卵犬と言った新キャラが無料アップデートで度々追加されていた為、「次はどの面白動物が参戦するんだ」とユーザーをワクワクさせてくれた。

賛否両論点

  • 対戦しか出来ないゲーム性
    • 同社の『Fight of Gods』よりも安いとは言え、ストーリーモード等が無いせいで、一緒に遊べる友達が居ない、又はスタンダードモードでのコンボ構築に楽しみを見出だせなかったりするとすぐ飽きてしまう。
  • CPUが強い
    • 難易度「普通」でもコンボを決めてくるため初心者には厳しめ。*4

問題点

  • 苛烈極まる超火力コンボ
    • 本作最大の問題点。
      Steam版の発売初日から続々と高火力コンボが発見されており、現在もスーパースキル抜きで5割が消し飛ぶのは日常茶飯事。投げが無い分全キャラ共通の中段技もコンボ始動技となっており、コンボ偏重のゲームバランスに拍車を掛けている。 格ゲー初心者やライトユーザーにはその長すぎるコンボが「ハメ」に映ることもあり、オンラインに潜ってコンボを自重しないガチ勢になすすべなくボコボコにされたという声が少なくない。
  • スーパースキルとバーストが任意で切り替えられない
    • ボタンが一つに纏められており、被弾しているか否かで発動する技が自動判別されてしまうのが原因。
      また、どちらもゲージを全消費してしまうため、バーストを意図せず使ってしまった際の喪失感が大きい。
      「別々のボタンに割り当ててほしかった」「バーストのゲージ消費量を下げてくれ」という声が多い。
  • 直訳丸出しの翻訳文章
    • 海外制作のインディーゲーム故仕方のない事だが、チュートリアルは妙な文章が目立ち、CERO:Aなのにフリガナも無いので日本向けにしては不親切なイメージが目立つ。
  • クロスプレイは不可能。知人とハードが合わない場合は買うか諦めるしかない。

総評

ゲームとしては、ゲームバランスがもう少し整っていれば良作であると言えた惜しい作品。
しかし、「身内で楽しめるバカゲー」としてのポテンシャルは十分満たしており、何より「あの右フック犬や二足歩行猫で暴れる格ゲーをやってみたい」という皆の声を実現したという点で、本作が唯一無二の存在感を放っている事は間違いない。
価格も1000円とお手頃でオンライン対戦も可能なため、暇を持て余している友人を誘って遊んでみては如何だろうか。

余談

  • Windows版は2020年4月24日のアップデート(Ver.1.0.5)に伴い、各キャラの追加コスチュームが個別の有料DLCとして配信された*5。Switch版でもバンドルパック(1000円)のみ、6月末に追加された。
    • だが、そのコスチュームはバカゲーらしく、一部は「なんでこんなコスチュームなんだ?」という代物もある。*6
  • アップデートで キャラクターイメージが3Dモデルからイラストに変更された。
  • 2020年11月23日に、戦闘システムをライフ制2D対戦アクションに変更した派生作品『Fight of Animals:Arena』が発表。
    2020年12月17日にSteamで配信開始された。
    • 新キャラとしてリリース時から「カンフーダックスフンド」、後にアップデートで「ふわふわ羊」が追加され、2月26日には本家Steam版にも逆輸入された。Switch版とPS4版も後々実装するとのこと。
最終更新:2022年01月05日 00:05

*1 「meme」という、"インターネット上で広がり有名になったネタ"を示す海外のスラング

*2 ローカライズでの表記。恐らくCROWがカラスに翻訳された為と思われる。原語版の綴りでは「クロウリラ」が近い。

*3 アーケードモードでのラスト2人は必ず「TRICKY FOX」→「BAD DOG」の順で戦うことになる。

*4 最初の一本を取れても、その後の戦闘ではAIが強化されるためか、歯が立たなくなる現象が目立つ。

*5 バンドルパックとしてまとめての購入も可能

*6 特に「マッスルベルーガ→寿司職人」、「ウォーキングキャット→侍」なんかはわけがわからないレベルである。