あまいろショコラータ

【あまいろしょこらーた】

ジャンル マイ・フェイバリット・ケモミミADV
対応機種 Windows 8.1/10
発売・開発元 きゃべつそふと
発売日 2020年1月31日
定価 4,800円(税別)
レーティング アダルトゲーム
判定 なし
ポイント 獣人×喫茶店
価格を考慮してもやや物足りない
きゃべつそふと作品

概要

「きゃべつそふと」ブランドの3作目。
発売前にディレクターは本作について「鬱無し闇無し萌えまくりの安心設計」と説明している。参考

このブランドでは初のミドルプライス作品であり、公式サイト・パッケージ等でメインヒロインは2人だと明記されている。
原画は「 梱枝 (こりえ)りこ」氏と「しらたま」氏の二人で、2キャラずつ担当している。太字はメインヒロイン。

梱枝りこ 天宮 みくり、舞羽 ナナ
しらたま 雪村 千絵莉、御園 苺華

タイトルの「あまいろ」は「甘色」、「ショコラータ」は「チョコレート」を意味する。(「あまいろショコラータ 好評発売中ムービー」より抜粋)
公式の略称は「あまショコ」。


ストーリー

季節は秋。
木々が色付き始めた頃、少年は夕渚町へとやってきた。
少年が最初に出会ったのは、1人でチラシを配るかわいい猫耳のウェイトレスさん。
「き、喫茶『セタリア』ですっ。よろしくおねがいしますっ」
ウェイトレスさんに案内されて喫茶店に入ると、そこには同じくケモノ耳の女の子たちがいた。
不思議そうにする少年に、彼女たちが困った顔でこう尋ねる。
「もしかして、この耳、見えてますか……?」
彼女たちの正体は獣人という種族で、耳やしっぽは普通の人間には見えないものだと説明する。
そして秘密を知ってしまった少年は、仲間として一緒に喫茶店で働くことに。
少年は人間と獣人の違いに驚いたり感心したりしながら、今日もケモ耳っ娘たちとともにお仕事をがんばります。
 (公式サイトより抜粋)

特徴

  • 前述したようにメインヒロインは2人。
    • サブヒロイン2人は立ち絵があるが、一枚絵はない。
  • 3択の選択肢が1箇所あるだけのノベルゲーム。
    • 内2つは個別ルートに入り、残りは即座にノーマルENDという極めてシンプルな作り。
  • 3つのENDを見るとタイトル画面に【ハーレム】の項目が追加される。
    • 内容はメインヒロイン2人とのエッチシーンなので、実質3Pである。

評価点

  • キャラクター
    • ポメラニアン、ロシアンブルー等の実在する犬猫をモデルとしており、かわいらしく二次元に落とし込めている。
    • キャラデザにとどまらず、人懐っこいみくり・気難しい千絵莉と性格にも表れている。
    • 千絵莉は序盤こそとっつにくさを感じるが、本人が気難しい性格を自覚しており、中盤からはそこも含めてかわいく見えてくる。
      対して、みくりは序盤から素直で明るく、ムードメーカーのような存在である。メインヒロイン2人の性格が対比となっており、お互いの魅力を高めている。
    • 人によってはサブキャラの方が魅力があったと評するように、サブキャラ2人もメイン2人と違う性格付けで人気がある。
  • シナリオ
    • 固有名詞が少ないため、覚えるべき情報が少なくサクサクと読み進められる。
    • 喫茶店設定が程々に生かされている。
    • コーヒーや果物の豆知識がいくらか提示される。作中で生かされる設定ではないが、現実にも通用する知識なので覚えて損はない。
    • ヨーロッパ風の背景やBGMも相まって、温かみのある空気が演出されている。

賛否両論点

  • 恋愛観
    • 主人公は大人びており落ち着いた性格。序盤は気難しかった千絵莉の態度も受け入れる懐の広さを感じさせる。
    • 対してヒロインはやや世間知らずで主人公に導かれる場面が多い。
      • そのため「説教臭い」「対等であってほしい」という意見がある。
    • 恋愛の過程も早めで、みくりは早い段階で子作りに積極的。ダレにくいが、展開が早すぎるとも感じられる。
    • ハーレムは存在自体が賛否両論。「エッチシーンの一枠として受け入れられる」とも、「作風に合っていない」とも言われる。

問題点

  • ミドルプライスを考慮してもやや物足りない内容
    • 獣人の過去等がいくらか提示されるが、掘り下げない設定がいくらかある。
    • 主人公だけがケモ耳を認識できる理由等もぼかされたままである。
    • ノーマルエンドはすぐに終わる。続編への布石だが、本作単体で見ると物語にほぼ関与しない分岐である。
  • 街中で物が落ちてきて主人公がヒロインを庇うシチュエーションが複数回ある。
    • ヒロインを守る主人公の演出としてはよくあるネタだが繰り返すため、街の治安の悪さを少々感じさせる。
  • 体験版にあったシーンがカットされている。
    • 誕生日祝いの準備をするエピソードがなくなっているため、誕生日を祝おうと決めてから誕生日祝いの流れが性急になっている。
    • 体験版は無料配信なので補完は可能。プレイヤーが不愉快になるような描写は特になく、カットされた理由は謎であったが、2020年7月20日にディレクターによる解説がなされた(有料記事なので注意)。
  • CG鑑賞モードで2か所のタブが「????」のまま埋まらない。
    • 4ヒロインの前作のエンジンを流用したのが原因である。本作は2ヒロインなので2枠が無意味。
    • 指摘されやすい問題点であり、4ヒロインのゲームを分割してミドルプライスで発売したような印象を受ける。
  • 一部環境下でフォントを選択する際に強制終了してしまう不具合があった。修正パッチで改善された。

総評

「鬱無し闇無し萌えまくりの安心設計」に偽りなしの内容。
投げっぱなしだったり生かされない設定があり、やや物足りなさはあるものの、獣人や喫茶店モノが好きならそれなりに楽しめるだろう。


その後の展開

  • 2020年3月19日にSteamで中国語版が2,570円で配信された。こちらは全年齢版…という建前で18禁シーン解除パッチが配布されている。
  • 発売記念トークショーにて、『あまいろショコラータ2』が発表されており、2021年5月28日に発売された。
    • 2023年6月29日にSteam版も配信開始された。こちらはUIの日本語表示に対応していない。
  • 2023年11月24日に『あまいろショコラータ3』が発売。
  • 2024年3月28日にdramatic createによるSwitch移植版『あまいろショコラータ』が発売。詳細は後述。

余談

  • ヒロインの名前は果物が元ネタ。
  • FANZAダウンロード版はパッケージ版と同日に発売された。
  • ゲーム外のグッズ・ボイスを付属した限定版も発売されている。
    • 描き下ろし抱き枕カバー付き版(2種類)15,800円。
    • システムボイス等が付いた限定版(ダウンロード版)5,800円。
      • ダウンロード版も通常版は4,800円である。
  • 2020年1月14日にマイクロソフトのWindows 7のサポートが終了しており、本作の動作環境からも7が外されている。
    同日発売のアダルトゲームはWindows 7が動作環境に含まれているものがいくつかある。
    • ただしWindows 7でも特に問題なくプレイ可能である。
  • 制作発表のタイミングやクリエイターの関係でQUINCE SOFT2作目の『あにまる☆ぱにっく』、きゃべつそふと4作目の『さくらの雲*スカアレットの恋』と本作の情報が混合されがちだった。
  • 萌えゲーアワード2020にて「キャラクターデザイン賞」を受賞した。
  • ゲーム内容に本作との接点はないが、YouTubeで公開された「あまいろショコラータ 発売日前カウントダウン」の4日前3日前に『アメイジング・グレイス』のキャラクターがスペシャルゲストとして登場した。
    • その影響か『アメイジング・グレイス』のシナリオライター「冬茜トム」が本作のスペシャルサンクスに記載されている。
    • なお続編『あまいろショコラータ2』の3日前ムービーにも『アメイジング・グレイス』のキャラクターがスペシャルゲストとして登場している。


あまいろショコラータ (CS版)

【あまいろしょこらーた】

対応機種 Nintendo Switch
発売・開発元 dramatic create
発売日 2024年3月28日
定価 4,800円(税別)
レーティング CERO:D(17才以上対象)
判定 なし
ポイント 追加OP・CGあり
システムが改良された

概要(CS版)

  • アダルトゲームの移植を多く手掛けるdramatic createによるコンシューマー移植版。
  • PC版の『あまいろショコラータ3』より後に発売されている。

特徴(CS版)

細かい差異はあれど、原作と同じく一般的なノベルゲームである。

  • システムの変更点
    • CGモードのタブが整理され、「みくり」「千絵莉」「BG1(背景)」「BG2」「OTHERS」の5つに。原作の「????」タブはなくなった。
    • シーン回想モードの追加。ゲーム進行に応じて自動で埋まっていき、一枚絵のある場面をテキスト付きで見られる。
    • ボイスセーブ機能が追加され、任意のタイミングで登録した好きなボイスを後から簡単に聞き返せる。
    • テキストを日本語・英語・中国語(繁体/簡体)から選択可能。ただしボイスは日本語のみ。
  • 追加要素
    • 新規オープニング曲「カラフル*Pastelcolor」に変更。
    • CG鑑賞モードから閲覧できる新規CGが数枚追加。テキストは追加されていない。

評価点(CS版)

  • システムの改良
    • ボイスセーブやシーン回想の追加により、お気に入りの場面の見返しが安易となった。

問題点(CS版)

  • 原作の問題点項目で述べた、体験版限定のシーンが今回も収録されていない。
  • CG鑑賞・シーン回想モードに登録される順番が一部前後している。
  • BGM鑑賞モードでCS版の新曲「カラフル*Pastelcolor」を再生しようとすると、原作OPの「きらめき*Chocolaterie」が再生される不具合があった
    • パッチにより、別枠で2曲とも聴けるように修正された。

総評(CS版)

システムが改良されたが、基本的な部分は原作と変わらないためよくあるエロゲー移植である。
アダルト要素を重視しないプレイヤーや、原作のコアなファンなら購入候補になるだろう。

最終更新:2024年06月28日 09:47