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R-TYPE

【あーるたいぷ】

ジャンル 横スクロールシューティングゲーム
対応機種 ゲームボーイ
メディア 1MbitROMカートリッジ
発売元 アイレム
開発元 Bits Studio
発売日 1991年3月19日
定価 3,600円(税別)
判定 なし
ポイント カットされた部分が目立つが頑張っている移植
やたら硬くなったボスキャラ達
対空レーザー&ビットどこ?
R-TYPEシリーズ


概要

1985年にアイレムからアーケードでリリースされた横スクロールSTG『R-TYPE』(以下「原作」)をゲームボーイに移植したもの。
この次の初代R-TYPEの移植は、PCエンジン版2本を1本に纏めて再販した『R-TYPE COMPLETE CD』のため、PS以前の移植では実質最後発になる。

開発はアイレム本社ではなくイギリスのBits Studioが担当。


システム等

主なシステムはアーケード版と同じなので割愛。ここでは主な違いについてを述べる。

  • 主な操作方法は、十字ボタンでプレイヤーの移動、Bボタンでショット、Aボタンでフォースの射出・呼び出し。ショットは長押しで波動砲を撃ち出せる。
  • 自機「R-9」の装備
    • 基本的な装備は原作と同様。今作では移植に当たって「ミサイル」が削除されてしまった。
    • 「フォース」は原作同様、2段階までパワーアップするが、対空レーザーのみ段階の概念が削除され、1段階パワーアップした時点で2段階目の対空レーザーを撃つ事が出来る。
    • 各レーザークリスタルは原作では色が付いていたが、今作はモノクロという事で再現されず、代わりに数字が書かれたアイコンに変更されている。
  • ステージ・BGM
    • 今作では容量の都合なのか移植に伴いステージ4「前線基地」とステージ5「巣」が削除され、全6ステージに変更されている。
    • ステージ内のBGMも同様に容量の都合で大幅に削除され、奇数ステージではステージ1、偶数ステージではステージ2のものが流れる仕様に変更されている。
    • 原作同様、全2周END。
  • オプション画面
    • 今作はタイトル画面でセレクトボタンを押すとオプション画面に入る事が出来る。
      • オプション画面では難易度設定やBGM及びSEの音量調整が出来る。

評価点

  • GBで再現されたR-TYPE
    • 今作は初めてGBで発売されたシリーズ作品ではありながら、原作再現について力を入れているクチがある。
    • 自機のR-9はミサイルこそ削除されているものの、原作に登場したほぼ全ての装備が再現されている。
      • 対空レーザーと反射レーザーはスプライト表示の関係で透過状態になっているものの、原作で特徴的だったグラフィックを再現。特に後者はGBの初期タイトルながら、『パロディウスだ!』同様の長いレーザーを再現している。
    • ステージ面は原作から2つ削除されてしまったものの、それ以外のステージについてはギミックや敵キャラクターといった物を極力原作に近づける様に再現されている。
      • 3面の戦艦「グリーン・インフェルノ」や2面の「インスルー」と「ゴマンダー」といった、原作で印象的だったキャラクター達はそっくりそのまま再現。特に「ゴマンダー」は非常にアレなデザインではあるが、規制に厳しい任天堂ハードの割には原作そのままな姿で登場している。
  • 難易度の低下
    • 今作は原作を踏襲した攻略法が使えるが、アーケードより対象年齢の低い携帯機への移植という事もあり、全体的に難易度が下がっているため、練習すれば初心者でも十分にクリア出来る。
    • 1機落とした後のリカバリーも同様。復活パターンも内容自体は原作でのパターンに似ているが簡略化されているので、どのステージも最終的に簡単に立て直しが出来る様になっている。
    • 復活パターン自体が原作を踏襲している事もあり、今作のクリア後に原作に挑戦した際に今作で確立させた復活パターンが参考になるかもしれない。

賛否両論点

  • 周回プレーについて
    • 今作は原作同様2周ENDではあるが、2周目は難易度が上がらず1周目と同じ難易度になっている。
      • 原作における2周目の凶悪難易度が再現されておらず、熱心な原作プレイヤーからガッカリされてしまう部分ではある。
      • 一方、2周目は1周目と同じ難易度になっている事から、例によって初心者でも簡単に2周クリアを達成できる。この点は同社が前年にファミコン向けに発売した『イメージファイト』の移植と共通している部分ではある。

問題点

  • ボスが固い
    • 今作は携帯機オリジナル要素という事なのか、どのボスも原作から大幅に耐久力が上昇してしまった。
    • ボスの耐久力が上昇した事によって、原作で出来た「波動砲や対空レーザーでボスの弱点を集中攻撃して瞬殺」という事が出来ず、ほぼ全てのボス戦で「フォース本体をボスの弱点に当て続けてジワジワと体力を削っていく」という、所謂ラスボスの「バイド皇帝」に近い戦術を取らざるを得なくなってしまった。そういえば、今作から半年以上後にコナミがアーケードでXEXEXをリリースするが、偶然にも似た戦い方になってしまっている。
    • STG界隈では『怒首領蜂』などの作品で硬いボスとの戦いが採用されている事から一概に悪い点ではない。しかし、R-TYPEではボスの瞬殺によるカタルシスが作品の魅力の一つとも言うべき内容であり、それが出来なくなってしまったら賛否が分かれてしまうのは否めない。
  • 視認性に欠けるレーザークリスタル
    • 今作ではモノクロハードへの移植に当たって、レーザークリスタルのデザインが変更されているが、書かれている数字だけではパッと見では見分けが付かない。
  • 偏っている強化アイテムの配置
    • レーザーアイテムのうち、対空レーザーは原作通り1面で初登場するのだが、以降は殆ど登場せず、再登場はゲームも終盤に差し掛かった5面と非常に遅い。
    • 加えて、対空レーザーの独壇場とも言うべき原作の4面と5面がカットされてしまい、只でさえ出番の少ない対空レーザーの出番が更に少なくなってしまった。このため、今作は対空レーザーの出番が非常に少ない上、結果的に反射か対地を使い分けるのが基本になってしまった。
      • 対空レーザーはR-TYPEの名物の一つというべき装備なのだが、極端に出番が少なくなってしまうのは、シリーズのファンにとって残念な点と言わざるを得ないだろう。
    • 自機装備の一つのビットについても同様。こちらは原作通り1面のボス前で初登場するのだが、原作の4面がカットされてしまった事により、何と再登場は原作の7面にあたる5面。しかもボス直前という最終面を目前としたタイミングとなる。
      • 原作では4面にビットが登場する事により、ゲームが中盤に差し掛かるという段階でフル装備にする事が出来たのだが、結果的に今作でのフル装備は最終ステージ直前でようやく達成する事が出来る。正直言って、遅すぎと言わざるを得ない。
  • 移植の際に削除された要素が多い
    • 今作は容量面で劣る携帯ハードでの発売という事もあり、カットされてしまった要素は多い。
    • 自機の装備については、ミサイルこそ削除されてしまったものの、まだマシに感じられる。一方、ステージやBGMの削除については賛否が分かれやすい。
      • 原作から2ステージが削除されてしまった点は、まず単にボリュームが減少している事でもある。当然ながら同ステージに登場した「コンバイラー」や「ペルメイト」といったボスや「ムーワ」といった雑魚敵も今作に登場しなくなってしまった。
      • BGMが2種類のみになってしまった点について、特に4面(原作の6面)で賛否が分かれている。同ステージでは元々明るい曲調の楽曲が使われていたのだが、移植に伴い暗い雰囲気の楽曲になってしまった。曲自体は悪くないものの、正直ミスマッチである。
      • ゲームオーバーやネームエントリー、コンティニュー画面のBGMも削除されてしまった。同画面では一切音が鳴らないため、原作よりかえって不気味に感じられる事がある。
      • このように、今作はステージのBGMはおろか、ゲームプレーに差し支えの無い部分の楽曲まで削除されてしまった事により、今作のBGMの数は原作の半分に満たない程度になってしまったのが否めない。
      • ちなみに後に発売された移植版の「MUSIC ENCOREモード」(後述)ではステージBGMが原作準拠の物に差し替えられているが、あくまでステージBGMのみの対象という事もあり、相変わらずゲームオーバー等については手が付けられていない。

総評

移植担当を海外メーカーに任せた結果、残念な部分が見えてしまった移植。
今作は原作再現度が高く、携帯機初進出作品にしては良くできているのだが、瞬殺できなくなる程上昇したボスキャラの耐久力やアイテム配置の偏りといった要素で評価を落としてしまった。
その様な事から、今作はゲームボーイの初期にリリースされたタイトルだけに「携帯機移植とは何か?」を強く問わざるを得ない作品と言えるだろう。


その後の展開

  • 今作発売の翌年には続編の『II』もGBに移植されている。
    • 同作は1992年当時における国内唯一の『II』名義の移植なのだが、今作で問題視されていた部分にテコ入れが施されていたりと、少なくとも今作よりは完成度が上がっている様子。

余談

  • 今作以前にはコモドール64やZXスペクトラム、AMIGAといった様に、本作同様海外メーカー開発によるホビーPCの移植作品が存在する。
    • これらは基本的に据え置き機という事もあるのだが、どの移植作もボスの耐久力については流石に今作の様な理不尽な硬さではない。
    • ちなみに、今作のタイトル画面はドプケラドプスが描かれている構図になっている。国内のプレイヤーにとって見慣れない物だが、これは各海外ホビーPC版からそのまま引っ張ってきた物である。
  • 裏技について
    • 今作では裏技を用いる事でお絵描きモードの「DE SOUZA EDITOR」に入る事が出来たり、残機消費をOFFにする事が出来る。
      • 前者は『DX』(後述)収録版の今作ではモノクロ・カラー共に行くことが出来ないが、「DXチャレンジ」モードクリアのご褒美としてメインメニューから単独で行けるモードに変更された。このため、残念ながらモノクロ表示での同モードは実質削除という形になっている。
  • 講談社月刊漫画誌『コミックボンボン』にて当時連載されていたゲームボーイプレイヤー漫画『ロックンゲームボーイ』(池原しげと)では、主人公の南波一が敵組織「BUG」が運営するゲーム塾「ハルメン塾」の塾生、活戸勝と本作で戦った。
    • 勝負は「1周先にクリアーした方が勝ち」というルールで行われ激闘の末に一が制するのだが、決着がついて活戸も敗北を認めたものの一はやめようとせず、そのまま始まった2周目に没頭していた。その理由を聞くと「勝負は関係なしにこのゲームが楽しいから満足いくまでやるんだ」と答え、ゲームは楽しいものと知った活戸がその考えに感動して仲間になるきっかけになったゲームである。
      • 直後活戸は一たちをBUGの輸送船に忍び込ませる役目を買って出て、一たちがつかまっている子供たちの洗脳を解いて解放したところを見届けると、子供たちを洗脳したBUGの幹部「マジシャン(ハルメン塾の塾長)」を道連れに爆発する船と運命を共にする。*1仲間になったのもつかの間、彼自身純粋にゲームを楽しむことに目覚めながらも、できないまま死を迎える悲しい結末に終わった。

移植など

  • 後にゲームボーイカラーにて今作と『II』とのカップリング作品『R-TYPE DX』が1999年3月25日に発売されている。発売元はエポック社。
    • 同作収録版は例によってカラー化が施されているが、それに伴いゲームのグラフィックも原作に近い内容の物に差し替えられている。
    • 同作は更に後に2026年4月27日に『R-TYPE DX: Music Encore』として現行機に移植。同作では今作及び『DX』の内容に加えて、ステージ内のBGMが原作と同様の物に変更された「MUSIC ENCOREモード」が新たに追加されている。 『R-TYPE DX: Music Encore』は2026年7月27日以降より記事作成が可能。
  • 2012年5月17日に発売されたニンテンドー3DS『パチパラ3D 大海物語2 パチプロ風雲録・花 希望と裏切りの学園生活』収録の『アイレム名作コレクション Vol.1』には今作が単独で収録されている。

最終更新:2026年05月28日 16:57

*1 なお洗脳マシンを停止させる条件は、GB版『パロディウスだ!』を4人のプレイヤーで同時にクリアするというもの。