ケモノ娘の育て方
【けものむすめのそだてかた】
| ジャンル | 山で拾ったケモ耳少女の成長を見守るADV |  
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| 対応機種 | Windows 7/8/8.1/10 | 
| 発売・開発元 | SWEET&TEA | 
| 発売日 | 2018年9月28日 | 
| 定価 | 3,500円(税別) | 
| 判定 | なし | 
| レーティング | アダルトゲーム | 
| ポイント | ケモノ要素がやや人を選ぶ 暗い要素も意外と多い
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概要
株式会社クリアレーヴの新規ブランド「SWEET&TEA(スウィーティー)」の2作目。
アダルトゲーム市場において、本作の価格3,500円は、ロープライスの中では高めの価格設定である。
2016年6月24日に発売されてスマッシュヒットした『オトメ*ドメイン』と同じくNYAON氏がメインシナリオライター。
ストーリー
田舎暮らしの学園生――幸坂修司はある日のこと、山の中で謎のケモ耳を尻尾を生やした、奇妙な少女を拾う。
彼女は十年以上も前に、その山で “神隠し” に遭った女の子のなれの果てだった。
どんな暮らしをしていたのか、言葉を忘れ、常識を知らず、人間なのかすら怪しい少女――いろは。
成り行きから彼女の面倒を見ることとなった修司は、
非常識に振り回されつつも、その無邪気な姿に惹かれていく。
けれど、この世界は決して誰もが優しいだけの場所ではなく。
彼女が失った時間は、あまりにも長く、取り返しがつかなくて。
いろはを取り囲む現実と不安な未来。
それを目の当たりに、自然と修司の心には一つの気持ちが満ちてくる。
どうしてなのかな? 君を守りたいって思うのは――
――雪解けの季節。凍っていた時間が、動き出す。
(公式サイトより抜粋)
特徴
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選択肢は2択と3択が数か所
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エッチシーンに入るか、エッチシーンを飛ばすかの選択肢がある。
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エッチシーンをこなしていけばエンディング後に、追加シナリオに入る。
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いわゆる中/外の選択肢はない。
 
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直後のテキストがわずかに変わるだけの選択肢もある。
 
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2話構成
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いろはと出会う1話と、過去のいろはを知る人物を掘り下げる2話が存在する。
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話は地続きであり、今が何話なのかはセーブ時に表示される。
 
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メインヒロインはパッケージの2人
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エッチシーンは各自2シーン+3Pの合計5つ。サブヒロインはエロなし。
 
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ゲームエンジンはクリアレーヴ系列の過去作と同じ。
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Pキーが緊急回避に設定されており、押すとSD絵か真っ黒な画面がランダムで表示される。
 
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ヒロイン5人+ブランドのマスコットキャラ「チャティ」から、システムボイスを設定可能。
評価点
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グラフィック
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満場一致で高評価の要素。長い髪・耳・尻尾のバランスが取れたいろはの一枚絵は特に人気。
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立ち絵も充実しており、会話時の表情差分が多く、背中を向けた立ち絵を利用して振り向きや距離感が演出されている。
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立ち絵のケモ耳はアニメーションする。オンオフは切り替え可能。
 
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自然な光の指し方や水の表現等による神秘的な背景も、ストーリーの要所に合っている。
 
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音楽
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ピアノ曲がキャラクターの感情を引き立てており、特に終盤は感動的な雰囲気に仕立て上げている。
 
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システム
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バックログジャンプやショートカットキーなど便利な機能が揃っている。
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おまけに立ち絵鑑賞モードがあり、自由にテキストを入力できる。
 
賛否両論点
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ケモノ要素
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いろははネズミや雑草を生で食し、他人の畑の野菜を無断で食すなど、人間とは異なる感性で生きている。
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ゲーム開始時点では四則演算も知らず、話し方はたどたどしい。
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こういった描写から「美少女に耳付けただけ」にはなっておらず、ケモノらしさを感じられるが、引いてしまう要素にもなりうるため賛否両論。
 
 
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人物描写
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ネズミを生食するいろはを見て、気分を害して立ち去る妹であったり、ライバルと見なしてきつく当たる幼馴染だったりと、素のいろはに対して優しく接する人物が存外少ない。
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モブキャラの住人たちからは、ケモ耳を警戒され、野菜泥棒の件がすぐに広まり距離を置かれる。
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サブキャラの教諭「木坂 愛鈴」は、いろはに再生力があるからといって、いきなりカッターナイフで斬りつける等、人間扱いしておらず当たりが強い。
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教諭は極端にせよ、他のキャラの心情は十分理解できる範囲であり、共に過ごすうちに和解するので暗い面ばかりではない。
 
 
問題点
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実質的に一本道
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正しい選択肢を選べば1周ですべてのCG・シーンを回収できる。
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選択肢によっては、一度もエッチすることなくエンディングを迎えられるが、CG回収が面倒なだけである。
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選択肢ジャンプ機能があるため回収は容易ではあるが、選択肢の意義が薄い。
 
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尺の足りなさ
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前述したようにヒロインも含めて癖があるため、キャラ萌えできるかは個人差がある。
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かといって、シナリオはさほど掘り下げられず、いろはが人間社会に溶け込み始めたところで終わる。フルプライスゲームの共通ルートで終わるような物足りなさがある。
 
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おまけのムービーの項目を開いた際に「オープニングとか見れるわよ」とボイスが流れることがあるが、この項目にはオープニングムービーしかない。
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エンディングムービーでも入れるつもりだったのだろうか? 実際のエンディングは一枚絵にスタッフ名が流れるだけである。
 
総評
ほのぼのとした田舎でのケモ耳少女とのイチャイチャ生活……ではなく、獣の倫理観で生きる少女を人間生活に適応させる話である。
ロープライスを考慮しても薄目な内容で、シナリオゲーともキャラゲーとも言い難い中途半端な内容ではあるが、田舎や人間の嫌な面も受け入れられそうなら、購入を検討してもいいだろう。
余談
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スタッフロールでサブシナリオとクレジットされている和泉万夜氏は、一部エッチシーンを担当している。(本人ブログより)
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2019年10月12日に『How to Raise a Wolf Girl』のタイトルでSteamでも販売された。
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公式サイトに記載されていないCGがSteam版のサンプルに数枚掲載されている。ネタバレをあまり気にしない人は購入前にこちらもチェックするといいだろう。
 
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クレアリーヴ自身が運営している基本無料ゲーム『ぼくらの放課後戦争!』との関連
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『ぼくらの放課後戦争!』のゲーム内で『ケモノ娘の育て方』の体験版が配信された。
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批判・要望が多かったため、1週間後に『ケモノ娘の育て方』単体で体験版が配信された。
 
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『ぼくらの放課後戦争!』のゲーム内でカードを受け取るシリアルコードが、本作に付属している。
 
最終更新:2020年05月08日 18:42